

宮崎駿も涙した才能…「物語の解釈」で名曲を生むテーマソング職人・米津玄師
シンガーソングライター・米津玄師の活躍ぶりが凄まじい。もとより歌手として世間に名を轟かせていたが、近年ではアニメや映画、ゲームなどのタイアップによって存在感さらに示している。さながら「テーマソング職人」とでも言いたくなるほどの活動量だ。
今年発表された米津のタイアップ曲といえば、ゲーム『FINAL FANTASY XVI』のテーマソング『月を見ていた』が記憶に新しい。さらにスタジオジブリ最新作『君たちはどう生きるか』の『地球儀』も提供しており、こちらは宮崎駿監督が楽曲を聴いて泣いた、という逸話もある。
もちろんファンからの評価も圧倒的だが、そこでよく指摘されているのが、原作に対する解釈の解像度の高さだ。たとえば2022年に公開された映画『シン・ウルトラマン』の主題歌『M八七』は、その代表的な例だろう。
同楽曲の冒頭に置かれているのは、≪遥か空の星がひどく輝いて見えたから 僕は震えながらその光を追いかけた≫という歌詞だ。『シン・ウルトラマン』の内容と照らし合わせるなら、ここには主人公・神永新二と、遠い星からやってきたウルトラマン両者の視点が織り込まれているように見える。
「遥か空の星」は「地球」と「M78星雲」を直接的に表している一方で、神永が見たウルトラマンと、ウルトラマンが見た神永の存在を同時に表現しているのではないだろうか。禍威獣と戦うウルトラマンの力、そして子どもを守って命を落とした神永の強さは、両者にとって「ひどく輝いて」見えた……というように。
また、「僕」はかつてウルトラマンに焦がれた米津自身を示唆するようでもある。ほかにも同楽曲には、『シン・ウルトラマン』の内容と深くリンクしたフレーズが溢れており、タイアップ曲としてこの上ない出来となっていた。
他方で昨年放送されたアニメ『チェンソーマン』(テレビ東京系)の主題歌『KICK BACK』も、原作理解度が高い歌詞だったと言えるだろう。それはいわば、主人公・デンジの生き様をすくいとるような内容だった。
デンジは欲望に忠実な性格だが、その原動力となっているのは過酷な幼少期の経験であり、「普通に生きて普通に死ぬ」ことを切望していた。しかし人並みの生活を送ったことがないデンジにとって、幸福のイメージはつねに漠然としている。その空虚さを表現しているのが、≪幸せになりたい≫≪楽して生きていたい≫というフレーズだ。
ちなみに『KICK BACK』のリリース時に公開された特別ラジオ番組『KICK BACK Radio』で、米津は「(人が)どん底にいるときって、具体性を失っていくっていう。抽象的になって」「幸せになりたいが、そこに向かっていく道筋が全くわからない。そういう状況ってあると思うんですよね」と語っていた。デンジの生き様を正確に認識したうえで、楽曲を作っていたことが分かるだろう。
また、同楽曲にはモーニング娘。の『そうだ! We’re ALIVE』から、≪努力、未来、A BEAUTIFUL STAR≫というフレーズがサンプリングされている。『チェンソーマン』とはまったく関係がないように見えるものの、実は作中で銃の悪魔が襲来した年は、「モーニング娘。」のデビューと同じ1997年だった。
たんに時代背景が同じなだけではなく、バブル崩壊後の空虚な幸福論を歌っている点でも通じる部分があり、作品と深く向き合った姿勢が感じられる。
こうしてタイアップ作品への理解度の高さによって名曲を生んできた米津だが、元々彼の作曲スタイルは、“物語”を原動力とすることが多い。2018年にリリースした『Flamingo/TEENAGE RIOT』のカップリング曲『ごめんね』は、人気ゲーム『Undertale』にインスパイアされた楽曲だった。
おそらく米津の作曲活動は、物語に深く潜り込んでいく行為と密接に結びついているのではないだろうか。その才能がすぐれた作品とのタイアップで発揮されるのも、当然の成り行きだったのだろう。
関連記事
-
SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業ENTAME next
-
美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】ENTAME next
-
10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」ENTAME next
-
中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」ENTAME next
-
桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開ENTAME next
-
似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」ENTAME next
「音楽」カテゴリーの最新記事
-
ONE N’ ONLY・REI(沢村玲)公演中に足負傷 演出を一部変更へ「メンバー及び本人と協議した結果」【全文】モデルプレス
-
平手友梨奈、初のワンマンライブ決定 ソロ活動後初ライブでサプライズで発表モデルプレス
-
ももクロ高城れに「JAPAN JAM 2025」欠席 フェスは3人で出演へ【全文】モデルプレス
-
橋本環奈はなぜ実写化がうまい?『おむすび』よりハマり役『天久鷹央の推理カルテ』でみせる魅力ENTAME next
-
<4月29日は国際ダンスデー>2025年版 読者が選ぶ「ダンスがうまい女性グループメンバー」トップ10発表【モデルプレス国民的推しランキング】モデルプレス
-
<4月29日は国際ダンスデー>2025年版 読者が選ぶ「ダンスが上手い男性グループメンバー」トップ10発表【モデルプレス国民的推しランキング】モデルプレス
-
島谷ひとみ率いる『Yashinoki』がグランベリーパークでデビューライブ開催WWS channel
-
5月5日放送「CDTV」出演アーティスト&SP企画発表 超特急・とき宣・櫻坂46ら出演決定モデルプレス
-
YOSHIKIプロデュース「美麗-Bi-ray-」ドジャースタジアムで米国国歌斉唱が決定!世界デビューへ向け本格始動開始。WWS channel