白濱亜嵐(提供写真)

PKCZ(R)初の単独ライブ完走 三代目JSBらLDHメドレー&サプライズで“ぴけし隊”に感謝届ける<ライブレポ>

2023.06.27 20:21

フロントメンバーとして、白濱亜嵐EXILEGENERATIONS)、EXILE MAKIDAIDJ DARUMAを擁するクリエイティブユニット・PKCZ(R)が、初の単独ライブ「『PKCZ(R)感謝祭2023』〜100万回のアリガトウ〜」を東名阪で開催。ここでは、6月23日に渋谷・Spotify O-EASTにて開催された東京公演の様子をレポートする。


PKCZ(R)、パワフル煽りで盛り上げる

PKCZ(R)(提供写真)
PKCZ(R)(提供写真)
PKCZ(R)は昨年12月に「T.O.K.Y.O.」(DA PUMP「U.S.A.」の公認アンサーソング)のMVを公開した際、「公開から2週間で100万回再生を超えたら初の単独LIVEを開催!」という公約を掲げており、ぴけし隊(PKCZ(R)ファンの総称)の強力サポートのおかげで見事ミッションをクリア。華金の渋谷を舞台に、全力で“ぴけし隊”への感謝の気持ちを伝える3人と、単独ライブを待ちわびていた“ぴけし隊”による、熱狂の宴が繰り広げられた。

開演前から、白濱による影アナウンスで一気に沸くフロア。見渡せば、1階はすでに後方まで埋まり、ライブハウスでのオールスタンディングに慣れていない観客には、なかなかハードな空間が広がっていた。そんな不安を察するように「お隣の人、前後の人に優しい気持ちを持って、ライブをご覧になってください。“はい”は?」と語りかけると、フロアから元気な返事が届く。それはまるで“お互いに身体と心を預け合って全力で楽しむこと”への選手宣誓のようで、コロナ禍以降、封印されていた密度の高いライブが、今まさに始まろうとしていた。

ほどなくして、ラジオ『TOKYO M.A.A.D SPIN』(J-WAVE)の番外編と題し、同番組の金曜パーソナリティを務めるMAKIDAIとDARUMAが影アナウンスに登場。軽快なトークでひとしきり盛り上げた後、凄まじい歓声を浴びながら、満を持して3人が姿を現した。ステージ中央にはDJブースが3つ並んでおり、上手にはDARUMA、下手にはMAKIDAIがスタンバイ。お立ち台に上がった白濱がマイクを握ると、感謝祭を開催するきっかけとなった「T.O.K.Y.O.」が、「『PKCZ(R)感謝祭2023』〜100万回のアリガトウ〜』の幕開けを告げた。

ステージスクリーンには、百戦錬磨のVJチーム BENZENEが手掛けた映像が賑やかに踊り、白濱のパワフルなボーカルが鳴り響く。MAKIDAIとDARUMAも、“T.O.K.Y.O.”コールや御輿を担ぐようなTOKYOおみこしダンスで参戦。早くもお祭りモード一色のフロアを、新生PKCZ(R)の代表曲「GLAMOROUS」、中毒性の高い「Sonic Special Stage(PKCZ(R) REMIX)」が容赦なくかき混ぜていった。

間髪容れずにMAKIDAIが「まだまだ楽しんでいける人?hands up!」と煽り、「PLAY THAT feat. 登坂広臣,Crystal Kay,CRAZYBOY」へ。同曲は2015年に開催された「三代目 J Soul Brothers LIVE TOUR 2015『BLUE PLANET』」で初披露されて以来、数々の会場を沸かせてきた代表曲で、<騒ごう Tonight>と繰り返すOMI (※「O」はストローク付き/登坂広臣)のボーカルにMAKIDAIがスクラッチで華を添えれば、“パーリーピーポー”のテンションは高まるばかり。LDHの仲間たちと育ててきた“絶対的なアンセム”が、特別な夜に打ち上がった。

SHOKICHIからのメッセージも…サプライズ演出に会場沸く

PKCZ(R)(提供写真)
PKCZ(R)(提供写真)
次の瞬間、美しいハイトーンボイスが舞い込み、フロアを少しクールダウンさせる。今年、ソロ活動を再始動させたEXILE SHOKICHIとのコラボ曲「Cult of Personality feat. EXILE SHOKICHI」である。また、今回のライブは、PKCZ(R)に縁のあるLDH所属アーティストからのシャウトが随所に盛り込まれており、この曲もSHOKICHIからのメッセージを織り込んだ仕上がりに。粋なサプライズ演出に、フロアの至るところから悲鳴に似た歓声が上がっていた。

ガールクラッシュブームの先駆けとなった2NE1の元リーダーCLと、世界的プロデューサー AFROJACKを迎えた「CUT IT UP feat. CL & AFROJACK」では、映画「キル・ビル」の殺陣チームが制作に参加したという和テイストのMVを背にして、MAKIDAIと白濱が華麗なステップを披露。2人の姿を見守りながら、黙々とプレイするDJ DARUMAの表情は実に優しい。縁の下の力持ちとしてグループを支えるDARUMA、臨機応変に立ち回るムードメーカー MAKIDAI、新たな刺激を持ち込む陽気な末っ子・白濱。これこそが、今のPKCZ(R)のベストなバランスなのだろう。

三代目JSB・GENERATIONSらEXILE TRIBEメドレー披露

MAKIDAIや白濱も出演しているMVがスクリーンに映し出されると、EXILEの楽曲「PARTY ALL NIGHT(REMIX)」から【EXILE TRIBE ZONE】が始まった。EXILE NESMITHが「今日はみんなで一緒にA!SO!BO!」とリードしたのは、EXILE THE SECONDの「ASOBO!feat. Far East Movement」。SECONDのライブでお馴染みの「OH~」(横揺れダンス)はPKCZ(R)でも健在だ。

各グループの人気曲が次々に会場をジャックし、三代目JSB「Summer Madness(PKCZ(R) REMIX)」から繋いだGENERATIONS「Sing it Loud(ALAN EDIT Ver)」では、初の単独ライブ開催を祝い、関口メンディーが「おメンディ~~~!」とシャウト。「CHAIN BREAKER feat.登坂広臣,CRAZYBOY(MASH UP〜オリジナルAL ver.)」にはOMI、三代目JSBの「R.Y.U.S.E.I.(Maozon Remix〜オリジナル)」には今市隆二からのメッセージも加わり、EXILE TRIBEメドレーを華やかに彩った。

ちなみに、DJカルチャーに馴染みのない人の中には、DJ=既存曲を繋いで流すだけというイメージを持っている人もいると思うが、PKCZ(R)のライブは、それとは全く異なる。メンバー自ら歌唱するオリジナル曲もありながら、既存曲に関しても、楽曲そのものが持つパワーとDJプレイ、ダンスミュージックに寄り添う映像、当日限定のステージング――ありとあらゆる要素が融合し、目の前で新たなエンタテインメントが生まれていくのだ。

そして、骨太のビートの上では、ある意味、アーティストもファンも変わらない。音楽が好き、この空間が好きという絆で結ばれている人間同士が、共に叫び、踊り、笑顔を交わすだけ。特に三代目JSBの「R.Y.U.S.E.I.」で、三代目メンバーがいない場内に“ぴけし隊”の歌声が充満する様は、PKCZ(R)のライブならではの光景だろう。ステージに立つ3人と共に誇らしげに掲げたポーズ(手で三角形を作って額に添える、三代目JSBのライブではお馴染みのポーズ)も、LDHにPKCZ(R)が存在する意味や、彼らが日々実感している“音楽の力”を示していた。

PKCZ(R)、新曲2曲をプレゼント

PKCZ(R)(提供写真)
PKCZ(R)(提供写真)
MAKIDAIの声を合図に、DJブースやスクリーンに炎が映し出されると、「HiGH&LOW THE MOVIE」の主題歌としても人気の高い「HIGHER GROUND feat. Dimitri Vegas&Like Mike」(EXILE TRIBE)を投下。同作で雨宮兄弟の兄・雅貴を演じたEXILE TAKAHIROも名台詞「お兄ちゃんの話を聞きなさい!」をシャウトし、場内のボルテージを高めていく。MCでは、そんなシャウトがお気に入りになってしまったMAKIDAIが「お兄ちゃんの話をぉ〜!?」「聞きなさ〜い!」という斬新なコール&レスポンスを展開し、「ぴけし隊ならではの瞬発力!」と、観客のノリの良さを絶賛。

ようやくマイクを握ったDARUMAは、PKCZ(R)が感謝を伝えるための感謝祭なのに、自分たち以上の感謝を“ぴけし隊”からもらっていると述べつつ、「最高です!」と絶叫。現在、GENERATIONSの一員としてデビュー10周年ツアーを行っている、アイデアマンの白濱は「こんなライブってできるんだ!っていう新たな発見がありました」と声を弾ませた。

トーク面でも繋ぎ上手なところを見せた3人は、【DJ TIME】でも三者三様のプレイスタイルでフロアを沸かせた。トップバッターのMAKIDAIは、EXILE「Choo Choo TRAIN」のイントロから、SWAYのシャウトで加速した「DJ MAKIDAI feat.GENERATIONS from EXILE TRIBE&SWAYの「Organ Donor~OFF DA HOOK~」や三代目JSB「J.S.B.DREAM」で熱狂に導いていく。DARUMAは、PKCZ(R)のオリジナル曲「ROAM AROUND feat.GENERATIONS from EXILE TRIBE」で助走をつけてから、DOBERMAN INFINITY「JUMP AROUND∞」のイントロをサンプリングし、観客と共にジャンプ。それでも「もっとできる気がする!」と納得いかない様子で、しゃがんでからのジャンプを求めると、“ぴけし隊”はダイナミックなジャンプでメンバーへの愛を表現。その後も、DARUMAの絶妙なさじ加減でボリュームが変わるサウンドに合わせて、時に弱々しく時に力強く「HEY!」を叫んだ。

続く白濱のターンでは、学校のチャイムが鳴り響く中、「夢のような課外授業に連れて行きます」と語りかけ、単独ライブのために作ってきたという「T.O.K.Y.O.(ALAN Remix)」を披露。ここでは新たな試みが用意されており、場内の照明を全て落とし、音に身を委ねるという新感覚の音楽体験を届けた。白濱が紡ぐ音を全身に浴びて、ただひたすらビートに突き上げられる不思議なひととき。感覚が研ぎ澄まされたブレイクから一転、一斉に照明が点くと、あらゆる情報が急激に飛び込んできて、世界はより鮮やかな光を放った。さらに【DJ TIME】の後には、「Gekka Bijin」「HARD LUCK MADNESS」という新曲2曲をプレゼント。初見の観客が多いとは思えないほど、自然とリズムを刻む手拍子がPKCZ(R)を温かく包み込んだのだった。

PKCZ(R)とファンが一体に

EXILE MAKIDAI(提供写真)
EXILE MAKIDAI(提供写真)
本編終盤に待ち受けていたのは【THROW BACK ZONE】。「今、世界で一番ホットな場所はどこですか!?」という白濱の煽りにDARUMAが「Right here!」と答えると、「HiGH&LOW」シリーズの挿入歌「MIGHTY WARRIORS(ALBUM Ver)feat.Afrojack,CRAZYBOY,ANARCHY,SWAY,MIGHTY CROWN(MASTA SIMON&SAMI-T)」と、三代目JSBの「Feel So Alive」を立て続けに披露した。

EXILE THE SECONDの「GOING CRAZY」では、3人が「Choo Choo TRAIN」さながらのロールダンスをしながら、豪快にタオルを回す場面も。タオルを回すにあたって、持ち手を固く結びすぎて解けなくなってしまったMAKIDAIと、それを優しく解いてあげるDARUMAのやりとりには、ほのぼのとしたムードが漂っていた。きっとそこが、彼らが多くの人から愛される理由なのだろう。SNSを見ると、撮影タイムで“ぴけし隊”が撮影した写真にも、自然体で楽しむ3人の姿が収められていた。

撮影後のMCでは、PKCZ(R)がJR東日本「FUN!TOKYO!」応援隊長に任命されたことを受けて、MAKIDAIが東京の名所を紹介する流れに。だが、渋谷や浅草の良いところを語るたびに、白濱からLDHアーティストの第二の地元・中目黒を激推しされ、MAKIDAIもタジタジに。最終的には、「上京してもう今年で15年経つんですけど、僕は中目黒が好きなんですよ!中目黒中目黒中目黒ぉ!」と叫ぶ白濱に、MAKIDAIが「もういいじゃん!」と言い返し、「もういいじゃん」に突入した。

それだけでも爆笑だが、ふと気づくとDARUMAも、同曲のMVで白濱が被っていたマッシュルームヘアに変身しており、前向きな歌声を響かせる白濱と、サラサラのキノコヘアをなびかせるDARUMAが、交互に視線を奪っていく。MAKIDAIの「かいほぉ〜お!」コール&レスポンスから始まったのは、「もういいじゃん」と同じく、白濱が作詞(JAY'EDと共作)を手掛けた「煩悩解放運動」。今市隆二やJAY'ED、DJ DARUMAが作詞に参加したラストナンバー「Gravity」では、スマホのライトで星の光を演出した。しかし、やはりそれで終わらないのがPKCZ(R)。幻想的に感じたのは一瞬で、白濱が歌いながら枕を持ってくると、ライブは意外な方向へ。ステージ上で横になったり、枕を振ったりと、前代未聞のパフォーマンスに笑顔が溢れる中、何でもありの本編が終了した。

DJ DARUMA(提供写真)
DJ DARUMA(提供写真)
アンコールで再び登場した3人は、最後の力を振り絞って本邦初公開の「PLAY THAT(ALAN Ver)」を披露。本来、OMIやCrystal Kayが分担しているパートを1人で歌いこなす白濱に、ボーカルとしてのプライドを感じる一方で、長年PKCZ(R)の音楽を止めずに走り続けてきたMAKIDAIとDARUMAの顔には、ここからますます楽しくなるであろう新生PKCZ(R)に対する期待が輝いている。

DARUMAも先のMCで言っていたが、「『PKCZ(R)感謝祭』、楽しかったですか!?」と呼びかけたMAKIDAI自身が、“ぴけし隊”以上にたくさんの感謝をもらったようだ。最後は一列に並び、フロアに向かって深々と一礼。メンバーがどれだけ感謝を伝えても、彼らを求める声は止むことを知らず、3人が颯爽とステージを去った後も、心地よい残響と熱が“ぴけし隊”とPKCZ(R)を繋いでいた。(modelpress編集部)

PKCZ(R)(提供写真)
PKCZ(R)(提供写真)
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