

Mr.Children、30周年ツアー『半世紀へのエントランス』ライブレポート「人生最高の音をみなさんにお届けしたい」

Mr.Childrenの全国ドーム/スタジアムツアー「Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス」、神奈川・日産スタジアム公演(2022年6月12日)。メジャーデビュー30周年を記念した今回のツアーで彼らは、キャリアを彩る数々のヒット曲から今年リリースされた新曲までをたっぷり披露。これまでの軌跡はもちろん、この先のビジョンを体感できる素晴らしいステージを繰り広げた。
2020年12月にアルバム『SOUNDTRACKS』を発表。昨年はB'zとの対バンライブ「B’z presents UNITE #01」、配信ライブ「ap bank fes'21 online in KURKKU FIELDS」に出演し、2022年5月には2枚組ベストアルバム『Mr.Children 2011 - 2015』『Mr.Children 2015 - 2021 & NOW』がリリースするなど、コロナ禍のなかでも精力的な活動を続けてきたMr.Children。有観客のツアーは2019年春に行われた「Against All GRAVITY」以来約3年ぶりとあって、メンバー、オーディエンスのテンションは冒頭から最高潮だった。
ヒット曲連発!Mr.Children『半世紀へのエントランス』ライブレポート
オープニングは、桜井和寿(V&G)のギターから始まった「終わりなき旅」。「今ある情熱のすべてを、エネルギーのすべてを音に変えて、声に変えて。今日2022年6月12日、日産スタジアム、人生最高の音をみなさんにお届けしたいと思っています。どうぞ最後までよろしく。僕らが、Mr.Childrenです」という言葉に対し、7万人の観客から割れんばかりの拍手が送られた。さらに「名もなき詩」「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」、そして、「いつの日もこの胸に流れてる、そんなメロディを目指して作った曲。その願いが叶ったような気がしてます」(桜井)という言葉に導かれた「innocent world」とヒット曲を次々と披露し、心地よい一体感を生み出した。
ライブ中盤では、アリーナの真ん中に設置されたセンターステージに移動した桜井が、「席を一つずつ空けなくていい、この状態でライブが出来るのは本当に最高です」と喜びを言葉にし、田原健一(G)のアコギ、SUNNYの鍵盤とともに、初期の名曲「車の中でかくれてキスをしよう」をアコースティック編成で演奏。さらに中川敬輔(Ba)、鈴木英哉(Dr)のリズム隊が加わり、「Sign」へ。<すべてのものから送られるサイン/もう 何ひとつ見逃さない>というフレーズがゆったりと広がり、豊かな感動へと結びついた。
その後は、Mr.Childrenの幅広い音楽性と奥深いメッセージを体感できる場面が続いた。アルバム『SOUNDTRACKS』に収録された「Documentary film」ではメンバー4人の生身の音を実感できるアレンジとともに、人生を“ドキュメンタリーフィルム”に見立てた歌詞を丁寧に紡ぎ出す。炎を使ったダイナミックな演出が施された「LOVEはじめました」、鋭利なバンドサウンドを軸にした「フェイク」ではシリアスな思いを映し出した。そして田原のギターリフから始まった「ニシエヒガシエ」ではダンサブルなサウンドが炸裂し、観客のテンションをさらに引き上げる。桜の映像をバックに歌われた「永遠」(Netflix映画『桜のような僕の恋人』主題歌)も心に残った。“ミスチルらしさ”を継承したこの曲は今後、新たな代表曲として浸透しそうだ。
イントロが聴こえてきた瞬間に会場全体に喜びが溢れた大ヒット曲「Tomorrow never knows」からライブは後半へ。ダイナミックな4つ打ちのビート、キャッチーなギターリフ、開放的なメロディラインが響き合う「光の射す方へ」、ポジティブな意思を込めた歌詞とともに華やかな祝祭感が広がった「fanfare」。そして「この最高の夜を忘れないために!そして大変だった過去を、昨日を忘れ去るために!このメロディをこの音楽を一緒に楽しもう!」という桜井のMCに導かれた「エソラ」によって、ライブはクライマックスへと到達した。
本編のラストは、「今 君に贈るよ/気に入るかなぁ?受け取ってよ」というフレーズを一人一人の観客に手渡すように演奏された「GIFT」。アンコールでは、まず「みなさんにとって“あの曲、聴きたいんだけど、まだ聴けてない”という曲もあると思います。次の曲がその曲になるといいなと思います」(桜井)と「HANABI」を披露。鈴木、中川、田原がオーディエンスに感謝を伝えた後、桜井が「きっとこの2年間大変だったけど、強く、逞しく、楽しく過ごしていけたらなと思ってます。そんなメッセージをそのまま曲のタイトルにして、最後にお届けしたいと思います」と語り掛け、「生きろ」(映画『キングダム2 遥かなる大地へ』主題歌)へ。力強いバンドサウンド、生きることへの決意を込めた歌詞を高らかに響かせ、ライブはエンディングを迎えた。
30年のキャリアを象徴する名曲と“2022年のMr.Children”を込めた新曲を織り交ぜ、日本を代表するロックバンドとしての魅力をダイレクトに見せつけた4人。誰もが認めるスーパーバンドであることは間違いないが、彼らの視線は既に先を見据えている。“半世紀へのエントランス”というツアータイトルが示す通り、Mr.Childrenは50周年への入り口を通過したばかり。この先のストーリーを日本中の音楽ファンとともに味わっていきたいと思う。
文=森朋之
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