TikTok流行語大賞2021を受賞した2人組ユニット「なかねかな」(左:ゆでたまご安井、右:なかねかな)。大バズを起こしメジャーデビューを掴んだ1年を語った。

TikTokで2億再生されるとどうなる?ネットを席巻「なかねかな」が明かす、SNS時代の新しい音楽の作り方

2021.12.28 08:30
TikTok流行語大賞2021を受賞した2人組ユニット「なかねかな」(左:ゆでたまご安井、右:なかねかな)。大バズを起こしメジャーデビューを掴んだ1年を語った。

2人組ユニット「なかねかな」によるバズりソング「#モテすぎて草誘ってて森」が、世界30億DLを突破したショートムービープラットフォームTikTokの「TikTok流行語大賞2021」に輝いた。「TikTokでよく見るイケメンが~カメラ目線で~」の歌い出しでおなじみのこの楽曲は、TikTokの関連動画は2.2億回再生を突破。流行語大賞受賞と合わせて文字通り日本一といっても過言でない大バズを巻き起こした。2021年7月にワーナーミュージックからメジャーデビューを果たし、TikTokドリームを掴んだ「なかねかな」(歌:なかねかな、作曲:ゆでたまご安井)の2人に、「どう人生が変わったのか?」を語ってもらうと、ネット時代の今ならではのヒットの理由が見えてきた。

生活は変わらず…も、「高級車を買える」よりもすごいことが起った

――TikTok流行語大賞おめでとうございます。今のお気持ちは?

なかねかな(以下なかね):めっちゃ「お気持ち」聞かれるんですけれど…「私たちで合ってます?」が最初。合っていたんで、めちゃくちゃ嬉しいですね。

ゆでたまご安井(以下安井):最初聞いた時は嬉しいって思ったんですけれど、その後「この後どうする?」って不安になっちゃいました。

なかね:バコーンと大賞を取った勢いで一発屋になるのが怖いな…って、うれしいと同じくらいのその不安が押し寄せてきてますね。

――「#モテすぎて~」は今年の5月に動画投稿でした。聞きすぎて「あれ、今年だったっけ?」と錯覚するくらい流れていました。TikTokを始めたのは・・・?

なかね:2人でやり始めたのは2020年1月ですね。「#モテすぎて~」は今年の5月に投稿して、7月にメジャーデビューさせていただきました。

――「一発屋が怖い」とありましたが。「#モテすぎて~」に至るまで実に100本もの動画を投稿されていました。気持ちとしては、何曲も出しているうちの一つだぞ、というお気持ちですよね?

なかね:実際そうなんですけれども、あの曲しか知らない人がたぶんいっぱいいますね。曲はものすごい数を公開しているんですよ。ちょっとおかしいぐらい、ほんまに狂ったように作ってます(笑)。

――関連動画が2億回以上再生ということでものすごい反響でしたが。日本一TikTokでバズると…生活どうなるんでしょうか?何か変わったところは?

なかね:これもめちゃ聞かれるんです。友人のTikTokクリエイターさんの話聞くと「180度人生変わりました。高級車買って、街声かけられて…」とか聞くんですが、ウチらは180度どころか一周回って何も変わらんですよ。毎日電車で帰ってるし。

安井:何にも変わってないな。本当に。

なかね:そういうわかりやすい変化は私たちにはなかった。人生変わったって…ホンマですか?と聞きたいですね。

安井:でも、メジャーデビューさせてもらったっていうのが一番バズってすごかったことですね。

なかね:せやな。それは、車よりすごいで。車買えてもメジャーデビューはできるもんじゃないで。

安井:確かに、それはスーパーカーより断然すごいな。

なかね:安井がメジャーデビューするのが夢っていう歌があったんですけど、ネタで言っていたんですよ。音楽としてメジャーデビューを果たして上を目指す、でもお前ギターのコード4つしか弾けへんやんけ、っていう曲がガチになりましたね。

作曲千本ノック!反響を見ながら視聴者と一緒に完成させる「新しい楽曲の作り方」

――「#モテすぎて~」の曲発表(動画投稿)が5月、ワーナーミュージックからデビューするのが7月とすごいスピ―ド感でした。

なかね:最初のきっかけは、TikTokさんから「#モテすぎて~」をちゃんと曲にしませんか、と言われたことです。やるなら本当にすごい速度でやりたいって思っていたタイミングで、ワーナーさんから声がかかって、「とにかく早く出そう」で意見が一緒だったんです。

――5月以降の新曲ラッシュも大変だったのではないでしょうか?

なかね:大変でしたけれど、我々としてはホンマ寝る間もないぐらい仕事欲しいんで、もっともっとできますね!

――TikTokでは変わらずすごいペースで曲を発表していますが、どのくらいのペースで曲を作っているのでしょうか?

なかね::今は週1で新曲を作って週2で動画投稿しています。

安井:早いかな?

なかね:早いやろ。内容も内容やけど(笑)。集まって1日で4曲ぐらいできる日もあります。

――面白いと思うのはTikTokで一部分だけ先に作って発表して、その後にフルバージョンを作っていくというやり方です。今までの音楽の作り方ではなかった新しいやり方ですよね。

なかね:まずはどんどん世に出していく、その中で次にフル尺を作る曲をユーザーに決めてもらうというような感覚に近いですね。すごく便利な時代だなと。いい楽曲が完成してもバコーンと売れるかわからないじゃないですか。でも、TikTokでは「#モテすぎて~」くらいバズれば、ある程度は再生回数はいくだろうって見当をつけられる。便利なツールとして活用させてもらっています。

――そういう「新しい音楽の作り方」は意図していたんでしょうか?

なかね:全然意図としてなかったです(笑)。そもそも「#モテすぎて~」もこんなバズると思ってないし、アーティスト活動をしようとも思ってなかったんで。まさかメジャーデビューするっていう道があるとは…で、アーティスト活動を考えたんです。

――「作曲千本ノック」みたいなペースで曲を出し続けて、「楽曲総選挙」みたいな状態になっているということですね。

なかね:確かにそう思うと、新しいやり方で大バズにつながったのかもしれません。そういうことにしといてください(笑)

――渋谷音楽祭のTikTokライブ、また初のワンマンライブもやられましたが、手応えはいかがですか?

なかね:いやめっちゃ楽しかったです。正直手応えはめっちゃありました。本当に楽しかったですし、盛り上がってくれたので嬉しいですね。

――今は音楽も細分化されている時代ですから、「みんなが知っているアノ曲」というのは盛り上がるんでしょうね。

なかね:やっぱりみんなに曲を知ってもらったからこそ盛り上がったんだと思います。ほかのアーティストさんのライブパフォーマンスは勉強にもなったし。ワンマンライブは二部制だったんですけどまず余裕がなさすぎて一部も二部も全部進行一緒だったんですね。両方来てくれた人は楽しめたのかと非常に反省しました。

――ライブパフォーマンスも欲が出てきたと。

なかね:そうですね。MCも曲もしっかりしないといけないと、すごく実感しましたね。TikTokライブは大成功だって思っていたんですけど、フェスみたいな感じだし、いっぱいアーティストがいる中でたまたま成功することもあるやろなって言い聞かせてます。

日本一の大バズを起こした裏に100本の投稿…発信し続けることが重要

――バズった理由を2人はどのように分析していますか?「#モテすぎて~」が出るまで、実に100本の動画を公開していることに驚きました。やっぱり発信し続けることが大事なのでしょうか。

なかね:おっしゃる通りなんですよね。バズろうと思って出した曲じゃなかったんですよ。でも一つ言えるのは、数を打っていたからこそ当たったんだと思います。

安井:ネタがなくてカツカツでも、「絶対続けなアカン!」ってやってた頃やもんな。

――YouTubeチャンネルも16万人登録ありますが、こちらもすごい投稿頻度で。自分たちで自ら運営されているとのことで、すごくお忙しそうです。

なかね:いやでもその…全然大変じゃないです。字幕ちょっと書くだけで歌っている動画だけですから。

安井:YouTuberは編集に5~6時間かかるっていうけれど、僕らは5分です。

なかね:TikTokの動画があるので、YouTubeでも全部出していこうってスタイルだから。コスパが良すぎるんですよね。ウチらは編集の効率とかよりも「絶対にこの曜日に曲を出す」って、続けることの方が大事だと思ってます。

安井:「続ける」がほんまに一番大事だと思いますね。

お笑いライブに立ち、どんなモノ・コトも歌にする、新しいアーティスト像を作りたい

――お二人の今後の活動について聞かせてください。

なかね:一番の目標はMステと紅白なんですけど。

安井:なんでそんな真顔で言えんの?行ける人みたいな顔をして。

なかね:でもまぁ、目標は高くということで…雲の上なんでまだ見えてないですけどね。

――日常的な出来事を楽曲にするというスタイルは継続するんですね。

なかね:そうですね。あのスタイルは今のところは変えるつもりないですでもちゃんとした歌とかもやっていきたいなっていうのは思っています。

安井:確かにな。

――それは楽しみですね。なかねさんは本来、歌唱力を生かした歌をやりたいタイプなんですよね?

なかね:そうですね(笑)。でも真面目な歌もいいですけれど、今のスタイルのままやっていこうと思っています。

――なかなかなって何者?という問いにこれからはどう答えていきますか?

なかね:逆に、「ホンマに何者なんですか」と聞き返していますね。マジで。TikTokやって、アーティスト活動やっていて。でも一方でお笑い芸人の舞台にも出ていたりするんですよ。

――お2人で?

なかね:そうですね。2人で。逆に言えば「何者かというのを新しく作り出したい」って思っています。

――歌ってときの動画だと印象がまったく異なるんですが、特殊なメイクをされているんでしょうか?

なかね:それめっちゃ言われるんですけど、メイクも今と同じです。あまりに言われるからカメラや照明の設定変えてどれが一番リアルに見えるか検証してたりするんで、最新の動画も見てください!

安井:iPhoneで撮ってるしな。

――ご本人は動画のイメージより美しくて驚きました(笑)

なかね:ありがとうございます!実物はとんでもない美人だった、って書いておいてください。

安井:お願いします!

なかね:お前はどう加工しても変わらんって!

――今後やっていきたいことは?

安井:メディアの露出は増やしていきたいですね。

なかね:何かのテーマソングとか商品のCM曲を作ってみたいです。すぐ作りますよ。急ぎでテーマソングがほしい、しかも安く、「あさってまでに納品して」というのも喜んでやります!

安井:すぐ集まって、すぐ曲を作りますから。「納品に間に合うアーティスト」ということで。

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