EXILE (提供写真)

新生EXILE、ATSUSHIへの思いを歌に紡ぐ 新体制後初ライブで圧巻のパフォーマンス<ライブレポート>

2020.12.30 21:10

EXILEが29日、オンラインライブ『LIVE×ONLINE BEYOND THE BORDER』を開催。今年11月には、長年オリジナルメンバーとしてグループを牽引してきたボーカルのEXILE ATSUSHIが卒業した。今回は、そんな新体制となったEXILEの無観客配信ライブの模様をレポートしていく。


14人体制の新生EXILEお披露目

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LDHの新たなエンタテインメントとして、オンラインに特出した演出や臨場感あふれる映像でクリエイトした有料配信ライブ『LIVE×ONLINE BEYOND THE BORDER』。初日となる12月22日のTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEを皮切りに、連日LDHのアーティスト達が趣向を凝らしたライブを展開している中、7日目となる12月29日には新生EXILEが初登場した。

今年11月に最後のオリジナルメンバーとなるATSUSHIが勇退し、14人体制として新たなスタートを切ったEXILE。『LIVE×ONLINE BEYOND THE BORDER』は、そんなメンバー達の頼もしい後ろ姿(オープニング映像)から幕を開けた。

EXILE、“フェニックス”のような真っ赤なセット&衣装で登場

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EXILE AKIRAは「いつまでも時代と共にあれるグループでありたい」、EXILE TAKAHIROは「EXILEの歴史とともにファンの皆さんとEXILEを0から作り上げていく」と、2006年の加入以降、グループの一員として走り続けている2人のメッセージに次いで、それぞれがEXILEへの想いを語っていく。振り向いた彼らの瞳の奥には、闘志の炎が上がる。

そして、EXILE SHOKICHIのダイナミックなドラムとEXILE NESMITHのエッジーなギター、勇ましいコーラスに導かれるようにライブパートへ。衣装はもちろん、力強くはためくフラッグ、ステージセットに至るまで真っ赤に染め上げる様は、まさに何度でも蘇る火の鳥“フェニックス”のよう。TAKAHIROの高らかなシャウトが、伝説を作り続けるグループ・EXILEの降臨を告げた。

全面ARのステージでエネルギッシュに舞う

観客を煽りながら移動したメンバー達は、全面にARを用いたステージで2021年1発目のリリースとなる最新曲『RED PHOENIX』を歌い上げる。SHOKICHI・NESMITHのエネルギッシュな掛け合いと、その中央で響くTAKAHIROの澄んだ歌声。

EXILEの王道と言える大所帯でのユニゾンダンスもありつつ、変幻自在に形を変えるフォーメーションが次世代のEXILE像を描き出す。先輩から後輩へと歌い継がれている『24 WORLD』では、夜景をバックにSHOKICHIがソロ歌唱したり、SHOKICHIと関口メンディーが新たに書き替えたというラップを初披露する場面も。

全員で楽しげにラインダンスを踊る姿が微笑ましい『DANCE INTO FANTASY』、ハイタッチを想起させる振付で画面越しに視聴者と触れ合った『PARTY ALL NIGHT ~STAR OF WISH~』と、アッパーなパーティーチューンが続けば、一足先に新年を迎えたような幸せムードが充満した。

白濱亜嵐(DJ ALAN)らの登場で会場はダンスフロアに

賑やかなステージから一転、カメラはカセットウォークマンに手を伸ばす白濱亜嵐をとらえた。不思議そうに再生すると、ヘッドフォンからは“New Jack Swing”が流れ出す。“New Jack Swing”とは、EXILEの原点とも言えるダンスジャンルの名称。

そんな意味を持つ楽曲が、DJ ALANが手がけるリミックスバージョンとして生まれ変わった。サングラスを装着して『SUPER SHINE』を踊ったり、ジャケットを羽織って『Everything』を口ずさんだりと、俳優としても活躍する白濱の豊かな表情にも目を奪われる…と思った時にはすでに、視聴者はミラーボール輝く“CLUB EXILE”の場内に。

DJ ALANが放つ音の波に乗って華麗に踊るのは、LDHの若手グループ・PSYCHIC FEVER。そこから、ショッキングピンクのキャデラックに腰かけるボーカルの3ショットに切り替わると、80年代の“New Jack Swing”をフィーチャーしたダンスチューン『STEP UP』が溢れ出した。

SHOKICHIが「みなさんも一緒に、部屋をダンスフロアにして楽しみましょう!」と呼びかけると、電話BOXやカラフルな電話機といったレトロな小道具を取り入れながら、色違いのジャケットスタイルで踊っていく。少人数に分かれてのパフォーマンスや、配信ライブでは珍しいローアングルの映像など、見どころ満載だ。

名曲『WON'T BE LONG』を新バージョンにアップデート

かつては倖田來未とATSUSHIのコラボ曲として発表された『WON'T BE LONG』も、SHOKICHIとNESMITHによるツインボーカルで新バージョンにアップデート。AKIRA、橘ケンチ、EXILE NAOTO、小林直己、関口、世界とPSYCHIC FEVERによるダンスパートもあり、世代を越えた一体感を見せていた。

その一方、降りしきる雨音の先には、黒木啓司、EXILE TETSUYA、岩田剛典、白濱、佐藤大樹の姿が。青き静寂の中に白いスーツ姿で佇むその表情は、愁いを帯びている。“雨音のイントロ”と言えば、そう、『Heavenly White』。

EXILE TAKAHIRO (提供写真)
EXILE TAKAHIRO (提供写真)
TAKAHIROによるセルフカバー企画“EXILE RESPECT”の第二弾としても配信されたばかりの同曲が、アコースティックアレンジで届けられた。演技要素も含む5人の饒舌なダンスが、切ないラブストーリーをよりドラマティックに彩る。画面上のフィルターで雪を降らせながらのパフォーマンスも、『LIVE×ONLINE』ならではの演出だろう。

美しい歌声響くバラードブロックに涙

続いて、ここからはバラードブロックに突入。美しいピアノの音色が『ふたつの唇』のメロディをなぞると、ステージには1930年代風のヴィンテージファッションに身を包んだ小林が現れた。彼がそっとピストルをカメラに向け、引き金を引くと、画面には車が大炎上する様が映し出される。

さらにAKIRA、橘、NAOTO、関口、世界、SHOKICHIも同様の衣装で登場。映画さながらのAR演出や、アクションを交えた新しい振付で、視聴者を新たな舞台に連れ出した。それとは対称的に、モノクロの世界に、悲哀に満ちたNESMITHの歌声が響いた『Ti Amo』。

続く『ただ...逢いたくて』では、TAKAHIROの甘く美しい歌声、長年愛されてきたEXILEの名曲を1人で歌う決意の表情が、視聴者の涙を誘う。歌い切ると、大切な仲間に想いを馳せるようにふと仰ぎ見るTAKAHIRO。その微笑みがとても印象的だった。

“24karatsメドレー”で各グループ夢の共演

“24karatsメドレー”で盛り上がるメンバー (提供写真)
“24karatsメドレー”で盛り上がるメンバー (提供写真)
多彩な衣装で魅了した前半戦を終え、後半戦は、EXILEのイメージを確立した“ジャージ”(衣装)のヒストリー映像からスタートした。“24karats”というアパレルブランドを立ち上げ、楽曲と共に多彩なデザインを生み出してきた彼らにとって、ジャージはいわば戦闘服。

お揃いのジャージで再登場したパフォーマー陣は、統一感がありながらも、自己流の着こなしで個性を発揮。EXILE THE SECOND『SUPER FLY』やGENERATIONS from EXILE TRIBE『AGEHA』、FANTASTICS from EXILE TRIBE『OVER DRIVE』など、各メンバーが所属するグループの楽曲に合わせてソロダンスを繰り広げる。

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの『R.Y.U.S.E.I.』や『Rat-tat-tat』では、グループの垣根を越えた共演も。EXILE TRIBE随一のオタクダンサー・世界のパートでは、『バーン!』『ダダダダ』といった漫画特有の擬音フォントが背景に映し出され、それとリンクしたダンスで視聴者を楽しませる。リーダーのAKIRAは、愉快な年下のメンバー達に“邪魔”されながらも、強靱な肉体を駆使したダイナミックなダンスで“24karatsメドレー”に繋いだ。

華やかなAR演出でアグレッシブにダンスバトル

SHOKICHIが「後半戦、さらにアゲてくぞ!」と煽ると、サイレンと共に現れたボーカル陣を交えて、『24karats STAY GOLD』からメドレーが始まった。吼えるようなボーカルに躍動感のあるダンスが加勢し、その熱量は高まるばかりだ。

さらに、『24karats TRIBE OF GOLD』にはDOBERMAN INFINITYもサプライズ参戦。MC陣が画面越しに視聴者を挑発する中、『24karats GOLD SOUL』へ。DOBERMAN INFINITYの5人は、続く『Heads or Tails』へとアレンジされたInterludeにオリジナルの歌詞を乗せて“ライブ会場での再会”を誓うと、颯爽とステージを後にした。

NESMITHとSHOKICHIのエモーショナルな歌唱で始まったのは『Heads or Tails』。その声を合図に、残りのメンバーも2018年の『NHK紅白歌合戦』で着用した衣装に着替えて集合。次々に切り替わる煌びやかなAR演出と共に、アグレッシブなステージングを見せつける。また、『Touch The Sky feat. Bach Logic』ではメンバー同士が向かい合い、ダンスバトルのような雰囲気に。関口メンディーの自作ラップに合わせて、PSYCHIC FEVERがアクロバティックなダンスを繰り広げると、本編も残り僅かとなっていた。

新生EXILE、ATSUSHIへの思いを歌に

他の曲にも言えることだが、特にラストナンバーに向けて用意されていた楽曲は、新生EXILEと、唯一のオリジナルメンバーとしてグループを牽引し続けたATSUSHIとの深い絆を物語っていたと言えるだろう。『No Limit』『ALL NIGHT LONG』『Joy-ride ~歓喜のドライブ~』のメドレーは、全てATSUSHIが作詞している。同じ舞台にはいなくとも、確かに浮かぶ大きな背中。彼が綴った歌詞の重み、愛情、EXILE魂を感じながらも、メンバー達は笑顔で歌い踊る。

そして、『EXILE LIVE TOUR 2018-2019“STAR OF WISH”』にて披露されてはいるが、実はこれが初パフォーマンスとなる『Love of History』。2019年1月、令和という新たな時代への期待が高まっていた時期に、これまでの歴史への想いや大いなる愛を込めてATSUSHIが作詞したアップチューンが、華やかにエンディングを飾った。両手で包み込むようなスケール感のあるダンスは、TETSUYAと世界が振付を担当。ゆったりと踊りながら、ボーカルもパフォーマーも1つになってその歌詞を口ずさんでいた。

GLAYとコラボ曲『SCREAM』のサプライズ披露にファン歓喜

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転換中には、過去のライブで撮影された客席の映像が流れた。何万人もの観客が集い、アンコールを待ちわびる。メンバーが1人ずつ映し出される度に、どんどん大きくなっていく歓声。身体を震わすような、あの大歓声。

だが、まさかここでこの曲が来るとは、一体誰が予想していただろうか。2005年、ロックバンド・GLAYと、EXILEを勇退したオリジナルメンバー達がコラボした『SCREAM』が新アレンジで蘇ったのだ。

予想外の選曲にSNSも賑わった。しかし、冒頭から豪快なギターソロを奏でるNESMITHが手にしているのは、彼が敬愛するGLAYのTAKUROから譲り受けたギター。TAKAHIROがHISASHIとACE OF SPADESでバンド活動をしていたり、ロックをルーツに持つSHOKICHIが『RED PHOENIX』を作曲していることを思えば、彼らが『SCREAM』を求めたのは必然だったと言えるだろう。全身黒のレザーファッションで、荒々しく踊るパフォーマー達。DJ ALANも楽曲に新たな彩りを添えた。

1月からドームツアー『RISING SUN TO THE WORLD』スタート

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TAKAHIRO「『LIVE×ONLINE』、楽しんでますか!?」と、この日初のMCタイムはそんな呼びかけから始まった。突然「世界、頭から赤い汁が出てますけど、どうですか?」とおちゃめに質問するTAKAHIROに対して、染めたばかりの髪色が落ち、赤い汗となって滴っている世界は「最高です!」と叫ぶ。FANTASTICSの高速ダンスに慣れているタフな世界でも、約1時間半、ノンストップで駆け抜けるのはかなりハードだったようだ。

AKIRAは「今年は『PERFECT YEAR』と題して、みんなでお祭りをお届けする予定だったんですけれども、エンタテインメントを思うようにお届けできませんでした。でも、そんな1年のエネルギーを今日、この場で全て出し切ろうとみんなで誓っていたので、そのエネルギーがみなさんに届いていると嬉しいです」と興奮気味にそう語ると、「1月28日、東京ドームを皮切りに『RISING SUN TO THE WORLD』ツアーをスタートいたします。“日本を元気に”というテーマで、EXILE TRIBE一丸となってお届けしていきますので、宜しくお願いします」と力強く宣言した。

定番のロールダンスから始まった『Choo Choo TRAIN』では、Zoomで繋いだファンや配信用のカメラに手を振りながら、笑顔を輝かせる14人。ラストは『Rising Sun』に復活の祈りを込める。また必ず陽が昇ると信じて、新生EXILEは大きな一歩を踏み出した。(modelpress編集部)
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