

【デザインあ展neo 佐藤卓さん】第3回 子どものデザインマインドを育むためには?
2025.07.12 12:00
提供:ママスタ☆セレクト

「デザインあ」の世界が進化を遂げ、2023年にスタートした「デザインあneo」。その総合指導を務めるのは、数々のヒット商品や文化的プロジェクトを手がけてきたグラフィックデザイナー・佐藤卓さんです。
今回は、佐藤卓さんご自身が幼少期の経験から学んだことを交え、子どものデザインマインドを育むために、親が意識すべきポイントについてお話を伺いました。
子ども時代に“本物”に触れることの意味
ー佐藤さんは、お父様もデザイナーだと伺いました。やはりデザイナーであるお父様の影響が大きかったのでしょうか?
佐藤さん:今思うと、自然と影響を受けていた気がしますね。幼少期から、プロのデザイナーが使うようなコンパスや定規、粘土で遊ぶのが当たり前で……。だから小学校で配られたコンパスを見て、「あれ? なんか違う」と違和感を覚えたんです。
子どもながらに、クオリティの高いものとそうでないものの違いを体感していたんだと思います。
ーその違いに気づける環境って、実はとても貴重ですよね。
佐藤さん:本当にそうですね。父が扱う道具を格好良いなと思っていましたし、圧倒的にクオリティが高いものの美しさを感じていたんだと思います。 たとえば、ものすごく速く飛ぶジェット機や、速く泳ぐ魚は美しい形をしていますよね。 機能に徹して作られた道具の美しさに、子どもながら自然と魅了されていた気がします。
― やはり子どもの頃から“本物”に触れるということは、大事なポイントでしょうか?
佐藤さん:とても大事です。簡易的なものだけでなく、大人が本気で作ったものに触れさせる。その経験が、クオリティの高いものとそうでないものの違いを肌で感じさせるきっかけになると思います。簡易的なものばかりで育つと、違いを感じる力や選ぶ目が育ちにくいのではないかなと。
― 比較対象がなければ、気付くことすらできない……その通りだと思います。
佐藤さん:うん。気付けない。 今回の展示もやはり大人たち全員が本気になって、夢中で作ってるんですよ。クオリティを含め、決して子ども向けではないんです。 年齢の垣根なく楽しんでいただける場になっていると思いますね。
-私の子ども達も、何かをデザインしたり作ったりすることが大好きで、実は「デザインあ」がきっかけで、もののしくみに興味を持ったほど影響を受けています。
佐藤さん:それは嬉しい! でも責任重大だな(笑)。
デザインの意味は、親の方こそ誤解している

佐藤さん:まず大前提として、親御さんがデザインという言葉の意味を誤解されているように感じるんです。 デザインという言葉は格好良いものに対して、言ってみれば洗練されているもののみにあてがわれてしまっている。 だからまず保護者の方々が、デザインを正しく理解することが大切だと思います。
- 親のデザインに対する思考から見つめ直すと……。
佐藤さん:そうです。格好良いものだけにデザインという言葉を使うと、子どももそういうふうに思い込んでしまいますからね。この部屋の壁、床の絨毯だって、全部誰かがデザインしたものなんですよ。特別に格好良くておしゃれなものだけがデザインではないので。
ー そうですよね。 当たり前のようにみんなが使っているようなものもすべてデザインなのに、世界的なトップデザイナーが手がけたとか、TVで取り上げられているものだけを優れたデザインとするのは違う気がします。
佐藤さん:そうそう! それらもデザインに違いないんですが、本当にごく一部なんですよ。ありとあらゆるデザインが複合的に絡み合いながら、当たり前の生活は成り立っています。 そこにちょっとでも意識を向けるタイミングが多ければ多いほど、「デザインマインド」は育まれるんだと思いますね。その思いから、「デザインあ」のような教育番組を作って、今回のような展覧会にまで発展させたという経緯もあります。
TVは目で見て耳で聞くメディアですけど、展覧会は体全体のセンサーを使って感じられますから。 触ったり体験したり、TVでは全くできないことを展覧会で実現できる。「デザインって、面白いな」と、少しでも考えるきっかけになったら嬉しいです。 デザインの効能みたいなものを小さい頃から感じ取ってくれたら、将来きっと何かの力になると思いますね。
取材、文、撮影・編集部
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