【フローレンス】孤立するひとり親へ、「行く支援」の重要性。お届け物はつながる機会に
2025.01.10 13:25
提供:ママスタ☆セレクト
第1回から読む。
前回からの続き。毎日家事・育児・仕事と、全てをひとりで頑張っているひとり親家庭のママやパパたち。そんなひとり親家庭では、親が“孤立”してしまう危険性もあります。悩みを相談できる相手がいなかったり、そもそも相談する時間がなかったり……。今回は、そんな問題に対する取り組みについて、フローレンス広報の高森千寿子さんに伺いました。
ーー第1回で親が孤立してしまい、自分ひとりで抱え込んでしまう危険性のお話をしていただきました。その支援として大切なことはなんでしょうか。
高森千寿子さん(以下、高森さん):悩みをひとりで抱え込んでしまっている場合、相談窓口として行政などもあるのですが、“物理的”、“情報的”、“心理的”の3つのハードルから相談に行けない場合が多いと考えています。“物理的”とは、平日の昼間は仕事に行っていて行政に行く時間がないケースです。“情報的”は、そもそもそんな窓口があると知らない、複雑でわからない……というような場合。「こんなことで相談に行くなんてダメだと思われるかも」、「相談に行くのは周りの目が気になる」といったことが“心理的”な場合です。そのため、相談に来るのを待っている支援ではなく、こちらから行く支援である「アウトリーチ型の支援」が大切です。
ーーたしかに自分からは行動しにくい方も多いと思います。
高森さん:声をあげられない方にこちらから出向くというのは本当に大切なことです。出向いて“つながり”、行政や支援団体などの支援にも“つなげる”。“つながり”さえできれば、活用できる支援はたくさんあるので、最初のその“つながり”を生むという支援も大事なのだと思います。最初の“つながり”さえできれば、本人がその後利用するハードルも下がると思うので、よりさまざまな支援を活用してもらえるのではないでしょうか。
ーーフローレンスさんの取り組みとして、アウトリーチ型のものもあるのでしょうか。
高森さん:こちらから出向いて行く支援として「こども宅食」という取り組みをフローレンスでは推進しています。“食”の取り組みとしては、こども食堂などもあると思います。とても良い取り組みなのですが、中にはさまざまな理由で「行きづらい」という声も聞いたことがありました。そこで、こちらからご自宅まで出向いていく支援として考えたのが「こども宅食」です。この取り組みでは、食品などを携えて支援者側から会いに行くことで、まず“つながる”ことを大切にしています。そこから定期的な接点をもつことで、何か困ったことや支援が必要なときには地域の支援団体などにつなげていく、という内容です。グループ団体の「こども宅食応援団」を通じて全国の支援団体と連携しながら、こども宅食を全国に広げています。
ーー「こども宅食」ではただ食品を届けるだけではなく、“つながり”を大切にしているのですね。
高森さん:悩みや本音というのは、雑談などの中でポロッと出てくるようなものではないでしょうか。「はい、悩みを言ってください」と言ってもなかなか出てこないですよね。なので食品を届けることももちろん大切な支援ではありますが、それをきっかけとして信頼関係を築きながら、話を聞いたり相談にのったりできることを目指しています。
ーー支援を求めるのにハードルを感じる方も多いと伺いましたが、フローレンスさんではLINEも活用されているのですよね。
高森さん:LINEを活用して、思いついたときにいつでも話しかけられる先をつくっています。たとえば夜寝る前などに、悩みごとがふいに出てきたときでも気軽に思いをはきだしていただくことで気持ちが落ち着くかもしれません。最近では生成AIも導入しており、AIが気持ちに寄り添って返信をすることで、24時間リアルタイムで相談に対応できる仕組みをつくっています。
ーーLINEだと思い立ったときに気軽に相談できそうですね。”物理的”なハードルも越えられそうです。
高森さん:現在、全国的に相談員の人数不足という問題があるのですが、それについてもLINEのようなデジタル活用のメリットがあります。たとえば東京に住んでいる相談員が東京の支援だけするのではなく、オンライン上だと全国どこから来た相談も柔軟に受けることができます。また、実際の訪問だとお互いの都合が合わないというように、物理的に困難な場合もあります。そのためいつでもどこでも相談できるのはLINEの強みだと思います。
編集後記
“つながる”支援の大切さがわかりました。こちらから出向いて“つながり”、更に行政や支援団体などに“つなげて”いく……。その最初の“つながり”がとても大事なのですね。孤立で苦しんでいる方からすると、食品のお届けとともにお話できる時間がとてもホッとするひと時となるのではないでしょうか。また、LINEを利用することで相談するハードルもぐっと下がるように思います。
※取材は2024年12月に行いました。記事の内容は取材時時点のものです。
第3回へ続く。
取材、文・いけがみもえ 編集・しらたまよ イラスト・Ponko
前回からの続き。毎日家事・育児・仕事と、全てをひとりで頑張っているひとり親家庭のママやパパたち。そんなひとり親家庭では、親が“孤立”してしまう危険性もあります。悩みを相談できる相手がいなかったり、そもそも相談する時間がなかったり……。今回は、そんな問題に対する取り組みについて、フローレンス広報の高森千寿子さんに伺いました。
待っている支援ではなく、“出向く”支援
ーー第1回で親が孤立してしまい、自分ひとりで抱え込んでしまう危険性のお話をしていただきました。その支援として大切なことはなんでしょうか。
高森千寿子さん(以下、高森さん):悩みをひとりで抱え込んでしまっている場合、相談窓口として行政などもあるのですが、“物理的”、“情報的”、“心理的”の3つのハードルから相談に行けない場合が多いと考えています。“物理的”とは、平日の昼間は仕事に行っていて行政に行く時間がないケースです。“情報的”は、そもそもそんな窓口があると知らない、複雑でわからない……というような場合。「こんなことで相談に行くなんてダメだと思われるかも」、「相談に行くのは周りの目が気になる」といったことが“心理的”な場合です。そのため、相談に来るのを待っている支援ではなく、こちらから行く支援である「アウトリーチ型の支援」が大切です。
ーーたしかに自分からは行動しにくい方も多いと思います。
高森さん:声をあげられない方にこちらから出向くというのは本当に大切なことです。出向いて“つながり”、行政や支援団体などの支援にも“つなげる”。“つながり”さえできれば、活用できる支援はたくさんあるので、最初のその“つながり”を生むという支援も大事なのだと思います。最初の“つながり”さえできれば、本人がその後利用するハードルも下がると思うので、よりさまざまな支援を活用してもらえるのではないでしょうか。
食品をお届けしながら“つながる”
ーーフローレンスさんの取り組みとして、アウトリーチ型のものもあるのでしょうか。
高森さん:こちらから出向いて行く支援として「こども宅食」という取り組みをフローレンスでは推進しています。“食”の取り組みとしては、こども食堂などもあると思います。とても良い取り組みなのですが、中にはさまざまな理由で「行きづらい」という声も聞いたことがありました。そこで、こちらからご自宅まで出向いていく支援として考えたのが「こども宅食」です。この取り組みでは、食品などを携えて支援者側から会いに行くことで、まず“つながる”ことを大切にしています。そこから定期的な接点をもつことで、何か困ったことや支援が必要なときには地域の支援団体などにつなげていく、という内容です。グループ団体の「こども宅食応援団」を通じて全国の支援団体と連携しながら、こども宅食を全国に広げています。
ーー「こども宅食」ではただ食品を届けるだけではなく、“つながり”を大切にしているのですね。
高森さん:悩みや本音というのは、雑談などの中でポロッと出てくるようなものではないでしょうか。「はい、悩みを言ってください」と言ってもなかなか出てこないですよね。なので食品を届けることももちろん大切な支援ではありますが、それをきっかけとして信頼関係を築きながら、話を聞いたり相談にのったりできることを目指しています。
雑談の中でポロッと出る悩みを、LINEですくい上げる
ーー支援を求めるのにハードルを感じる方も多いと伺いましたが、フローレンスさんではLINEも活用されているのですよね。
高森さん:LINEを活用して、思いついたときにいつでも話しかけられる先をつくっています。たとえば夜寝る前などに、悩みごとがふいに出てきたときでも気軽に思いをはきだしていただくことで気持ちが落ち着くかもしれません。最近では生成AIも導入しており、AIが気持ちに寄り添って返信をすることで、24時間リアルタイムで相談に対応できる仕組みをつくっています。
ーーLINEだと思い立ったときに気軽に相談できそうですね。”物理的”なハードルも越えられそうです。
高森さん:現在、全国的に相談員の人数不足という問題があるのですが、それについてもLINEのようなデジタル活用のメリットがあります。たとえば東京に住んでいる相談員が東京の支援だけするのではなく、オンライン上だと全国どこから来た相談も柔軟に受けることができます。また、実際の訪問だとお互いの都合が合わないというように、物理的に困難な場合もあります。そのためいつでもどこでも相談できるのはLINEの強みだと思います。
編集後記
“つながる”支援の大切さがわかりました。こちらから出向いて“つながり”、更に行政や支援団体などに“つなげて”いく……。その最初の“つながり”がとても大事なのですね。孤立で苦しんでいる方からすると、食品のお届けとともにお話できる時間がとてもホッとするひと時となるのではないでしょうか。また、LINEを利用することで相談するハードルもぐっと下がるように思います。
※取材は2024年12月に行いました。記事の内容は取材時時点のものです。
第3回へ続く。
取材、文・いけがみもえ 編集・しらたまよ イラスト・Ponko
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