ATEEZ/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment

ATEEZ、“怪物も登場”壮大な物語紡ぐ唯一無二のコンサート「憑依型アイドル」の真価証明<TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER IN JAPANライブレポート/セットリスト>

2024.02.08 12:09

ATEEZ(エイティーズ)が2月3日、4日の2日間、ワールドツアーの日本公演「2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPAN」を開催。自身初となるさいたまスーパーアリーナでの単独公演で、満員の会場を熱狂の渦に包みこんだ。


グループ最大規模の演出 スペクタクルショーのようなコンサート

ATEEZ/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
ATEEZ/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
新たなワールドツアーは、“憑依型アイドル”とまで謳われるATEEZの実力を昇華させたドラマ仕掛けのパフォーマンスを3時間余すところなく詰め込み、デビュー7年目イヤーを迎えた彼らがまだまだ進化していくことを証明する驚くべきコンサートだった。

開演前からメインステージの中央に堂々とそびえるのは、高さ16メートル越えだというタワーのセット。最上部には大きな球体が乗り、巨大なチェスのポーンのようなタワーが会場を支配しているかのようだ。

2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPANの様子/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPANの様子/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
席に着くやいなや大がかりなセットに圧倒される観客の期待を裏切らず、コンサート本編はATEEZ史上最大規模の演出でスペクタクルショーのように進んでいく。ATEEZと言えば、驚異的な身体能力と表現力を生かした大迫力のパフォーマンス。彼らがステージ上で歌い踊るだけで、一気に心を掴まれるような没入感があるが、そこにさらに加わるのが、ステージセット、照明、特殊効果、様々な小物、映像を駆使して物語を紡いでいく演出。

まるで一遍のミュージカルを見せるようなコンサートは、観客の熱量、集中力を途切れさせる瞬間が少しもなかった。

光を奪われたATEEZ 闇が支配する世界での抵抗を描く

HONGJOONG/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
HONGJOONG/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
オープニング映像で映されたのは、ツアータイトルでもある[TOWARDS THE LIGHT]を思わせる「私たちはみんな光を持っています」「あなた自身のままで光を照らしてください」というメッセージ。巨大なタワーの下に8人が姿を見せ、最新アルバム『THE WORLD EP.FIN:WILL』のタイトル曲「Crazy form」でライブが幕開けると、割れんばかりの歓声が上がる。身体に響くような重低音に会場が沸き立つ中、リーダーのHONGJOONGは「ATINY(ATEEZのファンネーム)会いたかったです!どんな暗闇も僕たちを邪魔することはできません!皆さんのありのままの輝きを見せてください!」と、コンサートを通して紡がれるストーリーを象徴するオープニングコメント。この公演では、“闇に光を奪われたATEEZが、自分たちの音楽を通して光を取り戻す物語”が描かれるのだ。

「Say My Name」「WIN」と、ATEEZらしいパワフルなダンスナンバーが続くオープニングセクション。ところが「WIN」が終わるとHONGJOONGが一人頭を抱えながら舞台上をさまよい、一気に不穏な雰囲気に。圧倒的な演技力を見せるHONGJOONGは、黒づくめの何者かに囲まれタワーのふもとで姿を消してしまう。

2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPANの様子/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPANの様子/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
“ゴーッ”という轟音の後、タワーの上部の球体は目玉のように怪しく動き、鬼気迫るサイレンが響き渡る。先ほどまで光が灯っていたタワーは突如ATEEZとATINYを監視する監視塔となり、会場は闇が支配する暗黒世界に。ステージにはYUNHOが登場し、抵抗を試みるも敢え無く怪しげな組織に連れ去られてしまう。真っ黒なマントをまとって登場したSANも何者かに連行され、囚われの身に。鎖につながれたSANの肉体美に歓声が上がる中、ここからは囚われたATEEZが闇と対峙するセクションへ。「This World」「Wake Up」では真っ赤なロープや目隠しのスカーフを駆使し、視覚で魅せるパフォーマンスで会場全体の意識を完全に舞台へと集中させる。

SAN/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
SAN/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
「Guerrilla (Flag Ver.)」では、HONGJOONGがロックスターのごとくエレキギターをかき鳴らすサプライズも。叫び声にも近い高揚した歓声が押し寄せた。最初のMCでは、演技力が必要な今回の演出の裏話などをトークしながら「タワーが光を取り戻すまで力を合わせないといけません」と、今後も続く“自分だけの光を取り戻すまで”のストーリーへの期待感を高めた。

ファンタジーのような演出から青春ドラマのようなシーンまで…

MINGI/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
MINGI/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
MINGIのSWAG溢れるラップから始まるのは、椅子を駆使したパフォーマンスで知られる「Cyberpunk」。SEXYな魅力が充満する「Deja vu (Remix ver.)」のラストにはSEONGHWAが妖艶なソロダンスで再び闇に抗う。するとセンターステージには鳥かごの檻のようなセットが登場。無数の真っ白な羽の中からYEOSANGが姿を現す幻想的なシーンに目を奪われていると、YEOSANG、SAN、WOOYOUNGによるユニットナンバー「IT's You」でさらに世界観に引き込んだ。

YUNHO/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
YUNHO/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
3人のユニットステージが終わると、今度はメインステージ上に素朴な電話ボックスが姿を現す。アーティストを志すYUNHOとMINGIが、公衆電話でお互いの未来について語る青春ドラマのようなひと時が流れ、2人のユニットナンバー「Youth」へ。しっとりとしたムードのまま、続くのはグループ随一の歌唱力を誇るJONGHOによるソロバラードナンバー「Everything」。ステージ中央に現れた螺旋階段の踊り場で思いを込めるJONGHOの力強い美声が響いた。

JONGHO/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
JONGHO/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment

遂に光を取り戻したATEEZ ショーはクライマックスへ

WOOYOUNG/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
WOOYOUNG/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
ユニット曲、ソロ曲を通し、自分だけの光を信じ、闇の中を進んできた8人。続くWOOYOUNGのダイナミックなソロブレイクダンスによって、ついにタワーには再び光が。輝くシルバーの衣装にチェンジした8人が披露するのは「Silver Light」。

無事、光が戻ったタワーは、今度は大海原を前に灯台に姿を変え、8人は新たな航海へ。「WAVE」「Dancing Like Butterfly Wings」の後はHONGJOONG、SEONGHWAの長男コンビによる「MATZ」。毛皮のコート、サングラスといったワイルドな姿の2人がアナーキーな魅力を爆発させる。

YEOSANG/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
YEOSANG/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
続いてメインステージにはレトロな洋画に登場しそうな“酒場”のセットが出現。ラテンのリズムに掛け声が飛び交う「ARRIBA」、西部劇を彷彿とさせる「DJANGO」を、酒場に集う輩になりきり披露する。途中メンバーがバーカウンターでお酒を注文したり、バラの花で観客にアピールしたりと、コミカルな芝居も見逃せない。

伝説のクラーケン登場「WONDERLAND」で圧巻のフィナーレ

SEONGHWA/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
SEONGHWA/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
昨年TikTokでブームとなった「BOUNCY (K-HOT CHILLI PEPPERS)」に歓声が上がった後は、いよいよ本編のクライマックス。“ラスボス登場”だ。

ATEEZがサバイバル番組「KINGDOM:LEGENDARY WAR」で披露した「WONDERLAND(Symphony No. 9)」のパフォーマンスで視聴者の度肝を抜いたのは約3年前のこと。巨大な海の怪物クラーケンに立ち向かう海賊の死闘を表現したステージは、知らない人がいないほどK-POPの歴史の一ページとして刻まれている。

そのレジェンドステージを再び呼び覚ますかのように、メインステージには巨大なクラーケンの足が出現し、タワーは怪物の胴体に姿を変える。鬼気迫るパフォーマンスの中、SEONGHWAが光る剣を振り上げクラーケンを倒し、JONGHOの4段高音が響き渡る。ステージを壊してしまいそうなほど強烈なダンスブレイクでラストを飾ると、あまりの迫力に圧倒された観客のどよめきと共に本編が幕を閉じた。

「Dreamy Day」からスタートしたアンコールでは、メインタワーで輝く光の球に触れるかのように、センターステージに巨大な手のバルーンが登場。自分たちの手で光にたどり着いた8人は「Eternal Sunshine」「I'm The One」「The Real」とタイトル曲のメドレーでエネルギーを発散させ、「Turbulence (Orchestra Ver.) - JP Ver.」で初心に戻る。フィナーレの「Utopia (EDM Ver) - JP Ver.」ではトロッコで会場を一周し、ファン1人1人と心を通わせた。

いよいよ7年目突入 進化を続けるATEEZ

2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPANの様子/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPANの様子/Photo by 宮田浩史(C)KQ Entertainment
ストーリーテリングに徹することで、一段と大きくなった会場でも彼らのパフォーマンスの完成度の高さを隅々にまで伝え、観客全員を夢中にさせた今回のコンサート。一方MCでは持ち前のチャーミングさ、一段と上達した日本語トークも披露し、上限なき魅力を見せつけた。

7年目のスタートを切ったATEEZは4月12日・19日に米カリフォルニアで開催される世界最大級のミュージック・フェスティバル「Coachella Valley Music and Arts Festival」へK-POPボーイズ・グループ史上初出演することも決定。ステージ上で壮大な物語を紡ぐ唯一無二のアイドルとして、K-POPの新たな歴史を刻むであろうATEEZに期待が留まることはない。

2月28日には3枚目となるシングル「NOT OKAY」をリリース予定。今作の表題曲「NOT OKAY」は、今作の日本オリジナルシングルのために書き下ろした作品となっている。(modelpress編集部)

「2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPAN」セットリスト

M-1 Crazy form
M-2 Say My Name
M-3 WIN
M-4 This World + Wake Up
M-5 Guerrilla (Flag Ver.)
M-6 Cyberpunk
M-7 Deja vu (Remix ver.)
M-8 IT's You (YEOSANG, SAN, WOOYOUNG)
M-9 Youth (YUNHO, MINGI)
M-10 Everything (JONGHO)
M-11 Silver Light
M-12 Crescent pt2. + WAVE
M-13 Dancing Like Butterfly Wings
M-14 MATZ (HONGJOONG, SEONGHWA)
M-15 ARRIBA
M-16 DJANGO
M-17 BOUNCY (K-HOT CHILLI PEPPERS)
M-18 WONDERLAND (Symphony No. 9)

<ANCORE>

Dreamy Day
Title Medley(Eternal Sunshine+ I'm The One+ The Real)
Turbulence (Orchestra Ver.) - JP Ver.
Utopia (EDM Ver) - JP Ver.
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