「推し見習って投票に行こう」K-POPファンの参院選呼びかけが話題 新大久保やSNSで“投票認証ショットチャレンジ”
2022.07.08 11:00
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10日に投開票が行われる「第26回参議院議員通常選挙」。若者世代の投票率向上を目指す取り組みが多様化する中、K-POPファンによる積極的なアクションが注目を集めている。
若者の投票率、どう上げる?K-POPの“推し”見習って
参院選は国の代表者を選ぶ国政選挙にも関わらず、前回2019年の投票率は48.80%と過去2番目に低い数字に。さらに10代は32.28%、20代は30.96%と世界的に見てもかなり低い水準で、若者の政治への関心の無さが浮き彫りになってしまっている。去年10月の衆議院議員総選挙からは、人気俳優らが投票を呼びかける動きが少しずつ出てきたことで話題に。しかし投票率は10代が43.21%、20代が36.5%と伸び悩んだ。
若者世代の3分の1ほどしか、選挙に行っていない日本。残る3分の2の人々も政治への関心を示すことができれば、政治家たちが向き合おうとする民意も必ず変わるだろう。
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— 投票認証ショットチャレンジ💜💎💚♥ (@vote_sticker710) 2022年7月7日
投票認証ショットチャレンジって
なに😯??
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7/10(日)に参議院選挙(国会議員をえらぶ選挙)があります🗳𖤐´-
投票率をあげて盛り上げたいと思ったKPOPファンが集まってカードとシールを作りました💪🏻 ̖́- pic.twitter.com/LndgjI4rhv
K-POPファンが新大久保で投票呼びかけ SNSでも話題に
今年3月に行われた大統領選挙の投票率は20代65.3%、30代69.3%(出口調査による推定値)と日本よりも若者の政治参加が当たり前となっている韓国。日本ではまだあまり想像がつかないが、大手事務所に所属するK-POPアイドルや人気俳優も、選挙の日は投票所で記念写真やセルフィーを撮り、彼らの“投票認証ショット”を各メディアが続々と取り上げるのが恒例だ。
우리도 함 #사전투표인증 pic.twitter.com/t5IFkaQciH
— 방탄소년단 (@BTS_twt) 2018年6月9日
カードにはQRコードがついており、読み込むと「推しの認証ショットと一緒に投票を呼びかけるツイートをしてみてね」「#7月10日選挙だね」「投票しました」「#投票認証ショット」「#参院選2022」など、選挙期間にも投票後にも使える分かりやすいハッシュタグとともにTwitterに投稿可能だ。
平日は夕方から1時間ほど、土日は昼頃から18時ごろまで、新大久保駅近くの交差点で配布を実施。おまけでついてくる「VOTE!(投票!)」の文字をあしらったタトゥーシールも人気となり、SNS上で話題となっている。
今回活動を行う「投票認証ショットチャレンジ(@vote_sticker710)」の皆さんに話を伺うと、「推しが投票する姿を見て『投票ってかっこいいことなんだ!』と投票に関心を持ってもらい、投票率が上がれば良いな」という思いが、今回のアクションにつながったという。「『投票』は、音楽番組で熾烈な投票合戦をするK-POPファンにとっては得意技なので、現実の自分たちの投票にも生かせたら良いな、という思いもありました」と、ファン文化ならではの得意分野も活かされている。
K-POPファンのつながりがアクティビズムに
K-POPファンの繋がりで政治に対するアクションをすることになったきっかけについて「K-POPのアイドル達、つまり私たちの推したちは、当たり前に投票に行ってそれをSNSにアップしています。私たちも同じように、『投票に行ったよ』『投票に行こうよ』と、もっとカジュアルに言いたいなと思った」と語る皆さん。中には「物価が高くなりこれでは推し活も厳しい、ということで、いつもより政治に目が向いたというメンバーもいました」と、趣味を楽しむことと、政治に関心を持つことは切っても切り離せないものだと実感している。
また“投票認証ショット”のアイデアだけでなく“投票のよびかけ”も加えたことには「外国籍の方たちや17歳以下の人たちも、みんなでこの社会をつくっているので、一緒にできるチャレンジにしたい」と、選挙権がない人たちも参加できるチャレンジにしたいという思いがあったという。
実際に「いいアクション!」「アイデアがすごい!」といったポジティブな反響が寄せられているそうだが、「でも、そもそも韓国では当たり前のことなので、ちょっと恥ずかしい気持ちもあります」と本音も。
“推し活”と結びつけ選挙身近に…手応えの一方、難しさも
しかし、カードをもらって初めて選挙が近いことを知ったという人や、必ず投票しますと言ってくれる人もおり「意味のある活動ができたと実感しました」と手応えを感じているという皆さん。SNSでは若者世代はもちろん「小泉今日子さん(株式会社明後日のアカウント)もRTしてくださいました」と、幅広い人々に運動の輪が広がっている。“推し活”と結びつけるからこそ自然と選挙が身近に感じられ、政治にも関心を持つことが出来る一面もある。「私たちも選挙の話は、何か話しにくい雰囲気があって、決まった人とはできるけれど、いろんな人と気軽にできるという感じはない気がします。でも新大久保でカードを渡した人には、Stray KidsやTWICEのメンバーもやってるんですよと言うと、『投票行って認証カット上げてるのってかっこいいですよね』という話を自然にすることができます」と、活動を通しそれを実感したそうだ。
一方で、「今度選挙があるんです」「投票の呼びかけなんです」と言うと「あ、大丈夫です…」と離れてしまう人も多かったそうで「それほど『選挙』『投票』という言葉が、日本では気軽に口にできないんだなと思いました。やはりここでも、推したちが気軽に『投票認証ショット』を上げる韓国との違いを感じました」と、政治に関するアクションが当たり前ではない日本の現実にも直面したという。
Kカルチャーファンとして「差別をなくしていくべき」“当たり前でない”選挙権への思いも
今や韓国のエンターテインメントは、世界共通で評価される人気コンテンツだ。しかし日本では韓国エンタメのファンでいることで、様々なノイズやモヤモヤに直面することも多い。Kカルチャーのファンというアイデンティティは、社会的・政治的なイシューへ関心とも密接に関わっている。
今回の有志の皆さんも「K-POPやKカルチャーは世界的に人気で、面白くて魅力的なものばかりです。でも、日本でK推しをしていると、身近な友人や家族から批判されることも多い。それでようやく、自分たちの周りにも人種差別や民族差別があることに気付きました。では、どうしたらそうした差別が無くなるのだろうと、ファン同士で話し合いを重ねる中で、選挙に行って社会のしくみを変え、差別をなくしていくべきだと考えるようになりました。それも、アクションをしたきっかけの1つです」と、K-POPのファン活動を通して“差別をなくしたい”という意識が1つの原動力となっているという。
活動を行う新大久保は、選挙権が与えられていない外国籍の人々も多い街であり、投票が当たり前の権利として認められない人々もいるという現実にも向き合うこととなる。「『投票に行こう』と呼びかけるときに、どうしても日本において選挙権のない人たちについて、考えてしまいます。今回は国政選挙ではありますが、海外においては多くの国で永住・定住外国人に地方参政権があるのに対し、日本では認められておらず、一緒に社会を構成しているのに、選挙という手段で意思を表現できない人たちが多くいらっしゃるということを考えずには、今回の投票に関するチャレンジを企画することはできませんでした。
人にはそれぞれ事情やおかれた立場などがあるので、誰か他の人の代わりに投票をすることはできません。だから、私たちは、投票に普段行かないという人たちにも、投票に行って自分の考えていることを表現してほしいと思うし、今の日本の制度では投票ができない人たちにも投票で考えを表現できるように、制度を変えていきたいと考えています。いつか、みんなで投票に行きましょう」と、切実な思いも伝えてくれた。
「推しのためにも、世の中を良くしよう」あらゆるファンダムが共有できる価値観
今回の運動は参院選のため急遽集まったメンバーとのことで、選挙後は解散するそうだが「投票に行くことは自分の意志を示す権利であり手段です」「『推しのためにも、世の中を良くしよう』という思いは、K-POPファンにかぎらず、あらゆるファンダムの方が共有できそうです。いろいろなプロジェクトを、それぞれのファンダムで立ち上げたら面白いなと思います」と、今後への展望も語ってくれた皆さん。同アカウントでは、たくさんのK-POPアイドルや歌手、俳優さんたちの“投票認証ショット”を紹介している。「自分の好きな人の投票認証ショットがなかったら、#7月10日選挙だね #投票認証ショット のタグでツイートしてくれたら、集めにいきます!」とのこと。カードの配布は9日も実施し、カードの残り具合によっては10日も行う予定だという。(modelpress編集部)
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