横山裕、人生に悔いなし「明日死んでもいいと思って生きてる」揺るぎない信念とSUPER EIGHTとの絆【「私の夫と結婚して」インタビュー】
2025.07.17 17:00
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Amazon Originalドラマ『私の夫と結婚して』(全10話/Prime Videoにて毎週金曜2話ずつ配信)に出演中のSUPER EIGHT・横山裕(よこやま・ゆう/44)にモデルプレスがインタビュー。本作は日韓共同プロジェクトとして映像化された話題作で、横山は小芝風花演じる主人公・神戸美紗の“1度目の人生の夫”・平野友也役を熱演している。葛藤しながら役と向き合った心境や、自身の人生観、さらにデビュー20周年を迎えた今なお進化を続けるグループの絆について語ってくれた。
「私の夫と結婚して」日韓共同プロジェクトで映像化
韓国発のヒットウェブ小説を原作に、2024年に韓国で実写ドラマ化され、Prime Videoで世界独占配信された本作は、口コミで注目を集め、国境を越えて支持を獲得。世界で話題のフランチャイズの日本オリジナル版ドラマの制作が決定した。手がけたのは、映画『パラサイト 半地下の家族』のCJ ENMと、『愛の不時着』などで知られるスタジオドラゴンによる初の日本プロジェクト。物語の主人公は、他人を優先する“脇役”のような人生を送ってきた神戸美紗(小芝風花)。親友と夫に裏切られ命を落とした彼女は、気づけば10年前にタイムリープ。2人への復讐を誓う中で、1度目の人生では出会わなかった部長・鈴木亘(佐藤健)と関わり、自分自身の人生を生き直していく姿が描かれる。
横山裕、理解不能な役「友也」との真摯な向き合い
― 友也という人物について、どのように解釈して演じられましたか?横山:正直に言うと、友也の気持ちがなかなか理解できませんでした。なんでそんな行動を取るのか悩みながら、台本を自分なりに咀嚼して、監督とも相談を重ねて役に向き合いました。特にしんどかったのは、相手を追い詰めるようなシーンです。演じているこっちが「もうやめとけって…」「そんな言い方をしたら相手が傷つくやん…」と思いながらやってましたからね(苦笑)。たとえ友也が本気で言っているとしても、自分なら絶対そんな言い方しないやろって思うし、その感覚のズレにかなり戸惑いました。
― 特に印象に残ったセリフはありますか?
横山:ブチ切れた後に、まるで何もなかったかのように「許してあげるよ」と笑顔で言いながら、自分本位に振る舞う友也は本当に意味がわかりませんでした(笑)。心の中では「いや、まず謝れよ」ってツッコんでましたね(笑)。あの言動は、まさに世間で言う“モラハラ”なんだろうなと思いました。もし自分が少しでも彼の気持ちをわかってしまったら…と思うと、それが一番怖かったです。逆に、理解できなかった自分で良かったなとすら思いました。
― 共感できる部分は一つもなかったですか?
横山:こんなに共感できない役は初めてというくらい、共感できる部分が一つもありませんでした。これまでも悪役を演じてきたことはあるんですが、「なぜそうするのか」という理由が、なんとなくでも理解できることが多かったんです。でも今回は本当にわからなかった。「恋は盲目」と言うように、相手に執着してしまう気持ちはわかるとはいえ、普通なら「そんなことをしたら嫌われる」とわかるはずなのに、なぜそれが考えられないのか。その感覚がどうしても共感できませんでした。
― では、友也の唯一の“良いところ”を挙げるとしたら?
横山:“素直さ”ですかね。撮影中、スタッフさんから「友也がかわいそうに見えてきた」「横山くんが演じているからじゃないかな」と言われることがあって、それが良いか悪いかは別として、少なくとも僕がこの役に向き合った意味はあったと感じています。
― 理解できない役を演じるうえで、工夫したことはありますか?
横山:友也には“ナルシスト”という側面があったので、その点を意識しました。共演の(佐藤)健くんがシュッとした髪型だと聞き、僕はあえてパーマをかけ、ナルシスト風にセットすることで、見た目でキャラクターの差を出す工夫をしました。
― 内面的な部分ではいかがでしたか?
横山:共感できない役だからこそ、毎日が本当にしんどかったです。演じているうちに、だんだんと自分と役との境界が曖昧になってきて、「自分はここにいていいんだろうか…」と気持ちが沈む瞬間もありました。健くんと風花ちゃんが楽しそうに話しているのを見て、思わずうらやましくなったりもして(笑)。「どうせ俺なんて…」と思うのは、人生で初めての感覚でした。これまで僕は、役を引きずることがあまりなく、どんな仕事でもしっかりオンとオフを切り替えられるタイプだったんですけど、今回はそのスイッチを入れるのが本当に難しかったです。
― スイッチのオンオフが難しかったとのことですが、共演者の皆さんとの印象的なエピソードはありますか?
横山:撮影中の4ヶ月間は精神的にも体力的にも相当ハードだったと思いますが、共演者の皆さんは本当に素晴らしい役者の方ばかりで、それぞれが役と真剣に向き合う姿に圧倒されました。特に印象に残っているのは、健くんと対峙して、首を絞めるシーンです。彼が「本気で来てください」と言ってくれたので、遠慮せず思いきり演じることができました。風花ちゃんも暴力的なシーンで真っ向からぶつかってきてくれて、その真剣さにすごく刺激を受けました。
監督との間で言葉の壁があり、最初は少し不安もありましたが、言葉ではなく“感情”で演技を見てくださっていて、「いいよ、いいよ!」と笑顔で受け止めてくれたことが本当に救いでした。韓国チームの皆さんから「友也が好き」と言っていただけたのも嬉しくて、自分がこの役に向き合ってきたことが報われたような気がしました。
横山裕、人生に悔いなし「明日死んでもいいと思って生きてる」 悲しみを乗り越える方法とは
― もし今回の作品のように“タイムリープ”ができるとしたら、やり直したい過去はありますか?横山:それこそ、監督が「友也がタイムリープした作品を作りたい」とおっしゃってくれていましたね。「今度はかっこよく撮るから!」って。かっこよくならないとは思いますが(笑)、冗談でも嬉しかったです。僕自身は、今の人生にすごく満足しているので、やり直したいことはないですね。まだ人生の途中なので、もちろん100点だとは思っていませんが、死ぬときには「楽しかったな~!」と思えるように、今は種を蒔いている状態です。だから何の後悔もしていません。44年生きていますが、これまでの嫌なことも全部意味があると思っていますし、良くも悪くも自分次第だと思っています。だから、今がいいですね。やり直すのもしんどいです(笑)。明日死んでもいいと思って生きています。
― 過去と未来では、どちらを大切にされますか?
横山:僕はもう、未来しか見ていないですね。40歳を過ぎてから、過去のことは「もう終わったこと」として自然に割り切れるようになってきました。昔は「あの芝居はもっとこうすればよかったな」とか、「バラエティでああ言えばよかった」と後悔することもありましたが、今は監督がOKを出したなら、「じゃあ俺のせいじゃないな」と思えるようになりました(笑)。もちろん自分のカラーを出すことも大事なので、現場ではディスカッションもしますし、アイディアも出しますけど、最終的に監督が「これでいこう」と判断したら、それが作品にとっての正解なんだと思えるようになったんです。過信せず、「自分ひとりでできることなんて、大したことじゃない」と思っておくくらいが、ちょうどいいのかもしれません。
― 横山さんは、落ち込んだり、悲しいことがあったりしたときは、どのように乗り越えますか?“悲しみを乗り越える方法”を教えてください。
横山:肉を食べて酒を飲みます!それで明日を迎えます(笑)。考え込んでしまうのは仕方ないですけど、どうしようもないときは「肉を食べて酒を飲んで寝る」って決めています。次の日には忘れたふりをして、平常心でいる。…本当は覚えているんですけどね(笑)。
横山裕、揺るぎない信念とSUPER EIGHTとの絆
― 今回の作品には「自己犠牲」というテーマが含まれていますが、アイドルや俳優という立場で、ファンや周囲から求められることと、ご自身のやりたいこととの狭間で葛藤することはありますか?横山:最近すごく感じているのは、「目先の正解を求めてはいけない」ということです。自分の信念や、やりたいことを貫いて、それを“正解”にしていくしかないと思っていて。新しいことに挑戦すればするほど、賛否が生まれる仕事ですが、肯定的な意見も否定的な意見も、どちらも自分に関心を持ってくれているからこそ出てくるものだと思うんです。だからこそ、否定の声に引っ張られすぎずに、「自分がこう思ったからこうしたんだ」「これが自分の正解なんだ」と胸を張れるような選択をしていきたいし、それを認めてもらえるようにしっかり頑張らなきゃいけない。“自分を信じてやり抜く”――最終的には、それしかないと思っています。
― そう思うようになったきっかけは、何かあったのでしょうか?
横山:いろんな仕事を重ねる中で、自然とそう考えるようになりました。経験を積めば積むほど、いろんな声が届くようになるんですよね。でも、僕たちの仕事って、そもそも人に見てもらって成り立つものなので、それだけ注目してもらえているというのは、ありがたいことなんだと思います。僕は芸能界でのキャリアも長くなってきて、会社で言えばベテランと呼ばれる立場になり、改めてそう実感することが増えました。
― 横山さんをはじめ、SUPER EIGHTの皆さんは「自分の人生を生きている」という印象があります。心がけていることはありますか?
横山:綺麗事に聞こえるかもしれないですが、まずは「みんなに幸せになってほしい」と本気で思っています。メンバーはもちろん、スタッフさんやファンの皆さんも含めて。去年、20周年を無事に迎えられたことが、メンバーそれぞれの自信になったと思います。今年はみんなそれぞれの場所で新しい仕事に挑戦していて、僕もメンバーの活躍をニュースでよく見るんです。ついこの間も、「マル(丸山隆平)、声優やるんや!」ってニュースで見て知りました(笑)。ほんまに知らなかったです(笑)。
― (笑)。皆さん自信がついたからこそ、自分の人生を自由に歩けるのかもしれませんね。
横山:「やり切った!」という感覚があるからこそ、今は自分のやりたいことに向き合えているのかもしれないです。今年は一旦、それぞれが自分の好きなことに挑戦して、また集まったときに“もっと大きなグループ”になれていたらいいなって、僕は勝手に思っています。みんな休んだらいいのに、と思うんですけど、誰も休もうとしないのもすごいし、お互い切磋琢磨しているなと思います。
― メンバー間で「お互いの挑戦を尊重しよう」といった話し合いはされているのでしょうか?
横山:そういう話は特にしてないですね。ただ、去年の20周年が終わった後に「来年はどうする?」という話になって、個々の仕事が増えそうと聞いたときに、僕は「ソロプロジェクトを立ち上げてみようかな」と提案させてもらったんです。ちょうどそのタイミングで、今回の作品のお話をいただきました。今年は「挑戦の年にしよう」と思っていたので、台本を読んだときは「うわ、マジか…」ってなったけど(笑)、みんなが新しいことに挑戦している中だったので、自分も逃げずにやろうと腹をくくりました。そういう意味では、メンバーからの刺激も大きかったと思います。
― 素敵です。これまでのキャリアで数々の役を演じてこられた中で、今回の“友也”という役は、横山さんにとってどのような意味を持つ挑戦でしたか?
横山:この役を、世の中の人がどう受け取るのかは本当に楽しみですし、正直ちょっと怖さもあります。「最低だ!」と思われることも覚悟しています。でも、それも含めて挑戦だったと思います。自分の中では役者としての幅が確実に広がったと感じているし、本当にやってよかったと心から思える作品になりました。芸能生活ももう30年近くになりますが、こんなに濃厚で葛藤の多い4ヶ月はなかなかありませんでした。それだけ自分にとって特別な経験になりました。
― ありがとうございました。
インタビューこぼれ話
インタビュー中、作品資料を眺めながら「佐藤健くん、かっこよかったでしょ?シュッとしてて、ほんまにかっこいいですよね」と語っていた横山さん。6月末に実施した取材時点では、まだ完成した全話の映像を観ていないそうで、「自分が演じた友也がどう映っているのか…」と少し不安な様子も見せていた。「横山さんも十分シュッとされていますよ。体づくりもされたんですか?」と尋ねると、「普段からトレーニングはしてますけど、特別なことはしてないです。でも言うてももう44歳ですから(笑)。この3人に混ざって違和感がないように、ちょっと意識しましたね(笑)」と、小芝風花さん、佐藤健さん、白石聖さんとのビジュアルバランスを気にしていた一面も。横山さんらしい謙虚さとユーモアが垣間見える瞬間だった。
(modelpress編集部)
横山裕(よこやま・ゆう)プロフィール
1981年5月9日生まれ、大阪府出身。2004年に関ジャニ∞(現・SUPER EIGHT)のメンバーとしてCDデビュー。グループ活動と並行して、俳優、バラエティ番組への出演、後輩のプロデュースなど多方面で活躍している。俳優としても確かな存在感を放ち、近年の主な出演作に、テレビ朝日系ドラマ「コタローは1人暮らし」シリーズ(2021年・2023年)、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」(2022〜2023年)、読売テレビ・日本テレビ系「約束〜16年目の真実〜」(2024年)などがある。
【Not Sponsored 記事】
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