橋本環奈主演ドラマ「天久鷹央の推理カルテ」

知念実希人が手掛ける本格医療ミステリー小説「天久鷹央の推理カルテ」が実写化。超越した頭脳＆医師としての圧倒的な知識と洞察力を持っている診断医・天久鷹央（橋本）が、内科医・小鳥遊優（三浦翔平）とバディを組み、謎多き病状や殺人事件、超常現象までを鮮やかに解決していく。

ドラマ版の鷹央を橋本が、アニメ版の鷹央を佐倉が務め、ドラマ第1話には佐倉がゲスト出演する。

橋本環奈、佐倉綾音演じるアニメ版・天久鷹央の魅力

― 今日が初対面とのことですが、これまでのお互いの印象はいかがですか？

橋本： 佐倉さんは、声優業界に詳しくない私でもお名前を存じ上げていたほどの方で、初めてご一緒できると知った時はとても嬉しかったです。私自身、これまで声優の方とお仕事でご一緒する機会がなかなかなくて、知り合いもほとんどいなかったので、「あ、みーちゃん（浜辺美波）とお友達なんだ！」と少し親近感を覚えていました。

今回のアニメも拝見していたのですが、鷹央が診断を下すシーンの説得力や格好良さに圧倒されて、「声の力ってこんなに感情を揺さぶるんだ…」と驚きました。私は声のお仕事をたまにナレーションなどで経験させていただく程度なのですが、実際やってみると本当に難しくて…。息切れするようなシーンや、身振り手振りなしで伝えるというのがこんなにも大変なんだと実感しています。

なので、アニメの天久鷹央を真似しようとしても、到底できるものではなくて。今回は「演じる参考に」というよりも、一視聴者として純粋に楽しませていただいています。

― 実際お会いしての印象はいかがですか？

橋本： まだたくさんお話できてはいませんが、第一印象そのままにとても優しそうで素敵な方です。でも、みーちゃんから「すごく面白い人なんだよ」と聞いていたので、これからもっとお話しする中で、いろんな魅力を知っていけたらいいなと思っています（笑）。

佐倉： 猫は被っています！好きになってもらいたいので（笑）。

橋本： 被っていない部分も気になりますね（笑）。

橋本環奈＆佐倉綾音、驚きの繋がり明らかに

― 佐倉さんはいかがですか？

佐倉： 実は「初対面です」と言ったのはちょっとした嘘で…。実は、以前橋本さんが出演されていた映像で、歌の部分を担当させていただいたことがあるんです。当時「橋本環奈さんの歌を歌ってほしい」と言われて、それがもう10年以上前になりますね。

橋本： えっ、そうだったんですか！？懐かしい…もうそんなになりますか。たぶん本当にデビューしたばかりの頃ですね。

佐倉： 撮影現場を少し見させてもらってから、収録に入ったんですが、その時からずっと変わらない透明感と、佇まいが印象的で…。「本物だ」と思ったのを覚えています。

橋本： そんな風に思っていただけていたなんて…。身長はあの頃からほとんど変わっていないですけどね（笑）。

佐倉： それがまたすごいんです（笑）。今回、鷹央役が橋本さんと聞いた瞬間に、「あっ！私、この人の声やったことあったんだ」と思い出して。今回こうして近くでお会いできたことが本当に嬉しいです。

― 今後もう少し時間をかけて仲良くなれるといいですね。

橋本： ぜひ！みーちゃんに連絡して、プライベートでお会いする機会を作ってもらいます（笑）。

橋本環奈＆佐倉綾音、俳優・声優の違いに興味

― 初めてお会いしたということで、お互いに聞いてみたいことがあれば教えてください。

佐倉： 聞きたいことはたくさんあります！私、人に対する興味が強すぎて（笑）。

橋本： それ、すでに「面白い」っていう片鱗が見えてます（笑）。

佐倉： 役者さんと声優って、同じ演じる仕事でも全然違うと思っていて。特に、台本をどう扱うかの感覚がまったく違うんじゃないかなと。役者さんは台本を頭に入れてから現場に入るけれど、私たちは台本がないと何もできなくて…。だから、よく聞かれると思うんですけど、セリフってどうやって覚えてるんですか？

橋本： シーンにもよりますが、日常会話だと台本を「写真で記憶してる」ような感覚ですかね。でも今回のように難しい用語が多いときは、もうテスト勉強と同じで、ただただ暗記です（笑）。あとは時間があるときにブツブツ声に出して繰り返しています。相手のセリフもある程度は頭に入れています。

佐倉： 景色が変わると、感覚も変わったりしますか？

橋本： まさにそれで、「あれ、なんだったっけ？」ってなることあります（笑）。だから動きを入れて身体に馴染ませながら覚えていく感じですね。

佐倉： 人間なんだ…！（笑）

橋本： もちろんです（笑）！完璧にはなかなかいかないので、現場では段取りがすごく大事ですね。1発本番はなかなか厳しいです。

― 橋本さんから佐倉さんへの質問はありますか？

橋本： アニメの台本って、たとえば「あ」とか一言だけでも書いてあるんですか？キャラの口が動いていないときでも、セリフが入っていたりするので…。

佐倉： 書いてありますよ。「…」も含めて。映像のタイミングに合わせて喋る必要があるので、ここから喋ってここで終わる、という秒単位の尺が決まっていて、それに合わせて読むんです。

橋本： すごすぎます…。時間の感覚、めちゃくちゃ鍛えられそうですね。

佐倉： ですね。「あと3秒でこの文を読み終えなきゃ」とか瞬時に計算します。

橋本： 本当に尊敬します…。私には無理だと思います（笑）。噛んじゃいませんか？

佐倉： 噛みますよ、人間ですから（笑）。だから先の行の漢字を読みながら、今の行を喋ってる感じです。

橋本： ちなみに、OKが出ても納得いかないときに「もう1回やりたいです」って言えるんですか？

佐倉： 現場によりますが、言えることもあります。橋本さんもそういうことありますか？

橋本： はい、ありますね。「今のもう1回やりたいな」と思っても、監督がOKを出してくれると、「じゃあ、これでいいんだ」と思うようにしています。むしろ、その“まとまってなさ”がリアルだったりすることもありますよね。

佐倉： それ、すごくわかります。「ちょっと声がひっくり返っちゃったな」って思っても、オンエアで観ると、その“ひっかかり”がかえって作品に深みを与えていたりして。最初は「もう一回やりたい…！」って思ってましたけど、最近は「OKって言ってもらえたんだから、それでいいか！」と（笑）。

橋本： まさに“静観”ですね（笑）。面白い！

― 貴重なお話をありがとうございました。

（modelpress編集部）

橋本環奈（はしもと・かんな）プロフィール

1999年2月3日生まれ、福岡県出身。2011年、是枝裕和監督・脚本映画「奇跡」で映画デビュー。2016年公開の「セーラー服と機関銃 -卒業-」では初主演を務め、同作にて第40回日本アカデミー賞「新人俳優賞」受賞。近年はドラマ「王様に捧ぐ薬指」（TBS系／2023）、「トクメイ！警視庁特別会計係」（カンテレ・フジテレビ系／2023）、連続テレビ小説「おむすび」（NHK／2024）、映画「キングダム 」シリーズ、「春に散る」（2023）、「禁じれらた遊び」（2023）、「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う」（Netflix／2023）などに出演している。また、2022年東京・帝国劇場でスタートし、2024年イギリス・ロンドンでの公演も成功させた舞台「千と千尋の神隠し」では初演から主人公・千尋を演じており、2025年7月～8月には上海での公演も決定している。

佐倉綾音（さくら・あやね）プロフィール

1月29日生まれ、東京都出身。声優デビュー後、数々の作品に出演し、2018年には、第12回声優アワード助演女優賞・パーソナリティ賞を受賞。近年は「僕のヒーローアカデミア」麗日お茶子役、「進撃の巨人」ガビ・ブラウン役、「新幹線変形ロボ シンカリオン」速杉ハヤト役、「ご注文はうさぎですか？」ココア役、「五等分の花嫁」中野四葉役、「SPY×FAMILY」フィオナ・フロスト役、「ダンダダン」アイラ＜白鳥愛羅＞役、「わたしの幸せな結婚」斎森香耶役など、多くの話題作で活躍している。

ドラマ「天久鷹央の推理カルテ」第1話

天医会総合病院の統括診断部に、元外科医の内科医・小鳥遊優（三浦翔平）が派遣されてきた。各科で「診断困難」と判断された患者が集められる統括診断部の部長を務めるのは、同院の院長・天久大鷲（柳葉敏郎）の姪で、副院長でもある天久鷹央（橋本環奈）だ。唯一無二の個性をもつ鷹央の言動は、姉である事務長・天久真鶴（佐々木希）を除いて誰も制御できず、研修医の鴻ノ池舞（畑芽育）も「天久鷹央劇場」と評するほど。この日も小鳥遊のことを初対面にもかかわらず「小鳥」呼ばわりし、無邪気にぞんざいな態度を取る鷹央に、小鳥遊はあ然とするが、同時にその能力に舌を巻くことになる。何を隠そう鷹央は、驚異の診断能力を誇る天才ドクターだった。

まもなく、トラック運転手・香川昌平（塚地武雅）が交通事故を起こし、救急搬送されてくる。ドーナツを食べた直後に手が震え、意識を失ったという香川。彼が口にしたのは、このところ農薬混入事件や、消費者の集団嘔吐事件が相次ぐ会社のドーナツだった。しかし、いくら検査しても体に異常は見当たらないどころか、事故車内で回収したドーナツからも毒物は検出されない。この難攻不落の病状の原因究明に、鷹央と小鳥遊が挑むが…？