映画「少年と犬」西野七瀬に聞いた「誰かに喋りたくなる裏話」
2025.03.29 15:00
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【主演映画「少年と犬」(公開中)インタビュー】「とある罪を犯し、秘密を抱えながらデートクラブで働く」という複雑な役柄を、感情をあらわにするだけではなく、抑制のきいた演技で魅了する俳優・西野七瀬(30)に撮影の裏話を聞いた。
映画「少年と犬」は馳星周氏が2020年に発表、第163回直木賞を受賞し、現在までに累計発行部数55万部を突破している作品が原作。大切な人に会うために岩手県釜石から彷徨ってきた1匹の犬「多聞(たもん)」が、西の方角を目指して日本を縦断する旅路で出会った、傷つき、悩み、惑う人々との心の交流を描く。映画では原作の複数のエピソードにオリジナル要素を加えた。西野が演じるのは罪を隠し続ける女性・美羽。多聞と出逢ったことで、本当の自分を取り戻してゆき、やがて多聞を追ってきた和正(高橋文哉)と出会う。
【西野】セリフを事前に覚えて、どういう感じになるかイメージします。次の日が撮影のときは、こういうパターンもあるかな、といろいろな想定をしますが、これでいこうと一つに絞ることはしないです。現場でやってみて、監督からなにもなければこのあともこの感じでいこうかなと思いますし、監督からなにかあれば、考えていた別のパターンを伝えながらやり取りを重ねていきます。基本はどの作品もこういったやり方で演じています。
今回は初日が「とある罪を犯す」シーンの撮影でした。感情を爆発させるシーンからで、まだ現場の空気感や人に慣れていない状態で大変そうだな、と不安が先行していましたが、先に撮ったことで、自分の罪をいつでも思い出せる状態になり、その後の撮影がやりやすくなりました。
今作では美羽の現代パートと滋賀の過去パートがありますが、ほとんどは滋賀のところです。そこでは常に自分の過去の罪を背負っているのが美羽のリアルでした。演じる上で「とある罪」を先に経験できたことは、役作りにも良い影響があったと思います。
【西野】琵琶湖に入っていくシーンでは、無で演じることができたのですが、それは止めてくれる人がいたからだと思います。止めてくれると、私もそれに抗う力が生まれて。高橋さんが止めてくれるので私も遠慮なく暴れましたが、本気で止めないとやばいと思ったみたいです(笑)。水の中で進むのも時間がかかるということから、あらかじめ少し距離を空けていたからなおさら。段取りにはない想定外な状況から生まれたシーンですが、完成した作品を観たときに、あのとき無になれて良かったなと思いました。
あとお金を守るシーン。本当に怖くて。一ノ瀬ワタルさんは大きくて迫力があって力も強く、アスファルトもザラザラしていて、しかも雨。もともと雨のシーンではなかったのですが、雨がやまなかったので雨のシーンになりました。怖いし痛いし寒いしつらい。美羽の気持ちと重なったようで、想定以上のシーンになったのかもしれません。
多聞と遊ぶシーンではフリスビーを投げるのですが、私がフリスビーを投げたことがなくて、すごく下手だったんです。何度やっても変なところに飛んでいくので多聞も困惑していて。ずっと「いやいや、取れないよ」みたいな感じの顔をしていました(笑)。
― 監督や共演者、スタッフと意見を交わして多数のパターンを撮影。それらが繋がって出来上がった作品に、少なからず手応えはある。
【西野】話を知っていてもやはり感動しましたし、改めて映画っていいなと思いました。過酷なシーンも多いですが、最後は気持ちが前向きになれました。私のことを知らない方にもぜひ観ていただきたいですし、知るきっかけになっていただけたら嬉しいです。
【西野】うーん、今思えばスルメ…(笑)。基本は時間で解決するタイプですが、ずっとスルメを食べていたときがありました。ドンキなどに売っている赤い蓋の。あれがないと、みたいな感じになってしまって。時期はグループを卒業したあとくらいのことです。
卒業して、一人ですごく不安になって、私はこれからやっていけるのかと。お芝居でやっていけるのか不安で、不安とかそういった気持ちを落ち着かせるために、洗面所にこもって、ずっとスルメを食べていました。本当に止まらなくて(笑)。そのときは真剣でしたが、思い返したら笑い話です。
行ったことのないご飯屋さんを開拓しています。昔は外食イコール焼肉みたいな、お肉で喜ぶみたいな感じでしたが、最近はフレンチやイタリアンの美味しさに気づけました。時間がかかるコースよりも、頼んだものを一気に食べて帰る方がいいな、と思っていたのですが、順番も考えられているんだなとか、コースの楽しさみたいなものも少しずつわかってきました。
<2:後輩・与田祐希の卒コンで福岡へ>
かずみん(高山一実)と二人で観に行きました。かずみんのスケジュールが空いているとわかって、行くー? どうするー? 行こうかー! と、すぐに決まって。祐希とはそんなに会話できなかったんですけど、また落ち着いたらご飯食べに行こう、みたいなやり取りはできました。
(modelpress編集部)
PHOTO:赤英路
ヘアメイク:土岐いつか
スタイリスト:鬼束香奈子
時は流れ、多聞は罪を隠し続ける女性・美羽(西野七瀬)と滋賀県にいた。多聞と過ごすことで徐々に平和な日常を取り戻していく美羽の前に、離れ離れになってしまった多聞を追いかけてきた和正が現れる。最初は和正を警戒した美羽だったが、多聞を通して二人は少しずつ心を通わせ始める。しかし、美羽が犯した罪は二人をどこまでも追いかけてきた。「俺が多聞を届ける。」美羽との約束を叶えるため、和正は多聞とともに“少年”を探す旅に出た。そこに待ち受ける過酷な運命、そして奇跡とは――。
西野七瀬の役作り 大きく影響した初日の撮影
― 今作では今まで経験したことがない感情になる場面が多かったという。これまで以上に一筋縄ではいかない役作りだったが、初日の撮影で景色が一変した。【西野】セリフを事前に覚えて、どういう感じになるかイメージします。次の日が撮影のときは、こういうパターンもあるかな、といろいろな想定をしますが、これでいこうと一つに絞ることはしないです。現場でやってみて、監督からなにもなければこのあともこの感じでいこうかなと思いますし、監督からなにかあれば、考えていた別のパターンを伝えながらやり取りを重ねていきます。基本はどの作品もこういったやり方で演じています。
今回は初日が「とある罪を犯す」シーンの撮影でした。感情を爆発させるシーンからで、まだ現場の空気感や人に慣れていない状態で大変そうだな、と不安が先行していましたが、先に撮ったことで、自分の罪をいつでも思い出せる状態になり、その後の撮影がやりやすくなりました。
今作では美羽の現代パートと滋賀の過去パートがありますが、ほとんどは滋賀のところです。そこでは常に自分の過去の罪を背負っているのが美羽のリアルでした。演じる上で「とある罪」を先に経験できたことは、役作りにも良い影響があったと思います。
西野七瀬に聞いた「誰かに喋りたくなる裏話」
― 美羽を演じる西野に思わず見入ってしまうシーンが多くある今作。映画鑑賞後に「誰かに喋りたくなるような撮影の裏話」も豊富だ。【西野】琵琶湖に入っていくシーンでは、無で演じることができたのですが、それは止めてくれる人がいたからだと思います。止めてくれると、私もそれに抗う力が生まれて。高橋さんが止めてくれるので私も遠慮なく暴れましたが、本気で止めないとやばいと思ったみたいです(笑)。水の中で進むのも時間がかかるということから、あらかじめ少し距離を空けていたからなおさら。段取りにはない想定外な状況から生まれたシーンですが、完成した作品を観たときに、あのとき無になれて良かったなと思いました。
あとお金を守るシーン。本当に怖くて。一ノ瀬ワタルさんは大きくて迫力があって力も強く、アスファルトもザラザラしていて、しかも雨。もともと雨のシーンではなかったのですが、雨がやまなかったので雨のシーンになりました。怖いし痛いし寒いしつらい。美羽の気持ちと重なったようで、想定以上のシーンになったのかもしれません。
多聞と遊ぶシーンではフリスビーを投げるのですが、私がフリスビーを投げたことがなくて、すごく下手だったんです。何度やっても変なところに飛んでいくので多聞も困惑していて。ずっと「いやいや、取れないよ」みたいな感じの顔をしていました(笑)。
― 監督や共演者、スタッフと意見を交わして多数のパターンを撮影。それらが繋がって出来上がった作品に、少なからず手応えはある。
【西野】話を知っていてもやはり感動しましたし、改めて映画っていいなと思いました。過酷なシーンも多いですが、最後は気持ちが前向きになれました。私のことを知らない方にもぜひ観ていただきたいですし、知るきっかけになっていただけたら嬉しいです。
西野七瀬のつらいときを支えた「スルメ」の話
― 多聞と出会って救われた美羽。「似たような経験はあるか?」と尋ねると、乃木坂46卒業後に思い悩んでいた時期を振り返ってくれた。【西野】うーん、今思えばスルメ…(笑)。基本は時間で解決するタイプですが、ずっとスルメを食べていたときがありました。ドンキなどに売っている赤い蓋の。あれがないと、みたいな感じになってしまって。時期はグループを卒業したあとくらいのことです。
卒業して、一人ですごく不安になって、私はこれからやっていけるのかと。お芝居でやっていけるのか不安で、不安とかそういった気持ちを落ち着かせるために、洗面所にこもって、ずっとスルメを食べていました。本当に止まらなくて(笑)。そのときは真剣でしたが、思い返したら笑い話です。
取材後の雑談(こぼれ話)
<1:最近の楽しみ→外食の新規開拓>行ったことのないご飯屋さんを開拓しています。昔は外食イコール焼肉みたいな、お肉で喜ぶみたいな感じでしたが、最近はフレンチやイタリアンの美味しさに気づけました。時間がかかるコースよりも、頼んだものを一気に食べて帰る方がいいな、と思っていたのですが、順番も考えられているんだなとか、コースの楽しさみたいなものも少しずつわかってきました。
<2:後輩・与田祐希の卒コンで福岡へ>
かずみん(高山一実)と二人で観に行きました。かずみんのスケジュールが空いているとわかって、行くー? どうするー? 行こうかー! と、すぐに決まって。祐希とはそんなに会話できなかったんですけど、また落ち着いたらご飯食べに行こう、みたいなやり取りはできました。
(modelpress編集部)
PHOTO:赤英路
ヘアメイク:土岐いつか
スタイリスト:鬼束香奈子
西野七瀬(にしの・ななせ)プロフィール
1994年5月25日生まれ、大阪府出身。O型。2011年にアイドルグループ「乃木坂46」のメンバーとしてキャリアをスタート。18年にグループを卒業後、本格的に俳優として活動。数々のドラマや映画、CM、舞台に出演している。主な映画作品に「あさひなぐ」(17)、「シン・仮面ライダー」(23)、「ある閉ざされた雪の山荘で」(24)、「52ヘルツのクジラたち」(24)、「帰ってきた あぶない刑事」(24)など。「孤狼の血 LEVEL2」(21)では日本アカデミー賞優秀助演女優賞と新人俳優賞を受賞し、「恋は光」(22)でヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞した。映画「少年と犬」ストーリー
震災から半年後の宮城県仙台。職を失った青年・和正(高橋文哉)は、同じく震災で飼い主を亡くした一頭の犬・多聞(たもん)と出逢った。和正とその家族に瞬く間に懐き、一家にとって無くてはならない存在となったが、多聞はなぜか常に<西の方角>を気にしていた。そんな中、家族を助けるため危険な仕事に手を染めてしまった和正は、やがて事件に巻き込まれ、その混乱の最中に多聞は姿を消してしまう。時は流れ、多聞は罪を隠し続ける女性・美羽(西野七瀬)と滋賀県にいた。多聞と過ごすことで徐々に平和な日常を取り戻していく美羽の前に、離れ離れになってしまった多聞を追いかけてきた和正が現れる。最初は和正を警戒した美羽だったが、多聞を通して二人は少しずつ心を通わせ始める。しかし、美羽が犯した罪は二人をどこまでも追いかけてきた。「俺が多聞を届ける。」美羽との約束を叶えるため、和正は多聞とともに“少年”を探す旅に出た。そこに待ち受ける過酷な運命、そして奇跡とは――。
【西野七瀬インタビュー】
— モデルプレス (@modelpress) 2025年3月29日
▫️映画「少年と犬」鑑賞後、
▫️誰かに喋りたくなる裏話
▫️乃木坂46から卒業後、
▫️つらいときを支えた「スルメ」
▫️後輩・与田祐希の卒コン、
▫️高山一実と二人で福岡へ
🔻詳細&写真(全13枚)https://t.co/2Va7sJktGu#少年と犬 @nanase_andstaff @shonentoinu_mv pic.twitter.com/TsjHp6Z1W0
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