岩橋玄樹「毎日不安や悩みと戦って生きている」経験から語る不安・葛藤の乗り越え方 “二面性”表したアルバム楽曲制作秘話【インタビュー後編】
2024.12.17 17:00
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元King & Princeでアーティストの岩橋玄樹(いわはし・げんき/27)が、12月18日に3rdアルバム『I’m A Hero』をリリースし、そのアルバムを記念して翌年1月より全国ツアーを開催する。モデルプレスのインタビューでは、振り幅を感じさせる楽曲たちに込められた思いや、自身が抱える不安や葛藤の乗り越え方、そして14年間芸能界で活躍し続けてきた岩橋の「夢を叶える秘訣」を聞いた。【インタビュー後編】
岩橋玄樹、新アルバム「I’m A Hero」に込めたメッセージ
『I’m A Hero』では、一聴しただけで多種多様な彼の姿を目の当たりにするだろう。例えば『花、暖かく』は、リスナーが懐かしさを感じる80年~90年代のJ-POPサウンドをインスパイアしたトラックに「果たせない約束 今も」「消える事のない痛み」といった切ない歌詞を乗せ、その世界観に沿った繊細でクールな歌声を披露。一方で、コレサワとのコラボレーション曲『あたしだけのスーパーマン』はスーパーマンに恋焦がれる女の子目線の楽曲で、可愛らしさに振り切ったサウンドと弾むような歌声が印象的だ。かなり振り幅を感じるこの楽曲たちは「常にカッコよく、そして優しく、誰からも頼りにされる存在」「日々悩みや迷いを抱える弱さ」というヒーローの二面性を表しているという。そのコンセプトにはどのような狙いがあったのだろうか。「コンセプトやテーマ、タイトルや楽曲も含めてですが、今回は1番最初のアイデアから楽曲を全部作り終わるまで、本当にいろんなアイデアを僕中心に皆で話し合って出して。その中でも特にそのタイトルにもある『I’m A Hero』。僕自身がヒーローでもあるけど、アルバムを聴いてくれる皆さん1人ひとりも誰かのヒーローだなと思って。ファンであるFairy(岩橋のファンネーム)の皆さんが楽曲を聴いて、誰かに勇気や元気を与えられるような、そんなアルバムにしたかったんです」
「まだ最初のアイデアの段階」という7月に配信された楽曲『花、暖かく』は当初「太陽に照らされて暖かく花みたいに諦めずに咲いていこうとしても、踏まれてしまったり辛い思いを抱いたりする、というネガティブな歌詞だったんです」と明かした岩橋。アルバムに収録するにあたって「それを逆の意味で捉えて、とても強く生きるというメッセージの曲になりました。歌詞を1人でLAの家で作っていて、途中で難しすぎて、僕もあまり意味が分からなくなってきてしまっていたんです。でも歌ったりパフォーマンスしていたりしたら、だんだん曲調や歌詞が馴染んでくるというか、はっきりと『こういう意味です』というものはないんですけど、パフォーマンスを含めて『悲しい時もあるけど、それを踏まえて良いこともあるよね』というメッセージを込めた楽曲になっています」と、楽曲が伝えたい思いや意味が変化したことを振り返った。
岩橋玄樹「THE アイドル曲」はFairyを想った歌詞に
ネガティブな思いさえもポジティブに変える楽曲を表現する力強さを持ちながら「僕は今いい意味でいろんな顔を持っているんです」と岩橋は“かっこいい”も“かわいい”も表現できると自身の強みを語る。「今年『愛◆魂-icon-24』(※◆はハートマーク)というライブでアイドルの曲だけをパフォーマンスするコンサートをやったんです。モーニング娘。さんやAKB48さんなど女性アイドルの方たちの曲もカバーして、本当にアイドルの曲だけというコンサート。その時にファンの皆さんと掛け合いができる『THE アイドル曲』を作りたいと思ったんです。コレサワさんはいろんなアイドルの方にも楽曲提供をされているし、キャッチーで印象的なたくさんのヒット曲を生み出している方なので『今アイドル曲を作るんだったら絶対コレサワさんに作ってもらいたい』と思って、僕が使いたいワードや見せたい世界観、こういうメロディーにしたいというのを打ち合わせして送りました。ファンの方々と『大好きだよ!』『大好きだよ!』とコールアンドレスポンスする部分もあるんですけど、そうやってファンの皆さんがいないと成り立たない曲を作りたかったんです」
「ファンの皆さんがいないと成り立たない曲を作りたかった」その言葉を聞いただけでも、岩橋のFairyに対する愛が伝わってくる。『あたしだけのスーパーマン』で岩橋がアイデアを出したという部分でも、離れていてもFairyに寄り添いたいという思いを教えてくれた。
「このファンとアイドルの関係性ってとても独特な文化だと思っていて。ファンの子たちは応援しているアイドルを本気で愛してくれているし、本気で応援してくれているじゃないですか。でも実際は、ステージに立っているアイドルと客席から応援しているファンという関係性に、家に帰ったら少し寂しくなってしまったりもするし、本当のボーイフレンドとガールフレンドみたいな感覚になったりする時もある。そういう女の子のセンシティブな気持ちや『どんな時でもあなたのために僕はスーパーマンとして戦っているから忘れていないよ』というアイドルの気持ちを表現したいというのはお願いしました。ファンの子たちがコンサートに来ている時は本当に夢の国、夢の世界にいるみたいな気持ちになるけど、明日から学校や仕事だと思うと寂しくなってしまうと思うから、そういう時にコンサートでのいい思い出や楽しさを忘れてほしくないと思って作りました」
岩橋玄樹、不安や葛藤を乗り越える方法
このアルバムでは、コンセプトであるヒーローの二面性にちなみ、Fairyにとっての“ヒーロー”である岩橋自身の内面的な心の葛藤も表現している。「アルバムの新曲の中にもありますが、ヒーローでも皆が強いわけではないし、ヒーローなりの悩みもあります」と打ち明けた彼に、どのようにその悩みと戦っているか聞くと、これまで約14年間芸能界で生きてきた経験から、今同じようにもがいている人へのエールを送ってくれた。「ファンの方から『玄樹くんってすごく強いね』『なんでそんなに強く生きていられるんですか』と言われることもありますけど、僕も本当に毎日不安や悩みと戦って生きているし、人それぞれに悩みはあるものだから、1人で抱え込まずに誰かに相談すれば、その人が助けてくれると思うし、助けてもらったら、恩返しする。そういうふうにして、人を思いやり、助け合うという連鎖がこの世界には必要だと思います。
1人で悩むことは良くないというのは、僕も経験してきたことだからこそ言えます。『悩みがある』『不安がある』って自分で気づけているのは、逆にまだ幸せことなんです。本当に辛い時は何も考えられないし、辛いことさえ分からなくなるから、『これが不安』『これが悩み』と自分で分かっているうちはまだ大丈夫だと思うので、早く解決しようと焦らないでゆっくりと正しい道を進むことが近道だと思います。不安や悩みをまだ解決できるチャンスがあるということを忘れないでほしいです」
岩橋玄樹、全国ツアーは「今までと違う感覚」にしたい
葛藤や不安、悩みと戦ってきた岩橋の思いを詰め込んだアルバム『I’m A Hero』を引っ提げ、2025年1月から全国4都市でZeppツアーが開催される。2023年10月ぶりとなる全国ツアーだが、岩橋は「今回のライブは『これって岩橋くんのライブだっけ?』と思われるようなライブにしたい」と意外な構想を練っていた。「詳しくは決まっていないんですけど、これまでの僕のライブは、例えば10月のハロウィンイベントでもファンクラブのイベントでも、オープニングからエンディングのアンコールまで、1つの物語になっていて。1日ディズニーランドに行って帰ってきたみたいな感覚で皆が本当に大満足して帰る。そういうライブだったんです。でも、今回は、ライブが終わった後に『ちょっと今までと違う感覚だな』と思って帰ってもらいたいんです。
今までは本当に分かりやすいように僕をピックアップする映像や照明の演出を作ってきましたけど、もっと曲を聴いてもらいたい、僕にライトなんて当たっていなくていいから曲だけ聴いてもらいたい。どこまでやるか分からないですが、曲に合わせたレーザー照明などもっと1つのアート作品になるようなツアーにしたくて、今まで皆さんが見たことないような歌い方やパフォーマンスもしたいと思っています。これまでやってきたアイドルっぽいイベントやファンイベントとのギャップを楽しんでもらえたらいいなと思うし、そこからまた新しい表現をするんだということを知ってもらって、僕のことを新たに応援してくれるファンにも来てほしいと思います。今はいろんな自分を表現できるので、それは自分にとって神様からの最高のギフトだなと感じています」
岩橋玄樹の夢を叶える秘訣
これまで芸能界で活躍を続け、さらにいま新たな挑戦に意欲を見せる岩橋に「夢を叶える秘訣」を聞くと「それは僕も分からないです」と正直な本音が。「夢ってその時その時で変わるし、去年の今頃、僕が思っていた目標や夢と今思っている夢は全く違うから。本当にネバーエンディングで、ゴールがないし『これが夢なんだ』と思ってしまうと、次のモチベーションがなくなってしまうから、1つひとつがお話のストーリーみたいな感じです」と夢は日々変わり続けるとも答えた岩橋だが、どんな夢を追い続けるにも大切なことを教えてくれた。「『絶対こういう風になりたい』という目標はちゃんと持っておいた方がいいと思います。『それに向かって何をしたらいいんだろう』と悩んだり『これが叶わなかったから自分の夢が叶わなかった』と落ち込んだりする必要はなくて、それはあくまでも自分の人生の中での1つの通過点だと思うし、その時できなくても1年後、2年後にはクリアしている、みたいなこともたくさんあるから。だって僕が事務所を辞めた時も、今こうやって取材してもらっているなんて思ってもいなかったし。だからとにかく今を一生懸命生きることが大切だと思います。絶対に諦めないし、ネガティブなことはなるべく言わないようにして、あとは人への感謝は絶対に忘れないで生きています」
来年の目標は「ドジャーススタジアムで始球式に出ることです。それくらいかな(笑)」と野球好きな一面をお茶目に語った岩橋。そのチャーミングさと内に秘めた揺るがない芯が人を惹きつける力を持つのだろうと感じた。
岩橋玄樹インタビューこぼれ話
撮影では、『I’m A Hero』で岩橋が見せた二面性のように、少しダークでクールな一面と可愛らしい一面の両方を見せたいと伝えると、それを見事に体現するように表情やポージングを次々と変えてくれた。インタビューでは質問に「なんだろうな」「言葉にするの難しいな」と1つひとつに真摯に向き合いながら、丁寧に言葉を紡ぐ姿が印象的だった。また、10月31日に開催したハロウィンイベント「Hello!!ハロー!!はろー!!WEEN!!」では、猫耳のニット帽、猫の尻尾を模したストラップなど、自身の手掛けたグッズが「可愛すぎる」「平成っぽい」とSNSで話題に。今回のツアーではどんなグッズになるのか気になって聞いてみると、こだわりを語ってくれた。
「『どういうのを作ろうかな』というのは大体頭にイメージがありますが、今はハロウィンが終わったばかりなので、1回ちょっと頭を休憩させています(笑)。毎回そういうイベントごとに デザインを書いたり色も決めたりと1から自分でやっているので、次のツアーもそういう風にしたいと思っていますし、グッズは基本的にコンサートだけで終わらせたくないから、普段使いできるようなグッズを作りたいと思っています」
(modelpress編集部)
岩橋玄樹(いわはし・げんき)プロフィール
1996年12月17日生まれ、東京都出身。2010年に旧ジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)に入所するとジュニア時代から人気を集め、2018年King & Princeとしてデビューを果たした。しかし、同年10月よりパニック障害の治療に専念するため休養、2021年3月には同グループからの脱退及び事務所退所を発表した。その後個人のSNSを続々と開設し、同年12月には1stシングル『My Lonely X’mas』でソロデビュー。2023年3月にはアメリカの芸能事務所「Three Six Zero」に所属し、活動の幅を広げてきた。2024年12月18日には3rdアルバム『I’m A Hero』をリリースし、そのアルバムリリースを記念したZeppツアー「GENKI IWAHASHI TOUR 2025 “I'm A Hero”」を2025年1月10日より開催する。
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