加藤小夏「ずっと壁」活躍の裏に秘めた本音 大河経て意識した“記憶に残る演技”とは<「コーヒーはホワイトで」インタビュー>
2024.02.16 18:00
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モデルプレスでは、映画『コーヒーはホワイトで』(2月16日公開)の主要キャストにインタビューを実施。今回は、主演の加藤小夏(かとう・こなつ/24)。作品の注目ポイントやこれまでに様々な役柄を演じて感じた心境の変化、女優業への熱い想いを語ってもらった。
「コーヒーはホワイトで」
同作は、シャーロック・ホームズ、エルキュール・ポアロ、明智小五郎ら多くの名探偵に勝るとも劣らない頭脳を武器に、名探偵モナコ(加藤)が、現代の難事件を次々解決していく謎解きミステリー。普段は昔ながらの純喫茶でメイド店員のアルバイトをしているモナコだが、客の依頼人が「コーヒーはホワイトで」と合言葉を伝えた途端、鋭い洞察力と知恵を誇る“名探偵モナコ”に転身。助手の由美彦(好井まさお)とともに、現代の都市で繰り広げられる複雑で不可解な事件に果敢に挑んでいく。加藤小夏「コーヒーはホワイトで」注目ポイントは?
― 本作の見どころや注目してもらいたいポイントを教えてください。加藤:好井さんと一緒に撮影する時間がとても長く、合間にも沢山お話させていただいて関係性が深まりました。それが作品にも反映されていて、やり取りが面白くなっていると思うので注目して見ていただきたいです。
― 具体的にはどのようなお話をされていましたか?
加藤:好井さんといる時はずっとふざけあっていました(笑)。あと、お子さんがいらっしゃるので沢山お話を伺って、早く私も母になりたいなと思いました。
― 印象に残っているシーンはありますか?
加藤:映像を見たら分かるのではないかと思うのですが、2月の寒い時期に嵐のような風が吹く中での撮影が1番記憶に残っています。
― アクションシーンにも挑戦されていましたね。
加藤:アクションシーンは、以前1度だけドラマで経験したおかげでスムーズにできたと思っています。ですが、常に体動かしておかないと鈍っちゃうなと改めて感じたので、それ以降意識して定期的にジムに行き身体を動かすようになりました。週に1回くらいの頻度でトレーニングをして、散歩が好きなので意識的に歩くよう日々心掛けています。
― ゴスロリの衣装も普段の加藤さんのクールな雰囲気からはガラリと変わって、とてもお似合いでした。
加藤:ありがとうございます。ですが、私的には似合っていないなぁと思っていて…(笑)。普段はかっこいいスタイリングが好きで白い服も着ないので、今回のゴスロリは初挑戦でした。衣装合わせで初めて着たのですが、フリフリで白くて体が拒否反応を起こす感じでしたね。ですが、撮影に入れば毎日着ますし自分自身もだんだんとゴスロリ姿に見慣れてきました。
― もし、第2弾があれば…?
加藤:白ではなく黒とかは着てみたいです!撮影が終わって今日久しぶりに着たのですが、やはり体が受け付けなかったです…(笑)。
加藤小夏、大河経て“記憶に残る演技”を意識
― ここ数年では、幅広い作品でご活躍されていますが、経験を重ねる中で心境の変化などはございましたか?加藤: 大河への出演以降、演じた役が誰かの心にどのように生き残っていくのだろうと考えるようになったと思います。「鎌倉殿の13人」では、加藤小夏としてではなく千世として見てくださる方が多く、誰かの中で役が生き続けるというのを感じました。私は私で生きているけれど誰かの中で千世がずっと生き続けているというのは、役者としても有り難いと感じています。
― 役として自身の演技を見られることを加藤さんはどのように捉えられていますか?
加藤:嬉しいです。作品にもよりますが、視聴者のみなさんが役を愛してくれたら、私は上出来だと思うので、別作品の役を見て愛してくれることももちろん嬉しいですけど、いろんな役を見て欲しいというわけでもなく、私が演じた役が誰かの中で生き続けて愛してくれていたら1番嬉しいなという考えです。モナコとしても、誰かの記憶の中に残ってくれたら嬉しいですね。
― 人の記憶に残る演技をする上で意識していることは?
加藤:作品によって全然違うのですが、モナコを演じる上でこの作品がどうしたら面白くなるか、このセリフや役がどうしたらもっと良くなるのかを普段より意識していた気がします。モナコをきっかけに役作りのアプローチの仕方が変わっていったと思います。
加藤小夏が感じる壁
― 以前インタビューをした際、芸能界に入られてから1番壁にぶつかったと感じた経験や、ここがターニングポイントだったなという経験を伺った際「割と『ずっと壁だな』みたいな感じです(笑)」と答えられていました。加藤さんの近年のご活躍を拝見して壁があるようにはとても見えないです。加藤:ありすぎてわからないくらい沢山あります。私よりもお芝居が魅力的な女優さんを見ると、乗り越えたい壁になりますし、これまでに出演した作品を観て「もっとこうしたかった」と後悔することも多くあり、自分の中で壁になります。ずっとずっと壁があることは、以前とは変わらないです。
― 自分の出演作が増え、結果を残したとしても壁は無くならないですか?
加藤:無くならないと思います。もし壁が見えなくなったら、努力を怠ってしまう、きっと加藤小夏という人間としても終わりなのではないかなと思います。
― 他人と比べて壁が見えることが多い?
加藤:あまり比べないようにはしていますが、いざ現場で演技のうまい方と対峙すると、やっぱり比べてしまいます。落ち込むこともありますが、気付かされることや刺激を受けることも多く、この人と対等に並びたいと感じさせられるので励みになっています。
― 向上心が高いですね。
加藤:昔から負けず嫌いなタイプでした。これからもずっと頑張り続けなきゃという気持ちではありますが、休みの日はちゃんと休んでリフレッシュしています。普段隠していますが、心の中は仕事のことでいっぱいです。
― これまでお話を伺っていて前向きで努力家な印象を受けたのですが、立ち止まってしまうことや落ち込んでしまうことはありますか?
加藤:あります。私がダメになったときは、この世のもの全てが好きになれなくなるので、どん底まで落ちてしまうんです。「この世界にいても…」と考えてしまうので、小説を読み他の世界の主人公の考えていることや価値観など、私が体験していないような世界の人たちの物語を見ていると生き返ります。すると「なんでこんなことに悩んでいるのだろう」とふと我に返るんですよね。現実の世界から離れて架空の世界に行くことでどん底から抜け出せているような気がします。
加藤小夏の「怒りを乗り越える方法」
― モデルプレスの読者の中には今、さまざまな不安を抱えている読者がいます。そういった読者に向けて、加藤さんのこれまでの人生の中で「怒りを乗り越えたエピソード」を教えてください。加藤:私自身怒りを表に出していた時期もあったのですが哲学者・ガンディーの本を読んで「自分が正しいときには、怒る必要はまったくない。自分が間違っているときには、怒る権利はまったくない」と書いてあり、その言葉が響き私の心の真ん中にあります。この言葉を知ってから、嫌なことやムカつくことがあった時は思い出すようにしています。
― そこから怒りの感情は生まれなくなった?
加藤:感情はあるのですが、あの言葉を思い出した時に「私は正しいし怒らなくていいや」と感じるように考えが変化しました。
― 先程も小説を読んでいるというお話がありましたが、哲学書など幅広いジャンルの本を読まれていますね。
加藤:小説の中の好きなキャラクターが哲学書を沢山読んでいて、それがきっかけで読み始めました。人生の価値観が変わるような言葉が数多く書いてありますし、ドラマや映画の撮影の合間は小説を読んでしまうと頭がごちゃごちゃになってしまうので哲学書を読んでいます。
― 加藤さんの新たな一面を知ることができました。貴重なお話ありがとうございました。
(modelpress編集部)
映画『コーヒーはホワイトで』(2月16日公開)ストーリー
昔ながらの純喫茶「モア」は、美味しいコーヒーとレトロな雰囲気で地元の人たちに愛されている喫茶店。だが、この店には裏の顔があった。ある合言葉でコーヒーをオーダーすると、喫茶店から探偵事務所へと一変するのだ。「モア」は、由美彦(好井まさお)の母・ミチル(奥貫薫)が開業し、ミチルは自ら女探偵としてさまざまな問題を解決してきた。だが、ある事件に巻き込まれてミチルは亡くなってしまう。この店を引き継いだのは、ミチルの兄・吾郎(川﨑麻世)と由美彦。引き継いだのは、もちろん探偵業もだ。しかし由美彦は探偵としての能力は高くなく、「モア」の探偵業は アルバイトのモナコ(加藤小夏)が請け負っている。そんなモナコも昔、ミチルに助けられたひとりだった。この摩訶不思議な場所「モア」を、喫茶店から探偵事務所に変える合言葉、それは「コーヒー、ホワイトで」。それを唱えれば、真っ白なロリータファッションに身を包んだ美しきメイド探偵が、この店の裏メニューである“ホワイトコーヒー”とともに相談に乗ってくれるのだ。
今日も「モア」の扉を開けて合言葉を唱える女性が現れた。今回の依頼人は高級クラブ「Sun」のママ・瑛子(小野真弓)。悪質な客・川添(和田崇太郎)に困り果て、相談しにやって来たのだ。話を聞いたモナコは「Sun」への潜入捜査を決意する。知性あふれるモナコの采配により、川添を退散させることに成功したが、この事件をきっかけに、「Sun」のホステス・紗里(桃月なしこ)や、犬のストーカーに悩む優奈(石田千穂)など次々依頼者が現れ、事態はより複雑に深刻になり、ついには連続通り魔事件に発展していく…。
加藤小夏(かとう・こなつ)プロフィール
1999年6月26日生まれ、東京都出身。趣味は編み物。特技はダンス(ジャズヒップホップ歴11年)。ドラマ「I”s(アイズ)」(BSスカパー!・スカパー!オンデマンド/2018年)で4人目のヒロイン・麻生藍子役に抜擢され、連続ドラマ初出演を果たす。ドラマ「取り立て屋ハニーズ」(ひかりTV/2021年)にて、高橋ユウと乃木坂46掛橋沙耶香とともに主演を務め、「鎌倉殿の13人」(NHK/2022年)では大河ドラマ初出演を果たした。「福岡恋愛白書18 春のおとなりさん」(KBC/2023年)では、テレビドラマ初主演に抜擢され、2024年2月には映画「身代わり忠臣蔵」の公開を控える。女優業の他にも2024年2月には、1st写真集「二日月」を発売。アパレルブランド「ForWe」のプロデュースを手掛けるなど多岐に渡り活動している。
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