杉野遥亮、松本潤は「家康そのもの」助けられた撮影裏側 山田裕貴と共有できた“熱”とは<「どうする家康」インタビュー後編>
2023.11.11 13:50
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嵐の松本潤が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合テレビ、毎週日曜午後8時~/BSプレミアム・BS4K、毎週日曜午後6時~)の第43回が、12日に放送される。放送に先駆けて徳川四天王の一人・“小平太”こと榊原康政を演じる杉野遥亮(すぎの・ようすけ/28)にインタビュー。松本、山田裕貴との撮影を振り返ってもらった。
松本潤主演「どうする家康」
本作は希代のストーリーテラー・古沢良太氏が新たな視点で徳川家康(松本)の生涯を描いた波乱万丈のエンターテインメント作品。家康を松本、康政と同じく徳川四天王の一人・“平八郎”こと本多忠勝を山田が演じる。小平太と平八郎は仲が良くともに行動することが多い間柄。そんな2人との撮影秘話に迫っていく。杉野遥亮、“殿”松本潤に「助けられた」
― 松本さんの演じる徳川家康像をどのように感じていましたか?杉野:特に小牧・長久手の戦いで殿(家康)とやり取りをしている辺りから緊張感が生まれました。当時、家康公が背負っていたであろう何かを背負っているような姿がすごくリアルに見えて、一緒にお芝居していて楽しかったです。小平太の内面の描写があまりなかったので、殿に対する思いがちゃんと見えたらいいなと思ってお芝居をしました。2人きりのシーンはほとんどありませんでしたが、小平太は徐々に殿に対する意識が変わり忠義を尽くしていく人だと解釈していたので、縦の関係性が見えたらいいなと思っています。また、どうしても役に入り込めないときもあったのですが、最後まで松本さんが家康でいてくれるから、僕も自然と小平太に入り込めて助けられました。
― 松本さんから受けた影響や刺激はありますか?
杉野:存在感です。途中から家康そのものだと思えたんです。殿が変われば家臣も変わりますから、康政も家康がいてこその康政だったと思います。家康の存在感、空気感を松本さんが背負っていてくれていたことが一番大きかったです。
杉野遥亮、山田裕貴との撮影を回顧
― 山田さんとのシーンで印象的なことを教えてください。杉野:平八郎は上司でもあるので、自分がどのようなことができるか、どういった立ち位置でいたらいいのか考えていて、平八郎を意識した小平太が常にいました。終盤で2人でお芝居するシーンがあるのですが、とても印象に残っています。小平太が平八郎のところへ行って気持ちを共有する場面に「老いには抗えん」というセリフがあるんです。正直、自分はまだピチピチしていると思っているので(笑)、この言葉に説得力を持たすにはどうしたらいいか試行錯誤して協力して作ることができました。2人でナンパをしに行くシーン(第7回)も一つひとつの間など、細かい部分にこだわっていて、現場でお芝居が変わったこともありましたが、誰かと本気で物を作る熱を山田くんと共有できた瞬間です。
― 撮影で一番印象に残っていることは何でしょうか?
杉野:撮影最終日のお芝居は楽しかったです。役をどういう風に表現していこうかなど、考えることが多い1年間だったのですが、最後も自由に楽しくお芝居ができて「この仕事が好きなんだな」と改めて感じました。そのときの撮影で一緒だったのは山田くんでしたが、松本さんとも何か一ついいシーンを作るにあたって、コミュニケーションを取りながらできたことに醍醐味を感じられて良かったです。
― 家臣団の方たちとの思い出に残っていることや、撮影の雰囲気を教えてください。
杉野:気付いたらみなさんいなくなっていて、撮影の最後に立ち会えなかったんです。立ち会えたのは岡部大(平岩親吉)さんだけで、他の方のクランクアップは見ていないので、気付いたら山田くんと2人でした。僕は途中参入で、分からないことも多く、考える時間が欲しくて1人でいることが多かったので、 最初の頃あまりは馴染めていなかったのですが、撮影が進むとだんだんと楽しめるようになりました。
杉野遥亮、役への気持ちの変化
― 1年以上小平太を演じられてきて、最初の頃とクランクアップした今を比べて、小平太に対する解釈は変わりましたか?杉野:全く違います。最初の方は史実に囚われ過ぎていたところもありました。どういう人なのか終着点が見えていなかったので、緊張、不安だらけでした。最初は「こう見せなきゃ」「こうやらなきゃ」という思いがありましたが、最後の方は「お芝居を楽しめたらいいな」「気持ちを作ることを丁寧にやるだけだな」という気持ちで挑みました。ある段階からは今の自分とリンクさせながら作っていくのが、今回の僕の小平太であり康政だという考えに切り替わったんです。悔しい瞬間、なかなか思い通りにいかないないとき、分からないことも正直たくさんありましたが、そういった瞬間も小平太にだってあったかもしれないと考えて、自分自身とリンクさせて楽しく終われたことに関しては満足です。
― 小平太のちぎれ具足(もらいものを寄せ集めた具足)が印象的でした。
杉野:正直、早くちゃんとした具足を身に着けたいと思っていました(笑)。周囲の人からいろいろなパーツをもらって付けていたという史実も実際にあったみたいなので、役を演じるうえでのヒントになり、とてもありがたかったです。
杉野遥亮、役の成長語る
― 小平太はどのように成長したと感じていますか?杉野:最終的には人としてよく成長して、とても愛情深い人になっています。初期にちぎれ具足を着ていた小平太が…と思いながら観てくださると嬉しいです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
杉野遥亮(すぎの・ようすけ)プロフィール
1995年9月18日生まれ、千葉県出身。第12回 FINEBOYS 専属モデルオーディショングランプリを経て、TopCoatに所属。映画「キセキ ―あの日のソビト―」(2017年)で俳優デビューを果たし、ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ系/2021年)、「罠の戦争」(カンテレ・フジテレビ系/2023年)、「ばらかもん」(フジテレビ系/2023年)、映画「東京リベンジャーズ」シリーズなど多くの作品で存在感を発揮している。2021年には舞台「夜への長い旅路」にも初挑戦した。
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