萩原利久、自身を変えた菅田将暉の存在・相談したこと “普通の男の子”役で逆算した役作りとは<「左様なら今晩は」インタビュー前編>
2022.11.09 17:00
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映画「左様なら今晩は」(11月11日公開)に出演する俳優の萩原利久(はぎわら・りく/23)にモデルプレスがインタビュー。これまで多彩なキャラクターに変身してきた萩原が今回演じたのは、“普通の男の子”。前編では、普通だからこそ意識したこだわりや彼自身を変えた人物たちについて語ってもらった。
久保史緒里主演「左様なら今晩は」
若者を中心に共感を集める漫画家・山本中学が2019年に「ヤングキング」(少年画報社)にて連載をスタートした「左様なら今晩は」は、ごく普通のサラリーマン・半澤陽平と、陽平の部屋に突如姿を現した幽霊・アイスケとの奇妙な共同生活を描く、歪な2人のハートフルでちょっぴり切ないラブストーリー。実写化した同作では、愛助(アイスケ/乃木坂46久保史緒里)は原作とは違うオリジナルのキャラクター設定で、“生きている間に恋愛を経験しなかったウブでピュアな幽霊”に。ある日、同棲していた恋人に振られた陽平(萩原)の部屋に愛助が突如姿を現してから、2人の共同生活がスタートする。
萩原利久、“普通の男の子”陽平役で意識したこと
― 今作のオファーを受けた時の印象から教えてください。萩原:まず幽霊と共同生活という設定がシンプルに面白かったです。でも僕は「電影少女-VIDEO GIRL MAI 2019-」(テレビ東京系/2019年)というドラマでビデオから出てくる女の子と共同生活する役だったので、「共同生活久々だなぁ」と一瞬思ったりもしました(笑)。
起きていることは非日常的ですが、行っていることはすごく日常的で、全然ホラーでもなく温かいお話なんですよね。原作も読ませていただいて、2人の距離感や温かい感じをしっかりとスクリーンの向こう側に出さなきゃいけないなと感じました。
― 陽平は愛助と出会って生活していくうちに変化が生まれていきますが、役作りではどのようなことを意識していましたか?
萩原:やはり距離感です。原作とも部分ごとに描写が違うのですが、2人にはゴールがあって、出会いから1本の線で繋がってちょっとずつ縮まっていく。突然グッと距離が縮まる瞬間ってあまりなかった気がしていて、じんわりとずっと近付いている感覚だったので、その関係性を意識しました。
それから、陽平って普通の男の子じゃないですか。普通っぽいからこそ、愛助に出会う前のもともと送っていた日常みたいなものを最初の数シーンでちゃんと提示したいという気持ちもありました。日常から非日常に切り替わる、切り替わっているからこそ起こることをしっかり伝えられるように、その対比を逆算しながら現場に入っていましたね。
― 確かに、彼女に振られた時の陽平はちょっと頼りない感じにも見えますが、だんだんと変わっていきますよね。
萩原:はい。そこは「変わったんだよ」という結果と過程、それぞれを表現することを意識していました。
久保史緒里&高橋名月監督との“擦り合わせ”
― 撮影現場はどのような雰囲気でしたか?萩原:高橋(名月)監督も同世代の方ということもあり、コミュニケーションはかなり多い現場でした。大半は陽平の家の中で撮影していたので、その分コミュニケーションをたくさん取って、1シーン1シーン段取りから「ああしよう、こうしよう」としっかり向き合いながら撮っていた感覚がありますね。高橋監督と久保さんと3人で話すシチュエーションはすごく多かったような気がします。
― 具体的にどのようなお話をされていたんですか?
萩原:やりとりの中でどうしたら2人の関係性がよりよく見えるか、みたいなことです。仕草で言うと、目を見て言った方がいいのか、見ずに言った方がいいのかとか、「このシーンでの2人の距離はどのくらいがベストなんだろう」とか、そういう細かい一つのセリフ、一つの動きに対して各々持ってきたものと擦り合わせをする作業というか、皆で同じところを目指せるように話していました。
― 萩原さん自身と陽平の共通点はありましたか?
萩原:僕と陽平は遠くないような気がします。陽平は優しいけどそれだけというか、自分を優先する優しいパフォーマンスみたいなものをするじゃないですか。そうしてきたから振られたんでしょうけど、でも僕もその部分がわからなくはなくて。
その方がラクというか、陽平はちょっと面倒くさがりだろうし、揉めずにその場が収まるならいいみたいなところがあって、その気持ちは少しわかります。でも陽平は愛助に出会えて相手主体に変わっていったので、それはすごくいいなと思いましたね。僕も見習います(笑)。見習うというか、そうありたいですよね。陽平とは全然違う人生だし、出会ったとしても僕は友達にはならない気がしますが(笑)、そういう部分はわからなくはないです。
萩原利久、子役時代に見た菅田将暉の背中
― 陽平にとっての愛助のように、萩原さんを変えてくれた人物を教えてください。萩原:変えてくれた人か…。この仕事を始めたという点で言うと、やっぱり僕は菅田(将暉)くんとドラマ「運命の人」(TBS系/2012年)で共演して「この仕事を続けたい。お芝居をしたい」と思ったので、菅田くんですかね。正直当時は将来何をするか全然決まっていなかったのですが、こうして今も続いているので変えてもらったと思います。
会ったことない人だと、考え方などは全部スポーツ選手の方々から教えてもらっています。バスケットボール選手のステフィン・カリーはもう日々生きていく中での模範ですね。またコービー・ブライアントの“マンバメンタリティ”(=よりよい自分を目指して努力し続けること)という考え方が昔からすごく好きで、最初はバスケットボールをやる時に自分もそれを意識していたんですけど、どんな職業にも当てはめられるなと気付きました。……そう考えると、自分を変えてくれた人って意外とたくさんいますね(笑)。
― 菅田さんと最初に共演された時には、何か「お芝居を続けたい」と思うような確信的な言葉をもらったのでしょうか?それとも、菅田さんがお芝居されている姿を見てそう感じた?
萩原:言葉ももらいましたが、どちらかと言うと姿だと思います。当時12歳ぐらいで、それまではどこか習い事の延長みたいな感覚でやっていたのですが、彼を見て「ちゃんとやってみたい」と思いました。だから菅田くんにも色々相談したんです。当時は違う事務所にいたので、「事務所ってどこがいいですか?」とか(笑)。12歳の子が菅田くんに聞いているの面白いですよね(笑)。でもちゃんと答えてくれたんです。その結果、今は同じ事務所にいます(笑)。
― 素敵な関係性ですね。ではターニングポイントとなった作品を選ぶなら、やはり「運命の人」でしょうか?
萩原:そうですね。振り返ると、実質その作品で菅田くんと共演したから僕の職業が決まったようなものなので。
★萩原が悲しみにぶつかった経験や将来の壮大な夢についても聞いたインタビュー後編も公開中。
(modelpress編集部)
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萩原利久(はぎわら・りく)プロフィール
1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。子役時代から活躍し、2019年にはドラマ、TX「電影少女-VIDEO GIRL MAI2019-」でドラマ初主演。主な出演作にドラマ、NTV「3年A組-今から皆さんは人質です-」(19)、連続テレビ小説「エール」 (20)、MBS「美しい彼」(21)、YTV・NTV「探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~」(22)、NTV「新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~」(22)、映画『花束みたいな恋をした』(21)、『牛首村』(22)、『天間荘の三姉妹』(22)など様々な作品に出演。WOWOWドラマ『早朝始発の殺風景』第4話(11月25日(金)23時30分放送)に出演。今後は、ドラマ「美しい彼」の映画化も決定、公開が控えている。また「萩原利久2023年カレンダー」の発売が決定、詳細はトップコートHPまで。
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