<田中圭「先生を消す方程式。」インタビュー>キャリア20年で「普通じゃない」新たな挑戦「今まで見たことのない田中圭」
2020.10.17 12:00
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10月31日スタートのテレビ朝日系土曜ナイトドラマ『先生を消す方程式。』(毎週土曜よる11時~)で主演を務める俳優の田中圭(たなか・けい/36)が、モデルプレスのインタビューに応じた。今作は放送作家・鈴木おさむによるオリジナル脚本の学園サスペンスドラマ。キャリア20年での新たな挑戦に、田中はどう立ち向かうのか―――。
田中圭主演ドラマ「先生を消す方程式。」
『おっさんずラブ』(2018年)、『おっさんずラブ-in the sky-』(2019年)と、1年に1作、同枠で主演を務めてきた田中が今回演じるのは、“謎の進学校教師”義澤経男(よしざわ・つねお)、通称・義経先生。高橋文哉、久保田紗友らが演じる高IQの生徒たちに命を狙われるというセンセーショナルな物語が繰り広げられる。ほか副担任教師役に山田裕貴、恋人役に松本まりからが出演。田中圭、鈴木おさむと久々タッグ「今まで見たことのない田中圭」に挑戦
― 田中さんといえば“土曜ナイトドラマ”というイメージが定着しつつあるのですが、1年ぶりに同枠に帰ってきて、いかがですか?田中:土曜ナイトドラマといえば田中圭、田中圭といえば土曜ナイトドラマ!まだ全然何も決まっていないのですが、来年もやろうと思っています(笑)。
― 楽しみにしています!鈴木おさむさんとは、2018年末の『田中圭24時間テレビ』以来のタッグになりますが、今作の脚本を読んだ感想をお聞かせください。
田中:1話、2話を読んだときはおもしろそうだと思ったのですが、舞台みたいに長台詞のある脚本なので、「カンペを用意してもらっていいですか?」という感じで、いっぱいいっぱいです(笑)。とにかく文量が多いので、それをおさむさんに言ったら、「話題になると思って」と言っていて、“ドS鈴木おさむ”です。なので、それに対してキャストがどう打ち勝つかが課題です。僕のイメージでは、おさむさんの脚本は演じる役者によって作品がだいぶ変わるので、今回もしっかりやらなければと思っています。
おさむさんは毎回そうなのですが、「今まで見たことのない田中圭」を見せたいのだろうと思っていて、どうしたらいいかわからないくらい迷います。今回はまだ始まったばかりですが、これから先にまたおさむさんと一緒に作品をやることがあったとしたら、とりあえず僕に長台詞を与えるということだけ一回忘れてくれないかな…というのは常々思っています(笑)。以前舞台を一緒にやったときに、「どうしていつも長台詞なんですか?」と聞いたら、「長台詞があったらみんなすごいと思ってくれるから、まず“がんばったで賞”はもらえるじゃん」と平気な顔で言われたので、今回も“がんばったで賞”をもらえることを期待して頑張ります(笑)。
僕にとっておさむさんは、いつでも挑戦させてくれる人であることは間違いなくて、しかもその挑戦の発想がぶっ飛んでいるので、すごく貴重な存在です。天才の考えることは常人には理解できない、と思うのですが、僕の人生においてヒントになるような発言をサラッとする人なので、すごく尊敬しているし、信じてついていきたくなるし、挑戦したら何かが起こるのではないかと思わせてくれる人です。
― とてもやりがいを感じそうですね。
田中:やりがいはもちろんあります!僕もある程度のキャリアを積んできて、作品における自分の役の意味や、自分が求められているものをわかったうえで取り組むことがほとんどな中、「難しい」と思う役はあっても、「どうしたらいいんだろう」と迷子になる役はなかなかないので、やりがいは僕に限らずキャストみんなが感じていると思います。年齢を重ねると挑戦というものはなかなかできないので、僕自身も若手の頃に戻ったような感覚があります。21年この仕事をさせてもらっていても、こんなに頭を抱えることがある?という経験ができているのは、幸せなことです。クランクインする前に、裕貴と食事に行ったときにも話したのですが、キャスト・スタッフ全員が、この作品は僕にかかっていると思っているので、良い方向に転べばいいなと思います。
“教師・田中圭”、生徒から刺激「果敢にトライしてくれる」
― 撮影が始まってまだ日も浅いですが、教師として実際に教壇に立ってみていかがですか?田中:本当はもっとクラスのみんなと和気あいあいと話したいのですが、シーン的に重かったり、僕も長台詞があるため余裕がなかったりして、まだしっかりと話せていないです。先日教室でのシーンの撮影があったのですが、もちろん台詞がない生徒もいて、昼食後や夕食後の休憩中に教室でウトウトしている姿を見たときは「眠くなるよな」と思いながら、僕の芝居で少しでも目が覚めてくれたらいいなと思って頑張っています(笑)。
― 生徒役の皆さんと向き合うことで、田中さんも教師役としての気持ちが固まりましたか?
田中:そうですね。ひとりでは練習できないですし、その場に立って感じることも多いので、みんながいてくれることでより一層義経という役を掴めたところはあります。とにかく台詞の文量が多いので、大変なスケジュールで芝居を固める時間もなく瞬発力が問われる中、すごく丁寧にリアクションしてくれる生徒が多くて嬉しいです。
― 生徒と対峙するシーンも多くなると思いますが、バチバチ感のようなものは既に感じていますか?
田中:若手のキャストが集まると、どうしても「先輩として頑張らないと」という気持ちになるので、バチバチというより「俳優としてみんなに少しでも響かせられる作品との出会いになればいいな」という余計なプレッシャーを感じながら撮影しています(笑)。でも、みんな思った以上に果敢にトライしてくれていて、僕が20歳くらいの頃は「監督の言うことを全部やります!」という感じだったので、みんな事前に考えて来ているのかなと思うくらいすごく一生懸命やっていて、真面目で偉いなと刺激を受けています。
― 恋人役として、松本まりかさんが出演することも先日発表されました。生徒の前の義経と恋人の前の義経はまったく違うと思うのですが、切り替えで意識している点があれば教えてください。
田中:あまり話すとネタバレになってしまうのですが、義経が生徒たちの前で授業をしているシーンと、他のシーンでの違いは意識しています。彼女といるときも幸せパートと不幸せパートがあるので、そこの差は明確に出したいと思っています。まりかちゃんともすでに一緒に撮影したのですが、「よく引き受けてくれたね」と言ったら、「だってこの本めちゃくちゃおもしろくないですか?」と言っていたので、よかったと思いました(笑)。まりかちゃんはいつも何をしてくるかわからないところがあるのですが、基礎はもちろんしっかりしているし、素晴らしい女優だと思います。
― 松本さんが「思いっきり“甘々”なやりとりをします」というコメントをしていましたが、どのような甘いシーンが見られるのでしょうか。
田中:甘いシーンが少ないので、なるべく甘くなるように頑張りましたが、多分そのコメントはまりかちゃんのいたずらです。「甘いシーンを楽しみにしていてください」と言っておきながら、見てみたら「甘いシーンないじゃん!」みたいな、彼女なりのいたずらだと僕は思います(笑)。
田中圭「何が正解かわからない」“笑顔”に苦戦
― 義経を演じる上で、こだわっている部分はありますか?田中:もう迷子です!(笑)少し悩むシーンがあったので相談したくて、直接おさむさんに連絡をしたら、おさむさんも「成立していないことはわかっている」と認めていました(笑)。だけど、せっかくこうして僕と組むことになったから、「普通じゃないものをやりたい」という話をして。普通じゃないにも程があるだろう、という話なのですが(笑)、観てもらえればわかると思います。普通じゃないです!
― (笑)。どのあたりで悩んだのでしょうか?
田中:全部です。笑顔でいることが多いのですが、ずっと笑顔でいてもおもしろくないなと悩みました。生徒たちに授業をするシーンは、無理して笑わなくてもいいと思っているのですが、基本的には笑っています。でもその笑っていることにも意味があるので、それが伝わればいいなと思いながら演じています。フィクションすぎる部分を、どこまでフィクションではないものにするかが今回の作品のひとつのテーマなので、それがクリアできたらおもしろくなるだろうと思います。
― 笑顔のシーンが多いと大変そうですが、何か準備したことはありますか?
田中:よく鏡の前で練習するという話を聞くのですが、僕もすればよかったと(笑)。まだ撮影が始まって間もないので、「これでいいのかな」と監督やキャストを信じてやるしかない中で、「もっとああすればよかったかな」「こうすればよかったかな」とやっぱり思うし、何が正解かわからないので、悩んでしまいます。この前、トイレにある鏡の前で思いっきり笑ってみたら「これもアリだったかな」と不安になって、僕は今回改めて“役を作る”“デフォルトする”ということが苦手なのを痛感させられ、若干凹んでいます(笑)。目の前にいる人と向き合うこと以外、うまくできないみたいです。
― そんな撮影の合間に、田中さんがリフレッシュになるものは?
田中:ずっとそばにいる裕貴の存在が大きいです。気を遣わなくていいし、安心して任せられるし、ぶつかるシーンでも思いっきりぶつかることのできる関係性なので、本当に助かっています。だから裕貴が癒やしです!「こうしたい」と思ったときに「1回やってみていい?」と提案しやすい相手であり、裕貴自身もそういうタイプなので、何かあったら言ってくるだろうから、とても居心地が良いです。
義澤経男は“田中圭の好きな役ランキング”に入るか本人に聞いてみた
― 今年の春に、モデルプレスのアンケート企画として“田中圭が演じた中で好きな役”ランキングを発表させていただいたのですが、その際1位に『おっさんずラブ』の春田創一、3位に『おっさんずラブ-in the sky-』の春田創一がランクインしました。やはり“土曜ナイトドラマの田中圭は強い”と実感したのですが、今回の義澤経男は、今後の好きな役ランキングに入りそうですか?田中:好きな役には入らない気がしますが(笑)、ハマり役にはなるように頑張りたいと思います!ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが…観てもらえたらわかります!
― 田中さんは様々な職業の役柄を演じていますが、まだ演じたことのない職業で今後演じてみたい役柄はありますか?
田中:職業になるのかどうかはわからないですが、詐欺師役はやってみたいです。詐欺を働くただの悪い人は演じたことがあるのですが(笑)、“詐欺師”としてはまだやったことがないので。それこそ今回の教師役も初めてではないのですが、実際に教壇に立って生徒に弁を振るうことは初めてですし、医者役も演じたことはありますが、手術をする医者を演じたことはないので、ひとつの役においても幅が広いなと思います。あとは、探偵、YouTuberもやってみたいです!
― たくさんありますね。YouTuberは過去に実際に志していましたよね。
田中:志していたというほどではないですが(笑)、「YouTuberになりたかった」という憧れはありました(笑)。
田中圭、2020年を総括 “夢を叶える秘訣”も語る
― 10月期ドラマということで今年ももう終盤ですが、2020年は田中さんにとってどんな1年でしたか?田中:今年は変な1年でした。コロナの影響で2ヶ月間仕事をしない期間があって、今までそんなに長い間仕事をしないことはなかったので、休むことの大切さを知り、時間を有効に使うことができました。でも今年ももうすぐ終わるはずなのに、あまり終わる気がしないです(笑)。今年も素敵な仕事をたくさんさせてもらいました。来年はもっと良い年に変わっていたらいいなと思います。
― 最後に、モデルプレス読者へ向けて田中さんの“夢を叶える秘訣”のアドバイスをお願いします。
田中:夢を叶える秘訣は、叶えようと願って、挑戦することではないでしょうか。頑張るしかないです。頑張る環境をどう整えるかも大切ですし、タイミングもあると思います。ベタですけど、“諦めない”というのはすごく大事だと思います。
― ありがとうございました。ドラマ楽しみにしています!
インタビューこぼれ話
撮影中、「どんな感じがいいですか!?」と聞いてくれたので「義経的な笑顔で!」とリクエストすると、表情豊かな笑顔を見せてくれた田中さん。30分に縮小した新たな土曜ナイトドラマについて「予算が削られた!?スタジオの照明が暗い…」と持ち前のユーモアあふれる発言で、モデルプレスを含むスタッフを笑わせる場面も。忙しさを感じさせない明るさで終始現場を盛り上げていた。“土曜ナイトドラマの田中圭伝説”が、またひとつここに誕生する―――。(modelpress編集部)田中圭(たなか・けい)プロフィール
1984年7月10日生まれ、東京都出身。2000年にCMで芸能界デビュー。2003年放送のドラマ『WATER BOYS』(フジテレビ系)で主人公の親友役を演じ注目を集める。近年の主な出演作は、ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系、2018年)、『健康で文化的な最低限度の生活』(カンテレ・フジテレビ系、2018年)、『獣になれない私たち』(日本テレビ系、2018年)、『あなたの番です』(日本テレビ系、2019年)、『不協和音 炎の刑事 VS 氷の検事』(テレビ朝日系、2020年)、『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系、2020年)、『キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木』(TBS系、2020年)など。映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』が公開待機中、『哀愁しんでれら』の公開を2021年2月5日に控える。
【Not Sponsored 記事】
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