<波瑠「G線上のあなたと私」インタビュー>“ハマり役”の声に心境は?中川大志との胸キュンシーン裏話
2019.12.17 06:00
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TBS系火曜ドラマ「G線上のあなたと私」(毎週火曜よる10時~)で、17日放送の第10話でついに最終回を迎える。主演を務める女優の波瑠(はる/28)が、モデルプレスらのインタビューに応じた。
波瑠主演ドラマ「G線上のあなたと私」
恋愛マンガの名手・いくえみ綾氏の同名漫画をドラマ化した今作は、大人のバイオリン教室を舞台に、寿退社間近に婚約者から婚約破棄を告げられた主人公・小暮也映子(主演・波瑠)、大学生・加瀬理人(中川大志)、主婦・北河幸恵(松下由樹)の世代を超えた友情とちょっぴり切ない恋を描く物語。3人の友情、也映子と理人のもどかしい恋愛、共感を呼ぶストーリーが視聴者から支持を集めており、第9話ではついに也映子と理人がお互いの思いを伝え、交際を開始した。
仕事もない、恋人もいない、自分を気にしてくれる人がいない、と周りと比べて嘆くヒロインは、設定だけ見ると悲壮感が漂っているが、不思議なほど也映子には重さがなく、持ち前の明るさがストーリー全体を包み込む。かといってすごくモテたり、大きな夢があったりするわけでもない…そんな等身大の力の抜けたキャラクターが、不思議なほど波瑠にぴったりとハマっている。
インタビューでは、也映子を演じた心境や、話題の理人との胸キュンシーン撮影エピソードまで、幅広く話を聞いた。
波瑠、号泣シーンで心がけたこと
― 撮影も佳境を迎えていて、今の率直な心境をお聞かせ下さい。波瑠:ここまで原作以上に物語が膨らんでいったことにびっくりしました。会話劇がとても面白くて、眞於先生(桜井ユキ)との関係もさらに掘り下げることができたので、漫画とは違った面白い部分がドラマで増えたなと思います。
― 也映子は酔った勢いで本音を吐き出したり、号泣したりするシーンも多いですが、どういう気持ちで演じられていますか?
波瑠:也映子は割とよく泣きますが、あんまり自分のためには泣かないところが良いなと思います。自分が可哀想で泣く涙じゃないから、「印象的だった」と言って下さる人もいるのではないのかと。涙のシーンはすごく也映子の良いところが出ていると思うので、大事に演じています。それぞれジメッとしないように泣くやり方で、3話のシーンも可哀想に見えるというよりかは、「自分のためにこんなふうに泣いてくれるんだ、可愛いな」と感じてもらいたかったので、実は結構頭を使いながらやっています。突然泣くので、演じているこちらとしては結構難しいし大変ですけどね(笑)。
波瑠演じるヒロインに「ハマり役」の反響も
― 今回の役柄はこれまで波瑠さんが演じられてきた女性と比べても、すごく等身大で視聴者女性が気持ちを投影しやすいと思ったんですが、ご自身は手応えを感じますか?波瑠:「この人が無職なわけない」とか、「この人が婚約破棄されるわけない」という風に見えないように、也映子の可愛らしいけどちょっとダメな部分をいっぱい出していかないと見ている人から距離を置かれてしまうのかなと思ったので、どういう風に見えるかは常に考えながら演じています。私とは全然違う女性だと思っているので「ハマり役だね」とか「素でのびのび演じられている感じがします」とか言われるのは意外ですけどありがたいことですよね。
― はっちゃけているシーンは波瑠さんのイメージにはなかったです。
波瑠:あれは也映子だからです。私は也映子のように酔うこともないですし、歌わない(笑)。だから私はすごく也映子が魅力的で羨ましく感じています。
― 自分とはあまり共通点は感じないですか?
波瑠:あるとは思いますが、私は也映子のことを好きで味方しちゃうマインドで演じていて、「あんなに私は人のことを元気にしてあげることができるだろうか?そういうところすごいな」と思いながら見てしまうので、私に無いものをいっぱい持っている女性だなと思いますね。多分このドラマを観てから私と接した人は、也映子っぽくなくてびっくりすると思いますよ(笑)。今回也映子というとぼけたくらい元気な人をやってみて「ああ、そういう風に思ってもらえたんだ」というのはすごく嬉しいです。
波瑠「あなそれ」に続くいくえみ綾作品
― いくえみさんの作品は2017年放送の火曜ドラマ「あなたのことはそれほど」に引き続きとなります。前回とは全く違う役柄ではありますが、改めていくえみ作品はいかがですか?波瑠:いくえみさんの作品は改めて、男性の共感を得るというよりは女性が女性に向けて女性像を提示していく作品だなと思います。だから女性ファンの方が多いのかなと。ドラマを作る上で前回は“不倫”という大きな事件的なテーマがあったから皆でグッと引力を持ちやすかったです。こういう大きな事件が何も起きない物語でドラマを作るのは男性にとってすごく大変だったと思います。也映子の情緒は「ここがこうだからこう」と簡単に説明できるものでもないので、理解するのは難しかったのではないかと。女性からしたらそういう部分が魅力だし、脚本の安達奈緒子さんの存在もすごく大きいと思っていて、だからこそ刺さるセリフが多いですよね。原作ものは、読んだ感覚・感想はその人個人のものでしかないのでどこに重点を置くかも全然違うという難しさを抱えていると思います。その答え合わせをしていく作業もすごく面白くて、「あ~そういう意味も含んだセリフだったのか」と話し合いの中で見えてくることもあって、それはやっぱり映像化するときの面白さだなと感じました。
― “いくえみ男子”ならぬ“いくえみ女子”ではないですが、波瑠さんの元々持つ雰囲気といくえみさんの描くヒロイン像がすごくマッチしているようにも感じます。
波瑠:そうですか?それはそれは…ありがたいです。
波瑠、中川大志との“シャッタードン”撮影エピソード
― 第3話の理人からの“シャッタードン”シーンはネット上でも盛り上がりました。撮影はいかがでしたか?波瑠:ロマンチックなシーンほどシュールな撮影手法を取りがちというのが”あるある”で、撮影ではカメラを私だと思って“シャッタードン”をしたり、現場ではそういうことが起こっていたので、カメラに向かってドンしている中川さんを横から見ているのはすごく面白かったです。
― 中川さん曰く、シャッターだからバウンドして、波瑠さんがボヨンボヨンしていたと(笑)。
波瑠:現場に行ってみて「あ、シャッターなんだ!」と知ったので、中川さんはそれが新鮮だったみたいです。ガシャーンって音がしていました(笑)。
― 定番の胸キュンシチュエーションではありますけど、あまり日常的にあることではないですよね。される側としてはいかがですか?
波瑠:“壁ドン”とかよく言われますけど、よく分からない…。何でわざわざ“ドン!”ってされるのかなあとすごく不思議な気持ちになります(笑)。
波瑠、也映子と理人の関係性を語る「理人だから」
― 理人のような年下男子に惹かれる気持ちには共感できますか?波瑠:どうですかね。ハタチくらいの男の子と普段接する機会もあまりないので。でも理人は理人だからなのかなと思います。也映子は「年下男子全然OK!」という感覚ではなくて、子どもっぽいところもあるし、どっちかというとしっかりした男性がそばにいた方が良い女性っぽくも見えるじゃないですか?未熟なのに核心を突く理人だから上手く行ったのかなと思います。
― 理人とのシーンで特に印象に残っているシーンはありますか?
波瑠:1つ具体的に決めるのは難しいですね。結果也映子たちが言い合っていることって、人に言ったら「あれ、意外と自分に返ってきちゃった」みたいなことがすごく多いです。だからダメ出しをされたり、ダメ出しの立場がひっくり返ったりというのを繰り返す、その関係性が色々なシーンで描かれていてそれが個人的にはすごく好きです。
― 確かに、何でも言い合える関係なのがすごく良いですよね。中川さんの印象はいかがですか?
波瑠:中川さんは、しっかりされているので、年齢を聞くと「そうだよね、そうだよね、21歳だもんね」となるくらい忘れちゃう。落ち着いていらっしゃって、松下さんと私という年代が違う女性に混じった会話でも普通にいられる感じがすごいなと思うし、お芝居もお上手だなと思います。
波瑠が感じた松下由樹のすごさ「絶対勝てない」
― 「ナースのお仕事」のファンだったとお聞きしましたが、改めて先輩である松下さんとの共演はいかがですか?波瑠:単純に「めちゃめちゃすごい女優さんだ」と序盤から感じていました。存在感というか、説得力があって、グッと来るところはグッと来るし、コミカルに振っても、ツボに入ってくるというか、全部が的確。多分頭の中でやろうと思い描いているお芝居と、自分の体から表現されるものが一致している人だなと思いました。これってすごいことだと思っていて、同じ感じで勝負しても絶対勝てないということが多すぎます。
― 刺激を受けることが多い?
波瑠:はい、圧倒されました。ご本人はすごく優しいので現場も明るく盛り上げて下さいますし、若者側は助けられています。
― 3人の空気感はとても和やかで良い雰囲気だなと会見のときから感じていたんですが、撮影の合間はどんなお話をされていますか?
波瑠:でも、物語の進行上、3人のシーンが減ってしまったんです。たまに会うとバイオリンの演奏シーンの撮影なので、おしゃべりというよりは皆必死に練習しています。ストーリーと同じく新しく買い替えた弓で私は練習していますが、やっぱりちょっと前より良い音がでるので、中川さんに「ちょっと弾いてみたい、貸して」とか言われて「やっぱり違うね~」とか、そういうことで盛り上がっています(笑)。
波瑠、侑人(鈴木伸之)とのシーンで自分でも驚いたこと
― 桜井さんとはいかがですか?波瑠:一緒に焼肉へ行く約束をして、お互いよく相談はするのですが、なかなか予定が合わなくてまだ行けていないので、実現させたいですね。
― 理人の兄で眞於の元婚約者である侑人役の鈴木伸之さんとは「あなたのことはそれほど」以来の再共演ですね。也映子と侑人が顔を合わせるシーンは、思い出した視聴者もいたんじゃないかと思います。
波瑠:眼科でしたしね…「あなそれ」では眼科の受付やってたんで(笑)。
― 演じられてみていかがでしたか?
波瑠:すごく、ドラマならではのシーンだなと思いました。也映子からしたら同じ境遇になってしまった眞於先生の、ある意味加害者として映っているけど、別に侑人が也映子に何かしたわけじゃないし、「クズだな」と思っていても責める立場ではないし、ちょっと複雑な距離感というか関係性でしたね。そういうことを考えていましたが、いざ一緒の空間に入ると、やっぱり人間って反射が起こるみたいで、ちょっとどこかで許せないみたいな(笑)、有島くんじゃなくて、侑人に対してのちょっとした拒否感みたいなものが、也映子にちょっとありましたね。オンエアを観て、也映子の侑人へのそっけなさに自分でびっくりして、「あー、やっぱ嫌だな」というか、侑人と仲良くなろうという気は也映子に全く無いんだなと思いました。
― 演じているときは無意識だった?
波瑠:「也映子、普通にね!落ち着いて!」という気持ちで演じましたが、あったみたいですね(笑)。
― 鈴木さんとは再共演ということで何か話されましたか?
波瑠:也映子と侑人の間に何かあるわけでは無いから、あえてここが何かを持つ必要も無いかなという感覚で、そんなにおしゃべりという感じでは無かったですね。嫌いとかいうわけじゃないです、役の距離感の話です(笑)!
波瑠「G線上のあなたと私」視聴者にメッセージ
― 最後に最終回放送に向けて視聴者にメッセージをお願いします。波瑠:私もまだ結末を知りませんが、人って「何か起きたら良いのにな」と思いながら、「何にも起きないな」と思いながら生きているわけじゃないですか?でも人のことが羨ましくなったり、自分がすごく苦しいと思って助けを求めたら、その人が意外と自分より苦しんでいたり…接してみないと分からないことも多くて、だけどそうやって人との関係を大事にしていくのは、やっぱり良いなと思える。きっかけはただの習い事だったけど、その些細なきっかけが自分にかけがえのないものをもたらしてくれることもあるんだなと。別に「バイオリン教室に行けば仲間ができますよ」という意味ではないですが、バイオリン教室に行き始める人が増えても嬉しいですし、そういう前向きなメッセージが伝わっていたら嬉しいです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
「G線上のあなたと私」最終話あらすじ
家出した幸恵(松下由樹)の気持ちを察した也映子(波瑠)は、理人(中川大志)と共に北河家に向かうことに。北河家では、姑の由実子(夏樹陽子)が弘章(小木博明)に幸恵の元に向かうよう促していた。ひょんなことから弘章らと共に、也映子と理人は幸恵を一緒に迎えに行くことになる…。予想外な弘章の行動にほだされ、幸恵は家族の元に帰ることを決めてほっとする一同。そんな中、也映子は理人に対してすぐに「好き」の先を求めてしまう自分に不安を感じていた。一方で理人は、8歳の年の差に不安を抱いている也映子を安心させられない自分に不甲斐なさを感じていて――。
そんな折、バイオリン三銃士の3人はとあるパーティでバイオリンを弾くことになる。
波瑠(はる)プロフィール
1991年6月17日生まれ、東京都出身。2006年、ドラマ「対岸の彼女」でデビュー。「14歳の母」で連ドラ初出演、2007年「通勤電車に座る技術」で映画初出演。2007年5月よりファッション誌「Seventeen」モデル、2012年4月より「non-no」モデルとしても活動。2013年4月から2014年3月まで「A-Studio」アシスタントを担当。2014年「BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係」、「ごめんね青春!」などの出演を経て、2015年下半期NHK朝ドラ「あさが来た」でヒロインを演じる。「世界一難しい恋」「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」「お母さん、娘をやめていいですか?」「あなたのことはそれほど」「もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜」「未解決の女 警視庁文書捜査官」「サバイバル・ウェディング」など出演作多数。待機作はNHK総合日台共同制作ドラマ「路~台湾エクスプレス~」(2020年5月放送)、映画「弥生、三月-君を愛した30年-」(2020年3月20日公開)など。
【Not Sponsored 記事】
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