前田敦子「仕事も恋愛もどっちも楽しみたいと思って生きてきた」今の恋愛観・新婚生活も明かす<モデルプレスインタビュー>
2018.09.21 07:00
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女優の前田敦子(まえだ・あつこ/27)がモデルプレスのインタビューに応じた。女優の小泉今日子が主演をつとめ、沢尻エリカ、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香とそうそうたる女優陣と共演する映画『食べる女』が21日、公開。同作は、人はおいしい食事をすると、体が元気になる。いとしいセックスをすると、心が優しくなる=“スローフード・スローセックス宣言”を冒頭1ページ目から掲げた筒井ともみ著のセンセーショナルな短編集『食べる女』『続・食べる女』(新潮社文庫)を筒井自身が脚本化。前田といえば、同作でも共演した俳優の勝地涼と7月30日に結婚したばかりだが、映画の中では結婚に悩む女性役。映画のテーマである“食”と“恋愛”についてから前田の恋愛観を紐解き、豪華女優陣との撮影秘話についても話を聞いた。
前田敦子、結婚に悩む女性役は「自分と全然違う」
年齢、職業、価値観様々な8人の女たちの日常を通して、<食>と<性>の本来のあり方が描かれる本作は、餅月敦子(小泉今日子)が営む古書店“モチの家”や、茄子田珠美(山田優)が手伝う“BARロマ”での女たちの赤裸々な会話が見どころの1つ。前田演じる白子多実子は、制作会社のアシスタントプロデューサー。ドド(沢尻エリカ)の飲み仲間でBARロマの常連。優しいけれどぬるい恋人との関係に不満があり、結婚を申し込まれているが悩んでいる…という役どころ。
「等身大の女の子だなとは思いますけど、自分とキャラは全然違うなというのが第一印象ですね。煮え切らない関係というのは仕事をすごく頑張っている人にありがちな悩みだなと思うんです。私はどっちも楽しみたいと思って生きてきたタイプなので(笑)、そういう経験はないなと。“恋愛は置いといて…”っていうかっこいい生き方はしてきてないので、客観的にすごくかっこいい女の子だなと思います。
でも現代ならでは悩みだなと思って、私の周りにも長く付き合って、あとはタイミングだけと、結婚に真剣に悩んでいるという友達はいるので、その気持ちも分かります。長く一緒にいると、『じゃあいつ踏み出すの?』というのはそりゃそうなるよなと」
前田敦子、刺激的な恋愛は「ドキドキはもういいかな」
多実子は恋人との関係に刺激を求めるタイプだが、前田自身がパートナーとの関係で求められるか、という質問には「ドキドキはもういいですね。そういう刺激は大丈夫かな」と回答。「そんな時期もあったかなと思いますけど(笑)。結局ずっと一緒にいると存在が当たり前になってくるから刺激を求める先が喧嘩になるとか、そういうのは若い頃あるあるですよね」と自身の経験を思い返す。ただ、「喧嘩も大事だなとはすごく思います」と続け、「お互いが言葉にして分かっていかないといけないこともあるってしみじみ思うし。(自身も夫とは)すごく普段から会話は多いです。それは向こうも気をつけていることだなと思うので、向こうも喋ることも大好きですし、ありがたいですね」と夫との関係を明かすと、幸せそうに笑顔を見せた。
8人の女性の恋愛模様…前田敦子が一番共感できるのは?
映画の中では、一風変わった恋愛模様が様々に散りばめられているが、どの女性の恋愛観に共感できるか聞いてみると、小泉演じるトン子の名前をあげた。雑文筆家にして、小さな古本屋を営んでおり、食べることと料理することをこよなく愛していて皆のことをそれとなく見守っているトン子。劇中では夫に捨てられたマチ(シャーロット・ケイト・フォックス)を居候させるなど母性に溢れた女性で、前田も「トン子さんは、1人で生きていくことに楽しみを見つけている人だなと思うので、それはそれですごく素敵な女性だなと思います。人の幸せを願えるというか、モチの家に集ってくる女性たちを『色んな恋愛観があってそれで良いんじゃない?』って素直にかわいがってくれるので、トン子さんに言われることによって皆救われているんだろうなと思いますし、そういう女性はすごいなと思います」と憧れる部分があったと告白。
他の女性の恋愛のシーンで共感した場面は「難しいなあ…皆結構クセありますからね。『分かる』もなかったな」と頭を悩ませたが、沢尻演じるドドは「結構いるんじゃないかな?」と回答。
ドドはトン子の担当編集者でマンションを購入するほど自立した女性だが、偶然に出会ったサラリーマン・タナベ(ユースケ・サンタマリア)から風変わりなアプローチを受け…という役どころ。前田は、「1人で良いって思っていたけど、突然誰かがその生活に入ってきて、戸惑うっていうのはすごく自然体な女性だなと思います。多実子もそうだと思うんですけど仕事を重視するか、男の人に甘えるっていうことをもうちょっとやってみるかで悩む時期って絶対ありますよね」と等身大の女性像に共感していた。
沢尻エリカの「カッコいい」言葉明かす
共演したそうそうたる女優陣については、「人間として尊敬できるので、役者さんとしても当たり前に尊敬できます。皆さん、本当に穏やかで…あと綺麗(笑)」と一女優としても一女性としても、尊敬の念は止まらない。特に小泉、鈴木には「タイプが全然違う綺麗なお2人だなって思います。ありのままの美しさの今日子さんと、“美”を追求されているんだろうなという京香さん、どちらも憧れるし、どっちも欲しいなと思いました」と羨望の目線を向けた。
また、これまで抱いていた印象が変わった人を聞いてみると、沢尻の名前をあげ、「『ご飯行こうぜ』とか言ってくれますし、仲良くして下さってとにかく優しいです」とにっこり。
撮影の合間には美容について前田が質問したこともあったそうで、「すごくストイックそうなので『何されているんですか?』って聞いたら色々なことを教えてくれて。でも『普段聞かれても言わないよね。努力しているのって当たり前じゃん』とさらって言っていて、カッコいい、素敵だなと思いました」とエピソードを明かしてくれた。
前田敦子にとって“食と恋愛”とは
“モチの家”や“BARロマ”のシーンは、女性キャストが一堂に会し、まるで本当の女子会のような賑やかな雰囲気がたっぷり。「本当に皆で集まるシーンはノンアルコールで盛り上がって楽しかったです(笑)。皆でご飯をつつくっていうのは無条件にやっぱり楽しいです」と語る前田のリラックスした表情が現場の和やかな空気を物語る。「京香さんだけはワンちゃんなんですけど、それぞれ皆猫を飼っていて、そういう話で盛り上がっていました」と言い、「やっぱり目の前にご飯があると、撮影でも距離が縮まるなとすごく思いました」という言葉は映画のテーマそのものにも通じる。
映画は「自分を愛することも見失いがちな忙しい日々の中、新しい一歩を踏み出すパワーをくれるのは、“おいしいご飯と愛しいセックス”だ!」と訴えかけ、描かれる男女の関係において“食”と“恋愛”は密接な関わりを持つ。このテーマを前田はどう捉えているのだろうか。
「好きなだけ食べたいですし、食を一緒にできる人って本当に心が開いた人が良いなと思います。はじめましての人とご飯を食べるのが一番苦手かもしれない、ある程度仲良くなってからご飯は行きたいです」
夫とは食の趣味も合うといい、「それがすごく良かったなと思います。好きな食べ物が一緒なのが嬉しい」と頷く。前田自身が大好きなきゅうりは「あんまり(好きではない)みたいです(笑)。あとは大丈夫です」と笑った。
「食べるの大好き」な前田敦子、現場でも豪快な食べっぷり
前田といえば、“よく食べる女”として、AKB48時代からファンにはよく知られている。特に実家の母親が作った栄養バランスのとれた豪華な朝食を食べていたことは、ブログで知られた有名なエピソードで、農林水産省『めざましごはん』のCMに起用されたことも。本作では筒井氏こだわりの料理は50品以上登場するが、前田は“モチの家”のシーンで誰よりも皿に山盛りに料理を盛って、豪快な食べっぷりを見せていたという。
「食べることは私にとっては絶対に必要なことですね。風邪を引いてもご飯食べられますし(笑)、ご飯を食べられなかったという経験がない。それぐらい食べることはずっと好きですし、生きていく中で本当に大事だと思います。基本的に生野菜が好きで、好き嫌いもないので、それはお母さんの料理があったからだなと感謝しています」
食べ物の話になるとパッと表情が一層明るくなり、それを指摘すると「食べるの大好きなんですよ」と無邪気に笑った。
前田敦子、普段の得意料理は?夫の好みは「作りがいがない(笑)」
自身でも普段から「簡単なものですけど、無理ない範囲でやっていこうと思っています」と自炊をしているといい、得意料理を聞くと、「でもあんまり(夫から)『これが食べたい』と言われなくて。言われたとしても鍋とか言われるので、鍋って作りがいがないな、と思うんですけど。向こうに合わせるとあんまり作りがいのないものを作ることが多いかも知れないですね(笑)」と自身の口から自然と新婚家庭のエピソードがこぼれる。「基本的に自分は和食が好きで、野菜をいっぱい摂りたいので、筑前煮とかを作るのが一番美味しい。持ちますし(笑)。1日で食べ終わる量って意外と作れないじゃないですか?作り置きした方が楽、とかは考えます」と日常を明かした。
現場では料理のレシピを聞くことも多かったといい、「どのお料理も作り方は簡単なんです。なのに、見た目がすごくオシャレだし、発見が多かったです。色々混ぜるよりかは素材の味を活かしたシンプルなものが好きですね。一番美味しかったのは鯵のサワークリーム和えです」と話した。
多実子は“BARロマ”の常連だが、前田自身もBARといった場は「得意なわけではないんですけど環境はすごく好きです」とのこと。普段友人とはカフェに行くことが多いというが、BARには1人で入った経験もあるそうで、「BARのママと仲良くなって通うってことをしていたこともあります」と大胆なプライベートで驚かせた。
前田敦子の美の秘訣は食にあり「“食べない”はやらない」
そんな食事を大切にする前田だが、プロ意識が高く、スタイルキープにも余念がない、という印象で、気になるのはその方法。「動くのは好きです。色々やったけどキックボクシングが楽しくて行けるときに行っています。皆さんによく会いますよ」と芸能界でキックボクシングの人気は根強いよう。運動以外にはやはり食へのこだわりに美の秘訣が隠されていた。「色々考えていますね。まずはやっぱり素材を大事にして良い野菜を食べたくて、無農薬があったらそっちを買いたいです。映画でも筒井さんが頼まれているところが野菜を全部用意して下さったんですけど、すごくそういうのにも興味があります。あとはご飯がすっごく好き。白米がやっぱり良いらしくて水分補給にもなって肌の潤いが増す、とも聞くので小麦より白米を食べます」
撮影前などは食べ過ぎないように食事制限をするのかも気になるところだが、「“食べない”はやらない、やりたくないですね」ときっぱり。あくまでも彼女自身、無理することなくヘルシーな食事からヘルシーな美に繋がっているのは、やはり母親の料理にルールがあった。
「“食を抜く”っていうのは一番したくないので遅い時間に食べないとか時間を気をつけるくらい。基本的に脂っぽいものがあんまり好きじゃなくて、魚、野菜が好きなので、好きな食べ物が身体に良いものなのはラッキーだなと思います。お母さんのおかげで味音痴にはならずに済んだなと。なんでも作ってくれたんですけど、お姉ちゃんが逆にエビフライとかが大好きだったので私は好きじゃなくて、自然と野菜に行ったのかな。野菜がない食卓は絶対になくてサラダでも煮物でもおひたしでも必ずありました」
最後に本作を気になっている人へメッセージをもらうと、観るシチュエーションを提案してくれた。
「私は女の子だけで観に行ってほしいですね。男性は男性で。観たらご飯が食べたくなると思いますし、仕事終わりとかにふらっと行って、そのままご飯食べに行くっていう流れが一番良いと思う。『あのキャラクターだったら…』とか『あの子完全に私だった』とか、女子会の作品なのでその延長で女子会をやりながら話すと楽しいと思います」
変わらない前田敦子の芯
結婚という節目を迎えたが、彼女自身の芯は何も変わらない、そんなことを実感させられるインタビュー時間だった。自分のやりたいことにまっすぐで、周りの声に悪く影響されることなく、常に生き生きと女優としても女としても“今”を楽しんでいる。
今後の仕事についても「これがやりたいってことはあまりない。呼んでもらえれば何でもやります(笑)」と話すスタンスはちょうど1年前にインタビューをしたときと変わらず。そんな彼女にはこれからも沢山のオファーが舞い込み続けるだろう。(modelpress編集部)
前田敦子(まえだ・あつこ)プロフィール
生年月日:1991年7月10日出身地:千葉県
血液型:A型
身長:161cm
2005年にAKB48の1期生として芸能界デビュー。2012年8月にグループを卒業する。グループ在籍中の2007年、映画『あしたの私のつくり方』で女優デビュー後、数々の作品に出演。代表作・近年の出演作に日本テレビ系ドラマ『Q10』(2011)、フジテレビ系『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』(2011)、『幽かな彼女』(2013)、『民衆の敵~世の中おかしくないですか!?~』(2017)、日本テレビ系『ど根性ガエル』(2015)、TBS系『毒島ゆり子のせきらら日記』(2016)、映画『苦役列車』(2012)、『もらとりあむタマ子』(2013)、『さよなら歌舞伎町』(2015)、『イニシエーション・ラブ』(2015)、『モヒカン故郷に帰る』(2016)、『武曲 MUKOKU』(2017)、『散歩する侵略者』(2017)、『探偵はBARにいる3』(2017)、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(2018)、『のみとり侍』(2018)など。2019年には『旅のおわり、世界のはじまり』の公開を控えている。
『苦役列車』ではTAMA映画賞・最優秀新進女優賞を、さらに同作と『もらとりあむタマ子』で日本映画プロフェッショナル大賞・主演女優賞を、2年連続受賞している。
映画「食べる女」
監督:生野慈朗原作・脚本:筒井ともみ
出演:小泉今日子 沢尻エリカ 前田敦子 広瀬アリス 山田優 壇蜜 シャーロット・ケイト・フォックス 鈴木京香
ユースケ・サンタマリア 池内博之 勝地涼 小池徹平 笠原秀幸 間宮祥太朗 遠藤史也 RYO(ORANGE RANGE) PANTA(頭脳警察)眞木蔵人
【Not Sponsored 記事】
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