美女トレーナー・AYA「悔しくてずっと泣いていた」経験を経て学んだもの 中村アン、仲里依紗ら芸能人から信頼される理由とは<モデルプレスインタビュー>
2018.09.20 19:00
views
中村アンや仲里依紗、森星、土屋太鳳ら多くの芸能人がトレーニングに通う美人トレーナー、AYA(あや/33)。著名人がこぞって信頼を寄せるAYAは、そのストイックなトレーニングと精神から「追い込みの女王」という異名をとる。そんな彼女がこれほどまでに努力を重ねられる理由とは?トレーナーとして信頼される理由は?そして描く夢「日本総フィットネス計画」とは?一流から信頼を集め続ける“カリスマ”に迫った―――。
共同運営の元K-1スターでReebokマスタートレーナーのニコラス・ペタス氏と東京西麻布のクロスフィットジムでトレーナーを務めるAYA。彼女がInstagramで披露する彫刻のような腹筋などの美ボディは「美しすぎる」「憧れる」と多くの女性たちの間で常に話題となっており、レッスンには朝7時から多くの利用者が通い詰め、彼女の威勢のある掛け声とともに、“超ストイック”なトレーニングが行われている。
そんな注目を集める中、今年5月に初のワークアウトイベント『AYA’S WORK OUT LIVE』を開催。会場には約500人が集結し「海外のように、日本でもフィットネスを衣食住と同じ当たり前なものにしたい」という夢の第一歩を踏み出した。さらに大阪(10月8日)、福岡(11月23日)、名古屋(12月23日)と全国での開催も予定。モデルプレスは今回、インタビューを実施し、フィットネスに関する強い思いや夢についてなど話を聞いた。
AYA:昔からスポーツが大好きだったので、身体を鍛える、美しくする、という意識はなかったですが、ずっと運動は楽しんでやっていました。
それから大学に入って、メイクやファッションの楽しさを覚えて、インストラクターとモデルのお仕事を両立していたんです。ですが当時は「モデルに筋肉いらない」「細ければ細いほど美しい」という時代で。身長に対する理想の体重や太もも周りのサイズなどを一覧にした表があって、その数値を守れていなければ3か月仕事を休止するような、本当に数字に縛られてる価値観が普通でした。私は「ん?」と思いながらも「筋肉落としなさい」「痩せなさい」と言われて、野菜しか食べない生活を送りました。
また食事だけでなく、筋肉を落とすために、身体を動かさないように徹底していたので、そのうちインストラクターなのに口だけの指導になってしまったんです。すると口だけの先生なので生徒さんからの信用も失ってしまって…。
― 辛い時期だったんですね。
調べてみたら「トップモデル」と言われているような方々が日本では絶対嫌われるような身体で歩いていて、度肝を抜かれてしまって(笑)。アメリカはワークアウトをする文化があるので、モデルさんたちも運動して身体を作っている、という記事も読んで、やっぱりワークアウトなしだと美しさは生まれないんだ、と教わったような気持ちになりました。ワールドワイドに物事を見て、もっと色んな物事に対して視野を大きく持とうと思い、それをきっかけに、人から何か言われても、自分らしくいようと思ったんです。
― 現在の肩書きである「フィットネスモデル」とは具体的にどのようなことをするんですか?
AYA:私が推奨するものは、日常生活でする動きを応用化させたトレーニングなので、人間らしく運動をしたり、食事をしっかりと摂ったりして、身体の中から綺麗になれるような生活を送ること。私自身がそれで、ここまで身体が変わったので、もっと自分らしく人に伝えていきたいな、という風に思ってモデル活動+フィットネスのジャンルを作りました。
日本人って、ふわっとしたAラインのスカートや、パフスリーブで錯覚まで使って細く見られようとしがち。でも、自分だけしか持っていない美しさを引き出せるようなファッションをもっと取り入れた方が素敵だと思うんです。そういうファッションを美しく見せるようなこともフィットネスモデルの仕事だと思っています。
AYA:親に「あなたは人の10倍も努力しないと同じスタートラインに立てないからもっとやりなさい、もっとやりなさい」と言われて育てられたのが大きいかもしれないです。子どもの時に「〇〇ちゃんは3日だけしか勉強してないで期末試験で90点が取れるのに、どうして私は3週間前に勉強始めないと85点が取れないの?」と質問したことがあって。その時、親から「あなたは〇〇ちゃんよりも能力が低いから。それは努力でカバーするしかないのよ。だから、あなたは〇〇ちゃんよりも、何倍も頑張りなさい。それで初めて同じスタートラインに立てるから」と言われたんです。その言葉が今のAYAを作っていると思います。
やっぱり私も不安なんです。生徒さんを教える立場でいる以上、生徒さんよりも常に高いレベルにいないと「AYAさんみたいになれるなら、頑張ろう」と思ってもらえない。そういうモチベーションを作ってもらうには、そこで頑張っている人たちよりも、もっともっと努力をしないといけない。だから「どういうトレーナーに教わりたいだろう」と考えて、その人間像に向けて自分を追い込んでく、という感じです。
― なるほど。そうして「超人」ができあがったわけですね。
AYA:(笑)。でも、最近「AYA=なんでも出来る」「超人」みたいなイメージが勝手に一人歩きしちゃって苦しいな、と感じることもあって。私だって人間だから失敗することはあるのに…って(苦笑い)。
― 何かきっかけがあったんですか?
AYA:『KUNOICHI2018』(TBS系)に出演したことですね。前回、初出場した時は何も考えていなかったので、ファイナルステージの一つ手前であるBLACK STAGEまで進出できたんです。でも、2回目は「完全制覇するんだろう」という期待がプレッシャーになって身体が全然、動かなくなっちゃって。緊張とプレッシャーで潰されて、固まってしまいました。普段なら嬉しい“期待されること”が、重みに感じた経験は初めてでした。めっちゃ辛かったですし、悔しくて家に帰ってずっと泣いていました。本当に「皆さんの期待に応えられなかった」とか「ダメ人間なのかな、自分は」とか…。悲しくなって落ち込みましたね。
― 相当な期待が寄せられていましたもんね。そこからは、どうやって立ち直ったんですか?
AYA:どん底まで沈むと、気づいたらケロッとしてるタイプなんです(笑)。なので精神面でもっと強くならなきゃ、と切り替えました。私はいつも何でも真剣にやりすぎちゃうんですよ。それが裏目に出ることもあるんだ、と実感したので、いちいち考えずに楽しむ、と学びましたね。
そして、もう一つ学んだのが「私も失敗することはあるんだよ」と、もっと素を見せて人間味を出そう、ということです。今回「かっこいいAYAでいなきゃいけない」「皆の期待に応えられるAYAじゃなきゃダメだ」と自分で自分を追い込みすぎちゃったことも良くなかったと思うので。それに、普段から完璧な姿しか見せなかったら、私のところにトレーニングしに来てくれる方も「AYAさんだから出来るんでしょ」とついてこなくなってしまうと思うんです。
― なるほど。でも反響は大きかったんじゃないですか?
AYA:そうですね。あれで「将来AYAみたいになりたい!」という子どものファンができたり、家族で応援してくれる方が増えたりしたのは嬉しかったです。それに、あの時の経験が自分をもっと強くしてくれてると思っているので良い経験でした。
AYA:簡単に言うと、日常生活で使う必要最低限の筋肉を鍛えていくものです。立つ、座る、歩く、走る、荷物を持って歩く、物を棚にあげる、といった普段、何も考えずに行っている動きを応用化させるトレーニングになっています。そしてベースが出来ると次は“何でも出来る身体”を求め、人間の持ってる身体能力の限界を追求するトレーニングです。
― 私は全く運動しないので、とてもハードそうなイメージです。
AYA:運動経験ゼロの人でも徐々に動けるようになっていきますよ。お尻が重くてスクワットをしたら後ろに転がってしまったような方が、今ではバーベルを背負って、スクワットをしているんです。人って成長しますよね。出来なかったことが出来るようになると自信に変わって、その自信が次のステップに運んでくれるんです。人の成長を運動が教えてくれる。でも、やらなければ、どんどんダメになっていくので、まずは挑戦する気持ちを持ってほしいです。
― まず気持ちを作ることが大事なんですね。とは言え、スクワットすら厳しそうです…。
AYA:まずは自分が出来る運動から始めて下さい。ウォーキングでも良いんです。運動したことない人が「運動しよう」という気持ちに持っていくハードルはとても高いですよね。でもスニーカーを履いて外に出て歩くだけならどうでしょうか。そうしたら汗をかいて「気持ち良い」という気分に絶対なるはず。歩けるようになったら「ちょっと走ってみよう」、走れるようになったら「ジムに入会してみよう」…というように自然と変わってくると思います。
だから私もトレーニングでは、まずは絶対に達成出来る目標を設定してもらいます。それでそれをクリアしたら次へ、そしてまた次へ、というようにゲームをクリアしていく感覚で楽しんでもらっています。出来ないことをしてもらうんじゃなくて、出来ることをしてもらうんです。それで「ほら、出来たでしょ。絶対無理だって思ってたけど出来たでしょ。自分で壁を作っているだけなんだよ」というような話をしてトレーニングをやっています。
― なんだか出来そうな気がしてきました!カリスマトレーナとして、多くの著名人の方からも信頼が厚いAYAさんですが、どうしてそれほどの信頼を得たんだと思いますか?
AYA:何でだろう…分からない(笑)。でも私は「もっとこうしたい」「ああしたい」という希望を聞き入れて沢山話します。ぶっちゃけ、モデルさんや女優さんは最初の頃、「足は太くなりたくない」とか「筋肉ついたら腕が太く見えるんじゃないの?」とか色々わがままなんです(笑)。それを「まずはプロに任せた方がいいんじゃないかな?」というところまで持っていけるように、身体と話術で信頼を得ます。彼女たちが持っている固定観念を取り払ってあげないと、運動に集中することはできないので「AYAに任せれば大丈夫だ」と思わせないと始まらないんです。
例えば「バーベルは筋肉がつくから持ちたくない」という方も中にはいらっしゃいます。私も昔はそう思ってたので、彼女の話や気持ちも分かるんです。でも、そうではないんだよ、ということをトレーニングの結果として出します。結果を出してあげると絶対に信用してくれる。口ではいくらでも言えちゃうので、まずは結果を出してあげますね。
― そもそもどうやってAYAさんのトレーニングは広まったんですか?
AYA:口コミや人からも紹介が多いですね。「AYAさんの行ってみたら?」「でもキツそうだよね~」「私も出来てるから平気だよ」といった感じで、勧められると安心感もあるのかもしれないですね。
AYA:ワークアウトライブは、大人数で一緒になって一つのワークアウトを共有するものです。アーティストがライブハウスなどで行うライブのフィットネス版。アメリカやオーストラリアでは、人気のトレーナーさんが大きな会場でトレーニングをする、こういったイベントはメジャーなもので、「右も左も前も後ろも、どこを見ても皆が同じワークアウトに苦しんでいる。でも頑張ろう」としんどさを共有しながら、かっこいい音楽に合わせてライブを楽しむ感覚で身体を動かしていくんです。それでトレーナーは一人ひとりに、ちゃんと声をかけてフォームを直していく。そんなイベントになっています。
― AYAさんが日本でもやろうと思ったのはどうしてですか?
AYA:私が日本で始めたのは、KAYLA ITSINES(カイラ・アイトサインズ)さんという好きなトレーナーさんがやっているのを見て「この人がやっているワークアウトライブをやってみたい」と思ったのがきっかけです。彼女がやってることがずっと羨ましくてやりたかったんですが、日本人は皆で運動する習慣がないから開催しても「ジムがあるし運動するならジムに行けば良いよね」となって、絶対誰も来ないだろうな、とずっと思っていました。
なので、これが無事に開催出来るように、何年もSNSを通して自分を発信することを頑張ったんです。トレーニング動画を投稿したり、フィットネスウェアでファッションのショットを撮ってみたり。「身体かっこいいなあ。こういう風になりたいな」「このファッションがかっこいいから、身体を鍛えないと似合わないな。じゃあちょっと運動しよう」とか何でも良いから、全部フィットネスに結びつくような投稿をどんどんどんどんしました。それで運動したい、という人が増えるように地道に発信し続けましたね。
― そうだったんですね。運動ってジムに行って1人で黙々と頑張るようなイメージだったんですけど、『AYA’S WORK OUT LIVE』の動画を拝見したら、一体感があってとても楽しそうでした。
AYA:そうなんです!参加してくれた皆の感想を聞くと「良かったから、もう1回やりたい」とか「もっと開催してほしい」とか、すごく嬉しいコメントをもらって、私はまだまだいける、という自信になりました。
そもそもあんなに沢山の人が集まってくれるとは思っていなかったんです。でもやってみたら、皆で集まって皆で汗を流す、という環境が本当に素晴らしいと思って。パワーも沢山もらえたし、感激しましたし、この感覚をもっと大勢の人に共有して、広げていきたいなっていうのを強く思いました。
― その思いが10月からの大阪、福岡、名古屋での開催につながるわけですね。
AYA:はい。大きな都市だけとは言わず、もっともっと色々な場所に行きたいですね。私には「日本総フィットネス計画」という大きな夢があって、クロスフィットをベースにして、日本をもっとフィットネスであふれた国に、皆がヘルシーになれるように、出来ることをしていきたいんです。そして、そのマスコットになれれば幸せだなと思っているのですが、その夢への道がワークアウトライブになります。
私は1つしか身体がないので、日本中の全員にパーソナルトレーニングをすることはできません。でも、私ももっと多くの人に歩み寄りたいという気持ちもあって、皆で一緒にAYAを共有するためにツアーのように全国を回りたいんです。ワークアウトライブは「もっと多くの人に会って指導したい」という気持ちと、自分のやりたいこと、出来ること、の全てがリンクしていると思うんです。
それに好きなフィットネスウェアを着て皆で身体を鍛える、という点も新しいですよね。東京ガールズコレクションなどのファッションイベントには皆、おしゃれをしてくるじゃないですか。そんな感覚で、頑張って運動するために可愛いウェアを買って各々が可愛くしてくる、そういうお祭りのようなフィットネスライブっていうのをやりたかったんです。
AYA:夢と目標の違いを分かっていない若者が多すぎる、と感じています。夢は「できたらいいな」というぼんやりしたものだけど、目標は「やる」もの。ちゃんと達成するものが目標なんですよ。だから「夢」を「夢」で終わらせずに「夢」を「目標」にすることが大事。口で「いいな、なりたいな、やりたいな」と言うだけじゃなくて、アクションを起こすことだと思います。
今の私の目標は「ワークアウトライブ」。夢は「日本総フィットネス化計画」。まだ夢はぼんやりしてるんです。でもそれがいつか目標になる時が来ます。今はそれまでの道を歩いてる途中です。
― 素敵なお話ありがとうございました。
(modelpress編集部)
血液型:O型
身長:175cm
著名人のボディープロデュースをてがける傍ら、フィットネスモデルとしても活躍。雑誌、広告など多数出演している。
10月8日 @フットメッセ天下茶屋(大阪)
11月23日 @福岡市役所西側ふれあい広場(福岡)
12月23日 @ドルフィンズアリーナ(名古屋)
【必須アイテム】
ヨガマット、トレーニングシューズ、ウェアー、タオル
詳細は公式サイト「aya-fp.com」よりご確認下さい。
そんな注目を集める中、今年5月に初のワークアウトイベント『AYA’S WORK OUT LIVE』を開催。会場には約500人が集結し「海外のように、日本でもフィットネスを衣食住と同じ当たり前なものにしたい」という夢の第一歩を踏み出した。さらに大阪(10月8日)、福岡(11月23日)、名古屋(12月23日)と全国での開催も予定。モデルプレスは今回、インタビューを実施し、フィットネスに関する強い思いや夢についてなど話を聞いた。
AYA、鍛え始めた理由は?
― そもそも、どうして身体を鍛え始めたんですか?AYA:昔からスポーツが大好きだったので、身体を鍛える、美しくする、という意識はなかったですが、ずっと運動は楽しんでやっていました。
それから大学に入って、メイクやファッションの楽しさを覚えて、インストラクターとモデルのお仕事を両立していたんです。ですが当時は「モデルに筋肉いらない」「細ければ細いほど美しい」という時代で。身長に対する理想の体重や太もも周りのサイズなどを一覧にした表があって、その数値を守れていなければ3か月仕事を休止するような、本当に数字に縛られてる価値観が普通でした。私は「ん?」と思いながらも「筋肉落としなさい」「痩せなさい」と言われて、野菜しか食べない生活を送りました。
また食事だけでなく、筋肉を落とすために、身体を動かさないように徹底していたので、そのうちインストラクターなのに口だけの指導になってしまったんです。すると口だけの先生なので生徒さんからの信用も失ってしまって…。
― 辛い時期だったんですね。
AYA:そうですね。トレーナーとしても、モデルとしてもどっちつかずの時代は本当に苦しい時代でした。でも、そんな時にクロスフィットと出会ったんです。それで「クロスフィットとは何だろう」と思って、YouTubeの動画を参考に自分でやるようになりました。日本では当時、ほとんど知られていなかったので、アメリカの動画ばかり見ていたんですが、ある時、関連動画に「Victoria’s secret(ヴィクトリアズ・シークレット)」のファッションショーが表示されて。気になって見たら、腹筋がくっきりと割れていたり、足も筋張ったりしているモデルさんが何人も歩いていたんです。
調べてみたら「トップモデル」と言われているような方々が日本では絶対嫌われるような身体で歩いていて、度肝を抜かれてしまって(笑)。アメリカはワークアウトをする文化があるので、モデルさんたちも運動して身体を作っている、という記事も読んで、やっぱりワークアウトなしだと美しさは生まれないんだ、と教わったような気持ちになりました。ワールドワイドに物事を見て、もっと色んな物事に対して視野を大きく持とうと思い、それをきっかけに、人から何か言われても、自分らしくいようと思ったんです。
― 現在の肩書きである「フィットネスモデル」とは具体的にどのようなことをするんですか?
AYA:私が推奨するものは、日常生活でする動きを応用化させたトレーニングなので、人間らしく運動をしたり、食事をしっかりと摂ったりして、身体の中から綺麗になれるような生活を送ること。私自身がそれで、ここまで身体が変わったので、もっと自分らしく人に伝えていきたいな、という風に思ってモデル活動+フィットネスのジャンルを作りました。
日本人って、ふわっとしたAラインのスカートや、パフスリーブで錯覚まで使って細く見られようとしがち。でも、自分だけしか持っていない美しさを引き出せるようなファッションをもっと取り入れた方が素敵だと思うんです。そういうファッションを美しく見せるようなこともフィットネスモデルの仕事だと思っています。
AYAが「追い込みの女王」と言われるルーツ
― AYAさんがこのボディを作るまでには相当の努力があったと思いますが、どうしてそこまで自分を追い込めるのですか?AYA:親に「あなたは人の10倍も努力しないと同じスタートラインに立てないからもっとやりなさい、もっとやりなさい」と言われて育てられたのが大きいかもしれないです。子どもの時に「〇〇ちゃんは3日だけしか勉強してないで期末試験で90点が取れるのに、どうして私は3週間前に勉強始めないと85点が取れないの?」と質問したことがあって。その時、親から「あなたは〇〇ちゃんよりも能力が低いから。それは努力でカバーするしかないのよ。だから、あなたは〇〇ちゃんよりも、何倍も頑張りなさい。それで初めて同じスタートラインに立てるから」と言われたんです。その言葉が今のAYAを作っていると思います。
やっぱり私も不安なんです。生徒さんを教える立場でいる以上、生徒さんよりも常に高いレベルにいないと「AYAさんみたいになれるなら、頑張ろう」と思ってもらえない。そういうモチベーションを作ってもらうには、そこで頑張っている人たちよりも、もっともっと努力をしないといけない。だから「どういうトレーナーに教わりたいだろう」と考えて、その人間像に向けて自分を追い込んでく、という感じです。
― なるほど。そうして「超人」ができあがったわけですね。
AYA:(笑)。でも、最近「AYA=なんでも出来る」「超人」みたいなイメージが勝手に一人歩きしちゃって苦しいな、と感じることもあって。私だって人間だから失敗することはあるのに…って(苦笑い)。
― 何かきっかけがあったんですか?
AYA:『KUNOICHI2018』(TBS系)に出演したことですね。前回、初出場した時は何も考えていなかったので、ファイナルステージの一つ手前であるBLACK STAGEまで進出できたんです。でも、2回目は「完全制覇するんだろう」という期待がプレッシャーになって身体が全然、動かなくなっちゃって。緊張とプレッシャーで潰されて、固まってしまいました。普段なら嬉しい“期待されること”が、重みに感じた経験は初めてでした。めっちゃ辛かったですし、悔しくて家に帰ってずっと泣いていました。本当に「皆さんの期待に応えられなかった」とか「ダメ人間なのかな、自分は」とか…。悲しくなって落ち込みましたね。
― 相当な期待が寄せられていましたもんね。そこからは、どうやって立ち直ったんですか?
AYA:どん底まで沈むと、気づいたらケロッとしてるタイプなんです(笑)。なので精神面でもっと強くならなきゃ、と切り替えました。私はいつも何でも真剣にやりすぎちゃうんですよ。それが裏目に出ることもあるんだ、と実感したので、いちいち考えずに楽しむ、と学びましたね。
そして、もう一つ学んだのが「私も失敗することはあるんだよ」と、もっと素を見せて人間味を出そう、ということです。今回「かっこいいAYAでいなきゃいけない」「皆の期待に応えられるAYAじゃなきゃダメだ」と自分で自分を追い込みすぎちゃったことも良くなかったと思うので。それに、普段から完璧な姿しか見せなかったら、私のところにトレーニングしに来てくれる方も「AYAさんだから出来るんでしょ」とついてこなくなってしまうと思うんです。
― なるほど。でも反響は大きかったんじゃないですか?
AYA:そうですね。あれで「将来AYAみたいになりたい!」という子どものファンができたり、家族で応援してくれる方が増えたりしたのは嬉しかったです。それに、あの時の経験が自分をもっと強くしてくれてると思っているので良い経験でした。
AYAが著名人から信頼を得る理由
― そもそもクロスフィットとはどんなトレーニングなのか、教えてもらっても良いですか?AYA:簡単に言うと、日常生活で使う必要最低限の筋肉を鍛えていくものです。立つ、座る、歩く、走る、荷物を持って歩く、物を棚にあげる、といった普段、何も考えずに行っている動きを応用化させるトレーニングになっています。そしてベースが出来ると次は“何でも出来る身体”を求め、人間の持ってる身体能力の限界を追求するトレーニングです。
― 私は全く運動しないので、とてもハードそうなイメージです。
AYA:運動経験ゼロの人でも徐々に動けるようになっていきますよ。お尻が重くてスクワットをしたら後ろに転がってしまったような方が、今ではバーベルを背負って、スクワットをしているんです。人って成長しますよね。出来なかったことが出来るようになると自信に変わって、その自信が次のステップに運んでくれるんです。人の成長を運動が教えてくれる。でも、やらなければ、どんどんダメになっていくので、まずは挑戦する気持ちを持ってほしいです。
― まず気持ちを作ることが大事なんですね。とは言え、スクワットすら厳しそうです…。
AYA:まずは自分が出来る運動から始めて下さい。ウォーキングでも良いんです。運動したことない人が「運動しよう」という気持ちに持っていくハードルはとても高いですよね。でもスニーカーを履いて外に出て歩くだけならどうでしょうか。そうしたら汗をかいて「気持ち良い」という気分に絶対なるはず。歩けるようになったら「ちょっと走ってみよう」、走れるようになったら「ジムに入会してみよう」…というように自然と変わってくると思います。
だから私もトレーニングでは、まずは絶対に達成出来る目標を設定してもらいます。それでそれをクリアしたら次へ、そしてまた次へ、というようにゲームをクリアしていく感覚で楽しんでもらっています。出来ないことをしてもらうんじゃなくて、出来ることをしてもらうんです。それで「ほら、出来たでしょ。絶対無理だって思ってたけど出来たでしょ。自分で壁を作っているだけなんだよ」というような話をしてトレーニングをやっています。
― なんだか出来そうな気がしてきました!カリスマトレーナとして、多くの著名人の方からも信頼が厚いAYAさんですが、どうしてそれほどの信頼を得たんだと思いますか?
AYA:何でだろう…分からない(笑)。でも私は「もっとこうしたい」「ああしたい」という希望を聞き入れて沢山話します。ぶっちゃけ、モデルさんや女優さんは最初の頃、「足は太くなりたくない」とか「筋肉ついたら腕が太く見えるんじゃないの?」とか色々わがままなんです(笑)。それを「まずはプロに任せた方がいいんじゃないかな?」というところまで持っていけるように、身体と話術で信頼を得ます。彼女たちが持っている固定観念を取り払ってあげないと、運動に集中することはできないので「AYAに任せれば大丈夫だ」と思わせないと始まらないんです。
例えば「バーベルは筋肉がつくから持ちたくない」という方も中にはいらっしゃいます。私も昔はそう思ってたので、彼女の話や気持ちも分かるんです。でも、そうではないんだよ、ということをトレーニングの結果として出します。結果を出してあげると絶対に信用してくれる。口ではいくらでも言えちゃうので、まずは結果を出してあげますね。
― そもそもどうやってAYAさんのトレーニングは広まったんですか?
AYA:口コミや人からも紹介が多いですね。「AYAさんの行ってみたら?」「でもキツそうだよね~」「私も出来てるから平気だよ」といった感じで、勧められると安心感もあるのかもしれないですね。
『AYA’S WORK OUT LIVE』が大盛況 そして全国へ
― 5月に開催したフィットネスイベント『AYA’S WORK OUT LIVE』(@豊洲Pit)には約500名の方が参加。大盛況だったそうですが、そもそもワークアウトライブとはどんなイベントなんですか?AYA:ワークアウトライブは、大人数で一緒になって一つのワークアウトを共有するものです。アーティストがライブハウスなどで行うライブのフィットネス版。アメリカやオーストラリアでは、人気のトレーナーさんが大きな会場でトレーニングをする、こういったイベントはメジャーなもので、「右も左も前も後ろも、どこを見ても皆が同じワークアウトに苦しんでいる。でも頑張ろう」としんどさを共有しながら、かっこいい音楽に合わせてライブを楽しむ感覚で身体を動かしていくんです。それでトレーナーは一人ひとりに、ちゃんと声をかけてフォームを直していく。そんなイベントになっています。
― AYAさんが日本でもやろうと思ったのはどうしてですか?
AYA:私が日本で始めたのは、KAYLA ITSINES(カイラ・アイトサインズ)さんという好きなトレーナーさんがやっているのを見て「この人がやっているワークアウトライブをやってみたい」と思ったのがきっかけです。彼女がやってることがずっと羨ましくてやりたかったんですが、日本人は皆で運動する習慣がないから開催しても「ジムがあるし運動するならジムに行けば良いよね」となって、絶対誰も来ないだろうな、とずっと思っていました。
なので、これが無事に開催出来るように、何年もSNSを通して自分を発信することを頑張ったんです。トレーニング動画を投稿したり、フィットネスウェアでファッションのショットを撮ってみたり。「身体かっこいいなあ。こういう風になりたいな」「このファッションがかっこいいから、身体を鍛えないと似合わないな。じゃあちょっと運動しよう」とか何でも良いから、全部フィットネスに結びつくような投稿をどんどんどんどんしました。それで運動したい、という人が増えるように地道に発信し続けましたね。
それに、ワークアウトをする文化があるアメリカにも1年に2回、3回行って多くのことを吸収するようにしています。アメリカにはフィットネスの最先端の情報があるので、そこで勉強をして自分なりに吸収して、もっとこの素敵な文化にあふれているフィットネスを日本に広めたいんです。
― そうだったんですね。運動ってジムに行って1人で黙々と頑張るようなイメージだったんですけど、『AYA’S WORK OUT LIVE』の動画を拝見したら、一体感があってとても楽しそうでした。
AYA:そうなんです!参加してくれた皆の感想を聞くと「良かったから、もう1回やりたい」とか「もっと開催してほしい」とか、すごく嬉しいコメントをもらって、私はまだまだいける、という自信になりました。
そもそもあんなに沢山の人が集まってくれるとは思っていなかったんです。でもやってみたら、皆で集まって皆で汗を流す、という環境が本当に素晴らしいと思って。パワーも沢山もらえたし、感激しましたし、この感覚をもっと大勢の人に共有して、広げていきたいなっていうのを強く思いました。
― その思いが10月からの大阪、福岡、名古屋での開催につながるわけですね。
AYA:はい。大きな都市だけとは言わず、もっともっと色々な場所に行きたいですね。私には「日本総フィットネス計画」という大きな夢があって、クロスフィットをベースにして、日本をもっとフィットネスであふれた国に、皆がヘルシーになれるように、出来ることをしていきたいんです。そして、そのマスコットになれれば幸せだなと思っているのですが、その夢への道がワークアウトライブになります。
私は1つしか身体がないので、日本中の全員にパーソナルトレーニングをすることはできません。でも、私ももっと多くの人に歩み寄りたいという気持ちもあって、皆で一緒にAYAを共有するためにツアーのように全国を回りたいんです。ワークアウトライブは「もっと多くの人に会って指導したい」という気持ちと、自分のやりたいこと、出来ること、の全てがリンクしていると思うんです。
それに好きなフィットネスウェアを着て皆で身体を鍛える、という点も新しいですよね。東京ガールズコレクションなどのファッションイベントには皆、おしゃれをしてくるじゃないですか。そんな感覚で、頑張って運動するために可愛いウェアを買って各々が可愛くしてくる、そういうお祭りのようなフィットネスライブっていうのをやりたかったんです。
AYA、夢を叶える秘訣
― 楽しそうですね。では最後に夢を追うモデルプレス読者に向けて、夢を叶える秘訣を教えて下さい。AYA:夢と目標の違いを分かっていない若者が多すぎる、と感じています。夢は「できたらいいな」というぼんやりしたものだけど、目標は「やる」もの。ちゃんと達成するものが目標なんですよ。だから「夢」を「夢」で終わらせずに「夢」を「目標」にすることが大事。口で「いいな、なりたいな、やりたいな」と言うだけじゃなくて、アクションを起こすことだと思います。
今の私の目標は「ワークアウトライブ」。夢は「日本総フィットネス化計画」。まだ夢はぼんやりしてるんです。でもそれがいつか目標になる時が来ます。今はそれまでの道を歩いてる途中です。
― 素敵なお話ありがとうございました。
(modelpress編集部)
AYA(あや)
出身地:兵庫県血液型:O型
身長:175cm
著名人のボディープロデュースをてがける傍ら、フィットネスモデルとしても活躍。雑誌、広告など多数出演している。
『AYA’S WORK OUT LIVE』開催概要
【開催】10月8日 @フットメッセ天下茶屋(大阪)
11月23日 @福岡市役所西側ふれあい広場(福岡)
12月23日 @ドルフィンズアリーナ(名古屋)
【必須アイテム】
ヨガマット、トレーニングシューズ、ウェアー、タオル
詳細は公式サイト「aya-fp.com」よりご確認下さい。
【Not Sponsored 記事】
関連記事
「インタビュー」カテゴリーの最新記事
-
【TWICEサナ インタビュー】夢を叶えるためには「勢い」が大事 中学時代のデビュー前から繋がる考えモデルプレス
-
BUDDiiS小川史記、“暗黒時代”支えとなった友の存在 後悔なしの20代振り返る【インタビュー後編】モデルプレス
-
「今日好き」こおめいカップルインタビュー、交際後は毎日寝落ち電話 意外だったスキンシップ事情「もっとしようかなと」モデルプレス
-
“奇跡の29歳”BUDDiiS小川史記、代名詞が思わぬ広がり 1st写真集で新たな自分も発見【インタビュー前編】モデルプレス
-
“怪演”話題の片岡凜、ブレイク中の心境語る デビューから2年――女優の夢叶えるために起こした行動「突っ走ることが大切」【「海に眠るダイヤモンド」インタビューVol.3】モデルプレス
-
「海に眠るダイヤモンド」いづみの正体・今後の展開は?千景役・片岡凜が気になる伏線ポイント明かす【インタビューVol.2】モデルプレス
-
片岡凜、日曜劇場初出演は「すごく光栄」“ドラマデビュー作ぶり”新井順子Pとの再会で贈られたアドバイスとは【「海に眠るダイヤモンド」インタビューVol.1】モデルプレス
-
アナウンサーになるには?テレ東・田中瞳アナの回答と「夢を叶える秘訣」モデルプレス
-
テレ東・田中瞳アナの転機になった、さまぁ~ずの“ある言動”モデルプレス