永野芽郁「半分、青い。」インタビュー「とんでもなく辛い」女優を続ける理由、掴んだ答え
2018.09.12 05:00
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現在放送中の連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合/月曜~土曜あさ8時)にて、ヒロインを務める女優の永野芽郁は、先日約10ヶ月にわたる撮影を終えた。ちょっとうかつだけれど失敗を恐れないヒロイン・楡野鈴愛(にれの・すずめ)の半生を生きた彼女には、朝ドラ初出演という大きな経験を経て、掴んだものがあった。
永野芽郁、葛藤の日々を振り返る
長期間撮影で怒涛の人生を走り抜けた永野は「自分でいる時間がなかった。自分の思いや自分が生きている時間のなかに、鈴愛をどうやって落とし込んでいいのかがわからなくなった」と振り返る。自身のブログでも「笑いたいのに笑えない日もあった」と明かしていたように、“ヒロイン”という大役には想像以上の苦悩も多かった。そんな葛藤を乗り越えた先に待っていたのは、確かな自信と、女優として、そして1人の女性としての成長。
「これまでは自分のことを聞かれても答えられなかったのですが、長い時間自分や鈴愛に向き合って、自分自身に少し優しくする方法だったり、自分なのに少し甘えさせてあげたりという方法を、ようやく見つけられたと思います。周りの先輩や視聴者が『あのシーンがすごく良かった』、『痛々しくて涙が止まらなかった』とか、そんな風に見てくれる人たちがいることによって、私はこの先も芝居を続けていけるのだろうなと思いました」。
新たな気づきから、芝居の魅力を再確認。「『半分、青い。』で女優さんというお仕事がすごく大好きになり、誰かと目を合わせてお芝居をするというのはすごく楽しいことだと思えました。同時に、とんでもなく辛いということも感じました。何か目標を考えたことがなかったけれど、こうしたいという思いが湧き上がる作品だったなと思います」。演じることの楽しさや苦しさを理解した永野は、女優として大きな一歩を踏み出す。
鈴愛の母親・晴役の松雪泰子からは「鈴愛は芽郁ちゃんにしかできないね」と言葉をもらったといい、「私しか出来ない役というものが、この世に存在して良かった。それが鈴愛で良かったなと思います」と達成感を噛み締めていた。
永野芽郁が救われた人物とは?「絶対に守ろうと思った」
大胆なひらめきで、思い立ったらすぐに行動に移す鈴愛は、永野から見て「良いところと悪いところは、結局繋がっていたりする。鈴愛はそれがすごく分かりやすい人で、突発的に言葉を言っているけれど、真っ直ぐで、タフで、何かをやると決めたら曲げない、ものすごくエネルギーのあるパワフルな人」だという。第105話では、間宮祥太朗演じる涼次との離婚話で「死んでくれ」という台詞が飛び出し、話題となっていたが、「言ったことがある人も絶対にいると思います。私は演じていて『死んでくれ』と言いたくなったから言いました」と共感する部分と、共感しない部分が共存する鈴愛の“人間らしさ”に魅力を見出しつつも、「友達にはなりたくないですけども(笑)」とはにかむ。
そんな鈴愛の猪突猛進な性格は、30代、40代になってもそのまま。「いつまでも変わらない言葉と勢いというのが、良いときもあれば、大人になっていくうえで引っかかるところでもあったので、すごく難しかった」と演じるうえでの苦労も吐露。「どこに軸を置いたらいいのか分からなかった」という状況のなかで救いとなったのは、鈴愛の娘・花野役の山崎莉里那の存在だったという。
「撮影現場に花野が来てから、自分が辛くても絶対にこの子のことは守ろうと思いました。何かあったら支えてあげたい、お芝居のことで悩むことがあれば納得するまで話し合いができたらいいなと、1人の女の子としてちゃんと向き合って過ごせたら良いと思ってやっていました。鈴愛が大人に見える瞬間や、1人の女性として成長したんだなと思えるのは花野がいたからだと思います」。
永野芽郁「奇跡でした」佐藤健・松雪泰子ら共演者との裏話を明かす
永野が印象的だったと話すのは、涙を流すシーン。「泣きすぎて、本当に目の腫れがずっと引かない一週間があるくらい泣いていたので、泣いているシーンはどれも印象に残っています。秋風先生(豊川悦司)とお別れするシーンは、撮影が終わった後に『鈴愛が泣いているところに水たまりができていた』と言われるくらい泣きました」。佐藤健が演じる律と七夕の日に別れる場面では「カットがかかっても涙が止まらなくなるくらい泣いていて、その日は自然と健さんと距離を置いていました(笑)。『お前なんでそんなに避けるんだよ』と言われましたけれど、そのくらい集中すれば、きっと観ている皆さんもすごく苦しくなるだろうなと、いろいろな思いを削ってやっていたと思います」と涙のシーンにかける思いを明かした。
永野の頑張りを1番そばで見守っていた佐藤も含め、共演するメインキャストは全員永野よりも歳上。「本当にしんどいときとかに、わざわざお母ちゃん(松雪)が前室に来てくれて、泣きながら話を聞いてもらったこともありました」―撮影期間中は一緒にいる時間が長かったこともあり、自然と本当の家族のような関係になっていた。
「頼らせてくれたり、ふざけさせてくれたり、私のことを全力で受け止めてくれる人たちが、この10ヶ月途切れることなくずっといてくれたことがすごい奇跡でした。幸せものだなと思います」と笑顔で共演者たちへの感謝を伝えた。
永野芽郁、愛溢れる現場で感じる思い
「いろいろ思い返すと、すごく大変な日常ではあった」と初朝ドラヒロインの経験を振り返る永野だったが、愛の溢れる撮影現場で、思いをしっかりと受け取っていた。「皆さんがクランクアップのときに寄せ書きのアルバムをくれたのですが、写真に写っている私はどれも笑っていました。自分のなかでは、現場でそんなに笑えているイメージがなかったのですが…。あ、意外と私は本当に楽しんで現場にいられたのだなと思いました」。笑顔で真っ直ぐな思いを伝える永野の姿は、時折、鈴愛と重なる。物語で鈴愛がたくさんの人に愛されたように、永野の天真爛漫な性格やキラキラと輝く瞳が、視聴者を惹きつけて、心を掴んだにちがいない。「律とどうなるか…私は衝撃的でお風呂に台本を落としました」―驚きの展開を心待ちにするとともに、鈴愛の人生を見届けたい。
(modelpress編集部)
永野芽郁(ながの・めい)プロフィール
1999年9月24日生まれ。東京都出身。AB型。小学校3年生のとき、吉祥寺でスカウトされ芸能界入り。2009年に映画でデビュー。2015年公開の映画『俺物語!!』のヒロインに抜てきされ話題を集め、同年“ブレイク登竜門”といわれる「全国高校サッカー選手権大会」の11代目応援マネージャーに抜てき。『カルピスウォーター』や『UQモバイル』のCMでも話題に。主な出演作に映画『ひるなかの流星』、『帝一の國』、『ピーチガール』、『ミックス。』など。第25週「君といたい!」あらすじ
そよ風の扇風機を作るために実験を重ねる鈴愛(永野芽郁)と律(佐藤健)。しかし、扇風機の風特有の「渦」を消す方法は見つからない。ある時、鈴愛は100円ショップ大納言で働いていた頃に田辺(嶋田久作)から聞いた話を思い出し、渦を消す方法をひらめく。それを受けて律が扇風機の羽根の改良を試みる。鈴愛は資金集めに奔走。二人三脚でようやく、そよ風の扇風機の試作機第一号が完成する。しかし、喜んだのもつかの間、試作機、試験データ、設計図など全ての資料が盗まれる。盗んだのは津曲(有田哲平)だった。
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