吉沢亮の“猫ダンス”がかわいすぎてシーン追加「踊りたくなっちゃって」 2018年下半期の意気込みも宣言<モデルプレスインタビュー>
2018.06.12 18:00
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俳優の吉沢亮(24)が映画『猫は抱くもの』(6月23日公開/犬童一心監督)で猫のロシアンブルーの良男(よしお)を演じた。自分を人間だと信じて疑わない良男が、世界で一番大好きな“恋人”の沙織(沢尻エリカ)に無償の愛を注ぐのだが、中でも劇中歌「ロマンス交差点」に合わせて踊る姿は悶絶級のかわいらしさ。しかもそのシーンは現場で急きょ追加されたというから驚きである。そんな“役者・吉沢亮”の器用さを改めて実感させられる撮影エピソードの数々、そして既に来年までスケジュールに空白のない怒涛の日々を過ごす中でのリアルな思いを聞いた。
吉沢亮、初めて“人間以外”を演じてみて…
― 吉沢さんが演じる猫・良男に、劇場に足を運んだ全ての人がメロメロになること間違いなしです。ご自身でご覧になっていかがでしたか?吉沢:台本の文字からは見えて来ない部分も多かったので、映画を観て「なるほど」と思う瞬間がありました。最初に読んでいた印象よりもすごくかわいらしい世界観だなと。猫たちが単純にかわいいというのもあるし、演出やセットも含めて全体的にかわいらしいファンタジーの世界。その中ですごく現実的な部分が描かれていたりもして、グサグサ来るものもあり、すごく面白い映画でした。
― ご自身の“猫っぷり”はいかがでしたか?
吉沢:自分では正直、よくわからないです。あれが猫に見えるのかどうかもわからないし…「気持ち悪いな」と思って観ていましたけど…(笑)。でも「猫っぽかった」と言ってもらえるので良かったなあって。
― 人間以外を演じるのは初めてですよね?
吉沢:はい。ビックリしましたね。どれだけ猫っぽくやるんだろうというのは、台本を読んだだけではわからなかったし。猫が人間になる話ではなく、猫のまま演じるわけですから、そのへんのさじ加減については最初は手探りでした。
― プロデューサーから聞いたお話ですが、吉沢さんご自身では良男を演じる中で「犬っぽい」と感じていたとか?
吉沢:良男は気分屋でもあるんだけど、すごく沙織に対してまっすぐで忠実なイメージがあったので、猫というよりは犬っぽいなぁと思いながらやっていました。僕的には自分のほうが猫っぽいかなと思います、良男より(笑)。
― 演劇の手法やアニメーションも織り交ぜられていて、まさにこの映画でしか観られない表現と言えますが、事前に犬童監督と世界観の共有を?
吉沢:猫の演じ方に関しては監督が本当に細かく指導してくださって。世界観という点で言えば、劇場にセットを立てて撮影したりというすごく斬新な部分があるので、お芝居自体をちょっと舞台っぽくするのか?という相談は監督とちょこちょこさせていただきました。ただ、現場に入ってみたら意外とそういうことを意識することはなく。普段の映像と同じテンションで、素直にやらせていただいたという印象ですね。
― 良男の内面には“自分を人間だと思い込んでいる”という複雑さがありますが、一番大切に表現したいと思った部分は?
吉沢:とにかく沙織が一番好きだということ。沙織を本当にまっすぐ想っているという素直さはすごく意識しました。あとは“今を生きている”という動物的なところです。過去や未来に縛られるという人間的な部分は消して、その瞬間、瞬間の沙織の表情によって良男の感情もコロコロ変わるという風に。前のシーンに引っ張られることもなく、その場その場で生きるということを意識しながらやっていました。
― 沙織が良男のあごや体を撫でる冒頭のシーンは、観ているこちらもくすぐったくなるほどでした。
吉沢:実際はそんなにくすぐったくはなかったんですけど、あそこも監督のこだわりで。猫は撫で続けると気持ち良くなりすぎて逃げるんだそうです。そういうのは猫を飼っている人、猫を好きな人にしかわからないことだなぁと思うし、「猫ってそんな動物なんだ」と思いました。僕は猫を飼ったことがないので、猫の動画を調べたりしつつ、基本的には監督の演出を忠実に再現するという感じでした。
― 沙織の話に相槌を打ちながら、キャットフードをおねだりするシーンも愛らしいです。
吉沢:あそこは大変でした。クッキーなんですけど、だいぶパサパサするんですよ(笑)。インするまでに稽古期間があって、その時に用意してくださったものはスナックみたいなもっと軽いやつだったのでバクバク食べながら芝居できたんですけど、本番に入ったらまるっきりクッキーで(笑)。1つ1つが重くて、口に2つ入れたらもうしゃべれなくなる。でもバクバク食べている画を撮りたいと監督もおっしゃっていたので、最終的にはヒキの画は食べているふりをしたりと色々な工夫をして…地味に苦労したシーンです。
― しかもあそこの場面は猫目線なのでキャットフードのサイズが大きいんですよね。面白い縮尺も注目ポイントだと思います。
吉沢:そうなんです。沙織だけが普通の人間サイズ。それ以外は良男に合わせて全部でかくなっています。
吉沢亮の“猫ダンス”がかわいすぎて急きょシーン追加
― 元アイドルの沙織の持ち歌である「ロマンス交差点」は一度聴いただけで口ずさめるキャッチーさがあります。それに合わせて良男が踊るのもとびきりキュートで。吉沢:あれは何か…見てたら踊りたくなっちゃって(笑)。もともと、良男は聴いているだけのシーンだったんですけど、みんなが踊りを練習しているのを見ていたら覚えちゃったんですよ。それで一緒に踊っていたら「良男も踊る~?」となって。
― 急きょ追加されたシーンだったとは!猫たちが集まる「ねこすて橋」で、ミュージカルのように歌い上げるシーンも印象的です。
吉沢:あそこは現場の空き時間で歌の先生に聴いてもらったりして、細かく練習をしました。リズムの取り方や音域も色々と行き来する難しい歌だったので、ちょっとした動きと合わせるのも大変で。
― “孤独は人が呼び合うための音楽”というメッセージを歌うナンバー。吉沢さんも孤独や寂しさを感じることはありますか?
吉沢:ありますよ。1人で飲んでいるうちに「寂しいな」と思って、人を呼んだりする時もあるし。でもやっぱり「寂しいな」って思うのも、一緒にいてほしい人がいるからこそじゃないですか。深いですよね…1人だけでは成り立たないですから、孤独は。
― 寂しくなったらすぐに連絡するんですね。
吉沢:はい。基本的には1人が好きなんですけど、結構酔っ払ってきちゃったりすると誰か呼びたくてしょうがなくなるので、連絡できる人ほぼ全員に連絡します(笑)。
― 甘えられる人がいるのは素敵なことですよね。
吉沢:僕の場合、お酒を飲まないとなかなかそうはならないですけど(笑)。
― 予告にもおさめられている、良男が一筋の涙を流すシーンはとても美しく、鮮烈でした。
吉沢:あそこも台本では涙を流す演出は全くなかったんです。でも見ていたら悲しくなっちゃって。自然と涙が出てきたのを監督も気に入ってくださいました。本当にその時の感情の流れだったので、そこに合わせて別のカットでも泣かないといけないのが大変でしたね(笑)。
― 沙織に送る視線ひとつで心情を表現する繊細なシーンです。
吉沢:ずっと「僕は人間で、沙織は僕の恋人だ」と思っていた良男が、初めて現実的な距離感をつきつけられるシーンです。初めて見る沙織の姿だから、最初はすごく食い入るように見つめているんだけど、だんだん自分とのギャップに気づいて悲しくなってくる…というような感情でした。
― 今回の現場で改めて刺激を受けたことはありましたか?
吉沢:沢尻さんのパワーはすごいなと思いました。沙織が土砂降りの雨の中、良男のもとに帰ってくるシーンなんかは、弱っているはずなのに発するパワーが表情などからすごく滲み出ていて。やっぱり役者は爆発力みたいなものが必要なんだなと思いました。僕はどちらかと言うと、すごく緻密で繊細なお芝居が好きで。その場で生まれるものもありつつ、それを貯め込むようなお芝居が僕は好きなんですけど、そればかりではダメなんだなというのを最近すごく感じます。沢尻さんのようにバーンと出てくるエネルギーも絶対に必要だなと。
「自分ダセェな」と落ち込む時もある
― この作品を通して、最も感じ取って欲しいメッセージは?吉沢:すごくかわいらしい中でも、人間のダサい部分をすごく丁寧に描いている作品です。でも意外と「そのままでいいんだ」っていうメッセージなのかなという気がしていて。僕、沙織が元アイドルとしてバラエティ番組に出演するシーン…あそこが一番印象に残っているんです。近況を聞かれて、本当はスーパーの店員なのに「歌手」と書いてしまう。それですぐに後悔してしまう沙織の顔…ああいう人間の本当にダサい部分がすごく魅力的に見える作品だなと。最後の最後には救われて、「ダサいままでいいんだ」と思える映画なのかなって。僕は本当に好きでした。
― 現実に葛藤を抱えながら生きる、沙織のがむしゃらさには共感しますか?
吉沢:共感します。一瞬の強がりで後悔したり、どうしようもない嘘ついちゃうとか、普通にありますよ。できる限りないように心がけていますけど…落ち込みますね。「自分ダセェな」って思う。
― そういう時はどう切り替えるのですか?
吉沢:寝る!(笑)
― この作品で描かれる“自分らしい生き方とは何か”という問いかけは、あらゆる迷いと決断の連続だなと。
吉沢:悩みますよね。でも例えば目の前に2つ選択肢があったとして…どっちを取っても結果は同じだと思うんです。どちらにしても絶対に後悔はするし、良いこともある。ただ、選んだからにはちゃんとその道を歩くっていうことが一番大事な気がします。以前出演したドラマで、他の役者さんのセリフだったんですけど「自分が決めた道を後から正解にしていくしかないんだよ」という言葉があって。めっちゃ深いなと思いました。悩むこともすごく大事なんだけど、一度決めたならそれを正解にする努力をする。決めることが大事なんじゃなくて、その道をどう歩くかっていうことが大事なんだと僕は最近、すごく思っています。要するに「ちゃんとやれよ!」ってことですね(笑)。
追いたい背中…「振り向く暇すらないくらい、突っ走っていきます」
― 怒涛の映画公開に加えて、7月期は連続ドラマ2本の出演も発表され、息抜きをする時間もないかと思いますが。吉沢:ないですね、でも意外と大丈夫です。この後が一番激しい時期なので、いざその時期が来たらどうなるかわからないですけど、切り替えみたいなことをするタイプでもないし。仕事がなければないで逆に変になっちゃうタイプの人間なので、大丈夫そうな気はしています。
― 2018年も残り半分です。どのように駆け抜けていきたいですか?
吉沢:振り向く暇すらないくらい、突っ走っていきますよ。それで終わった後に、ふと振り返って「うぉ~、結構走ったね~!」って言えるようになっていたいです。
― では、私達はその背中を必死で追いかけていきます!
吉沢:おなしゃす!(笑)
(modelpress編集部)
映画『猫は抱くもの』(2018年6月23日公開)
監督:犬童一心原作:大山淳子『猫は抱くもの』(キノブックス刊)
脚本:高田亮
音楽:水曜日のカンパネラ
出演:沢尻エリカ/吉沢亮 峯田和伸 コムアイ(水曜日のカンパネラ)/岩松了
<ストーリー>
こじらせた1人と1匹の妄想が、自分らしい幸せに気付かせてくれる―
思った通りの自分になれなくて、いつしか投げやりな生き方に慣れてしまった沙織(沢尻エリカ)。元アイドルのアラサーで、今はスーパーで働く彼女が心を開くのは、こっそり飼っている、ロシアンブルーの猫・良男(吉沢亮)だけ。今日いちにちの出来事を、妄想を交えつつ良男に話して聞かせる沙織。沙織の心に寄り添ううち、良男は自分が沙織の人間の恋人で、彼女を守れるのは自分だけだと思い込んでしまう。そんなある日、沙織の前に“ゴッホ”と呼ばれる売れない画家・後藤保(峯田和伸)が現れ、良男は沙織の変化を目の当たりにする。ある晩、良男は月に誘われるように外の世界に飛び出し、迷子になってしまい…。ゴッホや、ゴッホを慕う猫・キイロ(コムアイ)、個性豊かな猫たちとの出逢いを通じて、1人と1匹は、自分らしく生きるすべを見つけていく。うまくいかないことの輝き。置いてけぼりをくらっている時間の豊かさ…。灰色の日常がカラフルに輝きはじめる、心温まる物語。
吉沢亮(よしざわ・りょう)プロフィール
1994年2月1日生まれ、東京都出身。アミューズ全国オーディション2009「THE PUSH!マン~あなたの周りのいけてる子募集~」で特別賞を受賞。「仮面ライダーフォーゼ」(テレビ朝日系、2011-2012)朔田流星/仮面ライダーメテオ役で注目を浴びる。近年は映画『銀魂』、『トモダチゲーム』など多数の作品に出演。2018年は『悪と仮面のルール』、『レオン』、『リバーズ・エッジ』、『ママレード・ボーイ』、『猫は抱くもの』(6月23日公開)、『BLEACH』(7月20日公開)、『銀魂2(仮)』(8月17日公開)、『あのコの、トリコ。』(10月5日公開)などがあり、今後の活動が最も注目されている若手俳優の1人。7月スタートのドラマ「サバイバル・ウェディング」(日本テレビ系、土曜よる10時)、「GIVER 復讐の贈与者」(テレビ東京系、金曜深夜0時12分~)に出演。2019年4月からはNHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」の出演を控える。
【Not Sponsored 記事】
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