恋愛依存・家出・恋人の死・28歳でデビュー…波瀾万丈な新歌姫“加治ひとみ”の過去 全てさらけ出した“セミヌード”に込めた思いとは
2017.03.03 22:00
2016年1月「ルール違反」という衝撃的なタイトルでデビューを果たしたアーティストの加治ひとみ(29)。それから1年2ヶ月が経過した3月1日に発売された1stフルアルバム「NAKED」では、セミヌードという衝撃的なジャケット写真だった。インパクトに残ることを次々とやり遂げ、華やかな表舞台にいる新歌姫―――。しかし、もちろんのことだが、そこまでの道のりは決して平坦ではなかった。いや、彼女は今でももがいている。モデルプレスでは、そんな彼女にインタビューを行い、表舞台では見せない知られざる苦労を探った。
目次
28歳でデビューした加治ひとみ
2014年に行われた「TGA(東京ガールズオーディション)」でアーティスト部門グランプリを獲得。デビュー前に「a-nation」「TGC(東京ガールズコレクション)」といった大舞台を踏んできた。まさに“華やかなデビュー”という言葉が相応しい彼女だが、デビューしたときは28歳という、世間的には遅いと思われてしまう年齢だった。しかし、加治は「遠回りが加治ひとみのアーティスト性になっているから」と笑う。「年齢を気にしていたら、デビューなんかできない。焦った方がよかったのかもしれないですけどね。もちろん苦しさはありました。もしその苦しさを味あわずにデビューしていたら、歌って踊っているだけのお姉ちゃんだったのかもしれない。今ではそれが個性なので本当に焦っていないです。もし焦っていることがあるとすれば、こういったところに辿り着きたいということがあるときです」とブレない芯を貫いていた。世間の目とは裏腹に、彼女は堂々と「26歳のときに受けたTGAが最初で最後のオーディション」とキッパリ言い放つ。「芸能界を目指すには決して若くない年齢ということはわかっていました。自分が1番大好きな音楽とファッションが詰まっているオーディション。人生初めて誰の力も借りずに受けてみようと思って、もしこれでダメだったら、もう諦めようと決めていたので、タイミングがすごくよかったんです」と振り返った。
そんな彼女にグランプリを獲得する自信があったのか聞いてみると「ないですよ」と即否定。「そう聞かれるといつも即答しているのですが、オーディションって会場に行ったらレッスンをしまくりましたって子がたくさんいるんですよ(笑)。じゃあ、自分は?って考えたときに、16歳から書き続けてきた日記だなと思って、自己PRの時間に『加治ひとみの財産の日記が見たい人いますか?』って、生意気なことを言いました(笑)。ほかのみんなはミュージカルとか英語とか、いろいろ言っていたのですが、そういうアピールできることが私にはなくて…。むしろ言わなくてもいいでしょ、ぐらいの強気な感じでいました(笑)」と、すでに“アーティスト加治ひとみ”が完成しているようだった。
10年以上書き続けている“日記”
この年齢がある意味“アーティスト加治ひとみ”を作り上げている。そして、彼女を語る上で忘れてはいけないことが“日記”。16歳のときから書き始めて10年以上続けている武器があるのだ。「私、生活することに対して常に不満を持ち続けているんです(笑)。なんだろう?なんで?って思うことが多いので、そういったことがきっかけで自分の思いを綴るようになりました」と日記を始めたきっかけを明かした。「晴れていると思っても書かないのですが、雨が降っていたら、ネガティブな妄想とか過去を思い出しやすく、そのときに、自分が感じたことを言葉にしていました」とすでにアーティスト性を発揮しているかのように見えたが、書き始めた当初はまだ歌手になりたいなんて考えていなかったという。「19~20歳ぐらいのときに、夢がなく依存するものが恋愛しかなかったときに、自分の人生を生きたといったDNAをなにかの形で残したいなと考えていました。そのとき、形に残るものと言ったら日記で。あと実家がスナックを経営していたので、J-POPを歌う習慣が小さいときからあったのと、母親がピアノの先生だったので、そこに結びつくものが歌しかなかったんですよね。だからアーティストという夢は自然な流れだったかもしれません」と、“アーティスト加治ひとみ”が誕生するまで道のりを語ってくれた。
セミヌードのジャケット写真が話題
そうやってデビューした彼女は1stフルアルバム「NAKED」を3月1日にリリースした。シングル曲に加え、YouTubeに公開し続けているカバー曲の中でも人気だった「Ti Amo」(EXILEカバー)「この夜を止めてよ」(JUJUカバー)、デビュー前から歌い続けている「ルール違反」「共犯者」などが収録されている。そして、今回衝撃だったのはジャケット写真でセミヌードを披露したこと。「アルバムを作るにあたって、楽曲が先に出来上がり、最後にテーマってなんだろうと考えました」と経緯を説明し始めた加治。「歌詞がリアルなものが多く、恋愛って表面的には丸いものに見えるかもしれませんが、実は蓋を開けたら歪なものだったり。歪が悪いとは思っていないのですが、私が書く楽曲はそういったものばかりで、キラキラしている裏にある女性の弱さの部分を歌っています。そのとき、ありのままというより、英語にして『NAKED』かなと思いました。だから、もう脱ぐしかないなと思って(笑)」と、アルバム制作へのこだわりが詰まっていた。
眉毛とリップのみのほぼスッピンで撮影に挑んだ。「カメラマン含めスタッフさんは女性の方々に担当していただいたので、伸び伸びとやらせていただきました。作品だと割り切ると緊張もせず、自分が描いているものが伝わるのかなということだけを考えながら撮影しました」と当日の撮影秘話も。さらに、周囲からは「脱がされたの?」って冗談交じりに聞かれ、「ここまで脱ぐと顔より、下乳や腹筋をみなさん見るようで、華奢そうなのに意外と筋肉もついているんだねと言われました」と反響を明かした。
亡くなった彼との恋を歌った「共犯者」
1年で100曲以上の歌詞を考え、今回もオリジナル楽曲のすべての詞を手がけている加治。これまで語ってくれたように、実体験を基にした内容が多く、10年以上書き続けた日記からネタを見つけているそう。中でも高校1年生のとき初めて交際していた彼との恋愛がテーマの「共犯者」という楽曲は思い入れが強いようだ。「私の家の門限が夕方4時だったんです。やっぱりそのときって彼氏と一緒にいる時間を増やしたいじゃないですか。部活や、バイトと言って嘘を付いていたのですが、結局親にバレるので家を出るという大胆な行動をとってしまいました。まぁ、家にいても部屋から出してもらえなかったりして、それでも必死に会いに行って(笑)。その時の彼との恋愛を綴った日記を歌詞にしたので、曲のタイトルもそのまま『共犯者』なんです。でもあるとき突然、その彼に振られて…。それから20歳ぐらいになったときに突然連絡があって、会って当時の答え合わせをしようかって話した2日後に彼が交通事故で亡くなってしまったんです。彼のお葬式のとき、親から実はあの時、二人は別れさせられていたという話を聞きました。だからある意味特別な恋愛で、今でも彼が3ヶ月に1回夢に出てくるんですよ」と懐かしそうに振り返り、「恋愛に依存することぐらいしか、夢中になれるものがない10代、20代前半だったんです。自分の夢がわからなかったから、自分探しのために恋愛をしていて、なかなか見つからなかったから男性に甘えていたんだと思います。失礼な言い方かもしれませんが、男性は二の次だったんだと思います」と本音をこぼす一幕もあった。
夢を叶える秘訣を語る
こうやって現在の“アーティスト加治ひとみ”がいる。日記、恋愛依存、家出、恋人の死、最初で最後のオーディション、28歳でデビュー、1stアルバムでセミヌード…どれも加治ひとみを語る上で欠かせない言葉だ。そんな彼女に今後について聞くと「もっとライブがやりたい」と目を輝かせながら、「代々木第一体育館とか、大きな会場で私の音楽を聴いて集まってくれる女の子たちに、恩返しができるようになりたいです」と語ってくれた。続けて「バレンタインデーとか、私の家に集まってチョコレートとか作りたい」と無邪気になりながら「1年に1回くらいはファンを集めてお泊まり会をしたいです。あと、ライブの打ち上げとかにも呼んで、その場でリアルな感想を聞きたいですね」と胸は高まるばかりだ。それでも「私がそうだったから、夢を探している女の子を救ってあげられるようになりたくて、加治ひとみという人間を直接通じて伝えられるようになりたいんです。だから、ファンの子にリアルに触れたいって思うんだと思います」と自分の思いを貫くだけでなく、ファンのこともきちんと考えている。
そんな彼女に夢を叶える秘訣を聞いてみた。「『君には無理だよ』など、こういうことを言う大人は無視をしよう」と無茶苦茶な言葉に聞こえるが、その言葉には重みがあった。
「変なこと言っているように感じるでしょ?(笑)でもね、無視をすれば何歳でも夢を持っていられる。『君には無理だよ』って軽々しく言う人ってたくさんいるから、そんな人を無視してほしいです。諦めないでというより前提の問題だと思っています。無視することも大事で、逆を言えば、自分に価値があるって信じる強さが必要だと思います」と28歳でデビューという大きな夢を叶えた彼女らしいメッセージだった。
ファッション、美容、スタイルキープの秘訣<Q&A>
音楽のみならず、Instagramに投稿する私服でも注目を集めている加治。人とかぶらない、媚びないコーディネートがファッションセンスも高いと話題に。そんな彼女にファッションのこだわりについても語ってもらった。さらに、美容やスタイルキープの秘訣も教えてくれた。
― ファッションのこだわりを教えてください。
加治:エッジィなアイテムが好きです。今日だったらジャケットとか。でも、基本的には自分に合っているのかどうかということを最重要視しています。実は私、こう見えて気が弱いんです(笑)。だから、心の中を隠すためのファッションと思っています。
― なるほど。
加治:歌を歌うとき、Tシャツにジーパンというシンプルなスタイルでもいいのですが、それだと本当にそう思われちゃうって思っていて。今日は攻めるぞ!という日は、全身赤とか、全身青とか、見た目でパーソナルを伝えることも大事。ファッションって私はこういう人間ですという名刺みたいなものだと思っていて。私はこだわりも強いので、派手なファッションになってしまうんです。
― Instagramにアップされている“加治コーデ”はどれも素敵だなと、加治さんの世界観に魅了されます。
加治:そう言っていただけるなんて嬉しいです。流行っていても、自分が着たくないと思うファッションはやりません。でも挑戦は続けたいと思います。
― 次にやってみたいファッションは?
加治:ちょっとフェミニンな感じとか。安室奈美恵さんのように、普段はクールだけど、ちょっとしたときに見せるスウィートさを出せるようにしたいです。
― 肌もキレイで羨ましいです。
加治:ありがとうございます。ストレスフリーに生きようとしていて、すごく食べてしまうタイプで、ムカつく、眠い、悲しい、不安と思ったら毎日チョコレートを食べています(笑)。あとは、自炊をするようにしていて、家に食塩がないんですよ。食塩って体にいいイメージがあまりなくて、浮腫まないし、塩を摂らなくていいなら摂らないようにしています。
― 食生活で気を付けているんですね。スタイルキープのために気を付けていることはありますか?
加治:割りときちんと食べるので、運動をしていますね。電車ではなく、歩いて移動することも多いです。私はボクシングとピラティスに通っているのですが、食べないダイエットより、痩せやすい体を作るために汗をかくようにしています。今回の「NAKED」のジャケ写撮影前には食べ物を控えたりしましたが、セミヌードだからと言って特別なことはせず、日頃から運動をするようにしています。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
加治ひとみ(かぢひとみ)プロフィール
1987年8月26日生まれ。TGA(東京ガールズオーディション)2014年アーティスト部門グランプリ獲得。本人の歌うオリジナル楽曲ではすべて作詞を手がけていて、1年に数百曲もの歌詞を書く。JUJUの「この夜を止めてよ」をオーディションの審査の際に歌唱し、思い入れの強い楽曲であるため、カバー映像をYouTubeで公開している。不定期に女子会を開き、女性のリアルを歌詞に取り入れている。また他人と被らないファッションが流行に敏感な女性を中心に注目を集めている。1stフルアルバム「NAKED」
収録曲 CD01.ラヴソング
02.共犯者
03.Cover Girl
04.Ti Amo
05.In My Hi-Heel
06.Closer
07.Bad Girl
08.butterfly
09.この夜を止めてよ
10.アイズ
11.ルール違反
12.バラード
DVD
1.「ラヴソング」MV
2.「ラヴソング」MV making movie
3.「In My Hi-Heel」MV
4.「アイズ」MV
5.「Ti Amo」MV
6.「ルール違反」MV
[PR]提供元:エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社
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