41歳差の過激シーン…初主演でありえない狂気ぶり、女優・瀧内公美が見せた凄み モデルプレスインタビュー
2014.11.17 11:35
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笹野高史(66)を縛って監禁、そして血を拭い殺しあう…映画「グレイトフルデッド」にて屈折した狂気のヒロインを演じた新人女優・瀧内公美(25)。その素顔に迫る。
孤独な人間を観察することが趣味の女・冴島ナミ(瀧内)、そして今孤独死を迎えようとしている爺・塩見(笹野)。あるきっかけで孤独から“救い”を見出した塩見だったが、そんな希望はナミの歪んだ愛と絡み合い、2人は血みどろの殺し合いへと導かれる。
日常には存在し得ないこんなにも難しい役柄を、なぜ初主演ながらここまでリアルに演じることができたのか。いや、彼女だからこそ演じられたのだろうか。今回のインタビューを通し、その秘密をさぐってみた。
瀧内:今回のオーディションは、デビューして半年も経っていない時に受けたので、誰よりもド新人だった、気持ちだけで臨んだ私を選んでくれた監督の気持ちが一番嬉しかったですね。
― 決定の決め手は何だと思いますか?
瀧内:荒れてたからじゃないですかね、誰よりも。私、無難に何かをやるのがすごく嫌なんです。オーディションで名前を言って年齢を言って…そんなのプロフィールを見ればわかるじゃんって思います。だから挨拶をして後は、番号だけを言ってそのまま話し始めました。「脱げます」って言ったのが大きかったみたいです(笑)。後々、監督が「なんなんだこいつは。朝から強烈なものを見せられた」っておっしゃっていましたね。
― その「脱げます」という言葉にどんな思いを込めたんですか?
瀧内:悔しさです。私は12歳の頃から女優をやりたくて、10年間やれなかったふつふつとしたもの。同世代の子がテレビや映画で活躍しているのを見てて、本当に悔しかったんです。私には失うものは何もないですし、脱ぐことの何が悪いんだろうっていうか…。やるならとことんやりたかったんです。ある意味、言ってだめならしょうがない、一か八かの気持ちもあったともいます。
瀧内:ダメなところで笑っちゃうところは似ています。劇中で笹野さんに薬を飲ませて、泡を吹かせて笑っているシーンがあるんですね、あれ、素で笑っていた部分があります。あとは何かに没頭するところ、こう思ったらそれしか見えなくなるところですね。
― 笹野さんを監禁して逆強姦するというシーンには、ご自身の素の部分も含まれていたと?
瀧内:なんでしょうね。あの時監督からは「絶好調までいってくれ、君から出たものが見たい」って言われたんです。子どもから大人に変わる時を表現したい、幼い心からすべてを脱ぎ捨てるということなんですけど、どうしたらいいか分からず、とにかく感じたままをやりました。なんだか母親のような気持ちになりました、あの瞬間は笹野さんが自分の子どもに見えました。母性なんですかね。人を愛しく思うとはこういうことなんだって。
― 初主演であそこまで演じ切るのは、相当な難しさを感じますが…。
瀧内:笹野さんと繋がり合うシーンは、官能的なものになりやすいじゃないですか。でも監督は、君のいやらしさとかエロさは一切いらないって。色んな雑誌やインタビューでもその“過激さ”が注目されがちなんですけど、あの時は一切求められていなかったです。だからそういった点は難しかったですね。
― 完成した作品を見た時、どう感じましたか?
瀧内:こんなに血が出てたんだ…怖いなぁって思いました。
― 撮影もとても大変だったことが想像できますが、実際はどうでしたか?
瀧内:死ぬほど叱られました。ある時は「帰ってくれ!」って言われて、「いやだ!帰りたくないもん!」って泣きわめいたり…すごかったです、波瀾万丈でしたね(笑)。でもその分、心の成長がすごくありました。ただのペーペーの女優に、周りの方がよくこんなに教えてくださるというか、みなさんの愛がすごかった。家族以外にこんなにも愛をもらえたのは初めてでした。
瀧内:モーニング娘。さんの影響がすごく大きいです。同世代の子たちがあんなに輝いているのにビックリしました。自分も何かできるんじゃないかって気持ちにさせられましたね。
― そこで、なぜアイドルではなく女優を目指したのですか?
瀧内:映画が小さい頃から好きで、映画女優になりたかったんです。衝撃的だったのは、常盤貴子さん主演の「赤い月」(2003年)という映画です。満州事変の麻薬の話なんですけど、テレビでは触れられない何かが私の中に染み付いてくるというか、心の底から怖いなって思いました。感じたことのない恐怖心に犯されていくことに、今いい体験してるって。
― それからオーディションを結構受けていたんですか?
瀧内:受けていました。なので今回選んでいただいて、諦めないで良かった、女優という仕事を叶えて、こうして一歩踏み出すことが出来てよかったって感じています。
― ちなみに、上京はいつ頃ですか?
瀧内:大学の時です。実家が富山なので、女優になるためにはとにかく東京に出たかったんです。それで大学は、子どもが好きなのもあって東京の教育学部に通いました。でも、やっていくうちに勉強も楽しくなって、教員免許も取ったんです。教育実習にも行ったんですけど、ある時学校の近くで映画の撮影をやっていて、調べてみたらエキストラの募集をやってることを知り、そのまま参加しました。そしたら、それがすごく楽しかったんですね、なんというか、映画の空気にいることが。やっぱりこれだな、これをやりに東京に来たんだって思って、オーディション雑誌から今の事務所に応募して、この世界に飛び込みました。
― 教員という道もありながら、そこで女優へ踏み切ったんですね。
瀧内:やっぱり映画が好きなんでしょうね、すごく。お金を稼ぎたかったり、安定を求めていたらそのまま教員を目指していたと思います。
― 12歳から常に女優という2文字が頭のなかにあった、諦めようと思ったことは?
瀧内:一切無いです。私は白か黒かでしか生きられないんです。諦めようと思っていたら、もう辞めています。
瀧内:飼い犬になりたいです。撮影で監督から野良犬みたいな女優だって言われていたんですけど、三谷幸喜さんの戸田恵子さんのような、監督さんの常連俳優になっていきたいです。いま、映画館で映画を観る人が減っているじゃないですか。いずれは、映画の楽しさを伝えて映画を守れる、警察犬のような役割も出来る女優さんに、なれたらと思います。そのために、有名になりたいです。
― 10年来の夢を掴んだ瀧内さんですが、夢を叶える秘訣は何だと思いますか?
瀧内:諦めないことです。諦めが悪いということですね、むしろ。よく夢を口にするって言うじゃないですか。でも口に出して相手任せにするより、自分が動いた方が早いと感じています。信念を貫いて、これをやりたいって気持ちを持ち続けることが大切だと思います。
― では最後に、モデルプレス読者へメッセージをお願いします。
瀧内:「グレイトフルデッド」は今観る映画だと思います。私は田舎から東京に出てきて、人の多さにビックリして、そして孤独を感じている人の多さにも驚きました。自分を見失うことが多い今の時代、この“孤独”をテーマにした映画を見て、生きがいを見つけられるきっかけになれば嬉しいです。映画館には隣に誰かがいます。この孤独な映画を、孤独じゃない映画館で是非見てほしいと思います。
― ありがとうございました。
ギラギラしていた。強い意志と明確な信念が、生き生きとした姿をさらに光らせていた。今回、挑んだ役柄は、まだ経験乏しい女優にはとうてい難しいものだったに違いない。しかし、彼女が持っていた“女優”への激しい執念が、それを可能にした。ナミを演じるには、圧倒的な生命力と、何かにとらわれ続ける執着が必要だった。ひとたび映画を観れば、瀧内にしか表現できない素晴らしくサイコな演技に、一気に吸い込まれていくだろう。今回の作品を経て、これからどんな女優へと羽ばたいていくのか、とても楽しみだ。(modelpress編集部)
■瀧内公美(たきうち・くみ)プロフィール
出身地:富山県
誕生日:1989年10月21日
身長:167cm
特技:バトンワリング、水泳
趣味:ウォーキング、落語を聴くこと
2012年、映画「エクソシストを探せ」イザベラ役で映画デビュー。スカパーオリジナルフィルム「消しゴム屋 3D」(2012)、映画「さよなら渓谷」(2013)、「牙狼外伝 桃幻の笛」(2013)などに出演。2014年映画「グレイトフルデッド」で初主演。ほか、ドラマや舞台などで女優として活躍中。
■映画「グレイトフルデッド」
公開:2014年11月1日(新宿ミラノほか)
監督:内田英治
出演:瀧内公美、笹野高史、キム・コッピ、矢部太郎、酒井若菜ほか
日常には存在し得ないこんなにも難しい役柄を、なぜ初主演ながらここまでリアルに演じることができたのか。いや、彼女だからこそ演じられたのだろうか。今回のインタビューを通し、その秘密をさぐってみた。
主演の決め手は「荒れてたから」
― まず、今回の主演が決定した時の心境を教えて下さい。瀧内:今回のオーディションは、デビューして半年も経っていない時に受けたので、誰よりもド新人だった、気持ちだけで臨んだ私を選んでくれた監督の気持ちが一番嬉しかったですね。
― 決定の決め手は何だと思いますか?
瀧内:荒れてたからじゃないですかね、誰よりも。私、無難に何かをやるのがすごく嫌なんです。オーディションで名前を言って年齢を言って…そんなのプロフィールを見ればわかるじゃんって思います。だから挨拶をして後は、番号だけを言ってそのまま話し始めました。「脱げます」って言ったのが大きかったみたいです(笑)。後々、監督が「なんなんだこいつは。朝から強烈なものを見せられた」っておっしゃっていましたね。
― その「脱げます」という言葉にどんな思いを込めたんですか?
瀧内:悔しさです。私は12歳の頃から女優をやりたくて、10年間やれなかったふつふつとしたもの。同世代の子がテレビや映画で活躍しているのを見てて、本当に悔しかったんです。私には失うものは何もないですし、脱ぐことの何が悪いんだろうっていうか…。やるならとことんやりたかったんです。ある意味、言ってだめならしょうがない、一か八かの気持ちもあったともいます。
40歳差の過激シーンに挑んだ心境
― そんな瀧内さんが演じたのは、孤独ゆえにいびつな心を持ったキャラクターでしたが、自分との共通点はありましたか?瀧内:ダメなところで笑っちゃうところは似ています。劇中で笹野さんに薬を飲ませて、泡を吹かせて笑っているシーンがあるんですね、あれ、素で笑っていた部分があります。あとは何かに没頭するところ、こう思ったらそれしか見えなくなるところですね。
― 笹野さんを監禁して逆強姦するというシーンには、ご自身の素の部分も含まれていたと?
瀧内:なんでしょうね。あの時監督からは「絶好調までいってくれ、君から出たものが見たい」って言われたんです。子どもから大人に変わる時を表現したい、幼い心からすべてを脱ぎ捨てるということなんですけど、どうしたらいいか分からず、とにかく感じたままをやりました。なんだか母親のような気持ちになりました、あの瞬間は笹野さんが自分の子どもに見えました。母性なんですかね。人を愛しく思うとはこういうことなんだって。
― 初主演であそこまで演じ切るのは、相当な難しさを感じますが…。
瀧内:笹野さんと繋がり合うシーンは、官能的なものになりやすいじゃないですか。でも監督は、君のいやらしさとかエロさは一切いらないって。色んな雑誌やインタビューでもその“過激さ”が注目されがちなんですけど、あの時は一切求められていなかったです。だからそういった点は難しかったですね。
― 完成した作品を見た時、どう感じましたか?
瀧内:こんなに血が出てたんだ…怖いなぁって思いました。
― 撮影もとても大変だったことが想像できますが、実際はどうでしたか?
瀧内:死ぬほど叱られました。ある時は「帰ってくれ!」って言われて、「いやだ!帰りたくないもん!」って泣きわめいたり…すごかったです、波瀾万丈でしたね(笑)。でもその分、心の成長がすごくありました。ただのペーペーの女優に、周りの方がよくこんなに教えてくださるというか、みなさんの愛がすごかった。家族以外にこんなにも愛をもらえたのは初めてでした。
教員という道もあったが…
― 12歳の頃から芸能界に入るのが夢とおっしゃっていましたが、目指したきっかけを教えて下さい。瀧内:モーニング娘。さんの影響がすごく大きいです。同世代の子たちがあんなに輝いているのにビックリしました。自分も何かできるんじゃないかって気持ちにさせられましたね。
― そこで、なぜアイドルではなく女優を目指したのですか?
瀧内:映画が小さい頃から好きで、映画女優になりたかったんです。衝撃的だったのは、常盤貴子さん主演の「赤い月」(2003年)という映画です。満州事変の麻薬の話なんですけど、テレビでは触れられない何かが私の中に染み付いてくるというか、心の底から怖いなって思いました。感じたことのない恐怖心に犯されていくことに、今いい体験してるって。
― それからオーディションを結構受けていたんですか?
瀧内:受けていました。なので今回選んでいただいて、諦めないで良かった、女優という仕事を叶えて、こうして一歩踏み出すことが出来てよかったって感じています。
― ちなみに、上京はいつ頃ですか?
瀧内:大学の時です。実家が富山なので、女優になるためにはとにかく東京に出たかったんです。それで大学は、子どもが好きなのもあって東京の教育学部に通いました。でも、やっていくうちに勉強も楽しくなって、教員免許も取ったんです。教育実習にも行ったんですけど、ある時学校の近くで映画の撮影をやっていて、調べてみたらエキストラの募集をやってることを知り、そのまま参加しました。そしたら、それがすごく楽しかったんですね、なんというか、映画の空気にいることが。やっぱりこれだな、これをやりに東京に来たんだって思って、オーディション雑誌から今の事務所に応募して、この世界に飛び込みました。
― 教員という道もありながら、そこで女優へ踏み切ったんですね。
瀧内:やっぱり映画が好きなんでしょうね、すごく。お金を稼ぎたかったり、安定を求めていたらそのまま教員を目指していたと思います。
― 12歳から常に女優という2文字が頭のなかにあった、諦めようと思ったことは?
瀧内:一切無いです。私は白か黒かでしか生きられないんです。諦めようと思っていたら、もう辞めています。
映画界の警察犬を目指して
― これから、どんな女優になりたいですか?瀧内:飼い犬になりたいです。撮影で監督から野良犬みたいな女優だって言われていたんですけど、三谷幸喜さんの戸田恵子さんのような、監督さんの常連俳優になっていきたいです。いま、映画館で映画を観る人が減っているじゃないですか。いずれは、映画の楽しさを伝えて映画を守れる、警察犬のような役割も出来る女優さんに、なれたらと思います。そのために、有名になりたいです。
― 10年来の夢を掴んだ瀧内さんですが、夢を叶える秘訣は何だと思いますか?
瀧内:諦めないことです。諦めが悪いということですね、むしろ。よく夢を口にするって言うじゃないですか。でも口に出して相手任せにするより、自分が動いた方が早いと感じています。信念を貫いて、これをやりたいって気持ちを持ち続けることが大切だと思います。
― では最後に、モデルプレス読者へメッセージをお願いします。
瀧内:「グレイトフルデッド」は今観る映画だと思います。私は田舎から東京に出てきて、人の多さにビックリして、そして孤独を感じている人の多さにも驚きました。自分を見失うことが多い今の時代、この“孤独”をテーマにした映画を見て、生きがいを見つけられるきっかけになれば嬉しいです。映画館には隣に誰かがいます。この孤独な映画を、孤独じゃない映画館で是非見てほしいと思います。
― ありがとうございました。
ギラギラしていた。強い意志と明確な信念が、生き生きとした姿をさらに光らせていた。今回、挑んだ役柄は、まだ経験乏しい女優にはとうてい難しいものだったに違いない。しかし、彼女が持っていた“女優”への激しい執念が、それを可能にした。ナミを演じるには、圧倒的な生命力と、何かにとらわれ続ける執着が必要だった。ひとたび映画を観れば、瀧内にしか表現できない素晴らしくサイコな演技に、一気に吸い込まれていくだろう。今回の作品を経て、これからどんな女優へと羽ばたいていくのか、とても楽しみだ。(modelpress編集部)
■瀧内公美(たきうち・くみ)プロフィール
出身地:富山県
誕生日:1989年10月21日
身長:167cm
特技:バトンワリング、水泳
趣味:ウォーキング、落語を聴くこと
2012年、映画「エクソシストを探せ」イザベラ役で映画デビュー。スカパーオリジナルフィルム「消しゴム屋 3D」(2012)、映画「さよなら渓谷」(2013)、「牙狼外伝 桃幻の笛」(2013)などに出演。2014年映画「グレイトフルデッド」で初主演。ほか、ドラマや舞台などで女優として活躍中。
■映画「グレイトフルデッド」
公開:2014年11月1日(新宿ミラノほか)
監督:内田英治
出演:瀧内公美、笹野高史、キム・コッピ、矢部太郎、酒井若菜ほか
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