モデルプレスのインタビューに応じた田中聖

田中聖、「誰にバカにされようが、最後に笑えてればいいや」 モデルプレスインタビュー

2014.03.26 06:00

唯一無二の存在感で人気を集める田中聖(28)。モデルプレスでは今回、公開が迫った映画をはじめ、今後の目標や活動について語ってもらった。

田中聖の“リスタート”

田中は、藤原竜也主演の映画「サンブンノイチ」(2014年4月1日公開)に出演。同作は、木下半太による小説を原作に、お笑いコンビ・品川庄司の品川ヒロシが監督を務めた話題作。人生における大逆転を狙う小悪党3人が銀行強盗で奪った大金の分け前をめぐり、壮絶な争いを繰り広げる一発逆転エンタテインメント。田中は、キャバクラ「ハニーバニー」の雇われ店長・シュウ(藤原)、常連客の健(ブラックマヨネーズ・小杉)とともに、銀行強盗を企てるボーイのコジを演じている。

劇中では、アクションにも挑戦。さらに藤原、小杉とのシュールながら息のあった掛け合いも見どころのひとつとなっており、“俳優・田中聖”としての存在感を遺憾なく発揮している。

“憎めない馬鹿”を熱演

田中聖
田中聖
― 出演のオファーを受けたときの率直な心境を教えて下さい。

田中:もともと品川映画のファンだったし、こういう騙し合いや大逆転みたいな洋画によくあるクライムムービーが好きなので、単純に嬉しかったです。

― 今作では、どこか憎めない真っ直ぐな男、コジ役を演じていますが、意識した役作りについてお聞かせください。

田中:コジって子ども心を忘れてないというかガキな面もあって、直情型なんですよ。男なら誰でも持ってるだろうな、忘れずに大人になれたら素敵だよなって部分が全面に出てるんです。なので、そういう部分を意識して役作りをしました。

― では、役作りにおいて1番苦労した点はどこですか?

田中:“憎めない馬鹿”になるって点ですかね。あと、失敗しても「コジだからしょうがねぇか」って思ってもらえるキャラクターになりたいなってことをずっと思って演じてました。

「アクション映画を撮れたら死んでもいい」

田中聖
― まさに、「コジだからしょうがない」と思える魅力的なキャラクターでした。劇中では、アクションにも挑戦していましたね。

田中:そうなんですよ!もともとアクション映画も好きだし、この世界入ったときから「アクション映画を1本やるのが夢だ」「アクション映画を撮れたら死んでもいい」くらいなこと言ってたんで、すごい楽しかったです。

― アクションには、強い思い入れがあったんですね。

田中:はい、アクションって男の子は絶対好きじゃないですか!実際の戦いではできない動きもアクション映画ではできるし、漫画の主人公になった気持ちも味わえるし…。現代では「ONE PIECE」とか、昔で言えば「ドラゴンボール」とか、男の子が読む漫画にはどこかしらアクションシーンが入ってますよね。そういうのを見て育ったので、強い男に憧れたりするのも当たり前だと思うんです。特に、自分が小さい頃に観てたのはジャッキー・チェンでしたので、ワイヤーを使わず生身の肉弾戦をしたり、1本の映画で2、3回骨折れたり…みたいな捨て身で挑む姿勢にもアクションの醍醐味を感じます。

― 本当にアクションがお好きなんですね。アクションシーンについて品川監督から、具体的な指示はありましたか?

田中:ついつい、ヒートアップしちゃいました(笑)。品川監督からは、「もっと遠慮なく殴って」って言われました。なので、「本番行きます」って言われたら、「すみません、ぶっ殺します!」って宣言して撮影に挑むっていう掛け合いの繰り返しでした。相手はスタントマンの方なので、変に手加減したり遠慮したりして、もう1回ってなった方が失礼だなって思って、全力でやりました。

人生初の体験を語る

田中聖(C)映画「サンブンノイチ」/スタイリスト:渡辺浩司
田中聖(C)映画「サンブンノイチ」/スタイリスト:渡辺浩司
田中聖(C)映画「サンブンノイチ」/スタイリスト:渡辺浩司
田中聖(C)映画「サンブンノイチ」/スタイリスト:渡辺浩司
― そうやって作り上げた作品だったんですね。アクションをするにあたって、体作りはしましたか?

田中:人生初の食事制限にチャレンジしました。

― 初!?ストイックなイメージあるので意外です…

田中:もともと食事制限する必要がない!って人だったので、体を作る=筋トレだったんです。食べたいものは食べないとストレス溜まるから、食べたいもの食べてそれ以上に動けばいいじゃん、食べたもの全部筋肉に変えればいいじゃんって考え方だったんです。でも今回は、ちょっと体にキレを出したいなって思って、1ヵ月くらい食事制限をしました。

― 具体的にはどんなことをしたんですか?

田中:豆腐の上に納豆かけて、納豆の上にキムチかけるみたいなヘルシーな食事をしてました。あとは、楽屋にダンベル持ち込んで筋トレです。でも食事に関しては、パワーが出なくてアクションシーンで動けなくなるなって思ったので、途中からお昼だけ食べるようになりました。

― やっぱり食事は大事ですよね。

田中:まぁかっこよく言いましたけど、実際は単純においしそうなご飯が毎回出てたんで、誘惑に勝てなかっただけですけどね(笑)。

― そうなんですね(笑)。食事制限ははじめてということでしたが、筋トレは普段からしているんですか?

田中:定期的にしてます。7歳くらいから色んな格闘技をやってて、もともと体を動かすのが好きなので、絞りたいなって思ったときに短期集中でやります。

藤原竜也、ブラマヨ・小杉ら共演者との秘話を明かす

田中聖
田中聖
― 話は変わって、今作では藤原竜也さん、小杉竜一さんと3人のシーンが多かったかと思うのですが、現場の雰囲気はどうでしたか?

田中:めちゃくちゃ楽しかったですね!映画の中のあのテンポ感だったり空気感は、普段仲がいいからこそ反映されたのかなって。本当にあのテンポ感のまましゃべってて、そんな中で急に台詞の練習とか初めたりするんですよ。いつ撮影するかも分からないシーンの練習なのに、台詞が言えなかった小杉さんを責めるっていうお決まりのパターン(笑)。

― (笑)。Twitterでも、楽しそうなプライベートショットを公開していましたね。

田中:はい!プライベートでもいまだに食事行ったり飲み行ったりしてます。品川さんとは撮影終わった後も週5くらいで一緒に格闘技ジムに行ってました。最近では、格闘技の武者修行のために一緒にロス行こうかって話をするくらいです。

― すごい!本当に仲良しですね。

田中:藤原さんとかも「久しぶり!」みたいなメール急にくれるんです。「聖、全然連絡くれないじゃん」「藤原さん舞台で忙しいじゃないですか」「忙しくても合間みて、飲み行きたいんだよ」みたいなやりとりをしてます。小杉さんには、「今、テレビで小杉さん観てます。全然おもしろくないですよ」とか意地悪なメール送ったりして(笑)。

― 楽しそう!

田中:周りからも言われるくらい、仲良い現場だったんです。やっぱり作品を作る上では、チームワークって大事ですからね。

― 藤原さん、小杉さんのほかにも、窪塚洋介さんが演じた破魔翔(ハマショウ)など個性的なキャラクターばかりが登場していましたね。

田中:まるでハロウィンパーティーでした(笑)。窪塚くんもそうだし、中島美嘉ちゃんと池畑慎之介☆さんが3人で並んで向こうから歩いてきたときのインパクトはすごかった!そのインパクトやキャラクターに負けないように埋もれないように、必死に追いかけて隙があれば食らいつく、みたいな感じでやってました。窪塚くんや池畑さんとも、いまだに連絡をとってます。

「チャンスの神様後ろはハゲ」

田中聖
― 本当に強烈なキャラクターが多くて、観ていて面白かったです。映画では、「一発逆転」がテーマになっていますが、もし田中さんの前に一発逆転のチャンスが訪れたら飛び込むタイプですか?

田中:俺はやってみるタイプです。やって無理ならしょうがないと思いますし、無理なら無理だったって収穫だと思います。どんなことでも無駄なことだったって思わないので、やってみたいって思ったことは積極的にチャレンジする方です。昔から、「チャンスの神様後ろはハゲ」みたいなことを言われていましたので。

― 今までに「これは躊躇したな」ってことはありますか?

田中:特にないですね。最終的に、それを選んだことがプラスだったのかなって思えるようにしたいなって気持ちが大きいので、とりあえずやってみようって動きますね。

― 中には、「とりあえず」の一歩が踏み出せない人も多いと思うんですが、その勇気はどこからやってくるんでしょう。

田中:好奇心ですかね?昔から、単純にそれなんなんだろうって飛び込んでましたから。

― そんな田中さんが、今後チャレンジしてみたいことを教えてください。

田中:基本的には、「これだけはやりたい」とか「これだけはやりたくない」ってものがない人なので、タイミングと時間が合えば何でも。役柄でいうと、めちゃくちゃ真面目な頭のいい弁護士の役だとしても楽しそうだなって思ったらやるかもしれないし、本当にイカれた連続殺人犯って言われても楽しそうだなって思ったらやると思いますし。今回アクションが楽しかったので、品川監督とも「いつか2年位かけて1本アクション映画完成させたいね」って話もしてまして…。それは、必ず実現させたいなって気持ちがありますね。

― 俳優以外に何か考えていることはありますか?

田中:色々考えてることもあるんですけど、タイミングを見て、周りの意見を反映させて、色んなことをやっていきたいです。

― 今後が楽しみですね!様々な夢を追いかけ続ける田中さんから、同じように夢を追いかけているファンの方へメッセージをお願いします。

田中:親に言われたセリフなんですけど、「頑張れば絶対に誰かが見てるし報われる。がんばった分のご褒美があるよ」「誰に笑われてもいいから、顔で笑って心でツバ吐け」ってずっと言われてたんです。なので俺は、そういう感覚で泥だらけだろうが誰にバカにされようが、最後に笑えてればいいやって思ってます。それまでのやりたいことは、最後に笑うための過程でしかない。死に方のビジョンというか、人生の最後をどう死ねるかってことに向けて、どう生きられるかってことを常に考えていくといいと思います。

― 心に刺さるメッセージをありがとうございます。では、最後にファンに向けて一言お願いします。

田中:まずは、映画を観ていただきたいですね。女性もフラットな気持ちで観ることのできる、本当にいい映画に仕上がっていると思うので、ぜひ楽しんでください!

― ありがとうございました。

俳優として、新境地に達した印象まで与える今作での演技。「再出発」という言葉を飾るに相応しい、俳優・田中聖を語る上で重要な作品になったことは間違いない。

今を「最後に笑うための過程でしかない」と前向きに語り、今後の活動に意欲的な様子を見せた田中。今後、どんなことにチャレンジし道を拓いていくのか、彼の動向から目が離せない。(モデルプレス)

田中聖
田中聖
■映画「サンブンノイチ」(2014年4月1日公開)

監督:品川ヒロシ
出演者:藤原竜也、田中聖、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、中島美嘉、窪塚洋介、池畑慎之介☆

【あらすじ】
人生の一発逆転を願って企てた銀行強盗が見事成功したキャバクラ「ハニーバニー」店長のシュウ(藤原竜也)、ボーイのコジ(田中聖)、常連客の健さん(小杉竜一)。彼らは奪った数億円の大金を均等に分け合うはずだったが、自らの取り分を少しでも増やしたいという欲から壮絶な争いが始まる。人間の欲が絡み合う心理戦が繰り広げられる中、そこには予期せぬ強敵が出現し事件はより一層複雑化する。

■田中聖プロフィール

1985年11月5日 生まれ。28歳。役者として、「特急田中3号」(2007年、TBS系)で連続ドラマ初主演を果たしたほか、「必殺仕事人」シリーズ(2009年~2013年、テレビ朝日系)、「大奥~誕生[有功・家光篇]」(2012年、TBS系)など数々の作品に出演している。

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