井浦新&三浦翔平「おっさんずラブ」共演前から“キス済み” 「簡単なことではなかった」新キャストとしての葛藤・互いへの厚い信頼<インタビュー>
2024.02.16 06:00
views
テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』(毎週金曜よる11時15分~※一部地域で放送時間が異なる)に出演する俳優の井浦新(いうら・あらた/49)と三浦翔平(みうら・しょうへい/35)がモデルプレスらのインタビューに応じた。日本のみならず世界中で社会現象を巻き起こし大ヒットとなった『おっさんずラブ』の続編となる本作に、新キャストとして参戦した思いから、『あのときキスしておけば』(2021年、テレビ朝日系)、『光る君へ』(2024年、NHK)と共演歴が多い2人の関係性、主演の田中圭らとのエピソードなどについて語ってもらった。
ドラマ「おっさんずラブ-リターンズ-」
2016年、深夜の単発ドラマが話題となり、2018年に連続ドラマ化された『おっさんずラブ』。2019年には『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』として映画化、同年には、航空業界に舞台を移したパラレルワールドドラマ『おっさんずラブ -in the sky-』が放送されるなど、破竹の勢いで日本中に社会現象を巻き起こした『おっさんずラブ』が5年の時を経て、待望の復活。2018年に放送された“初代おっさんずラブ”の続編となる本作は、新婚生活を送る“はるたん”こと春田創一(田中)&牧凌太(林遣都)と、彼らの新居に乱入してくる“家政夫の武蔵さん”こと黒澤武蔵(吉田鋼太郎)が、新しい“愛のカタチ”を模索していく“爆笑胸きゅんホームドラマ”だ。
レギュラーキャスト陣の眞島秀和、大塚寧々、内田理央、金子大地、伊藤修子、児嶋一哉(アンジャッシュ)が続投するなか、新キャストの井浦は「天空不動産」東京第二営業所に中途採用でやってきて、“春田のはじめての部下”となる和泉幸、三浦は移動式おかかおむすび専門店「おむすびごろりん」の店主・六道菊之助をそれぞれ演じており、和泉は元公安、菊之助は現役の公安で、同居しているという間柄である。
井浦新&三浦翔平「おっさんずラブ」新キャストオファーに衝撃
― まずはオファーが来た時の心境を改めてお聞かせください。井浦:貴島彩理プロデューサーとはこれまでに、『にじいろカルテ』『あのときキスしておけば』『unknown』と3作品でご一緒しているのですが、ここへ来て『おっさんずラブ』か、と。既に完成されているチームかつ歴史のある作品に途中から入っていくのは、試されますし、僕たちが新しい何かを表さなければ、何のために来たのかと、自分で勝手にハードルが上がったりもして。それくらい、『おっさんずラブ』の世界に途中から飛び込むというのは、なかなか簡単なことではありませんでした。
ただ、僕がいつも貴島プロデューサーから与えられる役は、形は違えど、“大切な人を失った時、人はその悲しみをどう乗り越えていくのか”というテーマを持った役…という共通点があって。今度は『おっさんずラブ』という世界の中でそれをどう演じようか、新しいアプローチを考えながらお芝居をしています。
三浦:僕も『あのときキスしておけば』で貴島プロデューサーと初めてご一緒させていただいたのですが、“この方からいただいたオファーは絶対に断らない”と決めている方が何人かいて、その内の1人が貴島プロデューサーでした。僕はこれまでのシリーズを観ていたので、自分にオファーが来たことよりも、一視聴者として率直に「また『おっさんずラブ』の続編をやるんだ!」と嬉しかったのを憶えています。
― 『おっさんずラブ』のどのようなどころが魅力だと感じていますか?
三浦:おじさんたちが、こんなにも真剣にピュアな恋愛をしているのが愛おしくもあり、切なくもあり、観ていると心が温かくなるところです。一視聴者の時は、ただただ楽しく観ていたのですが、いざ現場に入ってみてわかったことは『おっさんずラブ』チームがとても愛に溢れていて、キャストの皆さん・スタッフの皆さん全員が一丸となって作品を作っているということです。『おっさんずラブ』が多くのファンから愛され、共感を呼ぶ理由がとてもわかりました。
井浦:本当に素敵な作品ですし、今の時代にしっかり爪痕を残している作品だからこそ、覚悟がないと向き合っていけないものなのだと、現場に入ってからより強く感じました。そんな思いがありつつも、『おっさんずラブ』チームの皆さんは僕たち2人を温かく迎え入れてくださったので、このチームの作品への熱い思いや愛を、今本当に強く感じています。
井浦新&三浦翔平「おっさんずラブ」前からキス済み 互いへの厚い信頼語る
― 井浦さんと三浦さんは共演も多いですが、今回プレッシャーや不安な思いがある中で、「お互いがいて良かった」「心強い」と思う瞬間はありましたか?井浦:三浦くんとは『あのときキスしておけば』という作品で初共演だったのですが、その作品でキスシーンがあり、僕にとっては“同性の初キス相手”です。
三浦:もう我々は『おっさんずラブ』よりも前に、既にキスしていますからね(笑)。
井浦:はい(笑)。そして今、『光る君へ』では親子役としても共演していて、半年くらい一緒に共演しているので、こうして作品を積み重ねていくと、次にまた共演する時は新しいことがやりたいと、2人の中でまた勝手にハードルが上がっています(笑)。でも本当に、三浦くんがいれば何も心配はいらない、だけど安心はしたくない、という思いでやっています。そういう関係性でいられるのはとても心強いですし、新しいことにチャレンジできるので、共演できてすごく楽しいです。
三浦:まさにその通りでございます。僕が演じる菊と、新さん演じる和泉さんの関係性は、初めましての方だったら逆にどうなっていたんだろうと思います。既に出来上がっているチームの中に入って、“恋仲”を演じるというだけでも結構大変だと思うのですが、好きになる相手が共演したことのない方だったら、また1個ハードルが上がると思うんです。でもその相手が新さんだったので、僕は安心・安全でした(笑)。
― 現場では温かく迎え入れてくださったとのお話もありましたが、撮影現場の雰囲気について詳しくお聞かせください。
井浦&三浦:(声を揃えて)すごく良い雰囲気の現場です!
三浦:もちろん和気あいあいとした撮影現場はよくありますが、僕はこんなに笑いが絶えない現場をあまり経験したことがないです。ここまで爆笑している現場は、初めてに近いかもしれません。だって、監督がカメラの横にいて爆笑していますからね(笑)。
井浦:本番中に笑い声が聞こえてきます(笑)。テストが始まるギリギリまでみんなで楽しそうに話しているので、僕が若い頃だったらきっとそこでキレて、現場をピリっとさせないといけないのではないかと、すごく面倒くさい人になっていたかもしれないのですが、『おっさんずラブ』は、こういう現場もあっていいんだと思わせてくれる場所です。
キャストの皆さんもスタッフの皆さんも職人で、しっかり自分たちのカードを持っている方たちが集まっているので、本番になるとどんなカードを切るのか、切り合いが始まるんです。さっきまでの笑いはなんだったんだろうというくらい全力でお芝居をするので、切り替えられているからこそ、楽しくいられるんだろうと思います。
三浦:楽しいのはもちろん、しっかりとメリハリのある素敵な現場です。
井浦新&三浦翔平「おっさんずラブ」の世界に入ったと感じた瞬間は
― 『おっさんずラブ』の世界に入ったと感じたシーンやエピソードは何かありますか?井浦:僕は撮影初日に、圭くん演じる春田が「どゆこと~!?」とリアクションをとっているシーンです。僕は何が起きるのかまったくわからなかったのですが、後ろで圭くんがたくさん動いていて、今まで観ていた『おっさんずラブ』の世界と春田がそこにいて、「ああ、おっさんずラブの現場だ…!」「おっさんずラブの現場に来ちゃった!」と思いました。
三浦:僕も初日の出来事なのですが、新さんとは別のタイミングで、現場に入った時にまず圭くんがロケバスから颯爽と歩いて来て、その次に鋼太郎さんが入って来た時に、「あ~、これがおっさんずラブだ…!」と思いました。
― 井浦さんは菊に、三浦さんは和泉に、それぞれの役に対する思いや魅力的だと感じるところを教えてください。
井浦:和泉は菊に対して、いつもそばにいるのが当たり前の存在だと思っていて、言ってみれば、安心しきって空気のような、ふうふのような関係性です。でも菊の思いを和泉は何もキャッチできていないので、ふとした瞬間に目が合って子犬のような顔でこっちを見ていても、和泉の中ではきっと菊はそういう人なんだ、という認識です。こっちが何もしなくても、いつもこっちを見ていてくれる、当たり前の存在でいてくれている安心感に感謝しなければいけないことに和泉はまだ気づけていないのですが、菊はいつも愛を注いでくれているというのを、僕自身は感じながらお芝居しています。
三浦:今の和泉さんは、菊がいないとダメダメです(笑)。公安のエース時代はすごい人だったと思うのですが、秋斗が死んでしまったことによって絶望している姿も菊は見ているので、この人を支えなきゃいけないという思いがあります。そこにプラスして、好きという気持ちがあるのですが、その好きな気持ちを押し殺しつつ、一緒に過ごして、好きな気持ちの蓋がどんどん開いてきて…というところでこの記事が出ると思います(笑)。
― (笑)。最後に、和泉と菊の“関係”についての見どころをお聞かせください。
三浦:これからどんどん和泉と菊の物語が描かれるわけですが、和泉さんは秋斗を思いながらも春田さんにも思いを寄せてゆくような様子もあって…。まるでおむすびのような三角関係がどうなっていくのか…注目です。
井浦:(笑)。本当にいろいろなことが起きるのですが、菊はどうなっていくのかなぁ…(遠い目)。とにかく菊が切ないです。
三浦:僕はこの作品に入って、ほとんど切ない顔をしているかもしれません。撮影で1日1回は切ない顔をしています。
井浦:和泉も違う方向で切ないので、和泉と菊はずっと切ないです(笑)。そんな2人がお互い向き合った時にどうなっていくのか。はたまた向き合うことはないのか。そこも含めて最後まで楽しんで観ていただけると嬉しいです。
― 引き続き楽しみにしております!ありがとうございました。
インタビューこぼれ話
和泉と菊の役衣装で取材に応じた2人は、ドラマ現場さながらに終始和気あいあいと楽しげ。モデルプレスの決め顔チャレンジの撮影では、「決め顔ってどんな感じですか!?」「ポーズを決めればいいの!?」「TikTokに載せるんですか!?」と賑やかに相談し合いながら、一発本番で挑戦。ユーモアにあふれた2人の姿に、スタッフからも笑い声が上がっていた。(modelpress編集部)井浦新(いうら・あらた)プロフィール
1974年9月15日生まれ、東京都出身。1998年、映画『ワンダフルライフ』に初主演。以降、映画を中心にドラマ、ナレーションなど幅広く活動。アパレルブランド「ELNEST CREATIVE ACTIVITY」ディレクター。サステナブル・コスメブランド「Kruhi」のファウンダー。近年は、映画館を応援する「MINI THEATER PARK」の活動をしている。現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合テレビ、毎週日曜よる8時~/BS・BSP4K、毎週日曜よる6時~/BSP4K、毎週日曜ひる12時15分~)、『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系、毎週金曜よる11時15分~)、公開中の映画『福田村事件』、『アンダーカレント』、『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』、『ゴールデンカムイ』に出演している。待機作に『東京カウボーイ』がある。三浦翔平(みうら・しょうへい)プロフィール
1988年6月3日生まれ、東京都出身。2008年、ドラマ『ごくせん 第3シリーズ』(日本テレビ系)に生徒役で出演し、俳優デビューを果たす。2011年、映画『THE LAST MESSAGE 海猿』で第34回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。近年の主な出演作は、ドラマ『あのときキスしておけば』(2021年、テレビ朝日系)、『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(2021年、日本テレビ系)、『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』(2022年、読売テレビ・日本テレビ系)、『ホスト相続しちゃいました』(2023年、カンテレ・フジテレビ系)など。現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合テレビ、毎週日曜よる8時~/BS・BSP4K、毎週日曜よる6時~/BSP4K、毎週日曜ひる12時15分~)、『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系、毎週金曜よる11時15分~)に出演している。
【Not Sponsored 記事】