川口春奈&キスマイ玉森裕太、ピクサー日本版声優で感じた“俳優と声優”の違い キャラクターとの共通点とは<『マイ・エレメント』インタビュー>
2023.07.24 18:00
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ディズニー&ピクサー最新作『マイ・エレメント』(8月4日公開)で日本版声優を務める女優の川口春奈(28)、Kis-My-Ft2の玉森裕太(33)にインタビュー。俳優と声優の違いや互いの声の感想、キャラクターとの共通点などを語ってもらった。<前編>
映画『マイ・エレメント』
『トイ・ストーリー』の“おもちゃの世界”、『モンスターズ・インク』の“モンスターの世界”、『ファインディング・ニモ』の“海の中の世界”、『インサイド・ヘッド』の“頭の中の世界”、『リメンバー・ミー』の“死者の世界”など、ユニークでイマジネーションあふれる“もしもの世界”を舞台に数々の感動的な物語を観客に贈り届けてきたディズニー&ピクサーが贈るピクサー史上最もロマンティックな最新作、火・水・土・風のエレメント(元素)たちが暮らす世界を描く『マイ・エレメント』。主人公の1人で、アツくなりやすく家族思いな“火”の女の子・エンバーの日本版声優を川口、もう1人の主人公、涙もろくて心やさしい“水”の青年・ウェイドの日本版声優を玉森が務める。
川口春奈&玉森裕太、キャラクターとの共通点
― はじめに、本作をご覧になった感想を教えてください。川口:エレメント・シティの映像美やそれぞれのキャラクターの個性、少し癖の強い部分、そういうのがコミカルながらもしっかりと描かれていると思いました。収録の時は自分のシーンの声を当てる作業しかしていなかったので、音楽など全て合わさった時の迫力を感じました。
玉森:ジーンとしちゃいます。この作品のテーマでもある“自分では気づけなかった可能性”はどこで、どのようなきっかけで気付くかも分からないですし「こういう出会いって自分もあったのかな?」「これからあるのかな?」とか、“縁”という言葉があるように、自分も大事にしたいと思いました。
― お2人から見たエンバーとウェイドの印象をお聞かせください。
川口:最初はぶつかりもするんですけど、時間を経て変わりゆく関係性が思ったよりも可愛くてほっこりしたな、という印象です。
玉森:正反対なので観ていてすごく楽しいですし、もどかしさもあります。素直にいけないところとか「良いな〜」と思いながら、これが“時間を経て何かを気づかされる”ということなんだろうなと思いました。
― それぞれキャラクターとの共通点はありますか?
川口:感情表現が真っ直ぐな部分や、家族や大事な人に関して熱くなる部分は似てるのかなと思いました。
玉森:泣くまでいかなくても、うるっとはしやすいですね。
俳優と声優の違いとは?
― 収録ではどのようなディレクションを受けましたか?川口:私は「もっとテンション高く」「もっと怒って」というテンション的な部分や、尺が決まっているので「巻き目で」「もうちょっとゆっくりで」みたいなことをディレクションしていただきました。
― そのテンションに持っていくのは難しかったですか?
川口:少し幼い時のエンバーも演じているので声色の感じはすごく難しかったです。自分が思ってる以上に解放するというのも勉強になりました。
― 尺が決まっているという部分も、俳優の仕事とはまた違う感覚だったのでしょうか?
川口:全然違います。ドラマは“このシーンを何分以内に収める”などがなく自由にやらせていただけるので、吹き替えの難しさを感じました。
玉森:僕も思ってる以上に声を出していないと、キャラクターとしてちゃんと乗らないのだと感じました。「(声を)張って喋る」というのはよく言われていました。(作中では)すごく近い距離で喋っていても、リアルな距離感で喋ったら全然ダメですし、難しかったです。「すごく声張ってるけど大丈夫かな?」という違和感もありつつ、でも「大丈夫です」とおっしゃってたので、信じてずっと声を張ってました。
― 距離感というのも、普段のお芝居とは大きく違う部分ですね。
玉森:近い距離を結構な声量で喋っていたらびっくりしますよね(笑)。吹き替えとドラマの大きな違いなのかなと思います。
― 日本版声優を務めるにあたって、本国の声は意識しましたか?
川口:全然気にしてなかったですし、むしろ聞いてなかったです。
玉森:僕は最初聞いていたんですけど、やっぱり日本語版を聞くと安心できるんですよね。「今この尺でこういう風に言ってるんだ」というのを瞬時に覚えることができるので、互いの言い方を意識していました。
川口春奈&玉森裕太、互いの声の感想
― 完成した作品を観て、お互いの声にどのような感想を持ちましたか?玉森:もうピッタリです。「ワー!」というリアクションって、意外と声だけで伝えるのは難しいじゃないですか。「めちゃくちゃ伝わる〜!」「上手にやってるな〜」と思いました。
川口:歌ったり泣いたり、大変だろうなって思いました(笑)。収録自体は別々だったんですけど、玉森さんがRECしたものを聞かせていただいていたので「玉森さんもこんなにしんどいこと頑張ってるんだから、私も頑張んなきゃ!」と音源を聞いて勇気付けられていました。それで奮い立たされましたし、本当に素晴らしいなと思いました。
― 掛け合う相手がいない芝居はあまり経験がないかと思いますが、慣れましたか?
玉森:手探りでしたけど、その中でも楽しみながらできたかなと思います。分からないながらにも明るいお話なので、楽しみながらやりました。
川口:私はてっきり一緒に収録するものだと思っていたので「別なんだ」と思って、それがスタンダードなのかも分からないですけど、孤独感を感じました。多分私が最初に収録していたので、まっさらな状態で、イマジネーションでしかないというか。普段やっていることと全く違ったので戸惑いもありました。
でも、「こういう風に撮っていくんだ」と少し慣れて分かってきた時に、幸せな気持ちになりました。大変なシーンもあったんですけど『マイ・エレメント』の世界観に浸って収録できている喜びはありました。
川口春奈&玉森裕太『マイ・エレメント』声優で新たな気づき
― 今回声優を務められて、役者として鍛えられた部分や、今後に活かすことができそうな部分はありましたか?玉森:声だけで表現することがいかに難しいか改めて実感しました。「こういう風にすればもっと気持ちが出るな」「声が乗るな」と学べる時間でもあったので、今後声優のお仕事をいただいた際には、今回のことを思い出したいと思います。
― 声に対する意識は変わりましたか?
玉森:自分の声が良いと思ったことなかったので、ちょっとは自信を持てるようになったのかなと思います。
川口:私は声だけで表現するということをこの作品で初めてやらせていただいたので、お芝居をやっているものとは全く別物でした。それぞれの難しさや、楽しさみたいなものはあると思いますけど、自分が思ってるよりもオーバーにやることで「こう見えるんだ」とか、「こう聞こえるんだ」というのが感じられたので勉強になりました。あと、「自分はこういう声をしてるんだな」と改めて気付かされました。
― ご自身の声にどのような印象を受けましたか?
川口:キャラクターに寄り添った表現は出来ていたのかな?というのは今でも思いますし、自分の声ではない気もしました。
川口春奈&玉森裕太、周囲の反響は?
― 日本版声優を務めると決まった時に、周囲から反響はありましたか?玉森:特別なかったかもしれないです(笑)。
― メンバーの宮田俊哉さんからは?
玉森:宮田さんも声優頑張っていますよね。「頑張って」とかはあったと思いますけど、色々な人から連絡が来る携帯ではないので…(笑)。家族からは「観ます」と連絡が来ました。
川口:私もあまりなかったですね。情報解禁された記事を見て、母から連絡が来ました。
玉森裕太「お芝居に対する意識を変えてくれた」存在
― エンバーはウェイドとの出会いがきっかけで人生が大きく変化しますが、実際にお2人の人生を変えた存在はいらっしゃいますか?玉森:お芝居を教えてくださるドラマの監督です。自分の中でのお芝居に対する意識を変えてくれたというか、さらに1個ギアを上げてくれた監督がいらっしゃって、その方に出会わなかったら、そこまで頑張ろうって今は思っていなかったかもしれないと思うと、大きな影響を与えてくださったと思います。
川口:その場、その場で助けていただいていますが“この人”という存在はいないかもしれないです。少し疑心暗鬼な部分があるので、掛けていただいた言葉を全て鵜呑みにせずに、結果自分で切り開いています。
川口春奈、プロの声優に感銘
― 今回声優を務められて、新たに芽生えた野望や、今後挑戦したいことがあれば教えてください。川口:本当に難しいと思ったので「またやりたい」と簡単には言えないというか…。プロの声優さんの偉大さを身に染みて感じたので、浮かないかすごく心配でした。なので、今は声で表現するお仕事に不安というか、前向きな感じではないかもしれないです。もちろん挑戦はしたいですけど、とにかく難しかったです。
玉森:僕もどこかの誰かに響いて「またお願いします」と言われたら、全力でやれることは頑張っていきたいなと思います。
★インタビュー後編も公開中。最近アツくなったことや、誰にも明かしていないことなどを通して2人の素顔に迫った。(modelpress編集部)
川口春奈(かわぐち・はるな)プロフィール
1995年2月10日生まれ。長崎県出身。2007年にローティーン向けファッション雑誌『nicola(ニコラ)』の第11回モデルオーディションでグランプリを獲得して芸能界デビュー。2009年にフジテレビ系『東京DOGS』で女優として活動を開始すると、2010年にBSフジ『初恋クロニクル』でドラマ初主演、2013年にTBS系『夫のカノジョ』でゴールデン枠の初主演を務めた。最近ではNHK大河ドラマ『麒麟がくる』(2020)、TBS系『着飾る恋には理由があって』(2021年)、フジテレビ系『silent』(2022)などに出演し、透明感のある演技で人々を魅了。ドラマだけでなく『好きっていいなよ。』(2014)、『にがくてあまい』(2016)、『一週間フレンズ。』(2017)など数多くの映画にも出演している。玉森裕太(たまもり・ゆうた)プロフィール
1990年3月17日生まれ。東京都出身。2002年にジャニーズ事務所に入所し、2011年8月にKis-My-Ft2としてデビュー。TBS系『美男ですね』(2011)、テレビ朝日系『信長のシェフ』(2013)、TBS系『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(2021)など多数のドラマに出演し、2022年にはテレビ朝日系『NICE FLIGHT!』、日本テレビ系『祈りのカルテ~研修医の謎解き診察記録~』で2期連続の主演を務めた。映画では『レインツリーの国』(2015)、『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019)、『シャイロックの子供たち』(2023)などに出演し、俳優としても人気を博している。
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