竹内涼真「六本木クラス」リメイクの難しさとプレッシャー 俳優としての“信念”も語る<モデルプレスインタビュー>
2022.07.07 08:00
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モデルプレスのオリジナル企画「今月のカバーモデル」で2022年7月のカバーモデルをつとめた俳優の竹内涼真(たけうち・りょうま/29)。
「やっぱりリメイクって難しいなと感じることが多くて、元々ある韓国の素晴らしい作品が、どうなっていくんだろうという不安やプレッシャーはありました」―――2020年、社会現象を巻き起こすほどのブームとなった韓国ドラマ「梨泰院クラス」のジャパン・オリジナル『六本木クラス』(7月7日スタート/テレビ朝日系・毎週木曜よる9時~)で主演に抜擢された胸中とは?さらに、俳優としての“信念”についても語ってくれた。
竹内涼真主演「六本木クラス」
絶望の淵に立たされた青年が復讐を誓って、金と権力を振りかざす巨大企業に屈することなく仲間と共に立ち向かっていく姿を、下剋上を主軸にラブストーリー、そして青春群像劇を交錯しながら描いた「梨泰院クラス」を、日韓共同プロジェクトとしてテレビ朝日がリメイク。竹内は復讐を誓って絶対権力者に立ち向かう宮部新役。さらに、ダブルヒロインの新木優子と平手友梨奈のほか、早乙女太一、光石研、緒形直人、稲森いずみ、鈴鹿央士、香川照之らが出演する。
竹内涼真「梨泰院クラス」リメイク版で主演「プレッシャーはありました」
― ドラマ「梨泰院クラス」と漫画「六本木クラス」をご覧になられた感想をお聞かせください。竹内:僕が最初に見たのは韓国のドラマ「梨泰院クラス」で、率直に面白いなと思いました。2020年のコロナ禍の時期、映画やドラマ好きの間では「梨泰院クラス」の話題でもちきりで、僕もそうでした。その後、少し経ってから日本でもドラマ化、僕が主演をやらせていただけることが決まってから漫画「六本木クラス」を読みました。やっぱり元々ある原作のストーリー自体がすごく魅力的で、このストーリーの中にいろんな登場人物の人生が上手く組み合わさっていて、みんな主役的な要素があるなと。すごく感情移入できる作品だなと思いました。
― 日本でのドラマ化解禁時「びっくりした」というコメントをされていましたが、改めて出演が決まったときの率直な気持ちはいかがでしたか?
竹内:最初聞いたときは本当にびっくりしましたし、なんで自分なのかと、いろいろ考えました。でも、こんなにも大きなチャンスが目の前にあるんだからやりたいという気持ちの方が強かったです。
でもやっぱりリメイクって難しいなと感じることが多くて、元々ある韓国の素晴らしい作品が、どうなっていくんだろうという不安やプレッシャーはありました。だけど、『六本木クラス』という作品を楽しんでもらうために僕らが一から取り組んでいかないと、リメイクという今回のプロジェクトは成功しないんじゃないかと思いました。どういう違いを出せるかではなく、日本語に直した台本をしっかり読んで、スタッフ・キャストのみなさんと向き合っていくことが大事なのかなと僕は思っていて。でも、今は何より現場がすごく楽しいです。
― 今の支えは現場でのチーム力なのでしょうか?
竹内:そうですね。すごく明るくていいチームです。六本木のど真ん中で撮影できる作品ってあまりないと思います。たくさんの方々に協力いただいているおかげで朝から夜までずっと六本木で撮影ができています。
― ドラマ化が発表されたとき、Twitterで関連ワードがトレンド入りするほどすごく盛り上がっていましたが、そういう反響をどのように感じましたか?
竹内:今SNSをあまり見ていないんです。知り合いから連絡が来たり、反響があったことはもちろん嬉しいですし、放送を見て面白いって言ってもらえたらそれに超したことはないんですけど、撮影前に気持ちがブレてしまったら、作品に臨むことに対して申し訳ないというか、僕もいつも強い自分でいられるメンタルを持っているわけではないので、そういう情報は入れないようにしています。そっちの方が撮影が楽しいし、本来自分たちがやっていることがブレないような気がします。
竹内涼真が思う“宮部新”の魅力&髪型へのこだわり
― 「梨泰院クラス」のパク・セロイは、女性からだけでなく男性からもすごく支持されていたキャラクターだと思うのですが、竹内さんが演じてみて感じた宮部新の魅力を教えてください。竹内:自信がない部分や絶対に譲れないことがある部分は共感してもらえると思うのですが、日常生活の中で自信がない部分の方が多い気がするんです。相手の顔色を伺ってしまって、こう思われたら嫌だなって思うことってあるじゃないですか。そういうところを正直に出せてしまう新の人間性が、人を惹きつけるし、目の前の人も正直になってしまうんだと思うんです。だからこそ、居酒屋「二代目みやべ」に人が集まってくるのかなと思いました。あと、新は1つ夢があって、その強い決意みたいなものがあるところも人間らしいなと。一見不器用な人間に見えるんですけど、裏を返して見ると、僕は宮部新という人間はすごく人たらしだし、人に愛されたい人間だと思って演じています。
― それはパク・セロイとは違う、宮部新ならではのキャラクターがあるということなのでしょうか?
竹内:ストーリーは大きく変わりませんが、舞台が日本になることで自ずと変わってくると思います。日本語の台本を読み、日本人のキャストで、それぞれが役作りをして今回挑んでいます。なにが違うのかって聞かれると、違う人間が演じているので、全部違うんですけど、ストーリーは同じなので、リンクする部分はあると思います。今回、僕らはどう変えるかというところで勝負していないんです。素敵な原作があるんだったら、日本を舞台にして真っ向から取り組んでみよう、それがどんな化学反応を起こしどうなるのかということが醍醐味なんじゃないかなと思います。
― 改めてビジュアル面でこだわったところを教えてください。
竹内:漫画のビジュアルにある程度は寄せながらも、僕らが生活しているリアルな背景に馴染むようにしました。多分パク・ソジュンさんも一生懸命考えられて、あの髪型になったんだと思います。だから僕も漫画の「六本木クラス」に寄せたいという気持ちがありながらも、1話で出てくる学校や、日本で警察官を目指していることを考えたときに、どういう髪型が1番しっかりくるのかを監督やプロデューサーのみなさんと美容室に集まって、相談しながら決めました。最初僕は坊主にしようかなと思ったんですけどね(笑)。役の背景を見て、この髪型がベストじゃないかなと思いました。
竹内涼真、新を演じる上で大切にしている部分とは?
― 新を演じていて大切にしている部分はありますか?竹内:1話の台本で1回しかお母さんの話は出てこないんですけど、お父さんと2人でお酒を飲むシーンで、「天国のお母さんもお前を間違っていないって言うはずだ」というセリフがあるんです。僕が1話の台本を読んで宮部新という役を作る上でそのセリフがすごくキーになるなと思いました。
これはあくまで仮定ですが、クラスメイトを助けるために長屋の息子を殴ってしまうというシーンは、小さいときにもそういう(クラスメイトがいじめられている)状況があって、見て見ぬふりをして母親にすごく叱られたことがあったのかなと。だから、わざわざ飛び込まなくていいところに飛び込んでしまったのかもしれないと思ったんです。
竹内涼真、初共演の新木優子&平手友梨奈との撮影現場の様子は?
― 撮影現場の雰囲気を教えてください。竹内:チームワークがすごくいいので、いい雰囲気でテンポよく撮影が進んでいます。監督筆頭にいいものを作ろうという意識がみなさん高いです。僕もアイディアを出させてもらいながら、六本木なので、華やかで楽しくて充実した撮影をしています。
― 初共演の新木さんと平手さんと実際に撮影してみていかがですか?
竹内:2人ともすごくチャーミングで素敵な女優さんです。なによりも一緒に撮影していて楽しいです。だんだんとキャッチボールがスムーズにできるようになってきたので、リハーサルではいろんなことを試してみて、面白いものが作れればいいなと思っています。新木さん演じる優香とのシーンは、ちょっと笑っちゃうような2人の面白い関係性も見えてくるんじゃないかな。平手さんは目を見てお芝居した瞬間、すごく熱い方だなと感じました。新と葵の絶妙な空気感を出していければと思います。
― 胸キュンシーンも見どころの一つだと思うのですが、撮影してみた感想も教えてください。
竹内:(胸キュンを)してもらえるのかな…(笑)。ただ不器用な男が一生懸命行動しようとしているって感じだったので。(スタッフに向かって)キュンキュンしてくれましたか?
スタッフ:キュンキュンしましたよ!
竹内:だそうです(笑)。現場のスタッフさんがそう感じ取ってくださっているなら、見てくださる方にも伝わるんじゃないのかなと思います。
竹内涼真、俳優としての信念「チームで動くことが大事」
― 新は父から教わった“信念”を持って生きていますが、竹内さん自身の俳優としての信念があれば教えてください。竹内:最近はチームで動くことがいかに大事かということがわかってきて、映画やドラマって大勢の力がないと成り立たないんだとすごく思うようになりました。“いい作品”というのは結果論だと思っていて、一つの撮影をしているときって、それがヒットするかはわからないけど、確信して言えることは撮影現場が充実しているかどうかは、撮影しながらでもわかるんじゃないかなと。キャスト・スタッフのみなさんと同じ方向に向かっていいものを作ろうとしている過程が大事で、僕はそこに生きがいを感じています。だからこそ、いっぱい準備をして相談して、万全な状態で臨むようにしています。
― そう考えるようになったきっかけがあったのでしょうか?
竹内:なにをしているときが1番楽しいのかを考えたのですが、やっぱり撮影しているときが1番楽しいんですよね。そこが自分の仕事として充実しているところであれば、そういうアプローチの仕方があってもいいのかなと思いました。あとどれだけ準備して現場に入っても、現場の空気感やコミュニケーションを通して準備してきたものがいい意味で崩れることがあるんです。もちろん準備してきたことが活かされることもありますが、現場で柔軟に対応して最後まで手を抜かずにやることが大事なのかなと思います。
― 今までいろんな作品に携わってきた竹内さんがこの「六本木クラス」を作っていく上で挑戦だなと思うこと教えてください。
竹内:原作が素晴らしいので、それを日本でもう一度ということ自体が難しい挑戦だなと感じますが、そこをあえて正面から取り組んでいます。僕が1番嬉しいのは、この舞台の中で宮部新という役で生きられることです。そう感じられる時点で、やってよかったなという収穫があります。自分なりの役作りと現場のスタッフさんと描いたものが出来上がったときにどういう作品になるのか、僕の中ではそれが今回の1番の挑戦です。
竹内涼真、夢を叶える秘訣を語る
― 最後に挑戦を続けている竹内さんが考える夢を叶える秘訣を教えてください。竹内:その過程で降りかかってくる問題や、毎日の過ごし方・考え方などがいかに夢に直結しているのかどうかを考えることが大事だと思います。サボってしまってもいいと思うんです。ちょっと遠回りにはなるけれど、それでもちゃんと向き合って、自分の中で乗り越えていく。簡単に夢は叶えられないと思うので、生活の中で一つ一つ自分にとって必要なのか、必要ではないのかを早く判断できることが近道なのかなと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
「六本木クラス」第1話あらすじ
2006年秋――父子家庭で育った高校生の宮部新(竹内涼真)は、愛想はないが真っすぐな性格に育ち、父・宮部信二(光石研)からの教えである「信念を持って生きろ」という言葉を胸に、警察官になることを夢見ながら父と支え合い仲良く暮らしていた。そんなある日、信二が本社へ栄転することに伴って、新は転校することに。その前日、これまで信二が何かと気にかけていた養護施設に支援物資を届けるために一緒に向かった新は、信二が娘のように可愛がる楠木優香(新木優子)を紹介されるが、不愛想な性格ゆえにそっけない態度をとってしまう。そして迎えた転校初日。クラスに案内された新は、偶然にも優香の隣の席になり、気まずさを感じていると、突然、教室である事件が発生!クラスメイトの桐野雄大(矢本悠馬)が長屋龍河(早乙女太一)に使い走りにされた上、執拗ないじめを受けるのだが、なんと他の生徒だけでなく先生までも見て見ぬふりで…。実は、龍河は新の父が勤める巨大飲食産業「長屋ホールディングス」の会長・長屋茂(香川照之)の長男で、学校にも莫大な寄付をしている父の権力を振りかざして傍若無人に振る舞っていたのだ。居ても立っても居られなくなった新は、優香の制止を振り切って龍河の顔を殴ってしまい…!
連絡を受けて学校にやって来た茂、そして信二を前に、茂の顔色を伺う校長先生は新を退学処分にすると告げるが、茂は新が土下座をして謝れば退学処分にせずに許すと言い出す。しかし、父の教えを大切にする新は信念を貫き、「龍河に謝ることはできない」と土下座を拒否。信二はそんな新を誇らしいと言い、自らの退職も申し出て、信二は長屋ホールディングスを辞め、新は退学することに。父を巻き込んでしまったことに申し訳なさを感じる新に、信二は「これからも信念を貫け」と優しく心強い言葉をかけ、父子で心機一転、前を向いて動き出すことを決意するのだが…この一連の理不尽な出来事は、やがて待ち受ける長屋ホールディングスとの壮絶な戦いの序章に過ぎなかった――!
竹内涼真(たけうち・りょうま)プロフィール
1993年4月26日生まれ。東京都出身。2013年、雑誌オーディションでグランプリを受賞し、芸能界デビュー。2014年、「仮面ライダードライブ」で泊進ノ介役を務め注目を集める。主な出演作に「下町ロケット」(15、18)、連続テレビ小説「ひよっこ」(17)、「過保護のカホコ」(17)、「陸王」(17)、「ブラックペアン」(18)、「テセウスの船」(20)、「君と世界が終わる日に」(21、22)など。2022年は8月26日に映画『アキラとあきら』の公開を控える。ヘアメイク:佐藤友勝
スタイリスト:徳永貴士(SOT)
衣装協力ブランド:ザ ヴィリディアン
【Not Sponsored 記事】