吉沢亮(C)NHK

吉沢亮、朝ドラ「ばけばけ」で大河「青天を衝け」渋沢栄一役の経験生きる「時代の変化を心から楽しめる人物だった」【インタビュー後編】

2025.10.24 08:15

2025年後期連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか※土曜は1週間の振り返り)に錦織友一役として出演する吉沢亮(よしざわ・りょう/31)にインタビュー。「なつぞら」(2019年)「青天を衝け」(2021年)への出演を経て2度目の朝ドラに出演する心境や、共演の多いトミー・バストウとの交流について語った。【後編】

高石あかりヒロイン連続テレビ小説「ばけばけ」

朝ドラ第113作目となる本作は、松江の没落士族の娘・小泉セツと外国人の夫・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。登場人物名や団体名などは一部改称し、フィクションとして描く。

吉沢が演じる錦織は、松江の偉人・西田千太郎がモデル。ヒロイン・松野トキ(高石あかり※「高」は正式には「はしごだか」)とトキの夫・ヘブン(トミー)の人生に大きな影響を与える人物だ。松江中学で英語教師を務め、外国人教師として松江にやってきたヘブンを公私でサポートし、トキとも奇妙な縁で知り合い深く関わっていくという役どころとなっている。

吉沢亮、大河「青天を衝け」渋沢栄一役での経験振り返る

吉沢亮(C)NHK
吉沢亮(C)NHK
― 本作は明治時代が舞台となっている作品ですが、大河ドラマ「青天を衝け」でも同じ時代を生きる渋沢栄一を演じられていました。当時の経験は生かされていますか?

吉沢:渋沢栄一は、時代の変化を心から楽しめる人物だったと思います。ただ、すべての人がそうだったわけではなく、取り残される人もいれば、変化に乗るしかない人もいる中で、「では、錦織ならどうだろう」と考えることはありました。特に意図的に何かを意識しているわけではありませんが、「青天を衝け」で学んだ経験や空気感は、今回の役作りにも生きていると感じています。

― 制作統括の橋爪國臣さんや、演出の村橋直樹さんは「青天を衝け」でもご一緒されたとお話されていましたが、大河ドラマと朝ドラでは、現場の雰囲気に違いがありますか?

吉沢:「なつぞら」のときは、6台ほどのカメラを使って抜けるところを抜いて撮る手法で「朝ドラってこんなに速いんだ」と撮影のテンポにとても驚きました。今回は、ライティングや絵作りにも非常にこだわっているのを感じていて、撮影の体感時間としては、大河ドラマとそこまで変わらない印象です。

― 吉沢さんにとって初の朝ドラ「なつぞら」で演じられた山田天陽役はとても話題となりました。本作が2度目の朝ドラとなりますが、「なつぞら」での経験をどのように活かしていますか?

吉沢:1年近くにわたる撮影を通して、スタッフやキャストの皆さんの空気感には、家族のような温かさがあると感じました。「なつぞら」でも同じことを感じたのですが、6年ぶりに朝ドラ出演させていただいて、大阪というのもあり、より温かい雰囲気や強い絆を現場で実感しています。

吉沢亮、トミー・バストウから教わったこと明かす

― 高石さん、トミーさんとお芝居していかがでしたか?

吉沢:3人でのシーンはかなり多くて、特に第5週以降は一緒の場面が増えます。目の前で起きている出来事は少し重めの内容であることも多いのですが、それをあえて重く扱わず、コメディタッチのテンションで演じることが多くて、笑いの絶えない面白いシーンになっています。2人のお芝居は、テンポ感やテンション感がとても自然で、コメディだけどオーバーに演じ過ぎない感じがとても心地良いです。「素敵なお2人だな」と思いながらお芝居しています。

― 役ではヘブンに気遣い、振り回される錦織ですが、トミーさんと吉沢さんの関係性を教えてください。

吉沢:トミーさんは本当に日本語が上手なので、逆に英語のセリフの部分で「今、大丈夫だった?」と聞きながら、トミーさんに気を遣わせてしまっているのは僕の方かなと思っています。外国の方だからとギャップを感じることなく、普段から仲良くさせていただいています。

― 素敵ですね。では、吉沢さんがトミーさんに教えたことはありますか?

吉沢:この間「何時起き?」という言葉を教えました。朝早くロケ撮影がある日に「今日トミー何時起き?」と聞いたら「何時起きって何?」という話になって、「『何時に起きた?』を略して、『何時起き?』って日本人はよく聞くよ」と教えたら毎日聞かれるようになりました(笑)。

― そうやって日々勉強されているんですね。

吉沢:そうなんです。トミーさんは、日本語の学習意欲が凄まじくて、日々吸収しています。

― 逆にトミーさんから教わったことは?

吉沢:「play it by ear」という言葉を教わりました。「その場の空気に合わせて臨機応変に」という意味ですが、現場で段取りについて相談している時に、「臨機応変にいきましょう」「芝居の流れでいきましょう」といった空気になり、「これ英語でなんて言うの?」と尋ねたら、教えてもらいました。日々良い文化交流をさせてもらっています。

― 「ばけばけ」は、アドリブが多い現場だと伺いましたが、トミーさんはどのように対応されているんでしょうか。

吉沢:楽しそうに対応している印象があります。トミーさんが日本語でアドリブを入れてくることもあり、思わず笑ってしまう瞬間もあります。僕も英語のアドリブに挑戦してみることはあるのですが、1回ドライでやってみると「やめよう」となるので、いつか採用されたら良いなと思います(笑)。

吉沢亮、錦織にとってヘブンは「最もかけがえのない存在」

吉沢亮(C)NHK
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― では、錦織にとって、トキとヘブンはどんな存在だと感じていますか?

吉沢:第4週に関しては、おトキさんに対しては東京での下宿生活を送りながら、短い時間の中で銀二郎との一件を観ながら、1人で東京に来ているという点で、たくましさを感じているだろうなと思います。ただ、まだ深い関係には至っていないので、強い意識を向けているわけではないのかなというのがおトキさんの印象です。ヘブン先生に関しては、県知事が松江に招いて教育を変えていくという重要な役割を持つ人物ですから、彼と一緒にいれば自分の人生も変わるのではないかという期待を持ちながら接しているのではないかと思います。

― 今後、錦織とヘブンの関係はどう変化するのでしょうか。

吉沢:少なくとも、錦織にとってヘブン先生は最もかけがえのない存在と言っても過言ではなく、2人の関係はどんどん近づいていきます。現時点でも、すでに錦織はヘブン先生にかなり入れ込んでいるので、今後、相当良い関係になっていくと思います。

― 素敵なお話ありがとうございました。これからの放送も楽しみにしています!

(modelpress編集部)

吉沢亮(よしざわ・りょう)プロフィール

1994年2月1日生まれ、東京都出身。2019年「キングダム」で第43回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞などを受賞。2019年には連続テレビ小説「なつぞら」で朝ドラ初出演を果たし、2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」では主演を務めた。近年の主な出演作は「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-/-決戦-」(2023年)、「キングダム 大将軍の帰還」「ぼくが生きてる、ふたつの世界」(2024年)、「ババンババンバンバンパイア」(2025年)、「国宝」(2025年)など。
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