<福澤侑&前田裕二インタビュー>KYOTO SAMURAI BOYSの未来を語り合う「未来のエンタメを感じた」
2020.04.23 19:30
KYOTO SAMURAI BOYS(京都サムライボーイズ、以下KSB)のteam椿リーダー・福澤侑と、仮想ライブ空間「SHOWROOM」の代表取締役社長の前田裕二氏の対談が実現。新型コロナウイルスの影響で休演を余儀なくされている今だからこそ感じるKSBの可能性とは。
目次
KYOTO SAMURAI BOYS休演に
平安神宮敷地内 京都・時代祭館 十二十二 2階にあるKYOTO SAMURAI THEATERにて超ロングラン公演を実施しているKYOTO SAMURAI BOYSだが、新型コロナウイルスの影響により現在は休演中。そんな逆境の中でも完全撮り下ろしの公演動画を期間限定で公開するなど、舞台を観ることができないファンを飽きさせないようにと活動している。
リアルエンタメの舞台としては辛い状況が続いているが、ライブ配信で視聴者とコミュニケーションが楽しめると人気の「SHOWROOM」をプロデュースした前田氏は「今こそチャンス」だと語る。
KYOTO SAMURAI BOYSは「未来のエンタメ」
― 今回はKYOTO SAMURAI BOYSの福澤侑さん、SHOWROOMの前田裕二さんに対談形式でお話を聞かせていただければと思います。福澤:よろしくお願いします!僕たちの公演もご覧になっていただいたとお聞きしました。
前田:すごく面白かったです。最近言語表現に寄ったエンタメばかりを観ていたからか、ノンバーバル(非言語)でホログラムを使った舞台に感動しました。今までの舞台は存在しないものを描いていなかったと思うんです。でも存在しないものすら表現する手法は新しさがあって、“未来のエンタメ”を感じました。現実世界にないものを表現していくのは僕らがやってみたいことの一つでもあるので、まさにその入口のように感じる舞台でした。
福澤:ありがとうございます!すごく嬉しいです。
― ノンバーバルパフォーマンスということで、演者として気をつけていることも?
福澤:動きと映像でどのようなストーリーなのかを伝えられるように意識しています。セリフがある舞台も出演することがあって、やっぱりそのほうがストーリーや登場人物の心情を伝えやすいんです。ただノンバーバルだからこそ、レーザーやホログラムを取り入れることで新しい舞台を表現できるのかなと思います。今は休演中ですが、再開したらぜひたくさんの方に生で観ていただきたいです。
前田:「SHOWROOM」もそうですが、オンライン上の体験ってよほどのことがないとリアルには勝てないんですよね。何より、実際の舞台では、演者が近くで起こす“風”を感じることができる。ネルケ会長の松田さんにリアル舞台の魅力を教えてもらってから、その価値をすごく深く理解するようになりました。でも、いつかのコロナ禍収束、そして公演再開に向けて、舞台が出来ていない今こそできる事はいくらでもある。例えば、ネット上で地熱を作れば、日本以外の場所、世界中にファンを作れるんじゃないかなと思っているんですよ。
福澤:確かにノンバーバルなので海外の方も観やすい舞台なのかなとは思います。
前田裕二「KSBはもっと進化する」
― 前田さんとしては舞台が出来ない今こそKSBにとってはチャンスだと感じますか?前田:すごくそう思います。もちろん、舞台にとってコロナショックはマイナスが大きいとは思うんです。特に、経済的観点での打撃は相当なものでしょう。でも、舞台が出来ていない今こそKSBをさらに進化させる強烈なキッカケになるのかもしれません。例えば、舞台が出来ないことで、オンラインを使って発信していく必要性が自ずと出てきますよね。僕らインターネットの世界にはxR(※1)という考え方や技術がありますが、これをKSBの舞台で活用することも出来るんじゃないかなと感じたんです。
(※1)VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)などの技術の総称
福澤:今でもレーザーやホログラムを使っているのでKSBでも活用することが出来るような気がします。映像で背景を変えてみたり。
前田:そうなんです。オンラインで観ることを意識すると、アイデア次第で表現方法はいくらでも拡張していきます。例えば「このタイミングで、ここにこのメンバーを出したい」というアイデアがあったら、実際にそこに居なくても登場させることもできるわけで。こうして、今だからこそ生まれるアイデアによって、コンテンツがさらに未来に進んでいくキッカケになるのかなと思います。
― さらに進んだ演出も実現できそうですね。
前田:KSBはノンバーバルで海外との親和性も高いし、ゲームの世界に入り込むストーリーもすごく面白いですよね。侍という日本的なコンテンツもあるので、伝え方の工夫次第で、海外の心にも共鳴を感じてもらえる可能性は高いです。たまたま京都に来てKSBを観る方もいるかもしれませんが、もっと世界に届くような仕掛けをするなら、オンライン上でのコンテンツを巧みに仕掛けていくしかありません。
福澤:確かに侍は海外の方にも人気なので、KSBを好きになってくれる海外の方は多いような気がします。
福澤侑「僕たちから発信できたら」
― バズるキッカケさえあれば、KSBは海外でも広がっていきそうですね。前田:はい。コンテンツが「バズる」為には、大きく2つの条件があります。1つは、コンテンツ自体がしっかり面白いこと。これはもう本質です。そして2つ目は、それを伝える手段が確立していること。KSB はすごく面白くて1点目は満たせてると思うんです。今回の記事でもちょっとした広がりあるのかもしれませんが、海外にも伝えていくには、抜本的に伝え方を変えていく必要があります。なんか気付けば「どうしたらKSBがバズるか」の話になっちゃってますね(笑)。
福澤:ありがたいです!ステージでのパフォーマンスももちろん重要ですが、もっと多くの人に知ってもらうには僕たちの魅力を伝える方法がすごく大切なんだなと実感しました。
前田:例えば先述したxR周りの最新テクノロジーを使えば、「目の前で侍が殺陣してくれる」という体験が作れます。「これすごくない?」と、海外でもどんどん広がっていくと思うんです。そこから実際に舞台を観てファンになってくれる方も多くなるんじゃないかなと。今はエンタメとテクノロジーの分断が起きていて、テクノロジーを上手に使って面白いことがまだ出来ていないんです。KSBは最新テクノロジーとの親和性が高いので、すごく面白いことができそう。
福澤:オンラインで僕たちを知っていただき、さらにリアルの舞台を観てくれたら嬉しいですね。
前田:そう、どんなにオンラインで頑張っても、リアルに勝てない部分って絶対にありますからね。よくオンラインコンテンツが広がると、リアルコンテンツが必要なくなると言われることもあるんです。でもそれは多分違っているというかむしろ逆で、オンラインコンテンツが広がるとリアルコンテンツの価値はむしろ上がっていく。希少性や肌触りや五感刺激などの質感観点ですね。特に舞台は一期一会で、同じものは2回とないと思うんです。そういった感覚はリアルならではなのかなと思います。
― 演者として挑戦してみたいことはありますか?
福澤:「咲螺-サクラ-」という楽曲があるんですけど、それをライブで披露する時に背景の映像を変えてみたいなと感じました。より世界観に引き込まれると思うし。没入体験が味わえる舞台を僕たちから発信できたら面白そうだなって思いました。
前田:その映像をお土産として持ち帰れたりすると面白いかも。例えば会場に何台かカメラを入れておいて、自分が推している人の映像をパンフレット代わりにお土産として持って帰れるとか。そうなると、自分のホームに帰った後に「つい見せたくなるもの」になるから、口コミで広がっていくと思うんですよね。
福澤:ライブパートは撮影OKにしているんですが、推しのメンバーの殺陣を映像で持って帰れるって面白いですね!
リアルでしか感じられない感動
― 福澤さんは舞台をメインに活動されていますが、ネット上で活動している方と似ているという部分や違うと感じる部分はありますか?福澤:僕はYouTubeをよく観るんですけど、好きな時に観られるのはリアルでは出来ないですよね。舞台となると公演している期間も決まっているし、スケジュールが合わないと観に行けなくて。どこにいても情報を発信できるので、ファンとしては嬉しいだろうし羨ましいなと感じます。でも演者としての意識は同じなんじゃないかなと思います。観ている方を楽しませたいというのは、変わらないのかなって。
― 前田さんはネットコンテンツとリアルコンテンツの似ている部分と違う部分はどのように感じますか?
前田:「SHOWROOM」は極力リアルとの乖離を生まないように作っているんです。演者とお客さんが同じ空間と時間を共有していると感じることがすごく大事なポイントで。つまり、僕らはむしろリアルな舞台を近づきたくて観客が見えるような作りにしているんです。バーチャルでも、演者さんとお客さんが同じ空間を共有している臨場感は似ている部分だと思いますね。
福澤:でもSHOWROOMは生配信なので、確かに時間を共有している感覚はあります。
前田:ありがとうございます!福澤さんが仰った「いつでも観れる」という便利さもあるんですけど、そこが難しいポイントで。便利であればあるほど感動の度合いが下がっていくこともあるんです。
福澤:確かにそうですね。舞台は映像よりも生で観たほうが感動するし。
前田:人生を揺らすような超感動的な舞台やライブはあるけど、アーカイブされている作品で、本当に心の芯まで震える感動を味わうことってなかなか無いと思うんです。それはやっぱり演者との時間や空間の共有がないことが大きい。
福澤:僕も舞台が好きでよく観に行くんですけど、リアルだからこそ感じられる感動ってあるような気がします。
前田:よく「幅か深さか」って話をするんです。動画再生回数が1000回は少ないと感じると思うけど、舞台で1000人埋まるってすごいですよね。それは観ている人の胸の奥に深く刺さって、その舞台が生きがいに感じている方もいるからなんです。ネット上の動画は幅(広く拡散)をとるのが得意で、リアルエンタメは幅は狭くても深く刺さっていくべきものだと思っています。
KYOTO SAMURAI BOYS、逆境をチャンスへ
― 貴重なお話ありがとうございます。それでは最後にKSBへ前田さんからメッセージをいただけますか?前田:今日お話させていただき、3つ重要だと感じることがありました。1つは、公演自体が出来ていない今の状況をどう過ごすかに、全てがかかっている、という事。最近「ピンチはクイズ」ってよく言っているんです。要は「KSBの舞台ができなくなりました。さて、後に良かったと思うには今何をすればいいでしょう?」とチーム全体に問題提起すること。逆境でも後に「良かった」と思ってもらえるように今を過ごしてほしいです。
福澤:CDをリリースしたんですけど、公演だけではなくリリイベも延期になっちゃいました。今のままじゃダメだから、ライブのパフォーマンスをあげるような取り組みをしています。普段じゃできない時間のかけ方でブラッシュアップする期間にしています。
前田:日本は未完成が完成になっていく過程もコンテンツになっているんですよね。アイドルが成長していく過程の楽しさもあって。でも海外は最初から完成品なので、完成品を受け取るという感覚が大きいんです。福澤さんが仰ったように、今の時期を活用していかにパフォーマンスを上げていくのかも海外を意識する上では大切になってきますね。
福澤:ありがとうございます。頑張ります!
前田:2つ目は、「誰に届けるか」を意識してほしいと思います。おそらく今は女性のファンが多いと思うんです。もっと一般化させて海外にも届けるには、いかに違うターゲットに届けていくかを考えてほしいと思います。最後、3つ目は常に僕たちを「驚かせる」という発想を持ってほしい。昨今、サプライズや驚きがなくなったコンテンツってどんどん衰えていっているように感じるんです。想像もしていなかった仕掛けでドキドキ、ワクワクさせることって、つい忘れがちなんですけど、それがあるかないかで、天と地ほどの差が生まれます。ぜひそんなコンテンツを作り続けてほしいなと思います。何十万人、何百万人のファンがいるようなコンテンツになる可能性も十分にあると思います。
福澤:先は長いかもしれませんが頑張ります!
前田:応援しています!がむしゃらに頑張っていたら、きっといつの間にか、その目標にも近づいているはずです。僕も最近本を出し、出す前から100万部を目標にすると相当無茶苦茶なことを言っていたんですけど、言い続けてきた結果、今、56万部まできたので。あと、せっかくなら、夢は想像し得る限り最大の大きさで!今、世界一のコンテンツは、ネット配信で同時に1000万人くらいが見にきますが、それを超えるくらいの存在になる事を是非目指してください。
福澤:はい!ありがとうございました!
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)[PR]提供元:SAMURAI BOYS PROJECT
前田裕二(まえだ・ゆうじ)プロフィール
2013年に“夢を叶える”ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM(ショールーム)」を立ち上げる。2015年にSHOWROOM株式会社を設立。代表取締役社長として、SHOWROOM事業を率いる。2019年に出版した「メモの魔力 The Magic of Memos」は56万部を超えるベストセラーに。KYOTO SAMURAI BOYS
劇場:KYOTO SAMURAI THEATER[平安神宮敷地内 京都・時代祭館 十二十二 2 階]
京都府京都市左京区岡崎西天王町97-2
構成・演出:植木 豪
MEMBER
【team 椿】 福澤 侑・飯塚大夢・NUY・山口晃生・山縣悠己・竹迫祐貴
【team 桔梗】里中将道・Lil Noah・RANMA・BISKE・神谷亮太・品川 翔
【team 若葉】泰江和明・Rayshy・R-NE・飯田寅義・下田壮良・河島樹来
※現在は休演となっております。詳しくは公式サイトを御覧ください。
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