モデルプレスのインタビューに応じた石原さとみ(C)モデルプレス

石原さとみが「高嶺の花」に挑んだ理由「難解な作品であることはわかっています」―野島伸司氏と信じた“連続ドラマの可能性”<モデルプレスインタビュー後編>

2018.09.12 08:00

日本テレビ系水曜ドラマ『高嶺の花』(毎週水曜よる10時~)の主演をつとめる女優の石原さとみ(31)。インタビュー後編では、「念願だった」と語る脚本の野島伸司氏と挑んだ同作への思いや視聴者からの反響について、そして、連続ドラマとの向き合い方について語ってもらった。

石原さとみ、念願の野島伸司氏作品で“新たな挑戦”

「高嶺の花」最終話より(C)日本テレビ
「高嶺の花」最終話より(C)日本テレビ
念願だった野島氏作品への出演。「まさかこういうお話がくるなんて、1ミリも予想していませんでした。ももの人生があまりにも過酷なので、野島さんに『ごめんね。でも芸術家の苦悩書きたかったんだ』って謝られました(笑)」とユーモアを交えて明かしたが、この作品を選んだのには理由があった。

「野島伸司×石原さとみ×峯田和伸で、主題歌は『ラブ・ミー・テンダー』。挑戦ですよね。今の時代、明るくてわかりやすい、いい意味で軽く見られるものや1話完結型の連ドラが多い中、そうじゃないところに切り込んでいるこの作品がすごく好きだなと思いました。野島さんは連続ドラマの可能性を信じているんですよね。1話を見ないと2話がわからない、2話3話を見ないと最終回の面白さがわからない。伏線が怒涛のように張られていて、それを最終回で回収する。真剣にドラマと向き合ってくれる視聴者の方を信じた野島さんの格好良さを感じます」

クランクアップでは、涙ながらに周囲への感謝を語っていた (C)モデルプレス
クランクアップでは、涙ながらに周囲への感謝を語っていた (C)モデルプレス
連続ドラマの可能性――。それは“視聴者を信じる”というある種の“賭け”であると同時に、前編でも語ってくれたように、演じる側にとっても作品と正面から向き合う“タフさ”を求められる過酷な戦いでもある。

「私、20代のときはとにかく自分が学生の頃に見ていたようなキラキラしている作品に出たかったんです。可愛くてかっこよくておしゃれで、ドキドキするような。でも、30代に入ってからは脚本が先行している“答えがないものをやりたい”という気持ちが大きくなって。先日の舞台『密やかな結晶』もそういう視点でしたし、『アンナチュラル』(TBS系/2018)も本当に考えさせられる展開ばかりで、演じる上でも自分の経験値が必要になる。

「高嶺の花」最終話より(C)日本テレビ
「高嶺の花」最終話より(C)日本テレビ
今回の『高嶺の花』も、難解な作品であることはわかっています。台詞をキャッチして、自分の経験値や知恵を駆使して解いていくことが好きな方たちがすごく楽しんでくれている一方、そうじゃないドラマを好きな方たちがいらっしゃることも、とてもわかるんです」

15歳のデビューから途切れず連続ドラマに出演し、幅広い役柄を演じてきた石原が、30代になり新たなステージに進みたいと思ったことは自然なことだろう。

石原さとみ(C)モデルプレス
石原さとみ(C)モデルプレス
「“連ドラのあり方”って、ドラマを見ているその瞬間だけでも現実逃避ができたり、楽しく過ごせる時間を作ることも大切だと思うし、私もそういう作品を演じるのも見るのも好きです。それに、野島さんの台本も好き。この作品で『こんなドラマあったな』だけじゃなくて、『あの台詞がずっと心に残ってるんだよね』と思っていただけるように演じようと思いました」

石原が30代になった今、野島氏とめぐりあったからこそ連続ドラマとして届けられた『高嶺の花』。最終回を見届けたとき、あなたの心にはどの台詞が残るだろうか?ぜひ考えてみてほしい。(modelpress編集部)

石原さとみ プロフィール

石原さとみ(C)モデルプレス
石原さとみ(C)モデルプレス
1986年12月24日、東京都出身。2002年ホリプロタレントスカウトキャラバン、グランプリを受賞し、「わたしのグランパ」(03)で映画デビュー。NHK朝の連続テレビ小説「てるてる家族」のヒロインを演じて人気は全国区に。近年の出演作は映画「風に立つライオン」「進撃の巨人」(15)、「シン・ゴジラ」(16)、「忍びの国」(17)、ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(16/日本テレビ)など。2018年は、主演ドラマ「アンナチュラル」(TBS系)が放送されたほか、主演舞台「密やかな結晶」を上演。

『高嶺の花』最終回あらすじ

もも(石原さとみ)は、千秋(香里奈)が直人(峯田和伸)を誘惑する様子を電話で聴いていた。あの手この手で誘いをかける千秋に、直人は……。

「高嶺の花」最終話より(C)日本テレビ
「高嶺の花」最終話より(C)日本テレビ
龍一(千葉雄大)とともに生きる決意をしたなな(芳根京子)は、月島を離れたいと市松(小日向文世)に申し出る。市松は即座にななを破門。ななの決断を知ったももは思いとどまらせようとするが、ななの決意は固かった。

「高嶺の花」最終話より(C)日本テレビ
「高嶺の花」最終話より(C)日本テレビ
その頃、龍一は市松と会っていた。市松は、ももとの縁談を龍一に持ち掛ける。その直後、龍一は姿を消し、ななにも連絡が取れなくなる。一方、月島家に戻ったももは、次期家元と正式に認められる。

直人を呼び出して、月島流を継ぐことになったと知らせるもも。彼女はこれまでの感謝の思いを語って、直人に別れを告げる……。

【Not Sponsored 記事】

関連記事

  1. 石原さとみ、涙の「高嶺の花」クランクアップ「こんなに孤独を感じたことはなかった」ハグで感謝伝える
    石原さとみ、涙の「高嶺の花」クランクアップ「こんなに孤独を感じたことはなかった」ハグで感謝伝える
    モデルプレス
  2. 石原さとみが「35億」「ゲス不倫」…「高嶺の花」過激なセリフが話題「脚本すごすぎる」
    石原さとみが「35億」「ゲス不倫」…「高嶺の花」過激なセリフが話題「脚本すごすぎる」
    モデルプレス
  3. <石原さとみ「高嶺の花」インタビュー前編>「こんなに泣く役柄は今までにない」葛藤の撮影、香里奈との“心地いい”関係とは
    <石原さとみ「高嶺の花」インタビュー前編>「こんなに泣く役柄は今までにない」葛藤の撮影、香里奈との“心地いい”関係とは
    モデルプレス
  4. 石原さとみ、入浴シーン&バスローブ姿に「美しすぎる」の声殺到<高嶺の花>
    石原さとみ、入浴シーン&バスローブ姿に「美しすぎる」の声殺到<高嶺の花>
    モデルプレス
  5. 石原さとみ・貫地谷しほり・木村多江「24時間テレビ」人生を変えた物語を届ける
    石原さとみ・貫地谷しほり・木村多江「24時間テレビ」人生を変えた物語を届ける
    モデルプレス
  6. 石原さとみ&香里奈、豪華2ショットに「画力がすごい」「眩しい」の声
    石原さとみ&香里奈、豪華2ショットに「画力がすごい」「眩しい」の声
    モデルプレス

「インタビュー」カテゴリーの最新記事

  1. ビースト系ユニットオーディション「BEASTAGE」発└BHNX┘メンバー決定直後にインタビュー ベンチプレス70kg・韓国合宿…過酷な審査経ての目標
    ビースト系ユニットオーディション「BEASTAGE」発└BHNX┘メンバー決定直後にインタビュー ベンチプレス70kg・韓国合宿…過酷な審査経ての目標
    モデルプレス
  2. 波瑠&川栄李奈が語る撮影秘話 Snow Man向井康二は「ずっと喋っています」・田中みな実と1番盛り上がった“意外”な話題は?【「フェイクマミー」インタビュー】
    波瑠&川栄李奈が語る撮影秘話 Snow Man向井康二は「ずっと喋っています」・田中みな実と1番盛り上がった“意外”な話題は?【「フェイクマミー」インタビュー】
    モデルプレス
  3. 元AKB48村山彩希の夢を叶える秘訣【ガルアワ出演者インタビュー】
    元AKB48村山彩希の夢を叶える秘訣【ガルアワ出演者インタビュー】
    モデルプレス
  4. 青木楓、身長184cm抜群スタイルの秘訣明かす 目標はソン・ガン【「モデルプレス特別表紙出演権オーディション」受賞者インタビュー】
    青木楓、身長184cm抜群スタイルの秘訣明かす 目標はソン・ガン【「モデルプレス特別表紙出演権オーディション」受賞者インタビュー】
    モデルプレス
  5. 佐野勇斗、役者10年目で初めて見せる姿 ドラマ主演・グループ活動…「間違ってなかった」と思える瞬間【「ESCAPE それは誘拐のはずだった」インタビュー】
    佐野勇斗、役者10年目で初めて見せる姿 ドラマ主演・グループ活動…「間違ってなかった」と思える瞬間【「ESCAPE それは誘拐のはずだった」インタビュー】
    モデルプレス
  6. 三谷幸喜氏、再タッグで気づいた菅田将暉との共通点 若手俳優陣の姿勢に驚き「少なくとも僕らの世代ではいませんでした」【「もしがく」インタビュー後編】
    三谷幸喜氏、再タッグで気づいた菅田将暉との共通点 若手俳優陣の姿勢に驚き「少なくとも僕らの世代ではいませんでした」【「もしがく」インタビュー後編】
    モデルプレス
  7. 三谷幸喜氏、フジ水10「もしがく」異例の長タイトル誕生秘話 後半の“伏線回収”にも言及【インタビュー前編】
    三谷幸喜氏、フジ水10「もしがく」異例の長タイトル誕生秘話 後半の“伏線回収”にも言及【インタビュー前編】
    モデルプレス
  8. 新沼希空、刺激を受ける“元アイドル”の存在明かす 今後挑戦したいことも「自分の個性を活かせる仕事がしたい」【「モデルプレス特別表紙出演権オーディション」受賞者インタビュー】
    新沼希空、刺激を受ける“元アイドル”の存在明かす 今後挑戦したいことも「自分の個性を活かせる仕事がしたい」【「モデルプレス特別表紙出演権オーディション」受賞者インタビュー】
    モデルプレス
  9. 超特急カイ・タカシ・アロハ、新曲選択はメンバー満場一致 ツアータイトルに込められた三者三様の解釈とは【「NINE LIVES」インタビュー3ショット編】
    超特急カイ・タカシ・アロハ、新曲選択はメンバー満場一致 ツアータイトルに込められた三者三様の解釈とは【「NINE LIVES」インタビュー3ショット編】
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事