吉瀬美智子、復帰作に「昼顔」を選んだ理由とは―母親としての“覚悟”を語る
2014.11.06 06:00
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昨年7月に第1子を出産した女優の吉瀬美智子(39)。彼女の復帰ドラマは、この夏話題をさらった『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系、7月期放送)。母親となった彼女がなぜ、このタイミングであの役に挑んだのか――モデルプレスでは今回、吉瀬にインタビューを行い、胸の内を包み隠さず語ってもらった。
遅咲きの人生を語る
吉瀬はドラマの最終回と同日、9月25日に自身初となるエッセイ「幸転力」(小学館)を発売した。ドラマ撮影中にも編集が行われた同書は、復帰までのすべてが詰まった一冊で「産休後初めてのドラマ復帰作『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』の撮影も無事終了しました」というタイムリーな一文から始まる。32歳で女優デビュー、38歳で高齢初産と悩み苦しんだ妊娠から出産、子育てと仕事の両立、…遅咲きの枕詞で語られる吉瀬が、今まで誰にも語らなかったエピソードが明かされている。
吉瀬美智子の決断
タイトルの「幸転力(こうてんりょく)」とは、日々出合う、どんなことも心の持ち方次第ですべて幸せに転じる力。この言葉にこだわった彼女の想いは、「私の軸は絶対幸せ。そこからはズレなかった。過去のインタビューを見ても、幸せが軸とずっと言ってきてるので、『幸』という字は絶対に入れたいと思いました」と、いうもの。吉瀬と二人三脚で本を完成させた編集の片江佳葉子氏も、「既存のタレント本とは違う。現在の女性が幸せに生きるためのバイブルなんです」と同書に込めた想いを明かした。幸せになるためのヒントが詰まった、まさに“女性のためのバイブル”。そこから感じるのは、ピュアで愛情深く、それでいてたくましい吉瀬の人柄。それと同時に、彼女が人生の節目でしてきた数々の“決断”に驚かされる。
「ある程度さらけ出さないと意味が無い」
そもそも、同書の出版に対する吉瀬の考えは「出産を経験したことで子どもに何か残したいという思いが生まれて、この本の出版に踏み切りました。私がもし先に亡くなったとしても、ママはこういう生き方だったんだって私の思いを代々残すことができるから。だから、ある程度さらけ出さないと意味がないし、知ってもらわないといけないと思った。ここまでさらけ出すの?ってこともあると思いますけど、やっぱり素の私を知ってもらうことに意味がある。じゃなかったら出さなくてもいいかなって思います」と、かなりの覚悟。その一方で、「もちろん、出版までは悩みます。何あの本?って言われるのは自己責任だし、最後に納得できるように相当悩みますね。それはドラマでも同じで、この役をやったらどういう風に見られるかな?とか、どういう風に転ぶかな?とか、これをやったら今度の作品はどうする?とか、次のことまで考えます。この役をやる意味が今あるのかなってことを…」と、思慮深い一面も覗かせた。
納得いく決断に至るまで、悩む彼女だが“今の自分に必要なもの”や“タイミング”に関しては勘が働くそう。「今だ!ってこととか、これだ!っていうのは、何か感じるものがあるんです。この間やった『昼顔』も、脚本を読んだときにこれだと思ったんです」。
「昼顔」から次のステージへ「利佳子の印象が消えないような役は、やってはいけない」
産後のドラマ復帰作というには少々刺激的な内容だった。吉瀬が演じた滝川利佳子は、主人公・笹本紗和(上戸彩)を不倫の世界へと誘いこむ“昼顔妻”。過激な内容はもちろんだが、切ない台詞の数々に美しい演出、キャストの好演も重なり視聴率は右肩上がりで、一種の社会現象を巻き起こした。「復帰第一作って、どういう出方をするのかっていうのが大事。あの作品に出会ったということ、お話をいただけたのがラッキーでした。多少(肌を)露出する部分もあるから、嫌だって思う人もいると思う。でも、主人にもそんなに相談せず決めましたし、うちは嫌がるって感じじゃないんです」。
だからこそ、不安もあった。「(脚本の)井上由美子さん、西谷弘監督も大御所過ぎて私でいいのかなって思いはありました。台本は面白いけど、キャストの方に迷惑をかけたりしないかな?って。そこの部分は慎重になっていました」。
ドラマへの出演は結果的に、彼女の女優人生における重要なターニングポイントとなった。当然、反響も大きかったようで「すごかったですね。お芝居やる上で役名で呼ばれたいタイプなんですけど、今回はロケ先でファンの方に利佳子さんって呼んでもらえて。そう言ってもらえるってことは印象深い役だったからかなと思っていますし、広がってるなって感じました。お子さんからもそうやって呼んでもらえるくらいですから」と実感。現在は、すでに次の作品の撮影がスタートしているといい、「似たような役はやらないというのが重要かなと思います」と新たな挑戦に目を輝かせた。
女優としての覚悟「選ばれなくなったらこの仕事は終わり」
女優として、妻として、そして母として…“吉瀬美智子”はいつまでも輝き続ける。そんな彼女に、夢を叶える秘訣を語ってもらった。「なりたい自分になるまでチャレンジすること、かな。それがどこかで違うと思ったら潔く諦めることも大事だし、ちゃんとアンテナを磨いてどちらでも判断ができる自分を持っておく。自分を知って、自分を認める。だから、お声が掛かるまでです。やりたいって言っても、選ばれなくなったらこの仕事は終わりなので。そういう世界じゃないことも知っている。だから全体を見て、自分の立ち位置を見て、求められる人になることが大事ですね。仕事でも何でも…。求められればそこにいられるわけですから」。
「幸転力」。その言葉の素晴らしさは、吉瀬自身が体現している。 “心の持ち方次第ですべて幸せに転じる力”を身につけることは難しいようで、意外にもシンプルだ。「気持ちの持ちようだと思う。どっちに振るかということなので、すぐに取り入れられるんですよ」、吉瀬はそう言って笑顔を浮かべた。(modelpress編集部)
■吉瀬美智子初エッセイ「幸転力」(小学館、2014年9月25日発売)
吉瀬美智子心を込めた最初で最後のエッセイ。32歳新人女優、38歳念願の母に。歩みは遅い。なぜ彼女は歳を重ねるごとに輝きを増すのか?彼女の思考、生活、心の中…すべてを初公開。女優・吉瀬美智子が初めて明かす本当の「吉瀬美智子」のすべて。“今”を好転させる47の心習慣が詰まっている。
■吉瀬美智子 プロフィール
生年月日:1975年2月17日(39歳)
出生地:福岡県
身長:166cm
血液型:A型
高校卒業後アルバイト中にスカウトされて地元でモデルの仕事を開始。その後、20歳で上京し、女性向けファッション雑誌『Domani』にて専属モデルを務める傍ら、多数のCMに出演。2003年からは情報番組『噂の!東京マガジン』にて5代目アシスタントを務めた。
2007年に現事務所に移籍。30代に入ってからモデル業を一切辞め本格的に女優に転身。以後、テレビドラマを中心に活躍。『LIAR GAME』や『ブラッディ・マンデイ』での演技をきっかけに注目されるようになった。2010年5月『ハガネの女』にてテレビドラマ単独初主演、2010年9月公開の映画『死刑台のエレベーター』にて映画初主演を果たした。同年12月25日、10歳年上の実業家の男性と結婚したことを発表。2011年2月にはエランドール賞新人賞を受賞。2013年7月17日、女児を出産。
また、11月22日放送の『リーガルハイ・スペシャル』(フジテレビ系 21時~)にゲスト出演することも決定した。
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