『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ロッキーにオスカーを!ジェームズ・オルティスが助演男優賞にエントリー

2026.04.22 11:00

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリングの相手役として、複雑なパペット操作と声の演技を通じて命を吹き込まれたロッキー。スタジオはすでに賞レースに向けたロードマップを描いており、舞台パフォーマーであり、マスター・パペティア(人形遣いの師匠)であるジェームズ・オルティスを助演男優賞としてエントリーする予定だ。

演技の境界線を曖昧にするロッキーの存在感

賞レースの熱狂的ファンは、本作が作品賞やフィル・ロードおよびクリストファー・ミラーに対する監督賞を含む主要部門全体で競い合うこと、そして並行して強力な技術・制作部門のキャンペーンが行われることを期待すべきだろう。しかし、ジェームズのパフォーマンスは、「非伝統的な演技の役割が、人間のパフォーマンスと競い合うことは可能なのか?」という複雑な問いを提起している。

米Varietyが独占入手した情報によれば、現行ルールに基づき、ジェームズの仕事はアカデミー賞演技部門の検討対象となる資格がある。加えて全米映画俳優組合(SAG)賞の対象にもなり得るが、そこでは人形遣いがSAG-AFTRAの管轄下に属しており、同組織も彼の代理人に対してその事実を認めている。一方で、ゴールデン・グローブ賞の既存ルールでは資格が認められない見込みだ。放送映画批評家協会賞や、過去にアニメの声の演技をノミネートした実績のある英国アカデミー賞(BAFTA)においては、検討対象になる資格があるといえるだろう。

この曖昧さは、演技、声の仕事、そして技術的芸術性の境界線をいかに分類するかという業界の長きにわたる論争を象徴している。それはまた、映画芸術科学アカデミーがまさにこの目的のために構築しながらも、30年以上にわたって放置してきたメカニズムを直接的に指し示している。

オスカーの歴史に刻まれた特別業績賞という可能性

1972年に導入された特別業績賞は、間違いなくアカデミーの最も柔軟な道具であった。既存のカテゴリーに当てはまらない画期的な仕事を認めるために設計されたこの賞は、20年以上にわたり、見過ごされがちな業績を称える役割を果たしてきた。当初は音響や視覚効果の進歩にスポットライトが当てられ、『ポセイドン・アドベンチャー』(1972年)のL・B・アボットとA・D・フラワーズを皮切りに、多くの職人たちが認められた。最も有名な例は、音響デザイナーのベン・バートだろう。彼は『スター・ウォーズ』においてエイリアンやR2-D2の声を創造したことで特別業績賞を受賞した。それは映画の遺産から切り離せない「演技(パフォーマンス)」としての貢献であった。

アカデミーがこの賞をより創造的に展開した瞬間もある。リチャード・ウィリアムズは、『ロジャー・ラビット』(1988年)でアニメーション・ディレクターとして受賞。手描きキャラクターと実写を融合させた独自の芸術性を個別に抽出して評価された。

最後の受賞作は『トイ・ストーリー』(1995年)であり、長編アニメ映画賞が創設される5年前に、初の完全なコンピューター・アニメーションとして称えられた。一方で、リドリー・スコット監督作『エイリアン』におけるH・R・ギーガーのデザインなどは、キャラクターとして機能しているにもかかわらず、視覚効果チームの一部として吸収されてきた歴史がある。この区別こそが、ジェームズがロッキーで創り出したものの核心“触知可能で表現力豊かな「生きた存在」”に直面している課題なのだ。

過去の「拒絶」と「先例」から見る、パフォーマーへの評価

近年、アカデミーはこの賞から遠ざかっているが、今年は復活させるのにふさわしい年かもしれない。「パペット操作は技術的な業績だと思われがちだが、パフォーマーとして私はキャラクターの心に興味がある」とジェームズは語る。彼は、装飾的と見なされがちな媒体を通じて、鼓動する心を持つキャラクターに命を吹き込んだのだ。

彼が資格を有することと、実際にノミネートされるかは別の問題であり、そこにはアカデミーが取り組むべき課題が横たわっている。もし演技部門がこれらのアーティストを受け入れないのであれば、声、モーションキャプチャー、パペット・ワークのための新しいカテゴリーが必要なのではないか。

AI時代に突きつけられる、本質的な演技への問い

ライアンとジェームズは、パペットを持ち出す前に各シーンをリハーサルし、立ち位置を確定させて撮影に臨んだという。ロッキーの型破りな外見にもかかわらず、彼が本作のブレイクアウトとなったのは、デザイナーのニール・スカンランと共に魅力的なキャラクターを造形したからに他ならない。その業績は、たとえ投票用紙に直接的な場所がなくても、特別業績賞への検討に値する。ロッキーは単なる視覚効果でも、実体のない声でもない。キャラクターの身体性やタイミングは、テクノロジーを媒介にするモーションキャプチャーと同じく、ジェームズのパフォーマンスに根ざしている。

ハリウッドが人工知能(AI)という実存的脅威と格闘する今、業界は自らに突きつけられた根源的な問いに答えていない。もし、ジェームズ・オルティスが「演技」をしていないというのであれば、彼は一体、何をしていると言えるのだろう?

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は大ヒット公開中。(海外ドラマNAVI)

参考元:Variety

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Photo:『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

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