『クリミナル・マインド』阪口周平、『CSI:マイアミ』デルコからルークへ、そしてこれからも【4】

『クリミナル・マインド』阪口周平、『CSI:マイアミ』デルコからルークへ、そしてこれからも【4】

2020.09.29 19:00

ついにファイナルとなるシーズン15の放送が始まった大ヒット犯罪捜査ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』。今回、日本でも愛され続けた本作で吹替を務めている、現レギュラー声優8人にシリーズ最終回の収録前に独占インタビューを実施。第4回目は、シリーズの転換期とも言えるシーズン12から登場したルーク・アルヴェス役の阪口周平のインタビューをお届け!

――ファイナルを目の前にして今の心境は?

私事になるんですが、去年と今年と『クリミナル・マインド』をはじめ、DCドラマ『GOTHAM/ゴッサム』など長く続いてきた作品が立て続けにファイナルシーズンを迎えているんですよね。「来年また会おうね」って、今までずっと言ってきたシリーズがさようならしていて、なんですかね、この終了の連鎖は...。物語は結局終わっていくんだなって、妙な既視感がありつつ、一つのシリーズが終わるっていうだけじゃない寂しさがあります。

僕はシーズン12からの参加で、かかわった期間はそれほど長くはないですが、ルークを演じるアダム・ロドリゲスさんの声は『CSI:マイアミ』から引き続き演じているので、またどこかで彼と会うんじゃないかなと思っています。

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――ルークの好きなところは?

彼はめっちゃ独身貴族なんですよね。ファイナルシーズンでは気になる展開がさらっとあります。僕自身は結婚して、子どももいるんですけど、今が嫌だっていう話ではもちろんないんですが、ちょっとだけ羨ましいです。


――ルークと阪口さんは似ていますか?

全然、似てないです。僕はインドアですし、あんなに明るい方じゃないです(笑) ルークはひとりの時間を楽しむのも好きだろうし、外に飲みにいくのも好きですし、遊んでいるシーンがたくさん描かれたわけじゃないですけど雰囲気がそうですよね。僕は寂しがりやで、家にできるだけいたいですし、子どもにかまってもらえないと寂しくなっちゃいます(笑) そういう意味でまったく似てないですね。


――印象深いエピソードやシリアルキラーは?

ルークの過去の話も思い出深いんですが、ファイナルシーズンを録っている今(取材当時)は、シーズン14から登場しているリンチの存在感が強いですね。

リンチの行動はほんとに目を覆いたくなるものばかりということもありますが、今はコロナの状況もあって、吹替えの収録はみんな一緒にできていないので、リンチ役の花輪(英司)さんがどのように演じられたのか、仕上がりの感じが想像できない分、嫌な想像をかき立て気持ち悪さが増すんですよ。俳優さんの声はもちろん聞いているわけですが、僕らは吹替えをしているわけなので、吹替えのイメージがついているんです。たくさんのシリアルキラーがいましたが、その理由もあってリンチが印象深いですね。


――すると、これまで花輪さんよりも収録の順番が早かったということですよね。その順番は決まっているものですか?

『クリミナル・マインド』の録り方として、傾向的にそのエピソードで一番しゃべる人が後ろを気にしなくていいように、後ろの時間にしているようですね。リンチが出るエピソードではリンチが一番と言っていいほどしゃべっているので、これまでの収録の順番は花輪さんより早いことが多かったかもしれないです。ほんとにOAが楽しみなんです。


――シーズン12からルーク役として参加されたわけですが、どのような気持ちで挑まれましたか?

ルークを演じる前に何度かゲスト出演していたので(※編集部調べ シーズン5&シーズン6&シーズン10)、ちょっと驚きはありました。誰と入れ替えとか前情報を持っていなかったので、現場行ったときにみんなから「モーガンがいなくなってね、こういう経緯で入ってきたんですよ」って説明していただきました。そして、その時点でシーズン12の第2話でホッチがいなくなるということも決まっていたんです。

ホッチ役の(森田)順平さんはすごくお世話になった方でもあったので、ルークが初登場した第1話でホッチと二人でBAUとは、ルークが自分の進退をどうするのかというじっくり話し合うシーンがあるんですが、順平さんから「頼んだよ」と言われたような感じがして印象的でした。元々緊張していたということよりも、現場行ってからかみしめましたね。

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An UnSub targets the BAU & the team works 2 find out who is responsible @CrimMinds_CBS tonight 9/8c

Criminal Minds(@crimmindscbs)がシェアした投稿 - 2016年 3月月23日午後2時17分PDT

――その収録現場の雰囲気は?

15年も続いているのに、みんな毎回新鮮な感じで現場にくる印象ですね。それはやはりドラマの構成が良いということに繋がってくると思うんですが、似たような事件はなくて、シリアルキラーを対象としているのにこれだけバリエーションを作れるのはすごいですよね。構成がだれてないので、毎週みんな、僕も含めて楽しそうですね。それが最後のシーズンみんなで共有できなかったのが正直残念でした。


――ちなみにやってみたいキャラクターはルーク以外にいるものですか?

あまりやったことがないリードみたいな役には憧れますね。みんなで一緒に収録していたときはリード役の森久保(祥太郎)さんと隣の席だったんですが、たくさんしゃべる役柄なので大変だなあと思いつつも、やってみたいなというのがありました。


――本作の魅力は?

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捜査ドラマの中で、こんなにドンパチがない作品は稀だと思うんです。有名なセリフに「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ」っていうのがあるじゃないですか。でも、『クリミナル・マインド』って会議室で解決するんですよね。銃をもって突入して「手をあげろ!」というシーンはもちろんあるんですけど、それ以上に会議室で頭脳という武器を使って犯人がいないところで犯人を追い込んでいくというのが印象的で新鮮でした。

あと、シーズンを通しての大きな事件はありますが、1話完結っていうのも見やすくていいですよね。極端な話をしてしまうと、シーズンの最初と最後を見るだけで、完結しちゃうと思うんですよ(笑) でも、その間の話が面白いので全部見るんですけど、結構ダーティなシーンが多い中で、捜査員たちがそれぞれ個性豊かということもあり、魅力的なドラマだと思います。


――本作に携わって影響を受けたことはありますか?

冒頭にもお話させていただきましたが、『CIS:マイアミ』から引き続きアダム・ロドリゲスの声をやらせていただいているので、SNSなどを通して「デルコを演じていた阪口さんがルーク役をやって、すごく受け入れやすかったです」という意見をもらったことは嬉しかったですね。


――ファイナルということで、ルークに対して気持ちを伝えるとしたら?

まずは、お疲れ様です。あと、演じたアダムに対して、「ありがとう。引き続き、宜しくお願いします」という気持ちですね。ほんとに付き合い長くて、『CSI:マイアミ』だけじゃなくて、そのあとの『ナイトシフト 真夜中の救命医』、そして20年前ぐらいに僕が初めてもらったレギュラーが『ブルックリン74分署』のヘクター・ヴィラヌエヴァ巡査役で演じていた俳優が彼なんです!

『CSI』では途中から引き継いだわけですが、初めてレギュラーをやったとき以来の出会いだったので、回りに回って僕がやることになり、妙な縁を感じざるをえないですね。


――作品が違っても同じ俳優さんを演じ続けるということは、どのようなお気持ちでしょうか?

やっぱり嬉しいですね。"あの顔、あの雰囲気は、僕なんだ"というふうに認知してもらえているということなので。『CSI』から引き継いだというのは、たぶんそれは関係ないと思うんです(笑) 昔のこと過ぎて、吹替版の制作の方が知っていたのか、知らなかったのかは微妙なところですので。

固定の役者を演じられるというのは声優として一つの目標だったり、喜びだったり、自分の自信につながるので嬉しいですね。

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――ルークのファイナルシーズンのみどころは?

ルークとシモンズの二人はコンビ的なところがあって、最終シーズンも二人で大きく巻き込まれる出来事があるんです。本来『クリミナル・マインド』って、頭脳で勝負して、論理的に犯人を捕まえる流れですが、ルークとシモンズの場合、急にフィジカルな話になるんです。やたら体育会系だなっていうノリがあって、逆にそれがいいアクセントになっていますね。


――モーガンが去ったあとの行動派はお二人ですからね。

収録現場でも「『クリマイ』って、こんな肉体でどうにかする話だっけ?」っていう会話をするときがありましたね(笑) それぐらい肉体派コンビっていう印象はありますね。当初、『クリミナル・マインド』の行動派はモーガン一人でしたから、二人の行動派が揃ったということでこれまでのストーリーにも変化があったと思います。


――最後に『クリミナル・マインド』吹替版のファンの方にメッセージをお願いします。

いつもありがとうございます。『クリミナル・マインド』は吹替キャストみんなが新鮮な気持ちで挑んでいる作品で、だからこそ生まれる熱量もありますし、とても良い仕上がりになっていると思います。時代がこういう形で僕らも一緒に録れていなくて、フラストレーションがあるんですけども、キャストみんなが信頼関係をもって臨んでいますので、そこはさすが15年も続いてきたシリーズは違うなって思っていただけると思います。

ファイナルシーズンになってしまいますが、引き続き色んなドラマが起こります。個々のパーソナルな出来事を振り返るシーンもありますので、楽しみにしていただけたらなと思います。

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ついにフィナーレを迎える『クリミナル・マインド FBI行動分析課』シーズン15(全10話)は、WOWOWプライムにて放送中。そして、毎週火曜日に吹替キャストの本作への思いをたっぷりと語っていただいたインタビュー記事を掲載していきますので、そちらもお楽しみに。

■『クリミナル・マインド』声優インタビュー
【1】 ジェニファー・ジャロウ役 園崎未恵
【2】 マット・シモンズ役 中川慶一
【3】 タラ・ルイス役 塩田朋子
【4】 ルーク・アルヴェス役 阪口周平

(海外ドラマNAVI)

Photo:

阪口周平
『クリミナル・マインド15 FBI行動分析課 ザ・ファイナル』(c) ABC Studios

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