ビリー・アイリッシュ無双はなぜ起きた?名言とファッションを振り返る【2019年末特集】
2019.12.26 19:00
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今年、デビューアルバム収録の「bad guy」が、2000年以降生まれのアーティストで初めて全米シングルチャート1位を獲得したビリー・アイリッシュ。全世界の若者を巻き込み一大ムーブメントを巻き起こした彼女の功績・言葉・そしてファッションを振り返る。
2019年「ビリー・アイリッシュ」が世界中の若者の一大ムーブメントに
洋楽があまり根付かない日本でも、今年彼女の「bad guy」を聞かなかった若者はいないだろう。今年3月29日にリリースされたデビューアルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』に収録された、彼女の5thシングルとなった同曲。史上最長の19週連続で全米シングルチャート1位に君臨し続けたリル・ナズ・Xの「Old Town Road」の連覇を止め、8月にナンバーワンに上り詰めた。2001年生まれの彼女。若干17歳にしての快挙である。SNSのフォロワー数は今やTwitterが320万人以上、Instagramは4600万人以上(12月25日現在)。同世代の若者たちから、世界中で絶大な支持を受け、彼女のライブとなれば尋常ではない熱狂の中、鬼気迫るほどの大合唱となる。
彼女が単なる人気歌手にとどまらず、時代を象徴するアイコン的存在となったのはビリー・アイリッシュという人間の力そのものにある。変わった髪色、オーバーサイズのファッションを貫き、ドラッグへの嫌悪や地球温暖化への問題提起など社会への疑問を投げつける曲から、実体験に基づく恋愛の曲や、自分のメンタルヘルスの問題に向き合った曲までを歌うビリー。曲だけでなく普段の言動を通し彼女は、待ち受ける大人の社会と対峙し声を上げたい若者たちの代弁者となった。物怖じせず、決して自分のオリジナリティを失わない姿勢、どれだけ大物になろうとスタンスを変えずファンに寄り添う姿からも信者を増やしている。
そんな彼女の支持者はソーシャルメディアを通して爆発的にファンダムを広げただけでなく、多くのセレブが彼女を賞賛。世界中で知らない人はいないほどの存在となったビリーは、今や日本でも多くの人がお気に入りのアーティストとして名前を挙げるようになり、来年1月からは「bad guy」が横浜流星と清野菜名のW主演ドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」(読売テレビ・日本テレビ系)の主題歌に抜擢されている。
「2019アメリカン・ミュージック・アワード」でNew Artist of the Yearを受賞するなどショーレースでもしっかりとその功績を認められているビリーだが、もっとも彼女の成功を印象付けたのは、来年1月26日に授賞式が行われる「第62回グラミー賞授賞式」のノミネーションだ。ビリーは今年、「年間最優秀レコード」「年間最優秀アルバム」「年間最優秀楽曲」「最優秀新人賞」の主要4部門全てに史上最年少でノミネートされる快挙を成し遂げている。
2019年私たちに刺さったビリー・アイリッシュの言葉たち
デビュー当初の15歳の頃からすでに、骨太でありながら繊細な心情に寄り添う発言が取りざたされてきたビリー。2019年、私たちの心に刺さったビリーの言葉たちを振り返ってみよう。― 今年、ツアー会場内に選挙に参加するための事前登録を行う「有権者登録所」を設置したビリー。またロサンゼルスの高校では、事前登録のイベントを行う高校に、ビリーのライブチケットが当たる抽選に参加できる権利を与えるキャンペーンを行った。過去には「人々は若者が初めて経験することに対するパワーを過小評価してる。若者は無視され続けてる。全部知ってるのに」と語っていたビリーは、ロサンゼルス市長が公開した動画のなかでこう発言。
「私たちは若者として、変化を作り出すために自分たちの力を使わないと。投票所に行くときが、将来誰がアメリカを引っ張っていくかを決めるときだよ」
― Rolling Stone誌のインタビューで、自身の曲の歌詞について語った時の言葉。
「若い子たちにとって私の曲はハグ。落ち込んだり、死にたいと思ったり、自分のすべてを否定してしまうのは悪いことだって言う大人もいる。でも、自分と同じくらい酷い気分の人がいるってわかるだけでも慰められると思う」
― メンタルヘルスで悩む人々をサポートする団体「Seize The Awkward」のキャンペーン動画で、ビリーは自身の鬱病体験について告白した。
「私の場合は、まだ自分がOKな状態でいられるかどうかを模索している途中なんだ」「助けを求めたからって、あなたは弱いわけじゃない。友達に『セラピストに診てもらったら?』と言うのも、あなたが無力だからじゃない。誰かに助けを求めることを、弱さだとは思わないで。それに、必要なときは『助けて』って言えるほうがいいし、誰かが助けを求めているなら、手を貸してあげないと。会話だってそう。最初から真面目に切り出す必要はないと思う。ただ『最近どう?大丈夫?』って聞いてあげるだけでもいい」
― アラバマ州議会で妊娠中絶法が通過し、可決されたことが報じられると、ビリーもVarietyの取材で批判の声を上げた。
「女性たちは言いたいことを言って、やりたいことをやって、感じたいことを感じるべき。誰も彼女たちの生き方に指図はできないはず。本当に腹が立ってる。男性は女性たちについて選択をするべきじゃない」
― BuzzFeedのインタビューで鬱に苦しむファンへアドバイスを求められたビリーは、こう助言。
「物事は過ぎるっていうことを覚えておいて。物事は悪くなるけど良くもなる。とても良くなる一方でとても悪くなることもある。大事なのは、何が起こるのか、なぜやるのか、どこへ行くのか、その答えをみんな知りたがっている気がするけど、知ることはできないということを知る必要がある。知ることはできないことを覚えておいて。大丈夫になるかもしれないし、ならないかもしれない。でも最後には大丈夫になって、呼吸し続けているはず」
― 9月にNHK Eテレで放送された「前山田×体育のワンルーム☆ミュージック」で公開されたインタビューでの発言は、ネット上でも話題に。
「いい出来じゃないと思っている作品でもいいの。どこかで誰かが気に入ってくれるから。絶対に。発表して、みんなが好きになってくれるわけじゃないけど、でもそれを発表しなかったら、誰かが好きになってくれる機会すらないのよ。人に聴いてもらうためだけにも絶対に発表しなきゃいけない」
― そんなビリー、Vogue Australiaのインタビューでは名声を得た現在についての本音も明かしていた。
私のことを『ポップシーンの顔』とか『新しいイットガール』とかクソみたいな呼び名で呼ぶ人がいたのを覚えてるけど、なんでもラベリングしなきゃいけないって考えているのは本当に人間のおかしなトコだし、そんな事する必要ない」
2019年の“ビリー・アイリッシュファッション”をプレイバック
ファッションに関しては、リアーナが2014年のスピーチで語った「ファッションは私の弱さを補うことができて、自分自身が誰であるかを表現出来る」という内容が自身の感性に大きな影響を与えているというビリー。いつもオーバーサイズで体のラインがあまり分からない服を着ることの多いビリーだが「NME」のインタビューで「もし私が男だったとしたら、こういうダボダボの服を着ていたところで、誰からも何も言われないと思う。『一度でいいから、女の子らしい格好をしてみて! タイトな服を着たほうが可愛いし、そのほうがキャリアもうまくいくわ!』そんなの間違ってる。そんなことは絶対にない」と発言。さらに下着ブランド「カルバンクライン」のプロモーション動画にて「決して世界中の皆に自分のすべてを知られたくない。だから、いつも大きなぶかぶかの服を着てる。服の下がどうなっているのか分からなければ、誰もやせてる、太ってる、お尻がある、お尻がないなんて言えない。そのことについて何も知らなければ、誰も何も言ってこない」と思いを明かし話題になった。
それでは、今年はこれまでに増して一段と派手で奇抜だったビリーのファッションをプレイバックしてみよう。
これまでシルバーや白、水色、ネイビーといった様々なヘアカラーに挑戦してきたビリー。今年は夏に、根本だけを蛍光緑に染めた斬新すぎるシャドールーツの髪色をお披露目。本人もお気に入りなのか、今でもずっとその髪型を維持しているためビリーのアイコニックなヘアスタイルになりつつある。
そして、フォーマルな場所でも絶対にヒールを履かないビリー。ファッションに合わせたスニーカーのこだわりでも楽しませてくれた。
またブランドロゴをサンプリングして再解釈した「ブート・クチュール」のファッションがトレードマークとなっているビリー。今年も全身にド派手なルイ・ヴィトンの柄をあしらったセットアップや、真緑のグッチのオーバーサイズセットアップなどを着て個性が爆発していた。
さらに「千と千尋の神隠し」に大きな影響を受け、日本のアニメにも関心があることで知られているビリーは、「iHeartRadio Music Award」のレッドカーペットに「美少女戦士セーラームーン」の月野ウサギのイラストが大きくプリントされたセットアップを着て登場。このほかパワーパフガールズのイラストがプリントされたベストを着こなしたりと、個性的ファッションは留まるところを知らず。最近では全体がボリューミーなファーになったズボンをはいたクールでクレイジーなコーディネートを披露していた。
もともと大のファッション好きのビリーは、今後自身のブランドの展開も考えているそう。自分のデザインした洋服を形にしたいとやる気満々のようで、こちらも実現すれば爆発的な人気となりそうだ。
2019年、まさに無双状態だったビリー。今ファンと音楽業界が最も気になっているのは「グラミー賞」の行方ではないだろうか。先日誕生日を迎え、ようやく18歳となったビリー。きっとグラミーを受賞しても受賞しなくても、「やりたいことをする」彼女のスタイルは変わらないだろう。2020年のビリー・アイリッシュも大いに期待できそうだ。
ビリー・アイリッシュ プロフィール
2001年12月18日生まれ、ロサンゼルス出身のシンガー・ソングライター。8歳からロサンゼルス少年少女合唱団に所属し、11歳の頃から作曲を始める。13歳のときにレコーディングした「Ocean Eyes」をSoundCloudにアップロードしたところ、まだ13歳とは思えない表現力の高さが話題を呼び、同楽曲でInterscope Recordsよりデビュー。日本には2018年のSUMMER SONICで初来日し、パフォーマンスを披露して話題となった。
2019年3月にSpotifyが発表した“世界で最も人気のある女性アーティストTOP20”では、レディー・ガガらを抑えてアリアナ・グランデに次ぐ2位にランクイン(集計期間:2019年1月1日~3月1日)するなど、日々注目を集め続けている。
2019年3月29日に発売したデビューアルバム『WHEN WE FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』は英米両国はもちろん全世界11ヵ国で1位を獲得し、英国では女性ソロ最年少1位、米国シングル・チャートでは14曲同時チャート・インを果たし、カーディ・B、ビヨンセ、アリアナ・グランデらが持つ女性アーティストの同時チャート・イン記録を更新するなど全世界で“現象”と呼べるほどの大ヒットとなっている。
(modelpress編集部)
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