じゅわっと絶品!15分で作れる料理家の肉おかず2選&トロトロなすレシピ
2023.09.03 17:05
毎日の食事の準備を楽にしたい、でもおいしさは妥協したくない。そんな方におすすめなのが、料理研究家・上田淳子さんの新著『フランスの台所から学ぶ 大人のミニマルレシピ』(世界文化社)。材料・調理法・道具もミニマルで、たったの15分程度で作れる絶品料理が満載です。本の中から3つのおかずのレシピをご紹介します。
材料も手間も最低限。フランスの台所から学ぶミニマルレシピ
フランス料理というと、作るのに手間がかかり、特別なときにだけ食べるものというイメージを抱く方が多いのではないでしょうか。ところが、本場フランスのミシュラン星付きレストランに勤めていた料理研究家・上田淳子さんによると、フランス人は材料や手間などを最低限にして日々の食事を楽しんでいるのだとか。そのように無駄を削ぎ落して楽に作れるフランスの家庭料理を紹介したレシピ本が『フランスの台所から学ぶ 大人のミニマルレシピ』(世界文化社)です。 フランスの家庭料理がミニマルなのには、6つの理由があるのだそう。1. 肉や魚に塩をすり込んだら、火の通りに注意しながら加熱するだけ。といった必要最低限の調理なので、レシピ不要で作れるようになる。
2. 10~15分で完成するので、作り置きの必要がない。
3. 道具はフライパン1つ、調理法は「焼く」か「軽く煮る」の2つだけで作れる。
4. 味付けは塩だけ。調味料の配合は不要。
5. たんぱく質(肉か魚)と季節の野菜があればOK。献立を考える手間がない。
6. 副菜は作らなくていい。加えるならスープやサラダの前菜のみで楽々。
本書には、こうしたミニマルな調理で用意できる、おしゃれなビストロに出てくるメニューのような料理がたくさん紹介されています。分量は一人分で、少量でも作りやすいものばかりなのもうれしいポイントです。ここでは3つのレシピを特別に公開します。
豚肉と野菜の味の重なりを楽しむ「ポークソテー」
豚ロース肉を焼いただけでおいしい「ポークソテー」。サッとあえたトマトとバジルのサラダをソース代わりにして、豚肉と一緒に味わいます。豚肉そのものの旨みと、爽やかな酸味のあるハーブと野菜のソース、両方のおいしさを一度に楽しめる一品です。材料(1人分)
・豚ロース肉(ステーキ用)・・・1枚(100~120g)・トマト(1cm角に切る)・・・中1個
・バジルの葉(大葉でも可)・・・4枚
・オリーブ油・・・大さじ1弱
・塩、こしょう・・・各適量
作り方
1) 豚ロース肉は常温にもどします。ボウルにトマトを入れ、バジルの葉をちぎり入れ、塩ひとつまみ、こしょう少量、オリーブ油大さじ1/2を加えて和えます。2) (1)の豚肉の筋を両面から切り、塩ふたつまみ、こしょう少量をすり込みます。
3) フライパンにオリーブ油小さじ1を熱し、(2)を中火で焼きます。片面を2分半~3分焼いてこんがり焼き色をつけます。器に(1)のソースを盛り、肉をのせます。
脂身が周りについている豚ロース肉は、そのまま焼くと焼き縮んで反り均一に火が通りません。少しオーバーだなと思うぐらい、両面から1.5cm感覚でしっかり切り目を入れてください。また、水分が出ないように塩、こしょうは焼く直前にします。
1.5cmの厚さの肉は中火で2分半~3分が基準です。とはいえフライパンの大きさや材質によって多少変わります。返すタイミングは表面に水分が浮いてきて、厚みの半分まで城っぽくなるのが目安です。
さっぱり&ふっくら仕上がる「鶏もも肉のレモンハーブ煮」
さっぱりした味わいで蒸し暑い日にもぴったりなのが「鶏もも肉のレモンハーブ煮」。鶏もも肉の表面を軽く焼いて臭みを含んだ油を捨て、野菜と煮込むだけでふっくら柔らかに仕上がります。鶏もも肉はから揚げ用を選べば、切る手間も洗い物も少なくなって一石二鳥です。材料(1人分)
・鶏もも肉(から揚げ用)・・・4~5個(120~150g)・玉ねぎ(薄切り)・・・1/2個
・白ワイン・・・50ml
・<A>
・レモン(薄切り)・・・1枚
・ローズマリー・・・約5cm
・水・・・50ml
・オリーブ油・・・大さじ2
・塩、こしょう・・・各適量
作り方
1) 鶏もも肉に塩ふたつまみ、こしょう少量をすり込みます。2) フライパンにオリーブ油小さじ1を熱し、(1)の皮目を下にして並べます。中火で両面に軽く焼き色がつくまで焼いたら取り出します。
3) フライパンの油をペーパータオルで吸い、残りのオリーブ油、玉ねぎを入れてしんなりするまで中火で炒めます。白ワインを加えて水分が半分になるまで煮詰めます。
4) (3)に(2)を並べ、<A>を加えて蓋をし、煮立ったら弱めの中火にして火が通るまで約5分煮ます。蓋を取り、火を強めて少し煮つめ、塩、こしょうで味をととのえます。
クミンやコリアンダー、カルダモンを<A>と一緒に入れるとパンチのある味が楽しめます
とろとろになった野菜が濃厚な「トマト入りなすのエチュベ」
あと一品ほしいときにおすすめの「トマト入りなすのエチュベ」。とろとろのなすにくずれたトマトがソースのように絡む一品です。エチュベとはフランスの野菜の基本調理法のひとつ、蒸し煮のこと。フライパンにすべての材料を入れて火にかけるだけで簡単なのに、高温の蒸気で味が凝縮。甘みが出るだけではなく、油脂のコクにより濃厚でやさしい味わいになります。材料(1人分)
・なす(輪切り)・・・1本(80g)・トマト(くし形切り)・・・1個(150g)
・オリーブ油・・・大さじ1/2
・水・・・50ml
・塩、こしょう・・・各適量
作り方
1) フライパンになす、オリーブ油、水を入れ、蓋をして中火にかけます。2) 沸いたら約3分蒸し煮し、蓋を取って余分な水分を飛ばします。トマトを加えて塩ひとつまみ、こしょう少量をふって混ぜます。
加熱時間は目安です。水分がなくなったら少し足してお好みの食感に仕上げてください。バジルかオレガノを加えてもおいしくなります。
毎日の料理が楽に、おいしくなるレシピ本
材料も道具も少なく、複雑な工程もないレシピが満載の本書。忙しく過ごす方も、見た目にも味にも大満足できるメニューを手早く用意できます。ぜひ参考にして、毎日の料理を楽にしながら楽しんではいかがでしょうか。writer / 凪 photo / 世界文化社
※記事の内容(本文・画像など)に関しては、許諾を得て掲載しております。
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