『にょろ助 銀座』で大迫力のボリュームうなぎを食べ比べ!東京で関西風うなぎが味わえる人気うなぎ専門店
2020.10.26 18:00
店名も外観もインパクト大! うなぎ好きの天国が銀座に誕生
2020年7月、銀座にうなぎ専門店がオープンした。その名も『にょろ助』。一度聞いたら忘れられないネーミングと重厚な外観に、気になっていた人も多いのでは? 実はこちらのお店、うなぎの人気店として知られる『鰻處 黒長堂(うなぎどころ くろちょうどう) 六本木ヒルズ』の系列店。場所は地下鉄「銀座駅」から徒歩3分。「GINZA SIX」の裏手に位置し、東京では珍しい地焼き(関西風)のうなぎ を堪能できるお店だ。
店内も外観の世界観をそのままに、モダンな造り。
2階は広々。ソーシャルディスタンスに配慮しており、ゆったりした席の配置になっている。
洗練された和の雰囲気を楽しめる個室(写真上・個室使用料なし)もあり、シーンに合わせて使い分けられるのが嬉しい。
なぜ、東京で「関西風」のうなぎを?
料理長の五十嵐 公一さん(写真上)。17歳から日本料理の世界に入り研鑽を積んできたベテラン料理人だ。飲食・宿泊事業『際コーポレーション』で和食部門を経験したのち、2020年7月にオープンした『にょろ助』の料理長として日々腕を振るっている。「なぜ東京で関西風のうなぎを?」と、誰もが疑問に思うであろう問いを投げかけてみると、「ズバリ、うなぎの本当のうまさを知ってもらいたいからです!」と自信を見せる五十嵐さん。
言わずもがな、関東風は蒸す工程があるため、ふっくらとした食感が一番の魅力。関東風を食べ慣れている人からすれば、蒸さない関西風はちょっとかたそう…というイメージがあるかもしれない。
「実は、焼き方を工夫することで地焼きでもふっくらさせることはできるんです。うまみもより強く感じられますし、はじめて食べた方には『地焼きでこんなにやわらかいの?』と驚かれるほどです」(五十嵐さん)
うなぎは愛知県の一色うなぎをメインに、鹿児島県や高知県四万十町のものを使う。直接養鰻場(ようまんじょう)から仕入れていることもあり、コストパフォーマンスが優れている点も魅力だ。
また天然ものも扱っており、長良川(岐阜県)や霞ケ浦(茨城県)など、その日によって産地の異なる新鮮なうなぎを入荷しているので「養殖&天然の食べ比べ」や「天然うなぎの産地別味比べ」といった、他ではなかなかできないツウな食べ方をするお客も多いそうだ。
オーダーすると、まず運ばれてきたのは木箱…
オーダー後、しばらくするとスタッフの方が席まで木箱を持ってくる。中身はなんと…生きたうなぎだ! とても元気、しかも太い! にょろにょろと激しく動くので今にも箱から飛び出しそう。
その演出にびっくりする人もいるそうだが、うなぎの品質の良さを伝えるにはこれ以上の説得力はない、最高のパフォーマンスだ。
『にょろ助』のこだわりは「割きたて、焼きたて」
さきほど見せてもらったうなぎはふたたび調理場へ。五十嵐さんが慣れた手つきで捕まえると、素早い包丁使いであっという間に捌かれていく。その速さ、なんと1分間で4本割けるほどのスピード。捌きたてにこだわるのは「細胞が新鮮なうちに調理することが、おいしく味わっていただくための重要な要素だからです」と五十嵐さん。
関西風に金串で串を打ち、特注のコンロを使い備長炭で焼いていく。「遠火の強火」で焼くことがパリッとフワッと焼き上げる秘訣だ。
この瞬間が命! うなぎをフワッとさせる焼きのタイミング
焼きで一番のポイントはこの瞬間!「熱が回って身が縮み、皮との隙間ができることで中からふわっと膨らんでくる時があるんです。これで身は蒸し焼き状態になり、しかも皮がうまみを外に逃がさないので、うなぎのおいしさがぎゅっと閉じ込められるんです」(五十嵐さん)
タレをつけるのは原則3回。
1回目:焼き色がつく手前のタイミングで。皮をパリッとさせ、こんがりさせるのが目的。
2回目:理想の焼き目になるよう、テリを出すようにつける。
3回目:仕上げ。つけたタレは振らず、ムラにならないよう自然に乾くようにする。
「うなぎを『焼きながら煮る』という感覚を大事にしていますね。表面は焼いていますが、中でグツグツさせるような。どのくらい焼くか、どのタイミングでタレをつけるか、わずかな時間でまったく味が違ってくるので常に真剣勝負です」(五十嵐さん)
『にょろ助』の真骨頂、天下無双の名にふさわしい食べ比べ!
そして出てきたのが「名物 天下無双」(写真上/5,800円)。白焼きと蒲焼きの食べ比べができる、特特上のうな重だ。お重からはみ出しているうなぎに、蓋を開ける前からテンションが高まる。
ちなみにこのお重は、制作できる職人が日本にわずか2人しかいないという、天然木をくりぬいて作られる本漆塗りの重箱。さすが、使っている器から違う。
蓋を開けると、圧巻のボリューム!
蒲焼きと白焼きが一本ずつ入った、うなぎ好きにはたまらない贅沢仕様。うなぎは新仔(1年未満のうなぎのこと)で、それぞれ250〜300gのものを使っているのでかなりの大きさだ。
「女性でもぺろりと食べてしまう人が多いですが、万が一残されても折詰にしますので安心してください」と五十嵐さん。
大ぶりうなぎ2尾分に肝吸いとお新香もセットで、しかも銀座という土地柄。にもかかわらず5,800円とは、驚くべきコストパフォーマンス。
箸を入れると…本当にふんわり。箸で簡単に切れてしまうほどのやわらかさに驚く。
ひと口食べれば、うなぎの味が一気に広がる。これはおいしい! うなぎ本来のコク、脂、うまみが一体になって押し寄せてくるようだ。それでいて皮はパリッとしており、身と皮の食感のコントラストがまたいい。
蒲焼のタレは甘すぎず、辛すぎずちょうどいいあんばい。オープン当初はもう少し甘さが強かったそうだが、甘さ控えめのタレに進化しているそうだ。
白焼きはうなぎそのものの味わいが楽しめ、脂のうまみを堪能しながらもさっぱりといける。なるほど、地焼きだから出せるうなぎの本当のおいしさとはこのことか!
大きなうなぎに隠れてしまっているが、ご飯もクオリティが高い。
パラパラした食感のお米と、粘りのあるお米、2種類の新潟コシヒカリをブレンド。絶妙な食感のご飯がうなぎのおいしさを引き立て、またよくタレと絡み、食べても食べてもまったく飽きがこない。ボリュームに圧倒されたのも最初だけ、これはペロリと完食してしまいそうだ。
うなぎの味をグッと味を引き立てる生山椒の味噌
なお、シンプルにわさびや塩でいただくのももちろんおいしいが、『にょろ助』に来たら自家製の山椒味噌をつけるのが特におすすめ。生山椒から作るオリジナルの味噌は熱烈なファンがいて、たっぷりつける人はもちろん、お土産に買っていく人も。生山椒ならではのフレッシュな味わいと清涼感あるしびれは、一度口にするとやみつきになる魅惑の香辛料だ。
日本酒の最高のお供、うなぎの珍味三種盛り
続いては「鰻珍味三種盛り」(写真上/1,200円)。煮凝り、う巻き、うざくの三種を楽しめる、お酒との相性抜群の一品だ。
左手前にある「煮凝り」はカツオだしに醤油を効かせ、刻んだうなぎを加えたもの。濃厚なうまみが溶け込んだ、ゼラチン質の独特の食感も楽しい。
真ん中の「う巻き」はダシがたっぷりの卵焼きが口の中でジュワ〜と広がり、いつまでも余韻を楽しんでいたくなる味。
そして、右奥にある「うざく」は土佐酢(三杯酢に鰹節で取っただしを加えたもの)を使い、酸味を強くすることでさっぱりいただけるようになっている。
三種盛りなので、うなぎのおいしさ、味の違いをちょっとずつ楽しめてお酒も進む。
蒲焼きとはまた違うおいしさ! うまみ溶け込む「鰻すき焼き」
蒲焼き以外のうなぎ料理を食べてみたい、という人には「鰻すき焼き」(写真上/4,800円)もおすすめ。捌きたてのうなぎをそのまま煮ているので、余すところなくうなぎを楽しめる豪快な一品だ。グツグツのすき焼きがテーブルに置かれると、甘い湯気がホワッと広がり、その香りだけで幸せな気分に包まれる。割り下にはうなぎのタレが使われ、ネギやゴボウ、シイタケが入っている。
タレはもちろん、野菜のだしも十分に吸い込んだうなぎは、身がふっくら。
やけどに気をつけながらアツアツのうなぎを口に入れると、やわらかな身がほろりとほどけ、あっという間にとろけてしまう。
肉厚のシイタケは先に炊いてあるのでとても味が染みていて、噛みしめると中からうまみがあふれてくる。鍋の中にすべてのうまみが凝縮された濃厚な「鰻すき焼き」は、ぜひともキリッとした日本酒とともに味わいたい。
手土産にすれば絶対喜ばれる! テイクアウト限定の「鰻棒ずし」
『にょろ助』の味を家庭でも堪能できる、テイクアウト限定の「鰻棒ずし」(写真上/3,800円)も人気。竹皮に包まれた姿も上品で美しく、大事な方への差し入れに使われることも多いとか。
うなぎを一本まるまる使ったボリュームあるお寿司は見た目も華やか。要望があれば、あらかじめ食べやすいよう小さくカットもしてくれる。
お店で食べるアツアツうなぎも良いけれど、時間が経って味が染みた「鰻棒ずし」もこれまた一興。蒸したご飯を使うことで、ご飯は冷めてもかたくなることがなく、やわらかさがキープされるのも嬉しい。
ほんのり酸味の効いた酢飯と、やわらかく脂が乗ったうなぎとの相性は抜群! 時間が経ってもおいしいうなぎは、きっと最高の手土産になるはずだ。
他にも、一日50食限定のランチをはじめ、うなぎのしゃぶしゃぶ、うなぎとすっぽんの鍋など、専門店ならではのツウなメニューが豊富。伝統にとらわれず日々新しい味にチャレンジしている『にょろ助』は、うなぎ好きならぜひ知っておきたい店だ。
【メニュー】
<ランチ>
・鰻丼 2,800円〜
・鰻重 2,800円〜
<ディナー>
・天下無双(白焼き、蒲焼き食べ比べ特特上鰻重) 5,800円
・天然鰻 鰻重 時価
・鰻珍味三種盛り 1,200円
・鰻すき焼き 4,800円(一人前)
<テイクアウト>
・鰻棒ずし 3,800円
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税別です
撮影:佐々木雅久
によろ助 銀座
東京都中央区銀座6-12-7 銀座新星ビル1・2F050-5486-4750(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
ランチ 11:30~15:00
ディナー 15:00~20:00
※6/21以降、都の要請に従い2名様90分の利用を推奨してまいります。3名様以上のご利用の際はテーブルの間隔を離してのご着席、滞在時間が長引かれているお席の方にはお声掛けさせていただくこと等、あらかじめご了承ください。お客様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
無
※シーズン・天候等により、変更する場合がございます。
https://r.gnavi.co.jp/g822687/
この記事の筆者:岩科蓮花(ライター/書家)
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