実写版「シンデレラ」“美しすぎるドレス”が出来上がるまで…デザイナーが語る秘話 モデルプレスインタビュー
2015.05.04 10:00
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4月25日より公開となったディズニーが贈る実写版映画「シンデレラ」。同作は古くから愛され色褪せることのないラブストーリー「シンデレラ」を絢爛豪華な衣裳と美術、そして一流のフィルムメイカー、豪華キャストとコラボレーションし実写映画化。モデルプレスでは、公開に先駆け3月に米ロサンゼルスで行われたプレミアムイベントで現地取材を敢行し、キャスト、監督、スタッフへのインタビューを行った。
豪華絢爛な世界観を映画化
3月13日には全米で公開となり、初登場1位と好スタートを獲得した同作。シンデレラ(エラ)役にリリー・ジェームズ(26)、継母役にケイト・ブランシェット(45)、王子役にリチャード・マッデン(28)、フェアリー・ゴッドマザー役にヘレナ・ボナム=カーター(48)…と豪華キャストが名を連ね、監督は「マイティ・ソー」などを手がけたケネス・ブラナー(54)が務める。今回は、衣装デザイナー、サンディ・パウエル(55)のインタビューをお届け。サンディは、ジャン=マルク・ヴァレの「ヴィクトリア女王 世紀の愛」、マーティン・スコセッシの「アビエイター」、ジョン・マッデンの「恋におちたシェイクスピア」における働きで3度のアカデミー賞を獲得し、「ヒューゴの不思議な発明」など7本の映画で同賞にノミネート。さらに、BAFTA賞を「ヴィクトリア女王 世紀の愛」と「ベルベット・ゴールドマイン」で受賞しているほか、2011年には映画業界への貢献が讃えられてオフィサー位の大英帝国勲章を贈られるなど、華々しい経歴の持ち主だ。
そんな彼女が手がけた豪華絢爛な衣装は、実写版「シンデレラ」の見どころのひとつ。インタビューでは、誰しもがうっとりしてしまう“美しすぎるドレス”の制作秘話を明かした。
衣装デザイナー、サンディ・パウエルにモデルプレスが直撃<SPECIAL INTERVIEW>
Q.映画の象徴でもあるシンデレラのドレスについて教えてください。サンディ:シンデレラの衣装で重要だったのは、彼女にシンプルな洋服を着せるということだったの。彼女が一番よく着ている普段着は、伝統的なボロボロの服にはしないつもりだった。なぜなら、彼女はいつもみんなの洋服を繕っているし、自分のボロも繕うから、汚い服や、ボロの服を着たりしないの。彼女は洋服を洗濯するしね。だから、同じ服を何度も何度も着るから、すり切れて、色褪せているわ。それは舞踏会でも同じで、彼女は宝石を身につけていない。彼女をとてもシンプルにして、目立たせたかったから、あのデザインになったのよ。
Q.ドレスのデザインを考えるのに、どれくらいかかりましたか?
サンディ:分からないわ…。でも、最初にやったのがあれなのよ。この映画のためには、とても贅沢なくらい準備のために時間を使えたの。ほかのことは何も考えずに、舞踏会のドレスと(ガラスの)靴をだけに数ヶ月は使えたわね。
Q.とても美しい色合いでしたが、ブルーにした理由は?
サンディ:シンデレラをブルーにしたのは、それが伝統的にシンデレラの色だからよ。でも、それについてはよく考えたわ。違う色にしようかといろいろと熟考したの。「私たちは、再び『シンデレラ』をやっている。これは2015年のバージョンよ。違う舞踏会のドレスの色を考えましょう」ってね。それで、すべての色を検討してみたの。ピンク、ホワイト、イエロー、グリーン、ゴールド…そしてブルーに戻ってきたの。なぜなら、ブルーはとてもきれいな色だからよ。
Q.あの色味を表現するためにこだわった点はどこですか?
サンディ:まさにブルー、というような色にはしたくなかったの。それで実験してみて、多くの違う色で作り上げたブルーなの。主には、「コーンフラワー・ブルー」と言えるわね。グリーン、ラベンダー、ライラック、ブルー、ホワイトが入っているのよ。幾重もの布地が重ねられていて、すべてのレイヤーに動きが回って、あのブルーができあがるの。まるで水彩画のようにね。
Q.シンデレラのドレスは8着作ったそうですが、その理由は?
サンディ:彼女が走っているときやダンスしているときのドレスは、数インチだけ短いの。足がすくわれないように、彼女や王子がつまずかないように。それから、スタント用のもある。それに、服が台無しになったりするから、あと数着は必要なの。実際、裾はダメになったわ。汚くなるのよ。洗濯機に放り込むことは出来ないから、きれいなままのドレスのストックが必要なの。
Q.ガラスの靴ができあがるまでの経緯を教えてください。
サンディ:靴に関しては、ガラスの靴を作るさまざまなやり方を見てみたの。その中で、シースルーにはしたくないのは分かっていた。まったくフラットなガラスの靴の真ん中に足が突っ込まれているみたいなのでは、面白くないだろうと思ったわ。それで、彫刻が施されたガラスを見て、素敵で装飾的だと思ったわ。それから、カットガラス(表面に模様のあるガラス)を見たの。それは、もっと興味深かった。そして、私の家のどこかに置いてあったスワロフスキーのクリスタルを見たときに「これだ!」と思ったわ。コーティングされたクリスタルじゃないとだめだと思ったの。それから、スワロフスキーに行って、この(ガラスの靴の)アイディアを開発することに興味があるかと聞いたの。全部で数ヶ月かかったわ。靴の形は、19世紀の靴をイメージしているのよ。
Q.継母役のケイト・ブランシェットの衣装についてはいかがでしたか?
サンディ:彼女はアイコンだし、素晴らしい体型なのよ。そして、彼女はどのように洋服を着るべきか分かっているの。どんな衣装でもどのように着るべきか分かっていて、うまくできるの。そして、彼女はアイデアをいつもくれるわ。私は、役者からアイデアをもらうことがすごく好きなの。
Q.日本の女の子のファッションについてどう思いますか?
サンディ:私は今、日本のブランドを着ているわ。大好きよ。ヘレナ・ボナム=カーターが変身する前の衣装は、実際かなり日本のデザイナーを基にしたわ。彼女について参考にしたのはすべて日本のファッションなの。
― ありがとうございました。
「夢を叶える秘訣」を語る
子ども頃、「服が好きで、洋服を作ることが好きで、すべてのお人形の洋服を作っていた」というサンディ。その想いを胸に、アートスクールを卒業し、シアター・デザインの仕事に就く。「これが私が入っていきたい世界だ」という直感を信じて突き進んだ後には、コスチューム作りに専念するため、現在の映画の道に進んだ。そんな彼女は、まさに夢を具現化してきたひとり。「夢を叶える秘訣」を聞いてみると、「自分の夢を信じ、それが実現するということを信じ、一生懸命働くということよ。それらの夢を実現させるために、がんばることね。自分自身でやらないといけないのよ」と、自身の経験と重ね合わせるように教えてくれた。(modelpress編集部)
実写版「シンデレラ」(2015年4月25日公開)
<ストーリー>母を病気で、父を事故で失ったエラは、父の後妻である継母とその連れ子のドリゼラとアナスタシアに「灰まみれのエラ」を意味する「シンデレラ」と呼ばれ、召使いのように扱われていた。ある日、耐えきれずに家を飛び出したエラは、森の中で城で働いているという青年キットと出会い、心を通わせる。王子である身分を隠していたキットは、城に帰ると父である国王から政略結婚を勧められるが、森で出会ったエラが忘れられず、彼女を探し出すため国中の未婚女性を招いた舞踏会を計画する。
<スタッフ>
監督:ケネス・ブラナー
製作:サイモン・キンバーグ、アリソン・シェアマー、デビッド・バロン
製作総指揮:ティム・ルイス
<キャスト>
リリー・ジェームズ/シンデレラ(エラ)
ケイト・ブランシェット/まま母(トレメイン夫人)
ヘレナ・ボナム・カーター/フェアリー・ゴッドマザー
リチャード・マッデン/王子(キット)
【Not Sponsored 記事】
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