「疑うなら別れよう」と送ってきた彼に、「いいよ」と送った私➡3日後、休憩室で鳴り続けた通知
休日のたびに増えた「ちょっと用事」
彼の様子が変わったのは、ふた月ほど前からです。
休みの日に会おうと誘うと、返ってくるのは「ごめん、ちょっと用事」だけ。それが3回続きました。会っているときも、スマホは画面を下にしてテーブルに置かれたまま。通知が鳴ると、すぐに手元へ引き寄せていました。
理由を聞けば済む話です。けれど、返ってくる答えが怖くて、ずっと黙っていました。ほかに会う人ができたのではないか。そう考え始めると、「用事」という一言さえ、言い訳にしか見えなくなっていました。
勢いで送った「いいよ」
その日も、誘いは断られました。
部屋で1人、チャットの画面を開いたまま考えて、短いメッセージを送りました。
「ねえ、最近なにか隠してない?」
既読はすぐにつきました。少し間があって、届いた返事は短いメッセージだけ。
「疑うなら別れよう」
画面を見て、まず思ったのは、ずるい、ということでした。聞いたことには答えずに、別れを持ち出してくる。引き止めてほしいのだとしたら、その手には乗りたくない。
迷わずに打ち込みました。
「いいよ」
既読のまま止まった3日間
彼からの返事は、来ませんでした。
1日目は、来ないなら来ないでいいと思っていました。2日目、彼の物を紙袋に詰め始めたものの、お揃いのマグカップを入れては出し、の繰り返しです。
チャットを開いて、「やっぱり」と打ちかけて、消しました。
ほかに好きな人がいるなら、もう返事をする理由もないのかもしれない。そう思うほど、送ってしまった返事が、取り消せないものに見えてきます。
3日目、仕事の休憩中に通知が鳴りました。
そして...
画面の上に、彼の名前が表示されていました。1件では終わらず、休憩室のテーブルに置いたスマホが続けて鳴ります。文面が目に入る前に、思わず画面を下に向けていました。
3日間、何も届かなかった相手です。別れを念押しするつもりなのか。それとも、ほかに好きな人がいると、今になって打ち明けるつもりなのか。読む前から、悪いほうの想像ばかりが浮かびました。
紙袋に入れては出したお揃いのマグカップが、頭をよぎります。「いいよ」と送ったのは私です。何が書かれていても、受け止めるしかありません。
通知がようやく止まったのは、休憩が終わる5分前でした。冷めたお茶を一口飲んでから、伏せたままのスマホに手を伸ばしました。
別れを切り出したのは、彼のほうです。それなのに、どうして3日間も何も送ってこなかったのか。その答えを、私はまだ知りませんでした。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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