記念日のために一人で下見した店。それを黙っていた僕の見栄が、彼女を不安にさせた
失敗したくなかった記念日
付き合って3年、彼女との記念日を、どうしても特別なものにしたいと思っていました。前から彼女が行きたいと話していたイタリアンのお店。けれど僕は、こういう場所で気の利いたふるまいをするのが昔から苦手でした。
だからこそ、当日にもたつきたくなくて、事前に一人で同じ店を予約して足を運んだのです。席からの眺め、料理の運ばれてくる間、会計の流れ。ひと通り確かめておけば、当日は彼女との時間に集中できる。そう考えてのことでした。
軽い気持ちで送ったスクショ
予約を取ったその日、僕は彼女に「予約取れたよ。楽しみにしてて」とメッセージを送りました。確認画面のスクショも一緒に。喜んでほしい一心で、深く考えずに送ったものでした。
そのスクショに、下見のために取った予約も一緒に写り込んでいたことに、僕はまるで気づいていませんでした。下見をしたことは、言うつもりがありませんでした。たいした手間でもないのに、わざわざ前もって行ったと知られるのが、なんだか格好悪い気がしたのです。
今思えば、その小さな見栄が、彼女を長く苦しめることになりました。
彼女に問われたとき
会って話していたとき、彼女が思いつめた様子で切り出しました。
「このお店、少し前の日にも予約してたよね。誰と行ったの?」
その問いで、僕はようやくスクショの写り込みに思い当たりました。やましいことは何もない。それなのに、とっさに「ああ、それね。気にしないで」とごまかしてしまったのです。
黙ったまま僕を見つめる彼女の顔を見て、これ以上はぐらかしてはいけないと思いました。
「ごめん。本当は一人で、下見に行ってたんだ」
打ち明けると、彼女の表情がほどけていくのがわかりました。同時に、彼女がどれほど不安だったのかも、その顔から伝わってきました。
そして...
驚かせたいという気持ちは、確かに本当でした。けれど、それ以上に「準備をしてきた自分」を悟られたくない気持ちがあったのだと思います。スマートに見せたくて彼女を不安にさせていたなら、本末転倒です。
彼女には「次は格好つけずに教えてほしい」と言われました。その通りだと思いました。下見をしたこと自体は、きっと話しても笑われるくらいで済んだはずなのです。隠したぶんだけ、彼女に痛い思いをさせてしまった。
次の記念日は、準備しているところも含めて彼女と一緒に楽しめる自分でいたい。そう思いながら、向かいで笑う彼女の顔を見ていました。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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