「おはよう」の次の一言を毎朝悩んで天気にしていた僕が、彼女に断られた朝に書けなくなった話
「おはよう」の次が、いつも難しい
朝起きて彼女にメッセージを送るとき、僕にはひとつの悩みがありました。「おはよう」までは迷わずに打てるのですが、その次の一言を考えるのに、毎朝10分はかかっていたのです。
愛情表現が得意な性格ではありません。「会いたい」も「好き」も照れくさくて言えない。それでも彼女には毎朝何かを届けたい。そう考えて辿り着いた答えが「その日の天気」でした。出勤前にスマホで天気予報を確認し、「おはよう。今日は晴れだよ」「おはよう。今日は雨だから気をつけて」と添える。1年続けてきた、僕なりの精一杯の朝の挨拶でした。
「知ってるよ」の朝
ある火曜日、いつものように「おはよう。今日は晴れだよ」と送りました。彼女からの返信は、すぐに届きました。「天気予報見てるから知ってるよ」。
確かにその通りです。スマホがあれば誰でもわかる情報を僕は1年間、毎朝得意げに送り続けていたのです。返信が思いつかないまま、その日は仕事中もずっと頭の片隅に彼女の文面が残っていました。明日からは何を送ればいいのだろう。考えれば考えるほど、わからなくなっていきました。
30分悩んだ末の一行
翌朝、目覚ましより先に目が覚めました。スマホを手に取って、入力欄にカーソルを当てたまま、何も浮かびません。「おはよう。今日は元気?」「おはよう。今日も頑張ろう」。打っては消しを繰り返しました。
30分ほど悩んで、結局僕が打ち込んだのは「おはよう。今日は何を送ればいいですか?」という一文でした。送信する前に、自分の文面が敬語になっていることに気づきました。直そうと思って入力欄を見つめましたが、ほかに思いつく言葉がなかったのです。送信ボタンを押すまでに、さらに5分かかりました。
そして...
返信は数分で届きました。「天気でいいよ」。たった一行のその返事に、ほっとしました。同時に、せっかく返してくれた彼女に、何か少しでも気の利いたことを言いたくなったのです。
考える前に、僕は打っていました。「今日は晴れ。お前に会えるから」。送信した瞬間、自分の言葉に耐えられず、電車の窓に額を寄せました。普段の自分なら絶対に言わない台詞です。でも本当のことでした。彼女に会える朝はそれだけで晴れているのと同じだと、ずっと思っていたのに、1年間うまく言葉にできずに天気予報で誤魔化していたのです。今夜会ったら、もう一度ちゃんと伝えようと思います。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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