「俺と猫、どっちが大事?」彼女からの猫写真に思わず返してしまった夜、自分が見えなくなった話
「可愛いね」を返していた頃
彼女が保護猫を迎えると言ったとき、僕は応援していました。一人暮らしの彼女が寂しくなくなるなら、いいことだと思ったのです。実際に猫を迎えた直後の彼女は、見たことがないくらい嬉しそうでした。
それからというもの、毎日のように「うちの猫、めちゃくちゃ可愛い」と写真が届きます。最初は僕も笑顔で「可愛いね」「目がまん丸でいいね」と返していました。ですが、3カ月を過ぎたあたりから、僕の中に説明のつかない感情が芽生え始めていました。ふと「また猫の話?」と返してしまった自分に、自分でも驚きました。
会えなくなっていく週末
ある日曜日、デートの約束がありました。しかし当日の朝、彼女から「ごめん、今日は猫の通院があるから」と連絡が入ったのです。会えない週末は、これで2回目だったと思います。仕方ないと頭ではわかっていました。動物を飼うとはそういうことだ、と。それでも夜、独りで食事をしながら考えていました。最近、彼女と直接顔を合わせた日数は、片手で数えられるかもしれない、と。画面の中の彼女は猫と笑っていて、僕は別の街で一人でビールを飲んでいる。夜が深くなるほど、その距離が広がっていく感覚がありました。
思わず送ってしまった一行
それから数日後の夜、また猫の寝姿の写真が届きました。気づけば、「俺と猫、どっちが大事?」と返信をしていました。送信ボタンを押してから、画面を見つめたまま動けなくなりました。30代にもなって、何を子供みたいなことを言っているんだろう。情けなさが込み上げて、すぐに取り消そうとしました。でも既読がついてしまった後で、もう遅かったのです。彼女からの返事はありませんでした。眠れないまま朝を迎え、罪滅ぼしのつもりでもう一通送りました。「もう写真送らなくていいよ」。事態を悪化させただけだと、自分でもわかっていました。
そして...
その日の夕方、彼女から返信が届きました。「ごめん、最近私ばかり話してたね」。短い一文を読んで、僕はしばらく画面を閉じませんでした。週末、久しぶりに彼女と会いました。彼女は猫の話をせず、僕の仕事の話を熱心に聞いてくれました。途中で、思わず「俺、変なこと送ったよな」と口にしてしまいました。彼女は「変じゃないよ」と答えてくれました。
僕が嫉妬していたのは、たぶん猫ではありません。彼女の暮らしから少しずつ抜け落ちていく自分の存在に、気づかないふりをしていた弱さのほうです。あの情けない一言は、消さずにおこうと思っています。同じ過ちを、二度と繰り返さないために。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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