子どもの頃「なんでお姉ちゃんばかり怒られるの?」と思っていた私→実家で見つけたノートに涙
いつも怒られるのは姉だった
子どもの頃、家で何かを壊したり、何かを忘れたりすると、決まって姉が叱られていました。コップを割ってしまった日も、宿題のプリントを失くした日も、「お姉ちゃん、何度言ったらわかるの」と声が響いていたのを覚えています。
私はそのたびに、陰からこっそり覗いていました。叱られているのは姉でしたが、姉は言い返すこともなく、「ごめんなさい、私がやったの」と小さくうなずいているだけでした。
押入れから出てきた古いノート
姉も私も実家を出て、しばらく経ったある春。両親が引っ越しを決めて、実家の片付けを手伝うことになりました。私たち姉妹の昔の物が詰め込まれた押入れの奥から、布の手提げに包まれた古いノートが出てきたのです。
表紙には姉の字で「交換日記」と書かれていました。子どもの頃の姉の文字でした。「これ、誰と?」と母に聞くと、母は少し笑って「あなたのお姉ちゃんと」と答えました。
ページをめくると、姉の字と母の字が交互に並んでいました。
30年越しに知った姉の本当
ノートには、姉が日々の小さな出来事を書き、母がそれに返事を返していました。その中の一ページに、こんな一文があったのです。
「今日も妹のかわりに怒られました。でも妹が泣かなかったからよかった」
母の返事はこう続いていました。「気づいてるよ。あなたの優しさに甘えてごめんね。あなたも泣いていいのよ」と。
子どもの頃の私が「なんでお姉ちゃんばかり怒られるの?」と思っていた、その答えがこのノートにあったのです。姉は、私を泣かせたくないという理由で、ずっと自分から「私がやった」と言い続けていました。母はその姉の優しさを、見抜いて、受け止めていたのです。
そして...
ノートを抱えたまま、私は姉に電話をかけました。「お姉ちゃん、ノートを見つけたの」と切り出すと、電話の向こうで姉が一瞬黙る気配がしました。「ありがとう。ずっと知らなくて、ごめんね」と伝えると、姉は少し笑って、「いいんだよ、好きでやってたんだから」と答えてくれたのです。
子どもの頃に聞けなかった疑問の答えを、20年越しに姉本人から聞きました。姉が私のために怒られていた分を、これからの長い時間で、少しずつでも返していきたいと思います。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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