「あの先生、やる気ないよね」ママ友と陰口を言い続けた私が、娘の卒業式の朝に聞かされた話
ママ友グループに流れた一言
新学期、6年生の担任発表があった日のことです。担任になったのは、口数の少ない男性の先生でした。授業参観に行っても、盛り上げてくれる雰囲気はなく、淡々と授業を進めていきます。
ママ友のグループチャットには、すぐに「あの先生、やる気ないよね」というメッセージが流れました。私も「ハズレだったね」と返信した記憶があります。行事のお知らせも最低限。係への連絡も短文。「もっと熱心な先生に当たりたかったね」というのが、私たちの共通の感想でした。
個人面談で感じた物足りなさ
2学期の個人面談に行ったとき、私は少し期待していました。半年も担任をしていれば、娘のエピソードを話してくれるだろう、と。けれど先生は、私の目をまっすぐ見て「お子さんは、本当によく頑張っていますよ」と言うだけでした。
具体的な話はなく、面談はあっという間に終わりました。帰り道、私はまた夫に愚痴をこぼしました。「もう少し具体的に話してほしかった」。淡白な対応が、その先生のすべてだと信じ込んでいたのです。
卒業式の朝、娘がこぼした一言
卒業式当日、家を出る前、娘がぽつりと言いました。「先生はね、私たちのこと、ちゃんと見ててくれたんだよ」。
聞けば、不登校気味だった同級生のために、先生は毎朝7時に教室で待っていてくれたそうです。給食費の支払いが難しい家庭の子には、目立たないように声をかけていたこと。派手なイベントを減らした分、一人ひとりと話す時間を作っていたこと。私の知らない6年生の教室の風景が、そこにありました。
そして…
卒業式のあと、教室で生徒たちが順番に「先生、ありがとうございました」と挨拶していきました。先生は生徒ひとりひとりの頭にそっと手を置いて「よく頑張ったね」と声をかけていきます。淡々とした、いつもの先生のまま。それでも、娘の番が来たとき、ほんの少しだけ長く手が置かれていた気がしました。
家に帰って、ママ友グループのチャットを開きました。「あの先生、やる気ないよね」という自分の言葉が、何度も並んでいます。先生のことを、私はずっと「見える努力」でしか測っていませんでした。
それでも、保護者にもわかるかたちでもう少し伝えてくれていたら、と思う気持ちは残ります。先生にも、伝える努力はしてほしかった。複雑な気持ちのまま、娘の口から出た「ちゃんと見ててくれた」の一言が、長く胸に残っています。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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