「かわいいメッセージ」の意味がわからず検索タブを3時間行き来した俺が、最後に出せた不器用な一文
届いた「たまにはかわいいメッセージ送ってよ」
平日の夜、自分の部屋でテレビを流して見てところに、彼女から通知が届きました。開くと、「たまにはかわいいメッセージ送ってよ」。
普段、俺は彼女のメッセージに「了解」「おけ」で返すことが多いのです。それで足りていると思っていました。深い意味があって素っ気ないわけではなく、単純に、他の言葉が思いつかないだけでした。画面に表示された「かわいいメッセージ」という五文字が、こちらを追い詰めてきます。とりあえず既読だけはつけてしまいました。
検索タブを開いた夜
スマホで「彼女 喜ぶ メッセージ」と検索してみました。出てきたのは「会いたい♡」「いつもありがとう、大好きだよ」といった文面ばかり。読みながら、これをそのまま送る自分を想像することはできません。どう考えても、俺のキャラで打てる言葉ではないからです。
別のサイトを開いては閉じ、候補を打っては消し、そのうち時計は1時間、2時間と進んでいきました。既読をつけたまま返事をしないのは悪い。でも、借り物の言葉を送る方が、もっと失礼な気がしたのです。気づけば、スマホを握ったまま机に突っ伏していました。
書いて消して、書いて消して
送り先の画面に向かって、何度も打っては消しました。「おやすみ、大事な人」。違う。「愛してる」。もっと違う。どれを打っても、自分の口から出た言葉ではない違和感が残ります。
3時間経ったところで、俺は検索タブを全部閉じました。借りてきた言葉ではなく、自分の中にある本音を探した方がまだマシだと思ったのです。考えて出てきたのは、ひどく素朴な一文でした。それでも、書いて消してを繰り返した中で、唯一嘘のない言葉でもありました。
そして...
送信したのは、「かわいいメッセージってなに。お前がかわいいから俺はもうそれでいい」という一文でした。送った直後、自分の文面を読み返して、頭を抱えました。開き直りにも言い訳にも取れる、どうにも不器用な返しになってしまったのです。
しばらくして届いた返信は「回りくどいけど嬉しい」でした。俺は少し迷ってから、「3時間かかった」と正直に打ちました。次に同じことを言われても、たぶん俺はまた時間がかかります。それでも、借り物の言葉よりは、3時間かけて絞り出した自分の言葉の方が、きっと彼女に届くのだと、その夜だけは信じてみたくなりました。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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