「車道側にいたいから」と返信した俺。彼女の鋭いひと言に、深夜のメッセージで本音がこぼれた
言葉にしたことのなかった癖
最初のデートから、俺はずっと彼女の右側を歩いてきました。別にそうしようと決めていたわけではありません。ただ、そこが一番自然に手を伸ばせる位置だったのです。利き手の側に彼女がいる感覚、と言えばいいのでしょうか。
俺は普段、あまり手を繋ごうと自分から言える人間ではありません。それでも右側を歩いていれば、信号待ちや人混みのなかで、そっと手を伸ばせる。そう思ってきたのです。本人に説明したことは一度もありませんでした。説明するほどのことでもないし、照れくさかったから、というのが正直なところです。
深夜の画面に浮かんだ一文
その夜、いつものようにベッドの中でメッセージを交わしていました。どうでもいい話題がひとしきり続いたあと、突然こんな一文が届いたのです。
「なんでデートの時いつも右側歩くの?」
画面を見た瞬間、少しだけ返信に迷いました。本音を打ち込むには、準備ができていなかったのです。考えるよりも先に、「車道側にいたいから」と打っていました。送ったあとで、自分でも返信が早すぎたなと思ったくらいです。
彼女を守りたい気持ちは嘘ではないのです。それでも、そう返したほうがこの場はやり過ごせる気がしたのです。そう思った自分のずるさに、胸の奥が少しちくりとしました。
「左側が車道の時も右にいるけど?」
少し間をおいて、次のメッセージが届きました。「左側が車道の時も右にいるけど?」。画面を見て、あ、と思いました。彼女はいつも、こういう小さな矛盾を見逃さない人です。
言い訳を重ねることもできたはずです。でも画面の向こうの彼女の顔を思い浮かべたら、なんとなく嘘でごまかすのは違う気がしました。スマホを見つめたまま、俺は指先でぽつぽつと打ったのです。「…手が繋ぎやすい」。
送信ボタンを押すまで、少し迷いました。文字にしてしまうと、車道の話よりよっぽど情けない理由に聞こえて、耳が熱くなったのを覚えています。
そして…
彼女からの返信は、「そっか」だけでした。それきり、しばらくメッセージは止まりました。俺は天井を見上げたまま、スマホを枕元に置いたのです。
格好いい理由を先に送ってしまう癖は、たぶんこれからもなかなか直らないのだと思います。それでも、ああやって優しく見抜いてくれる人が画面の向こうにいる限り、本音はいつか正しい順番で届けられる気がしたのです。次のデートでも、俺はきっと彼女の右側を歩くのでしょう。今度は、自分から先に手を伸ばすつもりです。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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