家出した夜に開いた母の日記。最後のページにあったのは「ごめんね」ではなかった
息が詰まる家
中学に入ってから、家に帰るのが憂うつでした。帰れば必ず何か言われる。その日も7時過ぎに帰ると「帰り遅かったね」と。友達と話していただけなのに。「別にいいでしょ」と返すと「よくないよ。連絡くらいちょうだい」いつもこの繰り返しです。
お母さんは私を信用していないのだと思っていました。何をしても心配、何を言っても注意。こちらの気持ちなんて聞こうともしないで、自分の正しさだけを押しつけてくる。そう感じる毎日でした。
飛び出した言葉
夕食中、友達からの相談にメッセージを返していたら「ごはんの間くらい置いたら?」と言われました。事情も聞かずに叱る母に、積もっていたものがあふれました。
「うるさい。お母さんがいなくなればいいのに」
言った瞬間、空気が変わったのがわかりました。でも引っ込めることができなかった。部屋に戻りカバンだけ掴んで外へ出ました。行くあてなんてありません。近くの公園のベンチに座って、ただ暗い空を見上げていました。
見てしまったノート
夜10時を過ぎて寒さに耐えきれず、家に戻りました。リビングの明かりは消えていて、母はもう寝たようです。台所に、一冊のノートが開いたまま置いてありました。母の字でした。
目に飛び込んできたのは、こんな一文です。「娘の帰りが遅いと怒ってしまう。本当はおかえりだけ言えばいいのに。心配が怒りに変わるのは、いつからだろう」ページをめくると、もっと前の日付にはこう書かれていました。
「私もあの頃、母に同じことを思っていた。いなくなればいいのにって」
分かり合えないと思っていた母にもそんな時期があり、母自身も悩んでいたのだと、その時知ったのです。
そして...
日記の最後のページに書いてあったのは「この関わり方が正しいのかわからない。でもやめ方もわからない」という一文でした。
ノートをそっと閉じて、棚に戻しました。翌朝、少しだけ早く起きてリビングへ行くと、母が「おはよう」と言いました。いつもなら返しません。でもその日は「おはよう」と小さく返しました。許したわけではありません。ただ、昨日と同じ自分でいることが少しだけ嫌になった、それだけのことです。
(10代女性・学生)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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