義母の介護を「知らない」と言い放った夫。そんな夫の親が倒れた夜、私が口にした言葉
「任せる」という名の丸投げ
母が転倒して入院したのは、去年の秋のことです。退院後は自宅での介護が必要になり、私は仕事を週3日に減らして通うようになりました。
夫は「任せる」と言いました。でもそれは「信頼している」という意味ではありませんでした。ケアマネとの打ち合わせも、薬の管理も、母の気分の浮き沈みへの対応も、全部私一人で抱えていた。「一度、一緒に来てほしい」と頼むたびに、夫はスマホの画面から目を離さないまま「わかった」と言い、翌週には忘れていました。
あの夜の言葉
限界が来たのは、ある水曜の夜です。母が「薬を飲んだかどうかわからない」と言い出して、記録ノートを取りに夜中に車を走らせました。帰宅したのが23時過ぎ。リビングでは夫が缶ビールを片手にテレビを見ていました。
「もう少し協力してほしい」と言ったとき、夫が顔を向けないまま口を開きました。「お前の親の介護なんか知らない」と。
冷たい場所に押し込まれたような感覚でした。夫の親でもあるのに、と思いました。でも言い返す気力も、もうありませんでした。
話さなくなった家
それ以来、私は夫に介護の話をしなくなりました。報告も、相談も、しない。
夫も何も聞いてきませんでした。介護の話をしないでいるうちに、他の話もしなくなっていた気がします。同じ家に暮らしながら、母のことを真ん中に置かないようにして、毎日をやり過ごしていました。
そして…
ある夜、夫のスマホが鳴りました。義父が救急搬送されたという連絡でした。夫の顔が青ざめていくのがわかりました。「父が倒れた。病院に来てほしい」。声が震えていました。しばらく、夫の顔を見ていました。「知らない」と言いたかったのかもしれません。でも口から出てきた言葉は違いました。
「わかってる」
翌朝、私はスマホを手に取りました。夫の父の担当医の連絡先を調べ、入院の段取りを確認しました。母の介護でひとつずつ覚えたやり方が、そのまま役に立ちました。夫が「ありがとう」と言いました。「母のときに覚えたから」と答えながら、あの夜の言葉をまだ許したわけではないと思っていました。でも手は動いていました。それだけは、確かなことでした。
(40代女性・事務員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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