「お前の夢より家族を優先しろ」と妻の転職を止めた俺→3年後、こっそり調べていた"あの会社"から届いた不合格通知
「家族を優先しろ」と言った夜のこと
妻が転職の話を持ち出してきたのは、子どもが2歳になった頃のことでした。目を輝かせながら求人票を見せてくる妻の顔は、久しぶりに見る表情で、正直なところ、少し眩しかったのを覚えています。
でも俺が口にしたのは「家族を優先しろ」という言葉でした。転職すれば収入が下がるかもしれない。子どもがまだ小さい。安定が一番だ。理屈は並べられました。
それでも結果として、妻は応募を諦めました。俺はその後、この話題に触れることを避け続けました。
笑わなくなっていった妻
転職を諦めてから、妻が少しずつ変わっていくのに気づいていました。
家事も仕事もちゃんとこなしている。でも、どこかぼんやりとしている。夕食の時間、言葉が減った。あの夜、求人票を見せてきたときのあの顔が、もう見られなくなった。
俺のせいだ、とわかっていました。わかっていながら、何も言い出せなかった。謝り方もわからなかったし、今さら「応募していいよ」と言える顔もなかった。
だから俺は、別の方法を選びました。
こっそり調べ始めた"あの会社"
妻が行きたがっていた会社のことが、頭から離れなかった。本当に安心して働ける職場なのか。残業は実際どのくらいか。口コミや評判を調べ始めたのは、妻が諦めてからしばらく経った頃のことです。
調べているうちに、直接問い合わせることにしました。妻のためにちゃんとした情報を集めたかった。ただそれだけのつもりが、気づけば選考が進んでいて、気づいたときにはもう止められなかった。
合格できれば妻に「俺が先に入ってみるから、後から来い」なんて言えるかもしれない。そんなことを、一人で考えていました。
そして...
しかし届いたのは、不合格通知でした。そして封筒を手にしたのは、俺ではなく妻でした。
「どういうこと?」
問い詰める声というより、戸惑ったような声でした。俺はしばらく黙って、それからようやく言いました。
「お前があの求人を見つけてきたとき、すごく楽しそうだったから。諦めてから笑わなくなったのが……俺のせいだってわかってた。あの頃に戻したかっただけだ」
不器用だと思います。あのとき素直に「不安だった」と言えていれば、3年も無駄にしなかったかもしれない。
その夜、妻は子どもが寝た後に勉強を続けていたことを打ち明けてくれました。俺は何も言えなかった。ただ「応援する」とだけ言いました。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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