共同貯金から親へ仕送りしていた僕が、彼女に隠し続けた理由
親への仕送りという事情
父が体調を崩したのは、二年ほど前のことでした。長く勤めていた仕事を辞めざるを得なくなり、実家の家計は一気に苦しくなりました。母もパートの時間を増やしていましたが、それだけでは足りません。長男として毎月いくらかを実家に送るのは、自分にとって自然な選択でした。
最初は自分の口座からやりくりしていましたが、結婚準備の出費が重なるうちに余裕がなくなり、やむなく共同口座から仕送り分を出すようになってしまったのです。彼女の積立分には手をつけていないから大丈夫だと、自分に言い聞かせていました。
同僚の一言が、口を閉ざさせた
ある日、職場の同僚がぼそっと漏らした話が胸に引っかかりました。「親に仕送りしていると彼女に言ったら、結婚後もたかられるって嫌がられた」と。その言葉が頭から離れなくなり、彼女に話すタイミングを何度も逃しました。
彼女は優しいから、きっと分かってくれると思っていましたが、もし引かれたらどうしようという不安が、ずっとせめぎ合っていました。黙っている時間が長くなるほど、切り出すハードルは上がっていく一方でした。
問い詰められた
彼女から届いたLINE、「共同口座から毎月送金があるんだけど、これって何かな?」なんと伝えればいいのかわからず悩んだ末に「ちょっと関わりのあるところに送ってる。迷惑はかけてないでしょ?」と返してしまったのです。
その後、何度か彼女から重ねて聞かれましたが、はぐらかしてしまいました。数日後、彼女が真剣な顔で話し合いたいと言ってきたとき、もう逃げられないと悟りました。すべてを話しました。親のこと、自分の口座では足りなくなったこと、同僚の話が怖くて言えなかったこと。「最初は自分の口座から出してたんだけど、正直きつくなって…。黙っててごめん」。それが、偽りのない本音でした。
そして...
彼女は、最後まで話を聞いてこう言いました。「仕送りが嫌なんじゃない。黙っていたことが悲しかった」その言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなりました。
二人で話し合い、仕送りは共同貯金とは別に管理するルールを決めました。彼女から届いた「これからは一人で抱えないでね」というLINEに、僕は「約束する。ありがとう」とだけ返しました。短い言葉でしたが、あのとき感じた安堵は、きっとこれからも忘れないと思います。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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